日本活動写真株式会社が創立した翌年の大正2年(1913年)、前身の1社であった吉沢商店の目黒グラスステージを閉鎖、その機能を引き継ぐ形で開業した日活向島撮影所。隅田川のほとりに当時最新鋭のグラスステージを建造しました。
後に現代劇を中心とした撮影所となったこの撮影所は大正12年の関東大震災で大きなダメージを受けて廃止となるまでに様々な作品を製作、日本における「近代映画スタジオ発祥の地」とされています。
そんな、日活向島撮影所跡地に行ってみました。
撮影所跡地へはいくつかのルートがありますが、今回のスタート地点は今最もホットな名所「東京スカイツリー」。
下から見ると圧倒される高さです。今年オープンということは、十年後、スカイツリー10周年の年が日活110周年。スカイツリー100周年の年に日活200周年を迎えます。これからも共に周年事業を祝え続けられますのでどうぞ、末永くよろしくお願いいたします(笑)!
それでは早速撮影所跡地に向かいましょう。東京スカイツリー・イーストタワー側の出口(押上駅側)を出ると、すぐに公共バス・タクシー乗り場があります。
ここは、スカイツリー開業に合わせて運行を開始した、墨田区内循環バス「すみまるくん、すみりんちゃん」の基点になっています。
撮影所跡地の近郊に向かうのは北西部ルート。今回乗ったバスは1台だけ運行している電気バス(日本初の営業運転)の「すみりんちゃん」でした。
20分ほど乗車し、14番「白髭橋病院」で下車。
バス停から隅田川方向(西側)へ5分ほど歩くと、隅田川沿いに設けられた東白髭公園があります。日活撮影所の跡地はこの公園に一部を囲まれた形になっている「旧・堤通小学校」の場所。
しかし、現在小学校は取り壊され、中学校を建設中。そのため、外周が工事用の壁で囲われてしまっています。
隅田川堤防沿いの道路も、白壁で囲まれていますが、一部分だけ壁が透明アクリルパネルになっている箇所があります。
まさにここが、日活撮影所跡地に立てられた「近代映画スタジオ発祥の地」の碑がある場所。
アクリルパネルと鉄柵越しになってしまうため、少々見づらい状態になってしまっていますが、碑には当時のグラスステージのイラストが描かれています。
碑の部分の工事壁を透明パネルにしていただいたおかげで、工事中でも碑が見ることができるのは嬉しいです。
中学校は平成25年に完成することですので、その際にまた改めて訪れたいですね。
この通りや、東白髭公園からも東京スカイツリーを眺めることが出来ました。
ぜひ皆様も、東京スカイツリー見物のついでに、「近代映画スタジオ発祥の地」にも足を運んでみてください。
●その他のルート
JR日暮里駅⇔JR亀戸駅(都バス・里22系統)にて「白髭橋東」停留所下車徒歩約5分
東武スカイツリーライン鐘ヶ淵駅より徒歩約15分(または循環バス乗り換え)
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