イベントレポート

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『トンマッコルへようこそ』来日記者会見 ホテルニューオータニ
2006年08月31日(木曜日)

MC:それでは早速本日のゲストの皆さんにご挨拶をいただきたいと思います。

まずは人民軍のリーダーを演じました、チョン・ジェヨンさんです。

チョン・ジェヨン:こんにちは。私は『トンマッコルへようこそ』で北の人民軍の将校を演じましたチョン・ジェヨンと申します。この度に日本でこの作品が公開されることになりまして胸の高鳴りを覚える気持ちでおります。日本の観客の皆さんも楽しんで暖かい気持ちでこの映画をご覧になられると思います。

つづいて、トンマッコルに住む少女ヨイルを演じましたカン・ヘジョンさんです。

カン・ヘジョン:こんにちは。カン・ヘジョンです。本日は沢山の記者の方にお集まりいただきまして、本当にありがたく思っております。
そして関心を示してくださってうれしく思います。この映画が公開された時に多くの方が劇場に足を運んで、楽しく観ていただけるように、どうか皆さんのお力を貸してください。

シン・ハギュン:『トンマッコルへようこそ』で韓国の将校の役を担当しておりますシン・ハギュンと申します。
多くの方々が関心を持ってくださったことに感謝しております。
韓国でそうだったように日本でも多くの方々がこの映画で楽しんでいただけると思います。

MC:ありがとうございました。シン・ハギュンさんでした。
そしてこの映画の監督、初監督作品となりました、そして共同プロデュースもしていらっしゃるパク・カンヒョン監督です。

パク・カンヒョン:こんにちは。『トンマッコルへようこそ』で監督をしておりました、パク・カンヒョンと申します。実はこの映画を始める当初は非常に大変でして、映画の各界の方々の関心を得られませんでしたので、映画を作っている当初はこうして日本にまで来て紹介されるとは全く想像もしておりませんでした。今のこの状況は全く夢の様なことで、とても光栄に思っております。日本の皆さんも、この映画をご覧になって、私達がこの映画にこめようとした本当の心を感じていただければと思っております。

マスコミによる質疑応答

質問1.チョン・ジェヨンさんとシン・ハギュンさんにお伺いします。
映画の前に舞台に出ていらっしゃいましたが、舞台と映画での演技の違いというものを教えていただきたいのと、脚本を書かれたチャン・ジン監督は映画化に際して何かご意見やアドバイスなどあったのか教えてください。

チョン:私とシン・ハギュンさんは演劇にも出てますし映画にも出演してますが、舞台の方で演じたのは映画に出てくる将校ではなくて舞台にだけ登場するキャラクター件ナレーションと言うことで出演しましたので、キャラクター上の違いと言うのは無いんです。舞台に比べますと映画のほうはやはり内面を見せると言うことが多いのではないかと思います。そいういった場合やはり舞台と映画の違いというのはあるかと思います。映画のほうは舞台より内面をより強く出すということですね。せりふが無くてただ立っているだけでも動きが無くてもカメラが私を捉えた時、監督が私を捉えた時、やはり何らかの感情がそこには表れると思いますので、観客はそれが無くてもその苦労を汲み取ると思います。方や舞台というのは全てにおいて俳優の表情ですとか言葉ですとか直接表現することが多いというのが両者の違いかと思います。そして、チャン・チンジン監督ですが、私達に頭を下げるようにして、どうか良い演技を見せてくれと、あなた達がしっかりやってくれれば文句も言われないだろうから、原作の持ち味を損なわないようにとにかく良い演技を見せて欲しいと、、そうすればパク監督からも文句は言われないだろうから、がんばってくれと言われました。

MC:シン・ハギュンさんはいかがでしたか?

