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第32回東京国際映画祭 特別招待作品『ひとよ』上映に白石和彌監督が登場!母役・田中裕子の起用秘話に拍手喝さい!
2019年11月01日(金曜日)

11/8(金)公開映画『ひとよ』が、第32回東京国際映画祭「特別招待作品」として10/30(水)に上映され、白石和彌監督による舞台挨拶とティーチインが行われました。

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本作は、『凶悪』を世に送り出して以降、毎年のように作品・監督・俳優賞を中心に国内賞レースを席巻し、いま俳優たちが最も出演を熱望する映画監督のひとり白石和彌監督の最新作。

主演は、15年前の事件に縛られ家族と距離をおき、東京でフリーライターとして働く次男・雄二を演じる佐藤健さん。町の電気屋に勤務し、三兄妹で唯一自身の家庭を持つものの夫婦関係に思い悩む長男・大樹を鈴木亮平さん。事件によって美容師になる夢を諦め、スナックで働きながら生計を立てる末っ子の妹・園子を松岡茉優さん。そして15年ぶりに三兄妹のもとへと帰ってくる母親・こはるを、田中裕子さんが演じます。

どしゃ降りの雨降る夜、ある家族に起きたひとつの事件。それは、母親とその子どもたち三兄妹の運命を激変させた。その夜から、心の傷を抱えたまま別々の人生を歩んだ家族は、15年後に再会。葛藤と戸惑いの中で、一度崩壊した家族の絆を取り戻そうともがき続けた先に訪れる結末とは――。

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©2019「ひとよ」製作委員会


上映後の舞台挨拶に白石監督が登場すると、映画を観終えたばかりのお客様からは割れんばかりの拍手が起こりました。昨年の『孤狼の血』に続いての東京国際映画祭登壇となる白石監督は、満席の会場を見渡しながら感慨深げに「東京国際映画祭は年々良い映画祭になっていますね」とコメントしました。

早速トークセッションがスタートし、劇団KAKUTAの桑原裕子氏による同名舞台を映画化するに至った経緯を聞かれた白石監督は、KAKUTAの舞台は観ていたものの原作は未見だったと言い、「原作の舞台を観た制作会社ROBOTの長谷川晴彦プロデューサーが心を撃ち抜かれて、『ぜひ白石監督とやりたい』とオファーをしてくれました」と振り返り、「母親が子供たちを守るために父親を殺すというショッキングなスタートですが、母親と子供の間や兄妹間の愛など普遍的なことを描いています。そこからどう前に進んでいくかを描いている点が魅力的でした」と、作品の根底に流れるテーマについて熱く語りました。

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また、佐藤健さんや鈴木亮平さん、松岡茉優さん、佐々木蔵之介さんといった豪華キャストが出演する中、注目が集まっているのは、久々にスクリーンでメインキャストを演じる大女優・田中裕子さん。本作を映画化するにあたり、まず直感的に田中さんに母・こはる役をやって欲しいと感じたと振り返る白石監督。

田中さんの出演が決まらなければ企画自体をゼロにする覚悟だったと言い、「冒頭で母が父を手にかけるというショッキングなシーンがあるので、説得力を持たせたいというのが一つの理由です。それには、田中さんが若い頃からこれまで演じてきた"情念の強い女性"が必要で、この映画にはそれが非常に助けになってくれました」と、田中さんを希望した理由について感慨深げに語りました。

そんな田中さんの撮影中の様子について聞かれると、「僕は割と猫背なのですが、ずっと背筋が伸びてました(笑)。普段はもっとダメな人たちを描いているのですが、田中さんに品があるので、映画全体の格が上がった感じがしていました」と笑いも交えつつ率直な感想を語り、お客様も納得の様子。

さらに「凛としているし、美しさはもちろんですが、それだけじゃないかわいらしさもあって、表現のレベルが非常に高い方だなと感じました」と、念願叶ってのキャスティングに大満足な様子が伝わってきました。

