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映画『モリのいる場所』トークイベントにアーティスト・日比野克彦氏と沖田修一監督が登場!未公開映画場面写真も公開!
2018年04月18日(水曜日)

いよいよ来月に公開が迫る映画『モリのいる場所』と、池袋コミュニティ・カレッジのセブンシネマ倶楽部とのコラボ企画として、4/14(土)トークイベントが行われました。イベントには、熊谷守一氏の生まれ故郷にある岐阜県美術館館長をつとめるアーティスト・日比野克彦さんと、本作のメガホンをとった沖田修一監督が登壇されました。

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本作は、97歳で没するまで30年もの間ほとんど家の外へ出ることなく日々自宅の庭を探検し、いきものたちを観察し続け「仙人」と呼ばれた伝説の画家・熊谷守一氏(通称:モリ)のエピソードを元に、妻・秀子とともに迎えた結婚52年目の"ある1日"を描いた物語。

本作で13年ぶりの主演をつとめる山﨑努さんがモリを、樹木希林さんが妻・秀子を演じるのをはじめ、加瀬亮さん、吉村界人さん、光石研さん、青木崇高さん、吹越満さん、池谷のぶえさん、きたろうさん、三上博史さんら20代~80代の豪華キャストが集結した話題作は、5/19(土)よりシネスイッチ銀座、ユーロスペース、シネ・リーブル池袋、イオンシネマほか全国公開されます。

モリの自宅があった豊島区で行われたトークイベントには、予想を越える大勢のお客様がご来場。映画関連書籍の販売にも長蛇の列ができ、熊谷守一人気の高さをうかがわせました。

岐阜県出身の日比野さんは、「家に熊谷守一の複製の絵が飾ってあり、岐阜では一番有名な画家で、大家でありながら身近な存在だった」と印象を語り、美大生時代、モリが描こうとするものを"いかに熱心に研究したか"という話を披露。

映画に登場するシーンにもある"庭の生きものを見ているモリ"のことや、ある時期からモリが描くようになった"赤い輪郭"について語り、"赤い輪郭は光を描いている"と、シンプルなラインの奥深さを明かしました。

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©2017「モリのいる場所」製作委員会


また映画については、「フィクションとノンフィクションの部分があり、それが錯綜するなか、他にはない独特の映画世界が面白かった」とおっしゃり、最後は「この映画には絵を描くシーンが一切ありません。こうご期待!」と、画家の生涯を追う映画でないところの面白さをアピールして締めくくられました。

沖田監督は熊谷守一氏の絵の印象をきかれると、"雨滴"(地面に落ちる雨がはねる様子を描いた絵)について「最初は、しいたけの絵かと思っちゃいました(笑)」と話し、会場は大笑い。「かわいいだけでなく、何か心をひかれる絵だった」と続けます。

さらに「台本を書く時、画家の半生を描くような映画にはしたくなかった。かといって、守一さんの写真集を再現するようにはならないよう、かけ離れ過ぎず、映画だけの世界になるように考えました。そして映画の中心にモリがいて、その周りに人々が集まってくるような映画にしたかったんです」と、映画づくりにおけるこだわりを語りました。

トーク後はサイン会も行われ、イベントは盛況のうち幕を閉じました。

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画家・モリの生涯や半生ではなく、夫婦が紡いできた豊かな人生を感じさせる"ある1日"を描く『モリのいる場所』に、ご期待ください!

映画の未公開場面写真も解禁されました!


▼すき焼き食べるモリ

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©2017「モリのいる場所」製作委員会


▼メイキング:食事シーン

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©2017「モリのいる場所」製作委員会


▼部屋の絵

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©2017「モリのいる場所」製作委員会


画家・熊谷守一(1880-1977年)
明治に生まれ、大正・昭和の画壇で活躍した洋画家。美術学校を首席で卒業し、若い頃から絵の才能を認められながらも、いい絵を描いて褒められようとも有名になろうとも思わず、たまに描いた絵も売れず、長いこと借家を転々として友人の援助で生きながらえる。ぽつぽつ絵が売れてようやく家族を養えるようになったのは50歳を過ぎた頃。この頃の有名なエピソードとして、作品を二科展で見た昭和天皇が「これは子どもの絵か」と尋ねたという。やがて、その風貌や言動から「画壇の仙人」としてひろく脚光をあびる。文化勲章と勲三等叙勲を辞退。その理由を「これ以上、人が訪ねて来るのと困るから」と言っていたが、本当は褒状をもらうのが嫌だったため。晩年は、家の外へ出ることなく、ひたすら自宅の庭で動植物を観察し続けた。


映画『モリのいる場所』2018/5/19(土)シネスイッチ銀座、ユーロスペース、シネ・リーブル池袋、イオンシネマほか全国公開!


書籍発売予定
ノベライズ「モリのいる場所」小林雄次 著(朝日文庫)発売中
「モリカズさんと私」藤森武/山﨑努/沖田修一/田村祥蔵(文藝春秋)発売中
「コロナ・ブックス「熊谷守一」」(平凡社)発売予定

ストーリー
昭和49年の東京。30年間自宅のちっちゃな庭を探検し、生きものたちを飽きもせずに観察し、時に絵に描く画家モリ(94歳)と、その妻・秀子(76歳)。時を経て味わいを増した生活道具に囲まれて暮らすふたりの日課は、ルール無視の碁。暮らし上手な夫婦の毎日は、呼んでもいないのになぜか人がひっきりなしにやってきて大忙し。そんな二人の生活にマンション建設の危機が忍び寄る。陽がささなくなれば生き物たちは行き場を失う。慈しんできた大切な庭を守るため、モリと秀子が選択したこととは・・・。
画商や近所の人でにぎわう茶の間、大勢でたべる夕ご飯。ちゃぶ台、縁側、黒電話。人と人との距離が今よりも近く感じられる昭和の暮らしと、50年以上をともに過ごしてきた老夫婦の絆、心豊かに充足した人生のある夏の1日を描く。


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©2017「モリのいる場所」製作委員会


映画『モリのいる場所』関連ニュース

学芸員レクチャー付内覧試写会
公開決定


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『モリのいる場所』

★2018年5月公開★

名優・山﨑努が「僕のアイドル」と敬愛する画家・熊谷守一氏(通称:モリ)を演じる!

監督脚本:沖田修一

出演:山﨑努 樹木希林 加瀬亮 吉村界人 光石研 青木崇高 吹越満 池谷のぶえ きたろう 三上博史

©2017「モリのいる場所」製作委員会



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