映画『海を駆ける』ファントークイベントが6/11(水)テアトル新宿で行われ、深田晃司監督と、深田作品の大ファンを公言する漫画家のしりあがり寿さんと映画ライターのよしひろまさみちさんが登壇されました。
映画『海を駆ける』は、『淵に立つ』で第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門の審査員賞を受賞した、今や世界の映画人が注目する深田晃司監督の最新作。2011年東日本大震災後に大学研究チームの震災復興リサーチに参加した深田監督は、2004年スマトラ島沖大震災で津波による壊滅的な被害を受けつつも復興を遂げた街バンダ・アチェを訪れた際、本作のアイデアを想起。自然は時に豊かに美しく、時に脅威となり人を飲み込み、また人間の生活は自然と共にあるという様を、インドネシアの美しい海、そして国籍や宗教を越えて育まれる若者たちの友情を通して描くファンタジーです。
ファントークイベントでは、深田監督とおふたりとの出会いや、最新作となる本作の撮影方法など裏話について語っていただきました。
しりあがり 観終わって、ここを(映画最後のシーンのように)駆けたくなりますね。(観終わったばかりのお客様とともに興奮の様子)
深田監督 蝶のシーンなどCGもありますが、最後の海を駆けるシーンは力わざで橋を作って潮が満ちる前にCGなしで撮影しましたね。あと、花を生き返らせるシーンもアナログなのですが、花を枯れるまでずっと撮影し続けて逆再生したんですよね。
― 二人のご関係について
しりあがり 深田監督の『歓待』をきっかけに、私が毎年行っているさるハゲロックフェスティバルの映像記録をお願いしているんですよね。
よしひろ カンヌ(受賞)の監督にですよ(笑)!
― 『淵に立つ』について
しりあがり 大好きですが、嫌な気持ちになりますよね(笑)。
よしひろ 言葉を許していただけるのであれば、深田監督の作品はすべてド変態だなと思っております(笑)。監督はすごくいい人なのですが、映画はドSですよね。今回の作品ではインドネシア語と英語が話せるおディーンさんが喋らないなんて(笑)。こんなドSなことありますか!
深田監督 ディーンさんにせ喋らせないなんて贅沢だと葛藤しながら、会見のシーンも中国語をもっと増やそうかと思ったんですが、結局インドネシア語と英語のみにしましたね。
― 太賀さん・鶴田さんの語学について
深田監督 太賀さんと鶴田さんには2か月インドネシア語を勉強してもらい、鶴田さんは上手くなりすぎないように気を付けてもらい、太賀さんはネイティブに見えるようにしていただきました。また、太賀さんはリアクションが上手くて、ちょっとしたしぐさも現地の人も認めるくらい自然で、現地のキャストとも仲良くなっていたので、リアルなリアクションが撮れたと思います。
しりあがり 僕も、太賀さんが現地の人に見えました。演技っぽくなく、そのおかげで作品がよりリアルに見ましたね。(会場のお客様も納得の様子)
本作の撮影はほぼノーアドリブで、太賀さんとアディパティ・ドルケンさんのハンドシェイクを太賀さんからの提案で追加し、映画後半のシーンで歌も追加したそう。
しりあがり 若い子の意見など、どんどん取り入れて追加するのが、素晴らしいですね。
深田監督 (歌を追加した経緯について)インドネシア人スタッフは休憩の度に歌っていて、それがどんどん広がり、皆で合唱するのですが、日本人スタッフは皆が歌詞を知っているような歌がなくて、(長渕剛さんの)「乾杯」を歌ったりしてましたね。一生懸命iPhoneで歌詞を探しながら(笑)。
―SNSでの反応について
深田監督 今回SNSのキャンペーンで「#海を駆けてきた」のハッシュタグで感想が見られるので、見てしまいますね。あまり深追いすると地雷を踏んでしまうので、ほどほどで。(監督は実際にSNSで多くのコメントに反応し、感想が気になってしまう様子)
よしひろ みなさんもツイートしていただければ、(本日風邪で声の枯れ気味な監督に対し)声の枯れていないネット上の深田監督が降臨しますよ!
― 最後の海を駆けたシーンでキャスト4人が同時に海に落ちるシーンについて
深田監督 橋を走っていたあと、本当に落ちるリアクションが欲しかったので、(バラエティ番組の)落とし穴みたいに一気に下を開けて4人同時に落としましたね(笑)。
しりあがり&よしひろ (笑顔の監督に)人がわるい~!
深田監督 映画はいかに上手くウソをつくか、だと思うので、このぐらいが丁度いいんじゃないでしょうか。(監督の言葉に、だからこそリアルさがあると皆さん納得の様子)
映画『海を駆ける』絶賛公開中!
CGを使わずリアルさを求めた演出の数々も楽しめる『海を駆ける』を、ぜひ劇場でご体感ください!
ストーリー
インドネシア、バンダ・アチェの海岸で倒れている謎の男が発見される。片言の日本語やインドネシア語を話すが正体は不明。その謎の男にラウ(=インドネシア語で「海」)と名付けて預かることになった、災害復興の仕事をしている貴子と息子のタカシたち。その周辺で謎の男・ラウは様々な不思議な奇跡と事件を巻き起こしていく―。果たしてラウは何者なのか...
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映画『海を駆ける』関連ニュース
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*初日舞台挨拶
*公開直前&小説発売記念イベント
*外国人特派員イベント
*予習上映イベント
*完成披露イベント
*予告解禁
*製作発表記者会見
*公開決定
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★2018年5月26日(土)公開★
世界待望!深田晃司×ディーン・フジオカ 心揺さぶる美しきファンタジー!
監督・脚本:深田晃司
出演:ディーン・フジオカ 太賀 阿部純子 アディパティ・ドルケン セカール・サリ 鶴田真由
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