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第35回日本アカデミー賞 『八日目の蝉』 が10冠!『冷たい熱帯魚』 で最優秀助演男優賞も獲得!!
2012年03月03日(土曜日)

第35回日本アカデミー賞授賞式(3/2開催)で、10部門の【最優秀賞】と【新人俳優賞】を受賞した『八日目の蝉』、 【最優秀助演男優賞】を受賞した『冷たい熱帯魚』 の各受賞コメントををお伝えします!

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『八日目の蝉』 受賞者の喜びの声

【最優秀主演女優賞】 井上真央さん
ありがとうございます。『八日目の蝉』 に携わった皆さんが、驚くほど次々と最優秀賞を獲っていかれるので、今は(自分も受賞できて)「本当によかった」 という気持ちでいっぱいです。受賞するまでは、「最優秀賞は、私にはまだ早すぎる」 と思っていたのですが、今は嬉しく誇りに思っています。小さい頃テレビでみていたこのアカデミーの舞台に、もし自分が立ったらこんなこと言おうなどと思っていましたが、今は何だか頭が真っ白で・・・。でもひとつの夢を叶えて下さった 『八日目の蝉』 のスタッフの皆さんや共演者の皆さん、そして評価をして頂いた皆さまに感謝を申し上げます。私などが言うのも生意気なのですが、映画がこれからももっと色々な人の心に届いたらと思いますし、その映画に貢献出来る役者に私自身がなっていけるよう、この賞をひとつの自信と誇りにかえて、頑張っていきたいなと思っております。本当にありがとうございました。

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【最優秀助演女優賞】 永作博美さん
感無量という感じです。本当にありがとうございます。『八日目の蝉』 に参加させて頂いたことを感謝いたします。スタッフはもちろんのこと、監督にもだいぶご指導頂きましたし、役者として掘り下げられる部分がまだまだいっぱいあるんだなという、役者の可能性を感じさせて頂いた作品となりました。この役が出来たことで、いろいろな役を演じられる気がします。ありがとうございました。

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【最優秀監督賞】 成島出監督
びっくりしました・・。頑張ってくれた仲間が次々と最優秀賞を獲ってくれていたので安心してみていたのですが、自分も受賞して驚きました。無理を言って大きな演出の撮影に協力して頂いた小豆島の方たち、その他にも大勢の方の力を借りて映画が出来上がりました。改めて皆さんに感謝を申し上げます。ありがとうございます。それぞれキツい役、スタッフもキツく簡単な仕事ではなかったと思いますが、全員が全力をつくしてくれて、誰一人欠けても出来なかった作品だと思います。

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公開前に震災があり、我々スタッフは「家族が引き裂かれる映画なので、どうだろうか・・・」と不安だったのですが、被災地で観て下さった方から「大事な人を亡くし、自分も八日目を生きなくてはいけなくなったが、この映画を観て頑張ろうと思いました」というコメントを頂きました。我々はその一言が嬉しくて、こんなふうに映画がお役に立てることがあるんだと改めて感じ、この映画を撮ることが出来てよかったなと思いました。他にも、「家族に会いたくなった」「走って帰って子どもを抱きしめた」と言う声を頂きました。こんなふうに愛して頂けた映画を作れたのは初めてで、この映画に携わった全ての方々のお陰だと思っています。そして何よりもこの映画を愛して下さったお客様達に、ありがとうと言いたいです。感謝しています。


【最優秀脚本賞】 奥寺佐渡子さん
私もだいぶ監督にしごかれまして、そのお陰でこのような素晴らしい賞を頂けたと思っております。スタッフの皆さま、キャストの皆さまに・・・すみません、ちょっと胸がいっぱいになってしまって(涙ぐむ奥寺さん)・・・感謝いたします。ありがとうございました。

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【最優秀音楽賞】 安川午朗さん
選んで頂いたことに感謝いたします。ありがとうございます。成島監督から「まず原作を読んでくれ」と言われまして、それを読んで第一稿が出来上がった時に、小豆島を旅しました。音を探し、そして映像となり、みんなで作り上げた作品ですので、その作品に参加出来たことは大変良い思い出です。ありがとうございました。

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【最優秀撮影賞】 藤澤順一さん 【最優秀照明賞】 金沢正夫さん
※この2つの賞は同一作品から選ばれます。

