イベントレポート

<最新一覧へ戻る

主演・佐藤健×白石和彌監督最新作『ひとよ』ついに全国公開!公開記念舞台挨拶で語られたキャスト・監督にとっての"家族"とは?
2019年11月11日(月曜日)

映画『ひとよ』が11/8(金)に全国公開し、翌11/9(土)キャスト、監督による公開記念舞台挨拶がTOHOシネマズ 日比谷で行われました。

191109_hitoyo00.JPG


本作は、2013年に『凶悪』を世に送り出して以降、『彼女がその名を知らない鳥たち』(17)、『孤狼の血』(18)など毎年のように賞レースを席巻し、6年間で手掛けた作品たちは日本アカデミー賞をはじめとする数多の国内外映画賞で実に60以上もの受賞を果たし、名だたる俳優たちが今もっとも出演を熱望する映画監督のひとり白石和彌監督の最新作。

いまを強く生きる人間たちへの賛歌を圧倒的な熱量で描いてきた白石監督が、「いつかは撮らねばならない」と感じていたテーマ【家族】に初めて真正面から挑み、15年前の事件によって家族の岐路に立たされた、ひとりの母親とその子どもたち三兄妹のその後が描かれます。

主演は、映画・ドラマと話題作品への出演が相次ぎ、全世代から支持される実力派俳優・佐藤健さん。さらには鈴木亮平さん、松岡茉優さん、音尾琢真さん、佐々木蔵之介さん、そして田中裕子さんと、『ひとよ』の物語に魅了された各世代を代表する豪華名優陣が集結しました。

一夜にして激変する家族の運命を通し、尊くも時に残酷な"家族の絆"、そして言葉にできない"究極の愛"を観る者すべてに問いかける、ヒューマンドラマの傑作が誕生です。

hitoyo-making.jpg
©2019「ひとよ」製作委員会


会場は、豪華キャスト陣と白石監督の登壇を待ちわびたお客様で超満員!MCの呼びかけで、稲村家の次男・雄二役を務めた主演の佐藤健さん、長男・大樹役の鈴木亮平さん、長女・園子役の松岡茉優さん、大樹の妻・二三子役のMEGUMIさん、新人タクシードライバー・堂下役の佐々木蔵之介さん、そして白石和彌監督がきらびやかな衣装に身を包んで登場すると、会場は大きな歓声と拍手に包まれました。

イベント前日の11/8(金)から遂に本作が公開となりましたが、佐藤さんは「改めて、人ひとりの力はちっぽけで、映画はたくさんの人に支えられて作られていると感じました。特に今回、僕は助けられました。鈴木さんと松岡さんたち共演者の皆さん、白石監督に頼って、撮影で向き合った時に感じるものを活かそうと思って、あえてノープランで臨みました。本当に公開を迎えて嬉しいです。本日はどうぞよろしくお願いします」と、撮影を振り返って満面の笑顔で挨拶しました。

191109_hitoyo_sato.JPG


15年前に子供たちの幸せを守るためと信じ、父親を手にかけてしまった母・こはる(田中裕子)が雄二ら三兄妹の元に帰って来たことから始まる本作は、第32回東京国際映画祭での上映や全国各地で行われた一般試写会によって、公開前から早くも感動作として話題沸騰となっています。

反響について聞かれると、白石監督はたくさんの感想メールが来ていると言い、佐藤さんは「僕は『このキャラクターたちとお別れしなければならないのか』と、寂しくなるような映画が好きなんです。そういう意味で、『この先、稲村家はどうなるのか気になる』というような感想をもらうことが多いですね。共感しやすいポイントが多いからかもしれません」と、映画についての持論も交えて語りました。

続いて、共感したシーンやセリフについて佐藤さんは「園子が仕事帰りベロベロに酔っぱらって、堂下の運転するタクシーで送ってもらったところで、リバースして『まだ吐くよ』っていうセリフが好きです。あれめちゃくちゃいい。一番良かったよ(笑)」と、まさかのポイントでべた褒め。

