キャスト・スタッフインタビュー
渡哲也さん 吉川晃司さん 徳重聡さん 斉藤千晃さん 辰巳琢郎さん 吹越満さん 大杉漣さん 加藤晴彦さん
永江信昭さん 横手実さん 平山秀幸監督 川島章正さん 上田なりゆきさん 柴崎幸三さん
辰巳琢郎さん 辰巳琢郎さん(城山武郎役)
それぞれの役に思い入れができるような気がするんですよ
『レディ・ジョーカー』に出演されたきっかけは?
「だいぶ前から話は聞いていました。「こんな映画を作るんで、何かの役で出てくれませんか?」って言われていまして。実は最初別の役でオファーが来ていたんですけど、台本が上がった段階でこの役の方がいいだろうと・・・」
高村薫さんの原作は読まれましたか?
「途中までは読んだんですが、実は全部読みきってはいないんです。ただ、映画は、原作のニュアンスや設定は残しつつも、また違った作品になっているような感じがしますね。」
この映画はグリコ・森永事件がモデルとなっていますが、関西出身の辰巳さんとしては、この事件のことはどのように憶えてらっしゃいますか?
「ちょうど学生の頃だったかな。うちの劇団(当時、辰巳さんが座長をつとめられていた、『劇団そとばこまち』)の友達にもキツネ目の男にちょっと似ているのがいて、疑われましてね。ほんと身近な事件でした。同和問題にしても在日の問題にしても、関西にいると特別なことではありませんでしたから。」
平山監督から演技について打合せや要望はありましたか?
「平山監督とは初めてだったので最初はやっぱり手探りでした。最初にカメラアングルを決め、様々なパターンのお芝居を役者にやらせてみて、色々なパターンを見て、ピンと来るものを選んでる、みたいな感じでしょうか。で、先刻の方がいいとか、もう一寸こんなふうにと言った具合で、信頼できる監督さんでした。」
城山武郎役は登場回数が少ないものの、この映画の中ではキーパーソンとなっていると思いますが、辰巳さんは城山をどのように捉えられていましたか?
「どうなんでしょうね(笑) 役作りをするときって「こんな人」っていう一つの型は大事なんですけど、人間ってそんなきちんとしたレールを歩くわけじゃないので。ただ、演じるにあたっては、「あぁなるほど、そうだったのか」と後から気付くような部分を出したいと思っていました。出番が少ない中できっちり存在感や印象を持たせなければ、と考えていました。」
今回辰巳さんは大企業の一員という役でしたが、犯人側(レディ・ジョーカー)についてはどのように思われましたか?
「何が正義で何が悪か。絶対の真理とか正義、っていうのはないと、僕は思ってるんです。そういう意味でも、やっぱりこの映画は、単純な勧善懲悪の作品じゃないと思います。『レディ・ジョーカー』側に対しても、それぞれの役に思い入れができるような気がするんですよね。」
撮影中のエピソードなどありましたら、お聞かせ下さい。
「エピソード的なものではないですが・・・撮影は、クランクインしてすぐの頃にやったのかな。心地よい緊張感というか、捉えどころのない未知のものに触れるような、緊張感がありましたね。この作品どうなるんだろう、どういう風に撮っていくんだろうと、僕も思っていましたし、監督も思ってらっしゃったかもしれないですね。どうなるのか皆でいっしょに楽しもうという感じでしょうか」
このサイトをご覧のみなさんへメッセージをお願いします。
「映画『レディ・ジョーカー』、かなり面白い映画になっていると思います。是非観てください。」
※辰巳琢郎さんの「琢」の字は、「、」が入る旧字体ですが、「琢」の文字で表示しています。
<プロフィール>
大阪市出身。京都大学在学中に「劇団そとばこまち」を主宰。
1984年、卒業と同時にNHK朝の連続テレビ小説「ロマンス」で全国区デビュー。
以来、知性・品格・遊び心と三拍子揃った俳優として幅広い分野で活躍。映画出演は、1992年「橋のない川」1995年「ゴジラVSデストロイア」2000年「破線のマリス」2003年「手紙」2004年「石井のおとうさんありがとう -石井十次の生涯―」など。
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