シン:私もチャン・ジェヨン先輩の意見にほぼ同意します。
やはりチャン・ジン監督とパク監督の出会いというのは良いシナジー効果と発揮したと思います。それに参加することの出来た俳優として本当に感謝しています。演劇と映画の演技の違いと言うことなんですが、表現方法の違いと言うことで本質的には全く同じだと思います。

MC:パク・カンヒョン監督にもお伺いしたいのですが、この作品を映画化することにあたって何か監督とお話されたことはありますか?

監督:チャン監督に最初に映画化してみないかといわれました。私は1年6ヶ月に渡りシナリオを書いたんですが、「おもしろくないな」と言われまして、愕然としましたが、話し合いをして映画化に向けてシナリオの動議をしました。その後撮影に入ってからは、ほぼわたくしにまかせてくれました。そして、初めて二人で最初の試写として挙がってきたものを観た時は、私達二人ともとても幸せな気分になりました 。チャンさんと私はとても似ているところもありますし、また違った点も多々あります。私達二人は本当に良い組み合わせだと思います。

質問2.今回久石譲さんが音楽を担当されていますが、久石さんを指名されたことと、久石さんの他の担当作品をご覧になってどのような感想をもたれましたか?

監督:私はこの映画のシナリオを書いている時に既に久石さんの音楽を聞きながら書いていました。そうすることによって多くの霊感を得ましたし、書き進むリズム感と言うものを得た気がします。いざシナリオが完成した段階で当初は韓国国内で久石さんに似た音楽監督を探したんですが、やはり久石さんの様な音楽を作るような方は見つけることが出来ませんでした。監督として長篇映画監督は初めてですし久石さんは日本で巨匠といわれる方です。思い切ってお願いをしました。それを引き受けて下さったというわけです。
そして、その音楽の出来についてなんですが、それは結果がどうこうと言うよりはむしろその過程というものが大切なんだなと思っています。
作業を進める期間にも非常に息もぴったり合いましたし、お互いの気持ちもうまく交換し合えて作業も進められたかと思います。
久石さんご自身も私達の映画に参加したことをとても楽しんでくださいましたし、その結果について私は非常に満足しております。

質問3.監督がカンさんをこの役にキャスティングした理由と、彼女にどのように役作りをしたか、また、それを受けてカンさんは舞台版をご覧になっていましたか?と言うことと、キャスティングを受けるまでの経緯を教えてください。

監督:キャスティングをした理由は、シナリオを完成させた後に、このヨンイという役にぴったり合う女優さんを探しました。しかし、中々見つかりませんでした。そんな時、あるコマーシャルの現場に遊びにいったんですが、その時に彼女がコマーシャルの撮影をしていました。休憩中の彼女の姿を見て、いいのではないかと思いました。というのも休憩時間に彼女がしている行動というのはとても普通の人とは思えない、ちょっと普通の人とは違うんではないかという、ここでお話できないような行動も見られたので、彼女だったらこの役にぴったりなのではないかと思いオファーをしました。すぐにOKは出ませんでした。3回くらい会っていろんな話をしたんですが、子供の頃の話をしてくれました。
たとえば雨に打たれるのはとても好きだ、、と、雨に打たれて顔を靴下で拭いたりしていた、、と言う話もしていました。
ですから、私は是非彼女にやってもらいたいと言うことで、全力で彼女にお願いしたわけです。
彼女は私の気持ちを分かってくれたのか、あまりに可愛そうだと思ったのか、引き受けてくれた訳です。
そして、彼女のそうした子供時代の話を映画の中に盛り込みたいと思いました。

