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映画『モリのいる場所』初日舞台挨拶で山﨑努さんと樹木希林さんが夫婦円満の秘訣を語る。
2018年05月19日(土曜日)

日本を代表する名優・山﨑努さんと樹木希林さんが初めて共演し、世代を超えた豪華キャストが脇を固める映画『モリのいる場所』が5/19(土)公開初日を迎え、シネスイッチ銀座にてキャスト・監督による舞台挨拶が行われました。

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本作は、97歳で没するまで30年もの間ほとんど家の外へ出ることなく日々自宅の庭を探検し、いきものたちを観察し続けた伝説の画家・熊谷守一氏(通称:モリ)のエピソードを元に、妻・秀子とともに迎えた結婚52年目の"ある1日"を描いた物語。

ともに文学座の出身で、60年以上のキャリアを持つ山﨑さんと樹木さん。共演するのは本作が初めてですが、50年以上を共にした夫婦を見事な存在感で演じています。撮影が行われたのは、昨年7月。暑いさなか、葉山での撮影を一緒に乗り切ったモリの姪・美恵ちゃん役の池谷のぶえさん、沖田修一監督と、撮影を振り返って頂きました。

山﨑 おととしの夏、沖田監督より話があってからずっとモリカズさんに漬かっておりました。モリカズさんの漬物みたいになりました。今日でおしまいです。寂しいような、ホッとしたような。ぼくはもともと家から出ないタイプですが、今日はみなさんにお礼が言いたくて、出かけてきました。ご来場ありがとうございました。

樹木 二十歳の孫が観に来ました。「いままで観たことのないような映画だった」と。期待してください。

山﨑 孫バカといいますか...勘弁してやって下さい(笑)。

沖田監督 2011年の『キツツキと雨』撮影時に、山﨑さんからモリカズさんのことを聞いて、映画をつくれたらなぁと思って、ここまできました。自分も、モリカズ漬けになりました。素晴らしいキャストの方と映画がつくれて感動です。

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-本作について

山﨑 もともと自分の出ている作品は冷静に観られないのですが。今回は、ホッとしたような気持ちです。

樹木 のちに残っていく映画の1本になると思います。

池谷 ご夫婦のシーンが魅力的です。観終わると、結婚したくなりました。

沖田監督 長年、庭で過ごした画家の話なので、そんな気分にひたりながら撮影しました。


- モリカズさんについて

山﨑 もともとモリカズさんを好きだったので、まさか自分が演じるとは...戸惑いました。準備もきつかったです。

- 樹木さんと共演して

山﨑 撮影時は暑さに負け、グッタリしていました。樹木さんは励ましてくれました。実は、自分は劇団の先輩なのですが、立場が逆転して樹木さんに現場をリードしていただきました。

- 山﨑さんと共演して

樹木 至福の時間でした。まさか山﨑さんの奥さん役とは。最初に共演と聞いていて「やらせていただきます」と即答したのですが、まさか奥さん役とは...。ただ、本当の熊谷守一さんの娘さんに聞いたら「まああんなもんじゃないですか」と言われました。

- 本作で演じた熊谷夫妻は結婚52年目。夫婦の長続きの秘訣は?

樹木 私が言う資格はまったくないです(笑)。ただ、うまくやっていくには夫の言葉に「違う」とか否定はしないで「ああそうですか、はいはい」と、まずは言ってみることを学びました。もう遅いけど(笑)。

山﨑 同感です。お互い調子の悪い時はNOから入ってしまうが、秘訣はYESから会話すること。

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― 樹木さんは、7/16から始まる北米最大の日本映画祭「ジャパンカッツ」にて"国際的に活躍する日本人俳優"に授与される賞《Cut Above Award for Outstanding Performance in Film》を受賞。本映画祭では『モリのいる場所』を目玉作品として上映。この受賞については?

樹木 知りませんでした。(夫が)もらえるものは四の五の言わずにもらっとけと。ありがとうございました。


― 最後に、代表して沖田監督からひと言。

沖田監督 モリカズ先生のような大きな存在の方を、40歳の自分が監督するなんて...。観たことのない1本になるといいなと思います。

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山﨑さんと樹木さんが演じる長年連れ添った夫婦ならではのあうんの呼吸、心に染みわたる名セリフの数々、モリ夫婦を囲む様々な人々、懐かしい昭和の情景、モリの庭、音楽...ゆったりとした世界観を体感できる、モリ夫妻の夏のある1日を、ぜひ劇場でお楽しみください!

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映画『モリのいる場所』シネスイッチ銀座、ユーロスペース、シネ・リーブル池袋、イオンシネマほか大ヒット上映中!


画家・熊谷守一(1880-1977年)
明治に生まれ、大正・昭和の画壇で活躍した洋画家。美術学校を首席で卒業し、若い頃から絵の才能を認められながらも、いい絵を描いて褒められようとも有名になろうとも思わず、たまに描いた絵も売れず、長いこと借家を転々として友人の援助で生きながらえる。ぽつぽつ絵が売れてようやく家族を養えるようになったのは50歳を過ぎた頃。この頃の有名なエピソードとして、作品を二科展で見た昭和天皇が「これは子どもの絵か」と尋ねたという。やがて、その風貌や言動から「画壇の仙人」としてひろく脚光をあびる。文化勲章と勲三等叙勲を辞退。その理由を「これ以上、人が訪ねて来るのと困るから」と言っていたが、本当は褒状をもらうのが嫌だったため。晩年は、家の外へ出ることなく、ひたすら自宅の庭で動植物を観察し続けた。

書籍発売予定
ノベライズ「モリのいる場所」小林雄次 著(朝日文庫)発売中
「モリカズさんと私」藤森武/山﨑努/沖田修一/田村祥蔵(文藝春秋)発売中
「コロナ・ブックス「熊谷守一」」(平凡社)発売予定

ストーリー
昭和49年の東京。30年間自宅のちっちゃな庭を探検し、生きものたちを飽きもせずに観察し、時に絵に描く画家モリ(94歳)と、その妻・秀子(76歳)。時を経て味わいを増した生活道具に囲まれて暮らすふたりの日課は、ルール無視の碁。暮らし上手な夫婦の毎日は、呼んでもいないのになぜか人がひっきりなしにやってきて大忙し。そんな二人の生活にマンション建設の危機が忍び寄る。陽がささなくなれば生き物たちは行き場を失う。慈しんできた大切な庭を守るため、モリと秀子が選択したこととは・・・。
画商や近所の人でにぎわう茶の間、大勢でたべる夕ご飯。ちゃぶ台、縁側、黒電話。人と人との距離が今よりも近く感じられる昭和の暮らしと、50年以上をともに過ごしてきた老夫婦の絆、心豊かに充足した人生のある夏の1日を描く。


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©2017「モリのいる場所」製作委員会


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『モリのいる場所』

★2018年5月公開★

名優・山﨑努が「僕のアイドル」と敬愛する画家・熊谷守一氏(通称:モリ)を演じる!

監督脚本:沖田修一

出演:山﨑努 樹木希林 加瀬亮 吉村界人 光石研 青木崇高 吹越満 池谷のぶえ きたろう 三上博史

©2017「モリのいる場所」製作委員会



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