映画『エゴイスト』日本外国特派員協会記者会見に宮沢氷魚が登壇!ネイティブレベルの英語力で外国人記者に全て英語で回答。「海外でも挑戦したい!」と力強く語る。
2023.02.07(火曜日)

2/10(金)公開映画『エゴイスト』の日本外国特派員協会記者会見が2/6(月)に行われ、海外メディアによる試写鑑賞後、質疑応答形式の会見に宮沢氷魚さんと松永大司監督が登壇しました。宮沢さんはアメリカ・サンフランシスコ生まれ。幼稚園から高校までインターナショナルスクールに通い、高校卒業後2年間カリフォルニア大学に留学。ネイティブレベルの英語力を駆使し、海外に向けた会見に臨みました。

本作は、愛と毒のある切り口で様々なテーマのコラムを世に送り出してきた、高山真氏の自伝的小説「エゴイスト」が原作。

『孤狼の血 LEVEL2』で第45回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞ほか、俳優として栄誉ある賞の受賞が続く、今もっとも勢いに乗っている俳優である鈴木亮平さんが主人公・浩輔役、『騙し絵の牙』『グッバイ・クルエル・ワールド』『レジェンド&バタフライ』やNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」など話題作への出演が続く宮沢氷魚さんが浩輔の恋人となる龍太役を演じます。

さらに浩輔の父親役に柄本明さん、龍太の母親役に阿川佐和子さんを迎え、『トイレのピエタ』『ハナレイ・ベイ』などの松永大司氏が監督を務める本作は、コンペティション部門に選出された昨年の東京国際映画祭の上映ではほぼ満席回が続き、「アジア全域版アカデミー賞」と言われるアジア・フィルム・アワードでは公開前でありながら、そうそうたるヒット作品とともに<主演男優賞><助演男優賞><衣装デザイン賞>の3部門でのノミネートが発表され、国内だけてなく海外からも話題を集めました。


©2023 高山真・小学館/「エゴイスト」製作委員会


会見に登壇した宮沢さんは、英語を話すのは久しぶりとのことでしたが「お招きいただき光栄に思います。また、素晴らしい監督とご一緒することができて感謝しています。ここにくるのは前々からの夢だったので嬉しいのですが、英語を話すのは久しぶりなのでお聞き苦しい点があったらご容赦ください。」と、冒頭から流暢な英語で自己紹介と挨拶をしました。

松永監督はこのテーマを手掛けようと思った動機について聞かれると、2つの理由があるといい、「1つ目は2011年のデビュー作『ピュ〜ぴる』で、様々な海外映画祭に招待され、その中でLGBTQ+を取り囲む環境が圧倒的に日本と違いました。それから10年以上経って、以前よりは理解され、言葉が浸透していってる気がしますが、先日の岸田首相の『同性婚を認めると社会が変わる』という発言や、首相秘書官の同性愛者への差別的な発言は、誤解や大きな差別を生むと思っています。この映画はLGBTQ+に対しての定義や理解を深く求めるものではありませんが、この映画を観た方が考えるきっかけになったら良いなと思ったことです。LGBTQ+用語を正確にメディアの方に伝えてもらうのも僕らの役割だと思うので、プレス資料の後ろに用語集をつけました。2つ目は、阿川佐和子さん演じる妙子が愛について伝えている言葉があり、それを読んで映画にしようと思いました。」と丁寧に答えました。

続いて龍太役を引き受けた理由について聞かれた宮沢さんは、実は2度ほどオファーがあったことを明かしました。「今回のオファーを受ける、そのさらに2年前に1回目のオファーがあったときは実現できませんでした。そこから再度お話をいただいたときに決め手となったのは、15年来の友人との体験でした。彼はゲイで、知り合ってからずっと、心地よく過ごせる自分の居場所を探しているように感じました。この映画を作ることを通して、友人のためになるのではないか、そしてLGBTQ+コミュニティのためにもなるのではないかと考えました。」と自身の体験から出演を決めたことを明かしました。


さらに会場からは、松永監督へ『エゴイスト』と言うタイトルの理由について質問。高山真氏の小説「エゴイスト」が原作の本作ですが、タイトルの理由はそれだけではなく、「一般的に『エゴイスト』と言う言葉はポジティブな意味では使われない。この映画で描かれている『エゴイスト』については、主人公の行動が悪いことなのか、良いことなのか、愛のあり方とはどういうことなのか、を問いたいなと思ってそのままつけました。観る前と観た後とで、『エゴイスト』の意味が変わると良いなと思います。」とタイトルに込められた思いを明かしてくれました。

演出について聞かれた宮沢さんは、「松永監督の演出がユニークで、撮影に入る前にリハーサルを重ねていきました。脚本ベースではなく、監督からはシーンの展開の説明のみだったので、即興で芝居をする感じでした。脚本に書かれている言葉がそのままセリフになるのではなく、お互いに開かれた気持ちで自由にやらせていただいたので、いきいきとした芝居になったかなと思います。慣れない撮り方でしたが、自分の感情が湧き出て刺激的な体験となりました。」と、これまでにない演出と現場であったことを告白。見事な英語を披露しました。

