ブルーレイBOX発売を記念し、国内初『殺しの烙印』4K上映イベント開催!上映後には真理アンヌが登壇! 鈴木清順監督との出会いは“日劇の楽屋だった!!”
2023.11.06(月曜日)

鈴木清順生誕100周年記念シリーズの第一弾ブルーレイBOX「セイジュンと男たち」の発売(発売日:2024年1月10日)を記念して、第79回ヴェネツィア国際映画祭クラシック部門で最優秀復元映画賞を受賞した『殺しの烙印』[4Kデジタル復元版]の国内初の4K上映が、11月5日(日)に新文芸坐で開催されました。

上映後のトークイベントには、女優の真理アンヌさん、映画評論家の轟夕起夫さんの2名が登壇し、真理さんが演じたミステリアスな美女・中条美沙子の役どころや製作当時を振り返るとともに、クエンティン・タランティーノ、ジム・ジャームッシュ、デイミアン・チャゼル、ポン・ジュノ、ウォン・カーウァイら、世界の名立たる監督たちから今なお熱狂的に支持されている鈴木清順監督について語り合いました。

上映終了後、熱狂的なファンたちの熱い拍手の中、真理アンヌさんと映画評論家の轟夕起夫さんが登壇し、トークイベントがスタート。

まずは轟さんから真理さんと鈴木清順監督との出会いと出演オファーについて質問されると「日劇ミュージックホールで歌っていた時に、台本を持って清順監督が楽屋にいらしてくださって、<美沙子という役をやりませんか?>という感じでした」と、監督から直々のオファーが二人の出会いであったことを明かしました。

主に歌手として活動していた真理さんでしたが結果が振るわず、歌手活動と並行して映画やドラマのオファーが舞い込むようになった、と当時を振り返りました。「忘れてしまったことも多い」と話す真理さんに、轟さんは「清順監督も何を聞いても<全部忘れた>と仰る方だった」と二人の共通点を指摘しました。

真理さんが演じた中条美沙子役について聞かれると、「それまでカタカナの名前の役が多くて、漢字の名前が新鮮で嬉しかった。美沙子という日本人の名前に惹かれた」という真理さんならではの想いを吐露。ミステリアスな美女・美沙子をどう作り上げたかについては、「私の担当のデザイナーに作ってもらったものを現場に持っていっていました」と真理さんのこだわりとセンスを生かした役作りが行われていたことを明かしました。

鈴木清順監督の演出と役作りへの要望について聞かれた真理さんは「私は本当はよく笑うタイプなのですが、そういうのは無しで無表情で、ということでした。私としては“普通でいられない”ということが難しいことでしたね」と当時を振り返りました。

特に印象的だったシーンを聞かれると、蝶の部屋のシーンを挙げて「蝶々や蛾、虫全般が苦手なのでああいうシーンは大変で朝から憂鬱です」と苦労を吐露。『殺しの烙印』で披露された自身のヌードシーンについても「水着が多かったから、隠す布の切れっぱなしがなくなっただけでどうってことなかった」と語りました。これまでのキャリアを例えて「エキストラ時代は小学生、『殺しの烙印』の頃が中学生、「11PM(イレブン・ピーエム)」の頃が高校生になったかな、みたいな(笑)」と回願しました。

『殺しの烙印』を撮影する前に鈴木清順監督作品で参考にした作品があるか聞かれると、「『肉体の門』を観て、野川由美子さんの演技が素晴らしいなと思いました」と答えました。鈴木清順監督との交流については、「一度お食事をご一緒しました。駒形どじょうの鍋をご馳走になりまして、あんまり映画の話はしなかったですね」と『殺しの烙印』出演後の貴重な交流を明かしました。

轟さんが真理さんと鈴木清順監督との思い出として、過去に収録した音声コメンタリー収録の際に「清順監督が<『殺しの烙印』は真理さんの映画だね>と言い切っていました」というエピソードを話すと真理さんからも思わず笑みが溢れました。

鈴木清順監督の印象を聞かれると「優しい監督さんでしたよね。全然怒らないし、私も怒られたことはないです。声を荒げることも全然なく<あとはご自由に>が多かったですね。だから自分の中で役やシーンをこういう風にしようとちゃんと考えてないと出来なかったです」と当時を振り返っていました。

最後に今後の活動については「13歳から歌をはじめてもうこの年までやってきたんだから十分でしょう、頑張りました」という真理さんに、会場から温かい拍手が送られてイベントを締めくくりました。

尚、このトークイベントの模様は2024年1月10日に発売されるブルーレイBOX「セイジュンと男たち」に映像特典として収録される予定です。
 

「鈴木清順生誕100周年記念シリーズ」Blu-ray ボックス
★其の壱「セイジュンと男たち」2024年1月10日発売!
★其の弐「セイジュンと女たち」2024年3月6日発売!