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©2019「ひとよ」製作委員会


続いて、ティーチインコーナーでは「三兄妹を演じた佐藤さんらのアンサンブルが非常に良かったが、それは始めから想定されていたものでしょうか?」という質問が。

白石監督は、どのキャラクターもほぼ第一希望のキャストが決まったと言い「佐藤健さんと仕事がしてみたいという希望があったので、そこから大樹役の鈴木亮平さんと園子役の松岡茉優さんを決めていきました」と回答。

田中さんを含めた稲村家の面々だけでも豪華キャストですが、そこからはとにかく上手い人を選ぶことがテーマになったと言います。「演出家としては、現場が自動的に芝居合戦になるのですごく楽というか、幸せな時間を過ごさせてもらいました」と、自然と相乗効果の生まれる現場の様子を振り返りました。

加えて、『孤狼の血』に続いての白石組参加で、大樹の妻・二三子を演じるMEGUMIさんについては、「『孤狼の血』では1シーンだけ登場する、ある種の"セクシー要員"だったのですが、そこだけで『この人は本気で芝居している人なんだ』と感じて、いつかまた一緒にやりたいと思っていました」と、思わぬ続投エピソードも飛び出し、頷きながら真剣に話を聞いている様子のお客様も多数みられました。

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続いて、「三兄妹のすれ違いを表現するにあたって意識したことは?」と聞かれると、「距離感の指導など細かくはしませんでしたが、自分の弟との状況を参考に伝えたりはしました。"今自分は何を撮るべきか"を、キャスト陣に導いてもらった気がします。こはるが15年ぶりに帰ってきた時の反応もそうですが、それぞれの関係性をベースに佐藤さんたちが話し合いながら作ってくれました」と語り、キャストたちの自主性に任せることが、かえってリアルな空気感を生み出していたことを明かしました。

最後に白石監督は、「観ていただいたら色んなことを感じていただける作品だと思うので、他の人にも勧めて欲しいですし、東京国際映画祭も11/5(火)まで続きますので、ぜひ楽しんでください」とコメントし、大盛況の中イベントは幕を閉じました。

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映画『ひとよ』2019/11/8(金)全国ロードショー!


壊れた家族は、つながれますか。「家族の絆」の歓びと哀しみがこころ打つ、感涙のヒューマンドラマ『ひとよ』公開まで、あと1週間!ご期待ください。


あまりに切ない"母なる事件"から15年。希望を夢見た者たちのゆく末は-
どしゃぶりの雨降る夜に、タクシー会社を営む稲村家の母・こはる(田中裕子)は、愛した夫を殺めた。それが、最愛の子どもたち三兄妹の幸せと信じて。そして、こはるは、15年後の再会を子どもたちに誓い、家を去った--。たった一晩で、その後の家族の運命をかえてしまった夜から、時は流れ、現在。次男・雄二(佐藤健)、長男・大樹(鈴木亮平)、長女・園子(松岡茉優)の三兄妹は、事件の日から抱えたこころの傷を隠したまま、大人になった。抗うことのできなかった別れ道から、時間が止まってしまった家族。そんな一家に、母・こはるは帰ってくる。15年前、母の切なる決断とのこされた子どもたち。皆が願った将来とはちがってしまった今、再会を果たした彼らがたどりつく先は-

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©2019「ひとよ」製作委員会


映画『ひとよ』関連ニュース

ラジオ特番決定
公開直前特別番組放送決定
ジャパンプレミア試写会の模様
特別映像解禁
本予告解禁
場面写真一挙解禁
特報解禁
キャスト第2弾発表
クランクアップ&公開日決定
公開決定


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『ひとよ-』

★2019年11月8日(金)全国公開★

壊れた家族は、つながれますか。

監督:白石和彌

脚本:髙橋泉

出演:佐藤健 鈴木亮平 松岡茉優 音尾琢真 筒井真理子 浅利陽介 韓英恵 MEGUMI 大悟(千鳥) 佐々木蔵之介・田中裕子

©2019「ひとよ」製作委員会



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★現在公開中の日活ラインナップもご期待下さい★

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