
拳銃無頼帖 抜き射ちの竜
思い出ってのは思い出すからだろ・・・。1969年生まれの私はリアルタイムでは日活アクション映画を(映画館)で観ることは出来ませんでしたが、70年代後半、TV放送された日活アクション映画を観てその世界にはまってしまいました。以来テレビ放送を楽しみに待ち、登校中は家族に頼みカセットテープに録音してもらい音声だけで映画を聴きました。その分台詞などを憶えていたかも知れません。劇中の旭・裕次郎・トニーの歌をカセットテープで録音、レコードで憶えて歌ったり、「海から来た流れ者」のコルトM1903をはじめ、「抜き射ちの竜」のコルト・ウッズマンなど映画で使用されたGunをモデルガンで持ったり、「南国土佐を後にして」でダイス・スタッキングをしたりしていました。ここ数年はチャンネルNECOでの放送や、発売された高画質のDVD等を観て、ロケ地の推理とその場所を訪れて写真に残すのを楽しみにしています。
泥だらけの純情
「泥だらけの純情」は、中平監督の傑作の一つですが、ストーリー展開がとても素晴らしいと思います。新宿の裏通りで不良学生に絡まれた小百合さんを見かけ、思わず助けたチン ピラの浜田さん。この時にお互いに惹かれあったことが暗示されます。このシーンは目の演技がとても良いです。小百合さんは、浜田さんがヤクザであっても本当は良い人だと信じて更正を願うのですが......。もし私だったら、小百合さんに「ヤクザって良くないと思います。辞められません?」と言われたら即「はい、辞めます」と言ってしまいますが、それでは物語は進行しませんね。浜田さんは、組織の命令により身代わり出頭しなければならなくなります。その間際に二人して逃げ出すのですが、組と警察に追われることとなります。小百合さんも覚悟の家出で、身を寄せる所は皆無で非情に切なくなりました。結局、小百合さんと浜田さんは心中してしまうのですが、死を選ぶしか結ばれなかったのでしょう。このシーンは、涙無しで見れませんでした。