映画『土を喰らう十二ヵ月』の公開初日舞台挨拶が11/11(金)に新宿ピカデリーで行われ、松たか子さん、土井善晴さん(料理担当)、中江裕司監督が登壇しました!
『土を喰らう十二ヵ月』は、原案の水上勉さんの料理エッセイをもとに、中江裕司監督が独自に物語を創作。長野の山荘で暮らす作家ツトムが、畑で自ら育てた野菜を料理し、季節の移ろいを感じながら原稿に向き合う日々を描きます。
作家ツトム役は沢田研二さん。編集者で恋人の真知子役に松たか子さん。そして、火野正平さん、檀ふみさん、尾美としのりさん、西田尚美さん、瀧川鯉八さん、奈良岡朋子さんと実力派キャストが集結。料理研究家の土井善晴さんが初めて映画の料理を担当しました。
©2022『土を喰らう十二ヵ月』製作委員会
公開初日を迎え、ツトムの年の離れた恋人で編集者を演じた松たか子さん、料理研究家の土井善晴さん、中江裕司監督が登壇。初日舞台挨拶を行いました。ステージには、劇中に登場する「ツトムの台所」を再現した特大パネルが設置され、不在の沢田さんもパネルで参加する形となりました。
本編上映後の観客を前に、中江監督は「女性のお客様が沢山来られていますね。ツトムの身勝手さに呆れられたのでは…主演の沢田研二さんや、原案の水上さんへは苦情は入れないでください!すべて私の妄想です(笑)」とユーモアたっぷりな一言挨拶でスタート。
松さん「初日を迎えられてとても幸せな気持ちです」土井さん「なんで私がここにいるんですか?えらい所に連れて来られました。お料理は私が作ったのではなく大自然が作ったんですね。お料理をする人は地球という自然と人間界の間にいる人です。お料理する人がこういう場に来させてもらって大事な役割ゆうのがこの映画をみても感じてもらえると思います」
©2022『土を喰らう十二ヵ月』製作委員会
脚本を書き始めたのは約4年前―四季を撮るために日本映画としては異例の一年半に及んだ撮影を経て、ついに観客の元へ届けられたことについて「夢のようです」と中江監督は吐露。
松さん演じる真知子役は、原案から着想を得て物語を紡ぎ出し中江監督が作り出したオリジナルのヒロイン。松さんは出演のオファーをもらって「中江監督、沢田さんとご一緒できるなんて光栄でした。さらに土井さんの美味しいお料理まで食べられる・・・。こんな素晴らしい仕事は近年ないぞ、と」「撮影現場はこだわりはあるけれど、押し付けることはしない。大人の素敵な、贅沢な現場でした。美味しいものを美味しく頂くことしかしていなかったです(笑)五感がすべてが刺激されて、豊かな時間でした」と撮影の日々を振り返りました。
劇中、沢田さんと共に料理をする松さんが「あいよ!」と相槌で応える掛け合いのシーンに話が及ぶと、中江監督は「亡くなったツトムの妻・八重子とこんな風に過ごしていたんじゃないかと思って演じていたと現場で松さんが仰っていて、まさかそこまで考えていたとは。そうかもしれないですよね」と水を向けると、松さんは「そうでしたっけ・・??でも『あいよ』の数がどんどん増えていきましたよね(笑)」と会場の笑いを誘っていました。
ほうれん草の胡麻和え、たけのこの煮物、胡麻豆腐など、目も心も満たしてくれる旬の野菜で作る料理の数々が登場するが、初めて映画の料理監修として携わった土井さんは、料理だけでなく、器や所作に至るまで深く作品に携わりました。
どのような指導をしたのか尋ねると、「料理はその場が作るもの、浮かび上がってくるものなんです。ただそこに在るものをただ湯がくだけ、ただ焼くだけ。当たり前のことをしています。何もしないことを最善とするのが和食なので、映画の撮影でもきちんとそういうものを共有することができたんじゃないでしょうか」「料理には流れがありますから、(手が届く)そこに匙や醤油があったり‥滞りなくツトムが普通に利用しているように無理がない準備をしたつもりです」と笑顔で応えました。