(左:藤澤順一さん)
いつもは家でテレビで拝見しており、壇上に立つのは初めてのことで緊張しております。この作品に出会えたことがすごく幸運だったと思いますし、スタッフ、キャストの方はもちろんのこと、一緒にまわしてくれたキャメラマンに感謝したいと思います。そしてロケ地は小豆島が多かったのですが、そこでの段取りや薫役の渡邉このみちゃんの演技指導をやってくれた猪腰助監督に感謝したいと思います。そして小豆島の島民の方々とこの喜びを分かち合いたいと思います。最後に、毎朝見送ってくれる妻に感謝しております。本日はありがとうございました。

(右:金沢正夫さん)
とても嬉しいです。この場にあげて下さった藤澤キャメラマン、スタッフ、キャストにとても感謝しております。どうもありがとうございました。

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【最優秀録音賞】 藤本賢一さん
とても嬉しいです。今回の作品は、僕が助手時代からご一緒させて頂いた方々が多く、その諸先輩方と仕事出来ただけでも感無量でしたが、このような賞を頂き、どうしよう・・という感じです。豊富な経験と確かな技術のある先輩方が、余裕をもった態度で現場にのぞむのではなく、必死にお仕事をされる姿を僕は見せてもらい、僕はその姿を後進に伝えるために今回この賞をバトンとして頂いたのだと思っています。撮影と照明が一緒にあるように、録音は効果音とともにあると思っています。僕とほとんどの作品を一緒にやってくれている岡瀬にも、お礼を言いたいと思います。

(永作さんからのお祝いコメント)リアリティが求められるお芝居だったので、録音も大変だったと思います。おめでとうございます。

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【最優秀編集賞】 三條知生さん
ありがとうございます。嬉しいです。監督を筆頭に素晴らしいスタッフとキャストの方に撮って頂いた熱意に負けないよう、僕はひとコマひとコマ繋いだだけです。本当にありがとうございました。

(井上真央さんからのお祝いコメント)おめでとうございます。現場でお会いすることはなかったのですが、この作品を陰で支えて下さった方ですので、本当に嬉しく思います。ありがとうございます。

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【新人俳優賞】 渡邉このみちゃん
渡邉このみです。ありがとうございましたっ。今日は、とてもうれしいデス!(MCから撮影はいかがでしたか?と質問)とても楽しかったです!
※渡邉このみちゃんは、撮影当時4歳。現在は5歳で、日本アカデミー賞新人賞受賞の最年少記録を更新。

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【最優秀作品賞】 ブロンズは、代表して企画・石田雄治さんが受け取りました。

(成島監督)
夢をみているみたいです。こんな9日目が見られるなんて、思ってもいませんでした。本当に夢の中にいるようです。

(井上真央さん) 
何よりも欲しかった賞でしたので、嬉しいです。何度成島監督から逃げたいと思ったことか知れませんが、逃げずについて行って良かったです。

(渡邉このみちゃん) 
とてもうれしいデス!

(永作博美さん) 
観て下さった皆さま、本当にありがとうございます。そして、小豆島の方もたくさん見て下さいましたから、(最優秀賞を)獲れて良かったです。

(小池栄子さん) 
嬉しいですね。ここにいないキャストやスタッフ含めみんなで獲った賞です。早く報告してあげたいと思います。

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惜しくも最優秀は逃しましたが【優秀助演女優賞】受賞者紹介時の小池栄子さんのコメント

暗い過去を持つということで、集中して最後まで演じきるのが大変でした。今思い出しても記憶がないくらい苦しい撮影でしたので、井上さんとは戦友という感じ「頑張ろうね!頑張ろうね!」と、で支え合いながら頑張りました。

(井上さんのコメント)私は小池さんがいなかったら、多分最後まで続けられなかったのではないかと思うくらいで、アイコンタクトを取り合いながら頑張りました。

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『八日目の蝉』チームのキャスト、スタッフの皆さま、おめでとうございます!そして、本作をご覧頂いたたくさんのお客様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。


さて、第35回日本アカデミー賞での受賞は、『八日目の蝉』 だけではありません!1部門でノミネートされていた 『冷たい熱帯魚』 で、でんでんさんが見事【最優秀助演男優賞】を受賞されました!!

■『冷たい熱帯魚』 受賞者の喜びの声

【最優秀助演男優賞】 でんでんさん
私が、でんでんと申します。幸か不幸か、同じ名前の役者さんはいません。似たような名前の方も、いらっしゃいません。どうしてでしょう?似たような名前は、よく考えるとパンダがいました(お客様笑)。リンリン、ランラン、でんでん・・・すみませんでした(笑)。そんな私が、いま晴れの舞台にいます。とっても嬉しいです。光栄に思います。これもひとえに『冷たい熱帯魚』を製作して頂いた日活さん、そして園子温監督、スタッフ、キャストの皆さんのお陰だと思っております。『冷たい熱帯魚』万歳です!代表してこの賞を頂きます。本当に、本当に、今日はありがとうございました!