©日活

『殺しの烙印』(ころしのらくいん)[4Kデジタル復元版]

★第79回ヴェネツィア国際映画祭クラシック部門(ヴェニス・クラシックス) 最優秀復元映画賞受賞
プロの殺し屋ランキングNO.3の花田は、組織の幹部を護送する途中でNO.2とNO.4の殺し屋たちに襲撃されながらも任務を終え、殺し屋NO.2へランクを上げる。さらに上を目指す花田だったが、次の仕事で失敗すると、組織は美女・美沙子を差し向ける。花田は殺し屋NO.1・大類ともトップの座を賭けて対決することになり…。鈴木清順のスタイリッシュな魅力にあふれる異色のアクション映画。
監督:鈴木清順 脚本:具流八郎 撮影:永塚一栄 美術:川原資三 音楽:山本直純
出演:宍戸錠 南原宏治 真理アンヌ 玉川伊佐男 小川万里子 南廣 大和屋竺
1967年/本編91分/モノクロ/スコープ

鈴木清順(すずき・せいじゅん)
(1923-2017 享年93歳)
東京生まれ。43年に学徒出陣で応召。46年に復員し、48年に松竹大船撮影所の助監督試験に合格。中村登、岩間鶴夫などの助監督を経て、54年に製作を再開した日活に移籍し、野口博志に師事する。56年、『勝利をわが手に-港の乾杯-』で監督デビュー。『野獣の青春』(63年)、『刺青一代』(65年)、『東京流れ者』(66年)、『殺しの烙印』(67年)など、独自の作風を確立すると、そのスタイルは<清順美学>と評されるようになった。『ツィゴイネルワイゼン』(80年)で第4回日本アカデミー賞最優秀作品賞、第31回ベルリン国際映画審査員特別賞を受賞し、国内外にその名を轟かせた。

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【商品詳細紹介】

鈴木清順生誕100周年記念シリーズ Blu-ray BOX 其の壱「セイジュンと男たち」
※仕様や特典は予定となります。予告なく変更する場合があります。


■発売日:2024年1月10日(水)
■価格:33,000円(税込)
■品番:HPXN-319
■収録作品(Blu-ray)
ディスク①『殺しの烙印』[4Kデジタル復元版] 1967年
ディスク②『けんかえれじい』 1966年
ディスク③『野獣の青春』 1963年
ディスク④『俺たちの血が許さない』 1964年
ディスク⑤『勝利をわが手に-港の乾杯-』 1956年
ディスク⑥『素ッ裸の年令』&『らぶれたあ』※SP2作品収録盤 1959年・1959年

■特典内容:
【特典ディスク(DVD)】 ※特典ディスク映像はSD画質になります。(一部を除く)
・鈴木清順監督に聞く「映画監督とその人生」インタビュー【初出】(聞き手:リピット水田堯 収録日:2014年10月26日・10月29日)※HD映像
・『殺しの烙印』監督インタビュー(聞き手:上野昻志 収録日:2001年8月8日/2001年発売DVD(DNV-26)収録映像の再収録)
・『殺しの烙印』真理アンヌトークイベント(聞き手:轟夕起夫 2023年11月5日新文芸坐『殺しの烙印』上映時撮影)※HD映像
・『殺しの烙印』1967年幻の劇場公開版・修正マスク映像【現在のマスターとの比較映像(一部HD映像)】
・『野獣の青春』監督インタビュー(聞き手:上野昻志 収録日:2001年8月8日/2001年発売DVD(DNV-28)収録映像の再収録)
・『野獣の青春』監督インタビュー(聞き手:上野昻志 1990年11月チャンネルNECO放送「スペースシアター・鈴木清順監督特集」)、等(予定)

【映像特典】
各ディスクに予告篇・ギャラリーを収録
※SP2作品・特典DVDを除く、予告篇マスターの現存しない作品は収録されません。

【音声特典】
『殺しの烙印』⾳声コメンタリー 鈴木清順監督・真理アンヌ/聞き⼿:轟夕起夫
※既発DVDボックス同作品に収録されていた音声の再収録(予定)

【封入特典】
限定ブックレット(全52P装丁/清順監督使用秘蔵台本復元ブックレット 解説:上島春彦)

【仕様】
特製アウターケース、ピクチャーディスク

【発売元】日活株式会社
【販売元】株式会社ハピネット・メディアマーケティング
©日活株式会社
https://www.nikkatsu.com/package/HPXN-319.html

鈴木清順生誕100周年記念シリーズ Blu-ray BOX 其の弐「セイジュンと女たち」
※仕様や特典は予定となります。予告なく変更する場合があります。


■発売日:2024年3月6日(水)
■価格:33,000円(税込)
■品番:HPXN-320
■収録作品(Blu-ray)
ディスク①『河内カルメン』[4K版] 1966年
ディスク②『肉体の門』 1964年
ディスク③『春婦傳』 1965年
ディスク④『関東無宿』 1963年 
ディスク⑤『悪太郎』 1963年
ディスク⑥『裸女と拳銃』[4K版] 1957年

■特典内容:
【特典ディスク(DVD)】 ※特典ディスクの映像はSD画質になります。
鈴木清順監督×青山真治監督 対談トークイベント(2001年3月24日テアトル新宿「鈴木清順レトロスペクティブ STYLE TO KILL」上映時撮影)
鈴木清順監督×木村威夫(美術監督)対談(収録:2006年/既発DVDボックスリリース時製作「清順監督50周年記念キャンペーンDVD」収録映像)
『肉体の門』監督インタビュー(聞き手:上野昻志 1990年11月チャンネルNECO放送「スペースシアター・鈴木清順監督特集」)
『悪太郎』監督インタビュー(聞き手:上野昻志 1990年11月チャンネルNECO放送「スペースシアター・鈴木清順監督特集」)
『関東無宿』監督インタビュー(聞き手:上野昻志 1990年11月チャンネルNECO放送「スペースシアター・鈴木清順監督特集」)、等(予定)。

【映像特典】
各ディスクに予告篇・ギャラリーを収録
※特典DVDを除く、予告篇マスターの現存しない作品は収録されません。

【封入特典】
限定ブックレット(全52P装丁/清順監督使用秘蔵台本復元ブックレット 解説:上島春彦)

【仕様】
特製アウターケース、ピクチャーディスク

【発売元】日活株式会社
【販売元】株式会社ハピネット・メディアマーケティング
©日活株式会社
https://www.nikkatsu.com/package/HPXN-320.html

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