映画『スイート・マイホーム』大ヒット御礼舞台挨拶に齊藤工監督、蓮佛美沙子、里々佳が登壇 !「史上“最低”な顔をしてほしい」齊藤監督の演出に蓮佛美沙子はワクワク。
2023.09.10(日曜日)

映画やドラマで俳優として活躍する一方、監督やプロデュース業でも多彩な才能を発揮する齊藤工さんが監督した映画『スイート・マイホーム』が大ヒット公開中。これをを祝して9/9(土)にTOHOシネマズ 六本木ヒルズで行われた<大ヒット御礼舞台挨拶>に齊藤工監督と、出演者の蓮佛美沙子さん、里々佳さんが登壇しました。

原作は、2018年に「第13回小説現代新人賞」を受賞した注目の作家・神津凛子氏のデビュー作で、1台のエアコンで家全体を暖められるという「まほうの家」と呼ばれる念願のマイホームに引っ越した直後から、次々と奇妙で不可解な現象に襲われる一家の姿を描く予測不能のホラー・ミステリー。

主演に窪田正孝さんを迎え、蓮佛美沙子さん、奈緒さん、窪塚洋介さんら実力派俳優たちが顔を揃え、幸せな一家が新居に移り住んだことを起点に巻き込まれていく恐怖の連鎖が描かれます。


©2023『スイート・マイホーム』製作委員会 ©神津凛子/講談社

公開から1週間が経過したこの日も、満員御礼。舞台挨拶開始前に挙手で回答を求めると、既に複数回鑑賞されている方も多く、中には「公開を待ちわびていた」と韓国からこの舞台挨拶のために来日したという齊藤監督のファンもいました。

海外の映画祭を含めて各地でPR舞台挨拶を続行中の齊藤監督は「早いもので映画公開から一週間…」としみじみするかと思いきや「色々な舞台挨拶を通して気づきましたが、自分の声が低すぎて眠くなる。まるで自分の角で死ぬサイみたい。年々声が低くなっているので、いつかこの声で死ぬのではないかと思う」とジョーク。

すると蓮佛さんは「実は私も監督の第一印象は “眠くなる” でした!でも監督の声は凄く心地が良くて、副交感神経系が良い感じになって来るんです」と齊藤監督のイケボを絶賛し、里々佳さんも「現場でも、落ち着く声だったので温かみを感じました」と癒されたよう。

賢二(窪田正孝)の妻で、暖かい新居への移転を夢見ている清沢ひとみ役を務めた蓮佛さん。背筋が凍るような蓮佛さんのラストカットについて齊藤監督は、韓国映画『殺人の追憶』(2003年)のラストカットと比較しながら「見るたびに恐ろしいと思ったけれど、このラストの蓮佛さんを突きつけたいと思いました。見たくないけれど見たい…。そんな不思議な感覚でした」と回想。

これに蓮佛さんも「最初はワンテイク目でOKが出たのですが、齊藤監督からは『蓮佛さん史上最低な顔をしてほしい』とリテイクの指示を受けてワクワクしました。本能的に出た私の中の最低な顔と、ひとみの中の最低な顔が本編で使用されている表情です。自分の想像の枠を超えた部分を演出してもらって、自分でもこんな顔をしていたのかと驚きました」と舞台裏を明かしました。

賢二が働くスポーツジムのインストラクター・原友梨恵役を演じた里々佳さん。いずれ家庭を持ち「良いお母さん」を夢見る役どころですが「演じる上では自分の欲望だけを考えていました。撮影の準備期間はわがままに生活をしようと思って、言いたいことを言って人の話を聞きませんでした。その期間中に私と会った人は、私に対していい印象がないかもしれない」と苦笑い。齊藤監督は「被害者が出ていますね…」と熱の入った役作りに舌を巻いていました。

また一番好きなシーンの話題になると、里々佳さんは「蓮佛さんの最後のシーンは印象的でしたが、何気ない風景を捉えたような引きの画も好き。この作品の怖さは、ジワジワといつの間にか浸食されていくようなところにあるから」とピックアップ。

