―徳重さんとの直接のシーンは、ほとんどありませんでしたが、渡さんからご覧になって徳重さんの演技はいかがだったでしょうか? |
 |
渡:「私がデビューした頃に比べますと、数倍すばらしいと思います。と言いますのは、私がデビューいたしましたのは、39年か40年だったと思いますが、台本を渡されまして、一応台詞を覚えるのですが、それが、カチンコが鳴ると台詞は言えない、勿論芝居はできない、どうしようもない、監督もさぞ困ったことと思っております。うち(石原プロモーション)には、神田(正輝)も舘ひろしもおりますが、私も含めて舘、神田に比べれば、この徳重の演技は、非常にうまいな~と。
ただ、これも一重に平山監督のご指導のたまもので、最初は平山監督も非常にてこずったと思います。理解ができても、それが表現できないという。ま、つい3.4年前までまったくの素人だったわけですから、しょうがないですね。とにかく、私に比べれば数倍、とそういうわけです。」 |
 |
―いかがですか?徳重さん。 |
 |
徳重:「感無量です。」 |
 |
―吹越さん、加藤さん、そして斉藤さんと、若い俳優さんの皆さんとご一緒されて、いかがでしたか? |
 |
渡:「いつも申し上げるんですが、この年になりますとね、芝居をしていく上で、勿論その監督のご意見をよく聞くんですが、理屈で役をつくるんですね。ところが、こういった若い方々は、感性というか、感性の柔軟性で表現し、即興性もありますね。そういった意味で、撮影の現場で、若い人たちの感性に刺激を受けながら、やらせていただきました。どうやったらまた若い頃の感性に戻ることができるのかなと、そういったことをよく考えさせられました。」 |
 |
―みなさん、ありがとうございました。 |