続いてクレジットの中に出てくる Intimacy choreographer の役割について、Intimacy シーンを撮るにあたってどのように感じたかという質問に宮沢さんは、「Intimacy choreographer が現場に付くことが、これまでの現場ではありませんでした。これからは Intimacy choreographer がいない現場が想像できません。こういうサポートがあるのは、日本映画において大きな一歩であると思います。」と、Intimacy choreographer の存在が安心できる上に Intimacy シーンの同意については必要であると回答しました。

また、Intimacy choreographer と LGBTQ+ inclusive director の担当者について質問されると、松永監督は「この作品は誰1人欠けても完成させることはできませんでした」と語り、「LGBTQ+ inclusive director として入ってくれたミヤタ廉さんの存在はとても大きかったです。」とミヤタ廉さんの存在について話しました。居酒屋のシーンなどに出演する浩輔の友人は皆ゲイ当事者であるため、彼らを探す相談をしたり、Intimacy choreographer の Seigoさんも誘ってもらったと明かしました。宣伝において正確な言葉を伝えるため監修をしてくれている松岡宗嗣さんについても紹介し、ミヤタ廉さんと松岡宗嗣さんが今日も記者会見を見守っていることに感謝をすると、会場は拍手に包まれました。

海外記者から、ミヤタ廉さんとSeigoさんは現場ではどういったことをしたたのか具体的に質問されると「所作やセックスのシーンなど細かい部分を一緒にモニター越しで観てもらい、役者が何か演技でわからないことがあったときは、常に2人(ミヤタ廉、Seigo)に質問してもらうようにしていました」と、ふたりの役割について説明しました。

記者から宮沢さんに、更迭された首相秘書官のLGBTQ+に関する不適切な発言に対してどう思うのか、そして日本社会のLGBTQ+に対する理解不寛容、法制化の遅れに対してどう思うのか質問されると、政治的な発言はあまり表立って述べてこなかったと語るも、「発言が出たことによって、たくさんの人が声を上げて、その失言に意見をする姿をたくさん見ることができました。日本の今までの歴史を考えても、間違いなく前進はしていると思いますが、他国に比べると遅れを取っているところもあると思います。そんな中、世論がたくさんの声を上げたことは日本の未来に希望が見えました。とても悲しい出来事ですが、それによって前向きな皆の意思の強さが見えましたし、そこに、もっと注目が集まってもいいんじゃないかなと思っています」と自身の気持ちを露わにしました。

最後に司会者より、宮沢さんにどうしても聞きたいとのことで、「2015年に鈴木さんが外国特派員協会記者会見に登壇され、なぜハリウッドに出ないのかという質問に対して鈴木さんは、まだ日本で学ぶことがたくさんあると答えましたが、宮沢さんはいかがでしょうか」との質問がされると、宮沢さんは「海外で活躍することは大きな夢の一つではあり、ハリウッドやアメリカだけでなく国外のどこかで活躍するために試行錯誤しています。」と語りました。そして今年ロンドンに行く機会があり、海外の役者に圧倒され「自分も近い将来、願わくば海外で撮影された作品を携えて日本外国特派員協会記者会見に参加するため、最善を尽くして頑張ります。」と、海外進出への意欲を示しました。


 

すべての人に愛を問いかける感動のヒューマンドラマ『エゴイスト』。いよいよ、今週公開です。ぜひ劇場でご覧ください!

映画『エゴイスト』2023年2月10日(金)全国公開!

ストーリー
14歳で母を失い、田舎町でありのままの自分を隠して鬱屈とした思春期を過ごした浩輔。今は東京の出版社でファッション誌の編集者として働き、自由な日々を送っている。そんな彼が出会ったのは、シングルマザーである母を支えながら暮らす、パーソナルトレーナーの龍太。惹かれ合った2人は、時に龍太の母も交えながら満ち足りた時間を重ねていく。亡き母への想いを抱えた浩輔にとって、母に寄り添う龍太をサポートし、愛し合う時間は幸せなものだった。しかし2人でドライブに出かける約束をしていたある日、何故か龍太は姿を現さなかった。[R15+]


©2023 高山真・小学館/「エゴイスト」製作委員会


映画『エゴイスト』関連ニュース
プレミア上映会の模様
AFAにて<3部門>ノミネート
予告&本ビジュアル解禁
新場面写真6点解禁
ティザーポスター&追加キャスト解禁
特報解禁
公開決定

 

『エゴイスト』

★2023年2月10日(金)全国公開★

主演・鈴木亮平×共演・宮沢氷魚が紡ぐ、独りよがりな愛の献身。

監督・脚本:松永大司

脚本:狗飼恭子 音楽:世武裕子

出演:鈴木亮平 宮沢氷魚 中村優子 和田庵 ドリアン・ロロブリジーダ / 柄本明 / 阿川佐和子

製作幹事・配給:東京テアトル