映画『Cloud クラウド』ヴェネチアが黒沢清の描く"現代の狂気”に拍手喝采!黒沢「菅田将暉は圧倒的ナンバーワンの俳優」 と世界へ太鼓判!!
2024.09.02(月曜日)

イタリア現地時間8⽉30⽇(⾦)(※⽇本時間8⽉31⽇(⼟))に「第81回ヴェネチア国際映画祭」アウト・オブ・コンペ部⾨にて、『Cloud クラウド』のワールドプレミア上映が⾏われ、⿊沢清監督が出席しました。※画像©Kazuko Wakayama

⿊沢清監督が、主演に菅⽥将暉さんを迎えた映画『Cloud クラウド』(9⽉27⽇公開)は“誰もが標的になりうる”⽇常と隣り合わせの恐怖を描いたサスペンス・スリラー。転売で稼ぐ主⼈公・吉井良介を菅⽥将暉さん、吉井の謎多き恋⼈・秋⼦役を古川琴⾳さん、吉井に雇われたバイト⻘年・佐野役を奥平⼤兼さん、ネットカフェで⽣活する男・三宅役を岡⼭天⾳さん、吉井が働く⼯場の社⻑・滝本役を荒川良々さん、そして吉井を転売業に誘う先輩・村岡役を窪⽥正孝さんが演じています。

この度、イタリア現地時間8⽉30⽇(⾦)(※⽇本時間8⽉31⽇(⼟))に「第81回ヴェネチア国際映画祭」アウト・オブ・コンペ部⾨にて、『Cloud クラウド』のワールドプレミア上映が⾏われ、⿊沢清監督が出席しました。上映に先駆けて実施した記者会⾒の様⼦とともにお届けします。

現地時間8⽉30⽇(⾦)14:45ごろ、プレミア上映に先駆けて⾏われた記者会⾒に、監督の⿊沢清さん、荒川優美プロデューサーが出席しました。


©Kazuko Wakayama

記者会⾒直前に、第97回⽶国アカデミー賞国際⻑編映画賞の⽇本代表作品に選ばれたことが発表された本作。そのニュースは既にイタリアにも届いており、司会者からお祝いの⾔葉を贈られた⿊沢監督は、「本当に純粋な娯楽映画を作ろうというところからスタートした作品です。まさか今回のヴェネチア国際映画祭への出品も含め⼤きな名誉みたいなものと縁があるとは思っていなかったので、もう⼤変驚いています。それと僕の⼤きな楽しみは、この作品がアカデミー賞にノミネートされるようなことがもしあれば、主演の菅⽥将暉さんが、 アメリカで⼤いに知られることになるだろうと想像すると、とてもそれは嬉しいことです」と喜びとともに、今回タッグを組んだ菅⽥将暉さんとアカデミー賞の場へ⽴つ夢を語りました。

1997年に発表した『CURE』で世界から⼤絶賛され注⽬されつづけている⿊沢監督は、2001年に発表したJホラーの⾦字塔ともいわれるインターネットを題材にした『回路』を発表。本作でもネット社会を描いていることから、『回路』に絡めて『Cloud クラウド』の成り⽴ちについての質問が。⿊沢監督は、「当時は、インターネットというものがまだ不気味でその中に何か邪悪なものが潜んでいるのではないかというフィクションが、妄想の中で成⽴した時代でした。それから20数年経った今、インターネットはごく当たり前の、 誰でも使う普通のツールになっていると思います。ただ、当時は未来はひょっとすると美しい平和な楽しい世界なのかもしれないと思えていたものが、今や先が⾒通せない。 貧しい⼈もお⾦持ちの⼈も、歳をとった⼈も若い⼈も、全ての⼈の間に"なにか"が積もっていってるような気がします。 その⼈間の⼼に中にある"欲求不満"あるいは"歪み"のようなものが、インターネットを通して異常に増幅され、集結してしまう。 そういう現象は20数年前は考えられなかった。⼈間の⼼の中こそが今、やはり問題で、インターネットはそれを象徴的に表してると考えています。この発想がこの映画の原点になっています」と語りました。

菅⽥将暉さん演じる吉井の転売ヤーという設定については「知り合いに転売をやってる男がいたことがきっかけです。彼は別に悪いことをしてるというわけではなくて、ただ⼤きな組織の中で働くということが苦⼿で取り⽴てた何か才能があるわけではなく、もちろんお⾦があるわけでもない。それでも現代の社会で⽣きていこうとするときに、ひとつの⽣き⽅だと思いました。資本主義の冷たい現実があって、いかにもそのような現代を象徴する仕事だと思い、主⼈公を転売屋という設定にしました」と現代社会に切り込み解説。

さらに、本作がもつ現代性を荒川プロデューサーは、「実際、⽇本でも、私たちがその企画を始めた6年前にはなかったような事件、突然⾒知らぬ⼈から襲われるといった事件が⽇常的に起こるようになりました。あえてそれを狙って作っていたわけではないのですが、世相と本作がどんどん近づいていき、最終的にとても現代的なテーマを持つ作品になりました」と続けました。