©2022『土を喰らう十二ヵ月』製作委員会
気持ちのよい食べっぷりが印象的な、ツトムと真知子がたけのこを食すシーンについて、土井さんは「意識してできるものじゃないですね、生活感、反射的にでるものです」と演技か本気は分からないと絶賛。松さんは「たけのこ、すごい熱かったんですよ」と笑いながら応える一幕も。
中江監督は「土井さんは1回だけしか料理を作らないんです。沢田さんもほぼ1回。テイクはほとんど撮らないので、覚悟を決めてやりました」と衝撃の事実に会場からは驚きの声があがっていました。
そして、話は主演の沢田さんの話題へ。初めての沢田研二体験としてそれぞれの印象に残っているエピソードを尋ねました。
中江監督は「沢田さんは役を自分に引き寄せるタイプなんです。沢田さんなのか、ツトムなのか分からなくなりましたね。沢田さんを撮っていれば、おのずとツトムを撮っていることになるのでドキュメンタリーのようでもありました」さらに、ふと休憩時間に沢田の鼻歌を聞き、劇中に取り入れたというエピソードも告白。
松さん「わたしの初めての沢田さんは、「8時だヨ!全員集合」のコントをされている姿で、こんなに格好良い人がこんな面白いことをしている・・・となんて人だと思いました。わたしの甥っ子(市川染五郎)も好きらしくて、この作品で共演できて自慢できます(笑)私は白馬でのツトムさんとしか会っていないので、わたしの妄想だったのかな・・・? 沢田さんは面白いことをさりげなく見せられる、そんなテクニックのお芝居を近くでみさせて頂きました」。
土井さん「撮影中はずっとツトムでしたね。ツトムしか会ってないなぁと。でも私が撮影現場を後にするときに追いかけて車のドアをたたいてる人がいて、『ありがとうございました』と深々と頭を下げて下さいました。その時、初めて沢田研二に会ったんだと思います」と各々に述懐しました。
そして最後に松さんが締めの挨拶を。「とてもユニークな映画だと思います。(劇中のように)山で生活をしている方は普段の暮らし、当たり前のことは何かと観終わった後にジワジワくる、そんな映画だと思います。この作品をながく愛していただけると嬉しいです」と万感の思いを込めて舞台挨拶を締めくくりました。
映画『土を喰らう十二ヵ月』新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座他にて全国公開中!!
長野の山荘で暮らす作家のツトム。山の実やきのこを採り、畑で育てた野菜を自ら料理し、季節の移ろいを感じながら原稿に向き合う日々を送っている。時折、編集者で恋人の真知子が、東京から訪ねてくる。食いしん坊の真知子と旬のものを料理して一緒に食べるのは、楽しく格別な時間。悠々自適に暮らすツトムだが、13 年前に亡くした妻の遺骨を墓に納められずにいる…。
©2022『土を喰らう十二ヵ月』製作委員会
『土を喰らう十二ヵ月』関連ニュース
*主題歌解禁!
*本編映像到着!
*オリジナルフレーム切手発売!
*予告編完成&サン・セバスティアン映画祭出品&限定ショップ開店!
*特報&メインビジュアル解禁!
*ヒロイン&共演者決定!
*公開決定
★2022年11月11日(金)公開★
沢田研二、待望の単独主演映画!水上勉の名著「土を喰う日々 ―わが精進十二ヵ月―」を原案に、中江裕司監督が映画化。料理研究家・土井善晴が映画で初の料理担当!
監督・脚本:中江裕司
原案:水上勉 『土を喰う日々 ―わが精進十二ヵ月―』(新潮文庫刊)『土を喰ふ日々 わが精進十二ヶ月』(文化出版局刊)
料理:土井善晴
製作:『土を喰らう十二ヵ月』製作委員会
制作プロダクション:オフィス・シロウズ
配給:日活
©2022『土を喰らう十二ヵ月』製作委員会