主演(おかつ役)/岸惠子
岸恵子写真女優・作家。横浜生まれ。中村登監督の『我が家は楽し』(51)でデビューする。その美貌を買われ、2作目にして大曾根辰夫監督、黒澤明脚本の『獣の宿』に大抜擢され、注目を浴びる。さらに53年には人気ラジオドラマの映画化『君の名は』(3部作)でヒロイン・真知子役に選ばれ映画も大ヒット、一躍トップ女優に。54年にはさらなる飛躍を期して、久我美子、有馬稲子とともに(株)文芸プロダクション・にんじんくらぶを結成した。1955年、『亡命記』にて東南アジア映画祭主演女優賞受賞。このとき、英国のデヴィット・リーン監督と出会い、準備中の「風は知らない」に主演するためロンドンに渡る。プロデューサーの死でこの話は実現しなかったが、時同じくして『亡命記』を見ていた仏のイヴ・シァンピ監督に請われ、日仏合作映画『忘れえぬ慕情』に出演。撮影後、シァンピ監督と結婚し渡仏した。だが、その後も日本の映画界が彼女を放っておくわけがなく、年1、2回のペースで帰国し、『風花』、『おとうと』、『からみ合い』、『怪談(KWAIDAN)』、『約束』など主演映画は多数。市川崑監督との初顔合わせとなった『おとうと』では毎日映画コンクール女優主演賞を受賞。また、『怪談』ではカンヌ国際映画祭審査委員賞を受賞した。また、シドニー・ポラック監督に請われ、アメリカ映画『ザ・ヤクザ』にも出演している。近年は海外での豊富な経験を活かし、作家としても活躍。01年7月より「小説新潮」にて『風が見ていた』を連載開始。テレビのインタビュアーとしても、ジスカール・デスタン氏(フランス大統領)、シュワルナゼ氏(旧ソ連外相)、シャミール氏(イスラエル首相)、ベルナール・クシュネール氏(国境なき医師団設立者)、クストー氏(海洋学者)などと会見。NHKやテレビ朝日の「ニュースステーション」で発表。また、1996年3月より国連人口基金親善大使を務めている。市川監督とは『かあちゃん』で8作目となる文字とおりの名コンビで、80年には市川監督自らが演出したアガサ・クリスティ原作「情婦」で日本での初舞台も踏んでいる。

「岸 惠子と市川崑」のページへ
  岸 惠子フィルモグラフィへ
  キャストページへ

(C)映像京都・日活・イマジカ・シナノ企画