司会：早速ですが、漱石を演じられていかがでしたか？
堀部：有名な方なので、ご覧になる方のイメージを裏切ってはいけないと思い臨みましたが・・・。
司会：清水監督、相変わらず怖い作品を作られましたね。
監督：怖いですか？製作陣はこの作品を怖くして欲しくて僕に頼まれたんだと思っていましたので、多少怖くしました。でも、いつもお化けばかりじゃイヤなので、少し原作をいじってこんな感じに作りました。原作を知らない方も、この映画を観て興味を持っていただけたらと思っています。
司会：映画化するにあたって苦労された点はどんなところですか？
清水監督：僕が一番最後の製作・撮影だったんです。他の9夜はもう出来あがっていたので、それを観るべきか観ないでおくべきか、正直悩みましたが、他の監督は、その他の監督達の作品を観ないで撮影しているので、同じ環境で作ろうと思い、僕も観ないで作りました。他の監督が“これはやっているかもしれない、だからこれはやめとこう”とか変な気を使っちゃいましたが・・・（笑）
司会：まだ他の作品はご覧になっていないんですか？
清水監督：いいえ、3日前に僕の[第3夜]も入れてもらって初めて全10夜通して観ました。
司会：感想お聞きしてもいいですか？
清水監督：凄いですよ！10人の監督が好き放題やりまくっているんですね。十人十色です。だから、ぜんぜん違う色の短編を続けて10本観せられる形なので、２時間半の映画『犬神家の一族』を観たくらい疲れるんです。でも、全然飽きなくて面白いんです！

ここで、正体不明の人達が乱入・・・
「私たちはユメ十夜に対抗して、勝手に[海賊版(?)ユメ十夜（『結果、夢十夜と呼んでくれ(仮)』）]を作って参りました。今日は豪華絢爛な『ユメ十夜』に挑戦状を叩き付けに参りました。自分たちで海賊版だと認めている挑戦状です（笑）」
《自主映画監督たちが挑戦状を読み上げ、清水監督に突きつけてしまう！》

挑戦状
我々、製作１０×１０（テン・バイ・テン）のメンバーは、
文豪・夏目漱石原作『夢十夜』を独自の解釈によって映画化し、
０７年正月第二・五弾に公開することを勝手に目指し、
貴殿ら、
実相時昭雄（ジッソウジ　アキオ）監督
市川崑（イチカワ　コン）監督
清水崇（シミズ　タカシ）監督
清水厚（シミズ　アツシ）監督
豊島圭介（トヨシマ　ケイスケ）監督
松尾スズキ（マツオ　スズキ）監督
天野嘉孝（アマノ　ヨシタカ）＆河原真明（カワハラ　シンメイ）両監督
山下敦弘（ヤマシタ　ノブヒロ）監督
西川美和（ニシカワ　ミワ）監督
山口雄大（ヤマグチ　ユウダイ）監督

平成十七年十一月二四日
製作・配給１０×１０（テン・バイ・テン）メンバー
桝本瑠璃
栗田法正
白土潔
山口大輔
鮒洩真珠
高井大樹
川島史敬
佐藤央
瀬尾あき
天野邪子
以上

司会：一体みなさんはどんな方たちなんですか？
乱入監督（白土潔監督）：私たちも映画監督でして・・・老若男女問わず、こちらもバラエティに富んだ監督たちです。
清水監督：それにしてもこんな話、僕知りませんでした！本当に・・・僕らの『ユメ十夜』の方もかなりハチャメチャやっているので、どちらが海賊版か分からなくなる可能性もでてきますね（笑）
堀部：清水監督、挑戦状をもらっちゃったということは、挑戦を受けたということになっちゃいましたね。
清水監督：あっ！・・・でも、勝敗はお客さんに委ねるんですよね？因みこの海賊版は上映するんですか？
乱入監督（白土潔監督）：はい。『結果、夢十夜と呼んでくれ(仮)』と、まだ仮題ですが、新春第2.5弾に吉祥寺バウスシアターで公開します！
・・・
堀部・清水監督：おぉ！！

・・・・と、一気に両作品の公開が待ち遠しくなてしまう火花散る舞台挨拶でした。

『ユメ十夜』
2007年新春第２弾　新宿シネマスクエアとうきゅう、シネ・リーブル池袋、渋谷シネ･アミューズ他全国ロードショー
監督：実相寺昭雄　市川崑　清水崇　清水厚　豊島圭介　松尾スズキ　天野喜孝・河原真明　山下敦弘　西川美和　山口雄大
キャスト：小泉今日子　松尾スズキ　うじきつよし　中村梅之助　山本耕史　菅野莉央　市川実日子　大倉孝二　阿部サダヲ　TOZAWA　石原良純　藤岡弘、緒川たまき　ピエール瀧　松山ケンイチ　本上まなみ　石坂浩二　戸田恵梨香