一時的に強烈な雨が降る4月20日、六本木グランドハイアット東京で製作報告記者会見が催されました。
「そのノートに名前を書かれた人間は死ぬ」
「デスノート」は週刊少年ジャンプでの連載スタートと同時にその衝撃的な内容と独自の世界観が話題を呼び、1400万部を突破したカリスマ・コミック。その『デスノート』が史上初の2作連続(6月,10月)でスクリーンに登場します。
会見には夜神月(やがみライト)役の藤原竜也さん、その月(ライト)に対峙するL(エル)役の松山ケンイチさん、刑事局長役の鹿賀丈史さん、瀬戸朝香さん、戸田恵梨香さん、香椎由宇さん、細川茂樹さん、藤村俊二さん、そして金子修介監督が臨まれました。
「デスノートを手にしたら、あなたならどうしますか」
和やかな会見が、この質問で突然、緊張感のあるものになりました。
藤原「…(悩んでいる)う…ん、夜神月(やがみライト)の場合は過激な正義に走ってしまったと思うんですけれど、自分は…使わないです…使えないですね」
松山「…僕はそんなに頭が良くないから…誰かを殺すとかは考えられないです。…ノートを通して死神と話せれば…それだけで十分ですね」
瀬戸「そのノートに一言書くだけで人が死んでしまう…命の重みとか全く関係なくなるから…それが怖いですね」
香椎「…怖いから使えないですね。リュークみたいな死神とは知り合いたくないですし。使って自分に何が返ってくるのかを考えると…使えないです」
細川「使ったら、誰かに使われそうですしね…使いません」
戸田「…使えないです…ね。処分します」
藤村「決して使わないですよ。この年になると逆に自分をいっぺん殺してみたい。それで今度は生きるノートでも探そうかなぁ」
鹿賀「こういう会見でこのノートを使いたいっていう人はいないと思いますよ。(会場爆笑)でも、自分の死ぬ時期がわかったら、それは面白いですよね」
金子監督「実は、[デスノート]に人の名前を書く夢を見たんですよ。すごく後味が悪かった。[デスノート]は詳しい死因なども書けて、殺す人間を色々と操れる。だから、誰も死なないけれど人を色々と操れる、というノートだったら僕も欲しいですね」
「リューク(死神)から見た人間界はどんな感じですか」
藤原「[デスノート]を持っている僕にしか答えられないですよね…。(リュークに聞く感じで)死神に興味を持つなんて珍しい奴だな。退屈な死神界よりは人間界の方が楽しいさ。ははは…」藤原さん…死神の通訳もたいへんですよね。(笑)
「原作の漫画【デスノート】はどのようなきっかけで最初に読まれましたか」
金子監督「息子が面白いよ、と持ってきたのがきっかけでした。面白いけれど、これは映画には出来ないのではないかと正直、最初は思いました。死神のルールが複雑で無理かと。でも、そこを僕の20年の映画キャリアで面白いものに出来たと思います(場内爆笑)」
藤原「僕の場合は姉の子に、面白いからと薦められたのがきっかけです。突っ走るようにして一気に僕も読んでしまいました。僕自身、今の世の中が、正義が正義ではなくなりつつあるなと感じているので、主人公には共感しましたね。ライトは天才ゆえに感情をあまり表に出さない役でしたので、そのへんが演じるのに難しかったですね」
松山「週刊ジャンプの連載で読んでいました。でも、僕はライトもエルも友達にはなりたくないですね。映画化は無理だと思っていましたが、撮影に入ったらすごく自由に演じられて楽しかった。やりがいを感じました。連載を読んでいた当時はそんなに深く考えてはいませんでしたが、今は人それぞれの正義とか悪をぶつけあって、そこに何が生まれるのかを考えるようになりましたね」
「もし突然、愛する人がデスノートで殺されたらどうしますか」
藤原「…難しい質問ですね。…退屈な世の中…正義が正義でない世の中については僕も感じているので…一人ですごく考えてしまうでしょうね」
松山「今ずっと考えていたんですけれど…答えは出ないですね。人殺しは人殺しですし。答えは見つからないです」
瀬戸「私は映画の中で実際、大切な人を失う役なのですが…命を張って、仕返しに行くのか?…愛する人を 殺されたら…想像できないですね」
香椎「もし操った人物がわかっていたら…それでも…何も出来ないでしょう…ね。一人の世界に入ってしまうと思います」
細川「僕は迷わず復讐しに行きますよ。(場内爆笑)一時、復讐劇にはまっていた事があって復讐するならこうすればいい、という考えがあるんですよ(笑)。詳しく知りたい方は次回お話しますね」
戸田「私だったら泣き崩れてしまうかもしれません。殺した人を恨むか憎むかもしれません 」
藤村「私には対決する知能や知恵もないですからねぇ。とりあえず諦めるしかない。【デスノート】とはそういうもの。なすすべもない、考えるすべもないです」
鹿賀「うん、藤村さんもおっしゃったけれど、やっぱりあきらめるしかないと思いますね」
そして、最後に金子監督が「答えは映画を見てください!すべての答えは、『デスノート』全編を見れば分かります」とまとめてくださいました。藤原さんが実際の【デスノート】に何かを書き込まれる演出もあり、何を 書いたのかは公開まで秘密だそうです。
また、当日は会見用の特別映像も披露され、緊張感いっぱいの内容で、すごく面白そうでした!!
ちなみに、主題歌はあのロック界のカリスマ「レッド・ホット・チリ・ペッパーズ」の新曲『ダニー・カリフォルニア』(5/10発売)。会見ではメンバーのアンソニー、フリーからの映画に対する特別メッセージも流れましたよ。
公開が待ち遠しいですね。
映画『デスノート』は 前編が6月17日〜 後編が10月〜の全国松竹・東急系で連続公開されます。
『デスノート』
2006年6月17日(土)前編、10月後編~全国ロードショー
監督:金子修介
キャスト:藤原竜也、松山ケンイチ、瀬戸朝香、藤村俊二、鹿賀丈史ほか