そこで、そのセリフは脚本にはなく松岡さんのアドリブだったことが白石監督から語られると、会場はどよめきに包まれました。佐藤さんは「流石ですね(笑)。セリフを変えることをどこまで許してくれるかというのは監督によって違って、こだわりが強い方も多いですが、白石監督はもはや意味合いが変わってもいい、という懐の大きさがあります(笑)」と暴露。

すると、白石監督は「皆さんが知らないところで、どうにかしています(笑)。キャストさんたちを信頼してるんです」と、白石監督流の撮影術を語りました。

続いて松岡さんは、稲村家の稼業で、事件後は親せきの丸井家が支えていた稲丸タクシーの従業員・弓(筒井真理子)のセリフをピックアップ。「弓が介護疲れしていて、『私も私の時間欲しいもん』に共感しました。私の家庭と同じということではないですが、責任を一心に受けて頑張っている人は共感するのではないでしょうか?」と語りました。

191109_hitoyo_matsuoka.JPG


佐々木さんは、「こはるが夫を手にかけて自首する前に、子供たちを抱きしめないんです。『今しか抱きしめられないよ!?』って観客の皆さんも思ったと思うんですけど。でも15年経って帰ってくると、ガシって抱きしめる。あれはたまらないですね」と、心なしか少し声を詰まらせながら語りました。

191109_hitoyo_sasaki.JPG


トークはクライマックスの大きな見せ場である、カークラッシュのシーンについて。このシーンは、今回家族というテーマに初めて真正面から向き合った白石監督たっての希望で、撮影直前に変更されたとのこと。

どうしてもこのシーンを入れたかった理由について白石監督は「準備していく中で、稲村家をはじめとしたキャラクターたちが、ちゃんとコミュニケーションを取れていないと感じました。この家族が前に進むためには、ちゃんとぶつからないとと思って、その象徴としてクラッシュさせました。『雄二はこんなに運転が上手いんだ』と思いましたね(笑)」とコメント。

佐藤さんは「一部のシーンではありますが、本当に運転しました(笑)。車酔いしましたよね?」と、一緒に車に乗っていた鈴木さんと松岡さんを気遣うと、かなり際どい運転が必要だったようで、松岡さんは念のため酔い止めに梅干しを食べていたそうですが、鈴木さんや白石監督は、佐藤さんのドライビングテクニックを称賛しました。

カークラッシュシーン以外でも、気持ちをぶつけ合うシーンが多かった本作。三兄妹がスナックで喧嘩するシーンについて松岡さんは疑問があったようで、「気付いたか皆さんに聞きたいです。園子は、怒りのあまりピーナッツを雄二に投げるというシーンなんです。何カット目かで健さんの髪にピーナッツがついていたのでリテイクになったのですが、本編に使われてたのはピーナッツがついているカットでした。あれはなぜですか?」と白石監督に質問。

すると白石監督は「ピーナッツ付いてるのに、こんなにカッコいい人居るんだと思って...(笑)」と遊び心あふれるコメントで返し、会場は大きな笑いに包まれました。

191109_hitoyo_shiraishi.JPG


また、兄妹喧嘩のシーンでは最後に大樹が割って入りますが「(体が大きいから)あそこが一番怖いですよね(笑)」と、松岡さんが佐藤さんに聞くと、佐藤さんも「そうなんですよ!ボーンって!」と身振り手振りで説明し、再び会場を沸かせました。

一方鈴木さんは、体格差のある佐藤さんに振り払われた際に、自然によろけなければならなかった苦労について「どうしようと思って。振り払われても止めれるし...とかいろいろ考えました」と吐露しました。

191109_hitoyo_suzuki.JPG


また、大樹と二三子の夫婦喧嘩のシーンについてMEGUMIさんは「大樹を怒るシーンばっかりなのですが、パッと監督の方を見ると笑ってるんですよ」と暴露。白石監督は「いい追い込み方してるなと思って(笑)」と愉快そうに語りました。

大樹が二三子を思わずビンタしてしまうシーンについて「痛いと痛くないのギリギリの、良い匙加減のビンタをしてくれるんですよ。あれはグッと来ました(笑)」と振り返ると、鈴木さんは「いつも他の現場でも、『あなたは自分が思っているより力が強いんです』と言われるんです...」と、再び恵まれた体格ゆえの苦労を語りました。

