齊藤工監督が、映画『スイート・マイホーム』で6年ぶりに上海国際映画祭に凱旋!
2023.06.19(月曜日)

映画やドラマで俳優として活躍する一方、監督やプロデュース業でも多彩な才能を発揮する齊藤工さんが監督、窪田正孝さんが主演を務める映画『スイート・マイホーム』が上海国際映画祭で絶大な人気を集めて上映され、6年ぶりに華やかに登壇した齊藤監督の姿に会場は拍手喝采となり、熱狂的に迎えられました!

本作は、2018年に「第13回小説現代新人賞」を受賞した注目の作家・神津凛子氏のデビュー作を映画化した作品。

メガホンを取る齊藤工監督は、俳優業の傍らで20代から映像製作にも積極的に携わり、齊藤工名義での初長編監督作『blank13』(18)では国内外の映画祭で8冠を獲得(俳優「斎藤工」は、自身の監督する作品については監督名を「齊藤工」と表記)。『フードフロア:Life in a Box』(20)では、AACA2020(アジアン・アカデミー・クリエイティブ・アワード)にて、日本人初の最優秀監督賞を受賞した他、劇場体験が難しい被災地や途上国の子供たちに映画を届ける移動映画館「cinéma bird」の主宰や全国のミニシアターを俳優主導で支援するプラットフォーム「ミニシアターパーク」を立ち上げるなどマルチに活動しています。

齊藤監督とタッグを組み主演を務める窪田正孝さんは、連続ドラマ『臨床犯罪学者 火村英生の推理』(16)でバディ役として齊藤監督と共演。『劇場版ラジエーションハウス』(2022)『決戦は日曜日』(2022)などの話題作で主役を演じ、『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』で主演を務めることも話題になっている窪田さんが、奇妙な事件に巻き込まれていく主人公・清沢賢二を演じます。『火村英生の推理』以降、いつか共に作品を作ることを約束してきた二人が監督と俳優として相まみえ、これまでに見たことのない化学反応を創出していきます。

さらに、蓮佛美沙子さん、奈緒さん、窪塚洋介さん、中島歩さん、里々佳さん、松角洋平さん、根岸季衣さんら演技派俳優陣が、共演陣として顔を揃えました。

チケットはわずか1分で完売!6年ぶりの凱旋で熱狂的に迎えられた齊藤工監督

6月9日より18日まで開催され、中国国内で唯一の国際映画製作者連盟(FIAPF)公認長編映画祭である<第25回上海国際映画祭>には、日本映画も多く出品されました。

長編コンペティション部門で、見事、最優秀作品賞、最優秀女優賞、最優秀脚本賞の3冠に輝いた熊切和嘉監督の『658km、陽子の旅』や、山田洋次監督の『こんにちは、母さん』、GALA部門の山下敦弘監督『1秒先の彼』と共に出品された『スイート・マイホーム』では、齊藤工監督が2018年に『blank13』で同映画祭アジア新人賞部門で新人監督賞を受賞して以来、6年ぶりに上海に凱旋しました。
 

齊藤監督の舞台挨拶付き上映チケットは予約の開始からわずか1分足らずで1,200の客席が完売し、上映会場との往来ではあっという間にファンに囲まれて写真撮影とサインを求められるなど、齊藤監督の中国での絶大な人気を改めて証明する状況が続きました。

17日に満席の観客の中で上映され、上映後舞台挨拶に、本作の中村陽介プロデューサーとともに登壇した齊藤監督は大歓声で迎えられ、質疑応答では作品のテーマに深く踏み込んだファンとの意見交換が活発に行われました。

「原作に沿った描き方をした」という齊藤監督ですが、「キャストの皆さんにアイデアを出していただいて、キャラクターに向き合っていただき、一体化させる努力をたくさんしていただきました。主役の窪田正孝さんはもちろん、奈緒さんや蓮佛美沙子さん、そして窪塚洋介さんからも事前に演技アプローチのアイデアをいただきました。みなさんがこの作品と向き合ってくださってとても感動的でした」と俳優との交流ぶりを語りました。