カン:実は私がこの映画のシナリオをいただいた時は舞台の公演は終わっていましたので、舞台は観ていません。
ビデオで観るという方法もあったのですが、やはり演劇は舞台ならではの味わいがあると思いましたので、敢えて見ないようにしました。観てしまうと、同じような印象をもってしまうかと思いましたので 、結局観なかったんですが、そんな中で、監督からシナオを頂いたんですが、その時こんな風に作りたいと監督は話されていました。で、出来上がった作品を見ると、その時監督がお話されていた通りの映画が出来あがったと思いました。
私から監督に質問したのは、ヨイルという少女がちょっと頭がおかしいのか、それとも本当に純粋なのかどちらなんですか?と言う質問をしたら、3回目に会った時にクールなお顔でこの少女は純粋なんですよと言ってくれたので、そこがいいなと思い出演を決めました。
3回お会いしたというのは、お会いしていくうちにきっとギャランティーが上がるのかなと思ったからなんですが、それは冗談です。
私としては慎重に選んだ方がいい映画が出来ると思ったので慎重に選びました。
監督からヨイルをやる上で注文があったとすると、私がこの作品のシナリオを頂いた時に別の作品のシナリオを頂いていたんです。ところが事情があり、撮影が遅れてしまいました。で、先に『トンマッコルへようこそ』を撮ったんですが、どうしてもいろんな事情があったのでそれを頭で考えてしまい、それが演技にも現れてしまっていたんです。カメラを向けるとどうも私が悩んでいる姿がカメラに映ってしまっていたようで、出来るだけ今の考えを捨ててくれと言われました。
なので、私もいろんな考えを捨てようという努力をしました。そのうち私が持っている肯定的な、内的な考えを持つようにしよう、と思いました。で、ヨイルというキャラクター自体この内的な考えを皆に分けてあげるようなところがありましたので、そうするように努力をしましたが、中々うまく出来なかったかもしれません。

質問4.撮影経過について、監督にトンマッコルの村を作るのに大変だったこと、出演者の3名には撮影時のエピソードなどをお願いします

監督:一番最初に舞台の作品として描かれたトンマッコルの村と言うのは非常に小さな村でした。原作者のチャン・ジンが私に託すにあたって彼自身も自身も小さな村で撮影するということを考えていたので、トンマッコルという小さな村が舞台になる映画を作ることを思い描いたようです。
私が最初に作品を頂いた時に一番最初に頭に浮かんだのは、今まで観たことの無いような神秘的な空間が頭の中に思い浮かびました。そういう空間を作るには、そういうセットが必要な訳で、そのためにはかなりの制作費が費やされるという訳です。この映画を作る時、さほど業界からも注目されていなかったので、大きな制作費用を積めるようにするのはかなり苦労しました。
でも結果的に私自身も皆さんも満足していただけたと思っております。

チョン:私がこういうインタビューで話をすると、後の二人が必ず「それ私が言おうと思っていた」というので(笑)シンさんから先に話してもらおうと思います。

シン:チョン・ジェヨンさんの様な方と映画を1本共演したということはいかに大変なことだったかということを分かっていただけると思います。これは冗談ですが、、
今振り返ると、非常に気持ちの良い旅行に行ってきたという感覚です。映画を1本撮るということは肉体的にも精神的にも大変なことです。しかし、今回の映画はとても良い方々と良い環境の中で撮ることが出来ました。
そして、韓国でも普段あまり行けないような綺麗で美しい自然の中で、撮れましたし、私もそういった自然を満喫できたと思います。
撮影現場では、夜空を見上げると流れ星がたくさん流れてくることもありました。私にとって本当に素敵な贈り物になったと思います。
映画が多くの人に観ていただけると言うのは本当に感謝することですし、私もありがたいと思っています。

カン:映画というのは1つのシーンで成り立たないというのと同じで、エピソードもこの一瞬だけがエピソードというのではなくて、全てが私にとってエピソードです。この映画を通して得たものがあるとしたら、監督、そしてここにいる立派な先輩達、他にも農民として出演していた俳優さんたちには舞台俳優の方が多いので、そうしたすばらしい人たちに囲まれて良い雰囲気の中で映画に出られたということは、それが一番の収穫だったと思います。この映画を通して得られたものは人との縁だと思います。

