ベネチア国際映画祭、ベルリン映画祭と並び、世界三大映画祭の一つ、「カンヌ国際映画祭」、今回日本の作品の中から、今村昌平監督『赤い橋の下のぬ るい水』、青山真治監督『月の砂漠』、是枝裕和監督『ディスタンス』が、最高賞パルム・ドールのノミネート作品として選ばれた。
最高の栄冠パルム・ドールに輝いたのは、映画『La Stanza del Figlio(ナンニ・モレッティ監督、イタリア)』。

映画『赤い橋の下のぬ るい水』は、パルム・ドールこそ逃したが、公式上映後2500人収容の大劇場ルミエールは、エンドロールが終わっても、拍手が鳴り止まない。約4分間のスタンディング・オベーションに、主演の役所広司(45)、清水美砂(30)は感無量 の表情を浮かべていた。
史上初の3度目となるパルム・ドールを狙っていた今村監督は、体調不良のためにカンヌ入りを断念。役所は「ワイルドでありながら繊細でもある、今村監督の演出がフランス人の好みに非常に受け入れられるんですね」と分析した。初めてスクリーンで見たヒロインの清水美砂も「大げさかもしれないけど、一生に一度あるかないかの舞台。温かい拍手に感謝してます」と感激の面 持ち。
また夫のチャールズ・アレン・バークレーさん(27)から「映画の後、『良かったね』と言われました」と表情を和ませていた。

今村昌平監督は、黒澤明監督亡き後、日本人監督では、海外からプリセールス(映画が完成する前に海外の配給会社と契約すること)の声がかかる貴重な存在。
公開:2001年11月(予定)