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『冷たい熱帯魚』は、1部門ノミネートで【最優秀助演男優賞】獲得です!百発百中の快挙!!62歳での初受賞は史上初。でんでんさん、おめでとうございます!そして、『冷たい熱帯魚』 の衝撃に興奮して、熱い旋風を巻き起こして下さったお客様、園子温監督作品のファンの皆様、ありがとうございました!


日活関連作品の受賞はここまでですが、日活に縁のある方々の受賞を一部ご紹介します。

【協会特別賞】 御所園久利さん
御所園さんは、1978年に日活撮影所美術センターに装置係として入社。美術装置の技術と技法を習得し、豊富な経験と高い技術を活かして、監督、デザイナーを含む全てのスタッフから絶大な信頼を得ています。2000年には日本活動装置を設立し、後進の育成にも力を注いでおられます。その偉業を讃え、【協会特別賞】が贈られました。

(御所園久利さん)
はじめに、大道具というジャンルに注目して頂いた日本アカデミー協会の関係者の方々にお礼を申し上げます。そして、大道具という仕事を私に与え、温かく育てて頂いた日活に感謝したいと思います。そして、私にしたがって、私と一緒に大道具を作り、撮影を共にする日本活動装置の社員のみんなに感謝いたします。最後に、私の背中を押し続けてくれている妻に、お礼を言います。ありがとう。今日はありがとうございました。

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御所園さん、おめでとうございます。これからも、映画界を縁の下で支える大きな力として、ますますご活躍下さい。


【最優秀主演男優賞】 故・原田芳雄さん(『大鹿村騒動記』)
『野良猫ロック 暴走集団'71 』や『新宿アウトロー ぶっ飛ばせ』など、日活作品では主に1970年代の映画にご出演された原田芳雄さんは、2011年7月19日に逝去。享年71歳。遺作となった『大鹿村騒動記』で【最優秀主演男優賞】を受賞。その他、永年にわたり多大なる貢献と顕著な実績をしるした故人に贈られる【会長特別賞】を受賞されました。故人のお嬢様は「芳雄は"映画館は俺達の宝箱だから"と申しておりました。これからもぜひ映画館で映画をたくさんご覧頂き、色々な映画が世に繋いでいかれることを芳雄の代わりにお願い申し上げます」とご挨拶されました。

また、映画監督である故・森田芳光さんも【会長特別賞】を受賞
森田芳光さんは、日本アカデミー賞にノミネートされた『家族ゲーム』など、日活作品では主に1980年代の作品を監督。2011年12月11日に逝去。享年61歳。故人に代わり、奥様がご挨拶されました。「最初にノミネートされた『家族ゲーム』で誰も最優秀賞を獲れなかった時、"日本の映画界を支える全ての方たちから、映画界に必要不可欠だと認められないとダメだから頑張る"と申し、その後『阿修羅のごとく』で最優秀賞を頂くことが出来ました。本人は志半ばで逝ってしまいましたが、今までの功績を認めて頂き、本人も皆さんに感謝していると思います」


各賞受賞の皆さま、あらためて受賞おめでとうございます。
そして、映画界に多大なる貢献をされた故人の皆さまのご冥福を心よりお祈り申し上げます。


会場を埋め尽くす観客の皆さまに見守られながら、レッドカーペットを各作品関係者の皆さまが歩かれる華やかなオープニングからスタートした第35回日本アカデミー賞授賞式は、『八日目の蝉』 が【最優秀作品賞】を含む10部門で【最優秀賞】を受賞する栄冠を手にし、幕を閉じました。

会場を後にする『八日目の蝉』のキャストの皆さんは、緊張から解放され喜びに満ち溢れた表情をみせてくれました。

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受賞者撮影会は、最優秀主演男優賞、最優秀主演女優賞、最優秀助演男優賞、最優秀助演女優賞、最優秀監督賞を受賞の皆さんと話題賞俳優部門、新人俳優賞を受賞された皆さんで撮影。『八日目の蝉』、『冷たい熱帯魚』と日活関連作品の受賞者の方々でいっぱいの撮影となりました。

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■■『八日目の蝉』作品情報はコチラ■■

■■『冷たい熱帯魚』作品情報はコチラ■■

既にご覧になった方も、まだご覧になっていない方も、ぜひこの2作品をご覧になってみてはいかがでしょうか?

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