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主演・蒼井優 × 名匠・黒沢清監督『スパイの妻』舞台挨拶で、監督が俳優陣を次々に大絶賛!
2020年10月17日(土曜日)

10/16(金)全国公開した蒼井優さん主演最新作で、黒沢清監督がメガホンをとった映画『スパイの妻<劇場版>』は「本年度邦画暫定1位!」「すごいものをみた」などSNSで熱い感想が並ぶなか、10/17(土)新宿ピカデリーにて、蒼井優さん、高橋一生さん、東出昌大さん、坂東龍汰さん、黒沢清監督による舞台挨拶登壇が行われました。

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本作は、NHK BS8Kで放送したドラマをスクリーンサイズや色調を新たにした劇場版。世界中に熱狂的なファンを持つ黒沢清監督が歴史の闇に初めて挑み、昭和初期の日本を舞台に、戦争に翻弄されながらも自身の信念と愛を貫く女性の姿を描きます。

本作でお客様が入った状態の劇場での舞台挨拶は今回が初めて。蒼井さんは、多くのお客様が詰めかけた客席を見て「映画館に帰ってきてくださってありがとうございます」と笑顔をみせ、高橋さんも「感慨深いです」としみじみ。

蒼井さんは、黒沢監督作品の魅力について、限られた美術セットの中での撮影でありながらも、完成した作品が大きなスケール感を持っている点に触れ「画の中を撮りながら、画の外も撮られているところがすごい。銀獅子賞監督の前で何をえらそうにって感じですけど(笑)、すごく骨太な映画ができたと思います」と力強く語りました。

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黒沢監督は、これまでも何度も仕事を共にしてきた蒼井さんを「華がある」と絶賛。「画面に映ると隅にいても、後ろを向いていても絶対に輝くんですね。持って生まれた"何か"があると今回、とりわけ強く感じました」と。

また、本作で初めて黒沢作品に出演した高橋さんについても「舌を巻くほどうまい! 『うまい』に尽きます。長ゼリフでも短いものでも、見ている側にセリフが飛び込んできて、喚起させる。たぶん、世界で一番うまいんじゃないかなと思います」とこれまた大絶賛しました。

高橋さんは黒沢監督の言葉に「もう思い残すことはないんじゃないですかね。今日、終わってもいいくらい嬉しい言葉をいただきました」と感激していました。

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また、本作と近年の黒沢作品の常連となっている東出さんについて、黒沢監督は「大好きです。ご本人はこう言うと嫌がるかもしれませんが、『あやしい』んですね。妖怪の"怪"のあやしさもあるし、"妖"のあやしさもある。出てきた瞬間、何かが起こりそうな感じがするところが大好きです」と半ば"妖怪"を彷彿させながらも存在感を褒め称えました。

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坂東さんは、本作への出演を「緊張が最初はすごくありました。でも、みなさんがいろいろ話をしてくださったり、リラックスして終えられました。試写を観て、作品の一部になれていたのが嬉しくて、鳥肌が立ちました」と述懐。

黒沢監督はそんな坂東さんについて「全然、緊張してらっしゃらなくて、蒼井さんともかなりハードなやりとりがあったけど、楽々やっていて、この人はものすごい大物になるかも」とそのポテンシャルにお墨付きを与えました。

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また、本作に登場する強い信念を持った登場人物たちにちなんで、登壇陣に「これだけは折れないというものは?」という質問を投げかけると、一同思案顔。

高橋さんは「『これだけは折れない』というものを、いつでも折ろうと思える覚悟」と回答。坂東さんは「折りたくないものは、芝居の中でワクワクする気持ちをずっとなくしたくないということ」と語り、蒼井さんはこの言葉に「素敵ですね。私もそういう時期があったのかな...」としみじみ。なかなか答えが出ずに考え込んでいた東出さんは、まさにその自身の状態「あきらめないで考え続けることですね」と語りました。

この日は、ヴェネチア国際映画祭の銀獅子賞のトロフィーも生のお客様の前で初めてお披露目。「(トロフィーを)目の当たりにすると、ささやかながら映画の歴史にこの『スパイの妻』が名を刻んだんだなと実感がわいてきます」と喜びを口にした。

蒼井さんは「本当におめでとうございます。そして、こうして私たちにも見せてくださりありがとうございます。素晴らしいこと過ぎて、自分の言葉をどう添えたらいいのかわからないくらいですが...こうしてみなさんと共有できてうれしいです」と祝福の言葉と感謝の思いを贈りました。

そして最後に蒼井さんは「いま、劇場のみなさんも大変な状況ですが、映画館にくる喜びを少しでも多くの方が体験してくださったら幸せです」と呼びかけました。

高橋さんは本作で描かれる物語について「人間が志や信念を貫いていく中で、のっぴきならない秘密や抱えなくちゃいけないことはたくさんあるのかもしれませんが、そうすればそうするほど、個人というものと、その真逆の大勢というものの対比が見えてくるんじゃないかと思うし、それはいまの世界でも通じると思います。心の中に一人一人の答えが出てくる作品になっていると思います」と語り、温かい拍手の中で舞台挨拶は幕を閉じました。


第77回ヴェネチア国際映画祭「銀獅子賞(監督賞)」を受賞した黒沢監督が賛辞を贈る、出演陣のたしかなお芝居を是非劇場でお楽しみください!


映画『スパイの妻』大ヒット上映中!


STORY
1940年、神戸で貿易会社を営む優作は、赴いた満州で、恐ろしい国家機密を偶然知り、正義のため、事の顛末を世に知らしめようとする。満州から連れ帰った謎の女、油紙に包まれたノート、金庫に隠されたフィルム......聡子の知らぬところで、別の顔を持ち始めた夫、優作。それでも、優作への愛が、聡子を突き動かしていく―。


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©2020 NHK, NEP, Incline, C&I


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『スパイの妻』

★2020年10月16日(金)全国公開★

太平洋戦争前夜。愛と正義に賭けたふたりがたどり着くのは、幸福か、陰謀か―。

監督:黒沢清

脚本:濱口竜介 野原位 黒沢清

音楽:長岡亮介

出演:蒼井優 高橋一生 坂東龍汰 恒松祐里 みのすけ 玄理 東出昌大 笹野高史

©2020 NHK, NEP, Incline, C&I



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