チェン:今思うと、出演した俳優が苦労したのが寒さだったな〜と思いますが、それ以外は取り立てて苦労は無かったと思います。それに対して監督とスタッフは2〜3倍は苦労していたのではないかと思います。
たとえば最後に先頭シーンがあったんですが、冬という設定でした。監督が前日にこれくらいの量の雪が必要だからということでロケハンに行くんですが、当日になってその場所に行って見ると、状況が変わっていて使えないということになって、また探すと頂上のの方になったりして、それをまた見に行くということでとても大変だったと思います。
また、映画の真ん中くらいに草むらでソリに乗って遊ぶシーンがあるんですが、最初緑の芝生が入っている時に撮って、また、違うシーンを撮って、また、その場所に戻って見ると芝生が枯れていてスタッフが緑色のスプレーをまいたりだとか、本当に大変でした。また、映画に出てくる猪はキャスティングされた2頭目の猪でした。1頭目にキャスティングされた猪のほうが野性味あふれていて非常に怖そうな猪だったんですが、その1頭目が出演を拒否したので、2頭目をつれてこなければならなかったという苦労もありました。
しかし、夜になると裏のほうでキャンファイヤーをやっているところに行ってみたり、ジャガイモが植わっているところに行って、つまんでみたりなど、楽しい思い出がいっぱいです。
撮影監督は、もうこういったロケは二度と出来ないだろうとおっしゃっていました。

MC:シン・ハギュンさんとチョン・ジェヨンさんは普段から仲が良いとお伺いしていまして、今もそんな雰囲気が伝わってくるのですが、お互いの演技をほめあっていただけますでしょうか?
また、褒め合うと言うことを前提に、本音を言っていただいても結構かと思います。

シン:私がどうしてチョン・ジェヨンさんのことをどうこう言えるでしょうか?
私達は学校時代の先輩後輩と言う関係でして、長い間映画で、そして舞台でお仕事をさせて頂いてます。ジェヨンさんは私がとても好きな方で、とても頼りにしていますし、影響も受けている方です。私がジェヨンついて評価することは出来ません。普段から本当に大好きな方です。

MC:どんなところがお好きなんですか?

シン:わたしの好みのタイプだということでは決してありません。あくまでも人間的な面、俳優として好きだと言うことです。
私は彼から、いろんなことを学んでいます。人間的に何か特別な感情があるというわけではありません。

チョン:どうか僕達が結婚するようなことになりましたら、結婚式にいらしてください。良くこの質問は韓国でも聞きます。日本でもそうだと思いますが、親しい人がいるときは本人と一緒にいる時は褒めたりは出来ないんです。親しければ親しいほどそういったことが出来ないと思います。夫が妻のことを褒めるとどこかおかしいのではないかと言われるのと同じで、褒めあうと非常に照れくさいと言う気持ちがあります。
シンさんとは、大学の時から、ある時は友達のように、ある時は兄弟のように、過ごしてきましたし、いくつか作品にも一緒に出演しています。沢山の話もしますしお酒もたくさん飲んでます。多分お酒友達の期間が一番長いと思います。
今まで、彼のことを特別にこうだああだと考えて来たことは無く、本当にそういった関係で今まで来ました。誰かが誰かに好感を持ったり親しい間柄と言うのは、ここが良いからというようなり理由では無いと思います。単に友達として、同士として気が合うという点が一番大きいのではないかと思います。
先ほど彼が僕のことを気が合うだとか、先輩だから評価は出来ないと言っていましたが、それは彼が仮面をかぶって言っていたと思ってください。一緒にいる時はそんな事は一度も口にしたことが無いので、誤解されてはいけない、違うイメージをもたれてはいけないと思います。
私も日本にいる間に仮面をはずして帰りたいと思います。

『トンマッコルへようこそ』の小説は9月25日発売です。

『トンマッコルへようこそ』
2006年10月28日全国ロードショー
監督:パク・クァンヒョン
音楽:久石譲
キャスト:シン・ハギュン/ チョン・ジェヨン/ カン・ヘジョン

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