191109_hitoyo_megumi.JPG


トークは「"家族"とは何か」というテーマになり、白石監督が「最も大切なものです。子供としては親から頂いたものでもあるし、親としては、子供には無償の愛を捧げたいと思う。面倒くさいけど、だからこそ愛おしいと思います」とコメント。

MEGUMIさんは「時として面倒くさいことも多いですが、そこが崩れると自分にとっても一番良くない。だからこそ、面倒くさいときもあるけど、最も大事にしなければならい存在」、佐々木さんは「共鳴し合えるものかな。悲しいことも嬉しいことも一緒に響き合える存在」と、それぞれの家族観を語りました。

松岡さんは「学校も会社も、他人と向き合わなければならない。そういう時に土台になってくれる。友達とか恋人は時期によって移りゆくこともあるけど、家族はそういう時に踏ん張らせてくれる存在だと思います」と、子役時代から長く働いている役者ならではのコメント。

鈴木さんは「最も濃い人間関係だと思います。一緒に過ごした時間や、血がつながっている、つながっていないも含めて、良い意味でも悪い意味でも、すごく繋がっていると思います」とコメント。

佐藤さんは「大切な存在であることは、揺るがないです。僕は30歳で、これから家族を築いていく立場ということを考えると、憧れでもあります」と、これからの先を見据えて噛みしめるように語りました。

最後に、会場のお客様へ佐藤さんが感謝を述べつつ「素直になれなかったり、家族と向き合わなければならなかったりするとき、一度クラッシュしなければならないかもしれないと、白石監督も取材でいつもおっしゃってました。僕もあんまり素直に物事を伝えられないタイプです。皆さんもクラッシュするぐらいの気持ちで向き合ってもいいのかもしれません」と、熱を込めて呼びかけ、大歓声と万雷の拍手に包まれながらイベントは幕を閉じました。


映画『ひとよ』2019/11/8(金)全国ロードショー!


壊れた家族は、つながれますか。「家族の絆」の歓びと哀しみがこころ打つ、感涙のヒューマンドラマ『ひとよ』を、ぜひ劇場でご覧ください。


あまりに切ない"母なる事件"から15年。希望を夢見た者たちのゆく末は-
どしゃぶりの雨降る夜に、タクシー会社を営む稲村家の母・こはる(田中裕子)は、愛した夫を殺めた。それが、最愛の子どもたち三兄妹の幸せと信じて。そして、こはるは、15年後の再会を子どもたちに誓い、家を去った--。たった一晩で、その後の家族の運命をかえてしまった夜から、時は流れ、現在。次男・雄二(佐藤健)、長男・大樹(鈴木亮平)、長女・園子(松岡茉優)の三兄妹は、事件の日から抱えたこころの傷を隠したまま、大人になった。抗うことのできなかった別れ道から、時間が止まってしまった家族。そんな一家に、母・こはるは帰ってくる。15年前、母の切なる決断とのこされた子どもたち。皆が願った将来とはちがってしまった今、再会を果たした彼らがたどりつく先は-

hitoyo_P1.jpg
©2019「ひとよ」製作委員会


映画『ひとよ』関連ニュース

TIFF舞台挨拶の模様
ラジオ特番決定
公開直前特別番組放送決定
ジャパンプレミア試写会の模様
特別映像解禁
本予告解禁
場面写真一挙解禁
特報解禁
キャスト第2弾発表
クランクアップ&公開日決定
公開決定


★★日活公式TwitterとFacebookもやってます★★

twitter-bird-light-bgs.jpg asset_f_logo_lg.jpg

『ひとよ-』

★2019年11月8日(金)全国公開★

壊れた家族は、つながれますか。

監督:白石和彌

脚本:髙橋泉

出演:佐藤健 鈴木亮平 松岡茉優 音尾琢真 筒井真理子 浅利陽介 韓英恵 MEGUMI 大悟(千鳥) 佐々木蔵之介・田中裕子

©2019「ひとよ」製作委員会



hitoyo_main.jpg



★現在公開中の日活ラインナップもご期待下さい★

過去のイベントレポート

新着イベントレポート

PRESENT STAFF
INTERVIEW