上海国際映画祭で前回受賞した『blank13』も家族についての話で、『スイート・マイホーム』も家族がテーマであることについて問われると、「自分が描けるものというのは、どこか自分が体験したこと、強く色濃く想像できうるものは自分の実体験に基づくものなのだと思っています。だから、自然と “家族” というテーマが描かれているのかと思います。今作は、原作の神津凛子先生がご結婚されていて、お子さんもいらっしゃって、ご自宅の間取りを参考にこの物語を書いたという、幸せな中にいるであろう方の想像というものに、この作品の本質があるのかなと思っています。一見幸せに見えるような中にも、そこに世界と繋がるストーリーラインがあるんじゃないかなと。この作品を皆さんと一緒に観て、“家族” という共通言語が、皆さんと僕らの間で繋がれるひとつの糸みたいなものがあると思いました」と語りました。

また、ラストシーンについて聞かれると、「全てはラストシーンに向かって作られた映画で、小説だから描ける描写を実際に僕らが映画としてどう映すべきなのかということは、とても強く考えました。直接的な表現に迫りながらも、そこから反射される主人公・賢二の瞳に何が映ったのか。賢二の目に映ったものや、観客である皆さんの目に映ったもの。人それぞれ違っていいと思うんですけれども、自分の中にももしかしたら、ある悪魔が少しのきっかけからどんどん大きくなっていくような、遠い話ではなく自分の中にももしかしたらあるんじゃないかという思いを持ちながら描きました」と答えました。

授賞式では、最優秀アニメーション部門のプレゼンターとして、多くのアニメーション作品を手掛けてきた真木太郎氏とともに齊藤監督が登壇。流暢な中国語で挨拶し、会場から大きな歓声が起こりました。クレイアニメの企画制作に携わった経験を持つ齊藤監督は「アニメーションは、窓のようなものだと思っています。世界中の子どもたちに、その窓を通して、たくさんのアニメーションでいろいろな世界を感じてほしいと思っています。私たち大人も、子どもに帰れるそんなスペシャルなジャンルがアニメーションだと思っています」と締めくくりました。

映画『スイート・マイホーム』は、日本国内では9月1日より全国公開。個性的な実力派俳優が集結し、新居購入をきっかけに主人公家族が遭遇していく恐怖の連鎖を描いた本作に、引き続きご注目ください!

映画『スイート・マイホーム』2023年9月1日(金)全国公開!

ストーリー
極寒の地・長野県に住むスポーツインストラクターの清沢賢二は、愛する妻と幼い娘のために念願の一軒家を購入する。“まほうの家”と謳われたその住宅の地下には、巨大な暖房設備があり、家全体を温めてくれるという。理想のマイホームを手に入れ、充実を噛みしめながら新居生活をスタートさせた清沢一家。だが、その温かい幸せは、ある不可解な出来事をきっかけに身の毛立つ恐怖へと転じていく。
差出人不明の脅迫メール、地下に魅せられる娘、赤ん坊の瞳に映り込んだ「何か」に戦慄する妻、監視の目に怯えて暮らす実家の兄、周囲で起きる関係者たちの変死事件。そして蘇る、賢二の隠された記憶。その「家」には何があるのか、それとも何者かの思惑なのか。最後に一家が辿り着いた驚愕の真相とは?


©2023『スイート・マイホーム』製作委員会 ©神津凛子/講談社

『スイート・マイホーム』関連ニュース
予告&本ビジュアル完成
主題歌決定
上海国際映画祭出品決定&新場面写真解禁
場面写真解禁&公開日決定
特報&ティザービジュアル解禁
第2弾出演俳優解禁
映画化決定

 

『スイート・マイホーム』

★2023年9月1日(金)全国公開★

第13回小説現代新人賞に輝いた神津凛子の衝撃デビュー作、待望の映像化。

監督:齊藤工 脚本:倉持裕

原作:神津凛子「スイート・マイホーム」(講談社文庫)

出演:窪田正孝 蓮佛美沙子 奈緒 中島 歩 里々佳 吉田健悟 磯村アメリ 松角洋平 岩谷健司 根岸季衣 窪塚洋介

製作幹事・配給:日活 東京テアトル