一方、蓮佛さんは賢二(窪田)の取り調べシーンを挙げて「あの時の表情が好き。車の中で刑事から取り調べされているところの応酬も含めて、皮膚で芝居するってこういうことなんだと思いました。もはや毛穴が賢二みたいな。それくらい衝撃を受けました」と独特な言い回しでお気に入り場面を挙げました。

齊藤監督はベテランカメラマン芦澤明子さんの撮影センスに触れながら「ロジカルかつライブ感を持って撮られていく画に興奮しました。また賢二たちが住宅展示場に入っていく様子をハイスピードで捉えたシーンは、住宅展示場が魔界の入り口にように見えました。演者もさることながら、素晴らしいクルーの皆さんに感動を覚えました」とスタッフ&キャストに感謝してました。

最後に齊藤監督は「里々佳さんが焼いて焦げた干物の灰、蓮佛さんが捌いてくれた内容量の多いタラ、様々な十字架など、僕の中では意味と意図を持ったものがたくさん出てきます」とこだわりに胸を張りながら「総じて自分が愛でる映画というものはお客さんを信じているものだと思っています。この映画を作った時間とは、原初的な人間という物体を捉えたものをそぎ落としながら、そこに挑んだ時間だったと思います。作品の寿命を決めるのは観客の皆さんです。ある種の責任を背負っていただき、この作品に何か感じるところがあれば周りの方に勧めていただきたいです。映画界の現状は切実です。希望ある未来に向かうためにも、この映画をこれからも応援してください」と熱っぽく呼び掛けました。

齊藤監督による意味と意図を持った演出、それに応える役者の皆さんのお芝居をによって描かれる、主人公家族が遭遇していく恐怖の連鎖を、ぜひ劇場でご体感ください!

映画『スイート・マイホーム』2023年9月1日(金)絶賛公開中!

ストーリー
極寒の地・長野県に住むスポーツインストラクターの清沢賢二は、愛する妻と幼い娘のために念願の一軒家を購入する。“まほうの家”と謳われたその住宅の地下には、巨大な暖房設備があり、家全体を温めてくれるという。理想のマイホームを手に入れ、充実を噛みしめながら新居生活をスタートさせた清沢一家。だが、その温かい幸せは、ある不可解な出来事をきっかけに身の毛立つ恐怖へと転じていく。
差出人不明の脅迫メール、地下に魅せられる娘、赤ん坊の瞳に映り込んだ「何か」に戦慄する妻、監視の目に怯えて暮らす実家の兄、周囲で起きる関係者たちの変死事件。そして蘇る、賢二の隠された記憶。その「家」には何があるのか、それとも何者かの思惑なのか。最後に一家が辿り着いた驚愕の真相とは?


©2023『スイート・マイホーム』製作委員会 ©神津凛子/講談社

『スイート・マイホーム』関連ニュース
公開記念舞台挨拶の模様
『福山雅治 福のラジオ』に齊藤監督出演
前夜祭イベントの模様
大阪先行上映の模様
ジャパンプレミアの模様
上海国際映画祭舞台挨拶の模様
予告&本ビジュアル完成
主題歌決定
上海国際映画祭出品決定&新場面写真解禁
場面写真解禁&公開日決定
特報&ティザービジュアル解禁
第2弾出演俳優解禁
映画化決定

 

『スイート・マイホーム』

★2023年9月1日(金)全国公開★

第13回小説現代新人賞に輝いた神津凛子の衝撃デビュー作、待望の映像化。

監督:齊藤工 脚本:倉持裕

原作:神津凛子「スイート・マイホーム」(講談社文庫)

出演:窪田正孝 蓮佛美沙子 奈緒 中島 歩 里々佳 吉田健悟 磯村アメリ 松角洋平 岩谷健司 根岸季衣 窪塚洋介

製作幹事・配給:日活 東京テアトル