そして、主演・菅⽥さんの話題に。⿊沢監督は、「菅⽥将暉さんは、その世代で⼈気・実⼒ともにも圧倒的にナンバーワンの俳優です。彼はあらゆる役を演じ分けることができる⼈です」と菅⽥さんの魅⼒を世界のジャーナリストにアピール。さらに、「主⼈公は曖昧な⼈にしようと考えていました。映画の主⼈公は、分かりやすく特徴的なキャラクターがあったり、喜怒哀楽をはっきり表したりする⽅が特にこういったジャンル映画の場合は都合がいいのですが、今回は<普通の⼈>でいきたい。それが僕の希望で、チャレンジでした。いい⼈か悪い⼈か、<普通の⼈間>が持ち合わせてる濁った曖昧な感じを、菅⽥将暉の⾮常に⾼度な演技⼒があれば、曖昧さが曖昧さとしてそのまま観客に伝わるんじゃないかなと思い、彼以外にない︕と考えていました。僕は⾒事にそれに応えてくれたと思います」と吉井の役どころの難しさを説きながらも、⼤絶賛しました。

荒川プロデューサーは「⿊沢監督の⻑いフィルモグラフィーの中で、90年代はVシネマ、2000年代は J ホラーを中⼼に、2010年代は原作ものを職⼈監督として⾯⽩く撮る、といった時代ごとに変遷がありますが、図らずも今年は、本作をはじめ⿊沢監督の原点回帰とも⾔えるような作品が続きます。⿊沢監督の作品は常に集⼤成と⾔われることがよくありますが、そうではなく、⿊沢監督は常に新しいことに挑戦し続けている監督だと私は思っています。この作品をきっかけに次の⿊沢監督の新しいフィルモグラフィーが続いていくことになれば嬉しいです」と、”今”を更新し続ける⿊沢作品への思いを伝えました。

さらに、世界のジャーナリストからの質問も続き、⿊沢作品への熱い期待と興味が尽きない中会⾒は終了。終了後は、世界から愛される⿊沢監督だけに、サインを求める記者たちの⾏列ができるほどの⼈気ぶりでした。

そして、いよいよレッドカーペットに⿊沢監督が登場︕国際映画祭の常連だけあり「KUROSAWA︕」コールも起き、記者会⾒に引き続き、レッドカーペットに待ち受ける世界中の映画ファンの声援とサインの要望に応えました。


©Kazuko Wakayama

⿊沢監督はレッドカーペットのゴールで待つ、⿊沢ファンという映画祭ディレクターのアルベルト・バルベーラ氏に出迎えられ熱い握⼿を交わしヴェネチア国際映画祭のメイン会場である SALAGRANDE へ。

場内では、⿊沢監督が登場するや待ちわびていた観客たちから熱気を帯びた拍⼿が贈られ上映前から既に⼤盛り上がり。現地時間23:45から上映スタートのミッドナイト上映にもかかわらず1032席を埋め尽くし満席でした。上映終了後も、さらにテンションの⾼いスタンディングオベーションが湧きおこり、鳴りやまない熱い拍⼿喝采の中、⿊沢監督は照れた表情を⾒せながらも安堵したような笑顔で応え、会場を後にしました。

第97回⽶国アカデミー賞国際⻑編映画賞の⽇本代表作品、主演︓菅⽥将暉×監督・脚本︓⿊沢清がおくる、“誰もが標的になりうる”⽇常と隣り合わせの恐怖を描くサスペンス・スリラー『Cloud クラウド』は、今年 9 ⽉ 27 ⽇より全国劇場にて公開です。

映画『Cloud クラウド』2024年9月27日(金)TOHO シネマズ日比谷ほか全国ロードショー!


©2024「Cloud」製作委員会

<映画『Cloud クラウド』作品概要> 
“気がつけば標的”匿名の集団による“狩りゲーム”がはじまる——
見えない悪意と隣り合わせの“いま”ここにある恐さを描くサスペンス・スリラー

世間から忌み嫌われる“転売ヤー”として真面目に働く主人公・吉井。彼が知らず知らずのうちにバラまいた憎悪の粒はネット社会の闇を吸って成長し、どす黒い“集団狂気”へとエスカレートしてゆく。誹謗中傷、フェイクニュース——悪意のスパイラルによって拡がった憎悪は、実体をもった不特定多数の集団へと姿を変え、暴走をはじめる。やがて彼らがはじめた“狩りゲーム”の標的となった吉井の「日常」は、急速に破壊されていく……
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映画『Cloud クラウド
監督・脚本:黒沢 清
主演:菅田将暉
出演:古川琴音 奥平大兼 岡山天音 荒川良々 窪田正孝
赤堀雅秋 吉岡睦雄 三河悠冴 山田真歩 矢柴俊博 森下能幸 千葉哲也 松重豊
製作幹事:日活 東京テアトル
配給:東京テアトル 日活
©2024「Cloud」製作委員会
公式X/Instagram @
cloudmovie2024
公式ハッシュタグ #映画クラウド

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本予告映像解禁&インスパイアソング決定!
第81回ヴェネチア国際映画祭正式出品決定!
本ポスタービジュアル&場面写真解禁!
追加キャスト解禁
特報映像&ティザーポスター解禁
メインキャスト発表
製作&公開決定

★現在公開中のその他の日活ラインナップもご期待下さい★

『Cloud クラウド』

★2024年9月27日(金)全国公開★

“気がつけば標的”匿名の集団による“狩りゲーム”がはじまる——

製作幹事:日活 東京テアトル

配給:日活