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白石和彌監督、次回作に『ゴジラ』の野望!?脚本・髙橋泉氏との"凶悪"コンビで映画『サニー/32』の制作秘話を語る!
2018年01月22日(月曜日)

2/9(金)新潟・長岡先行公開を経て、2/17(土)より全国公開される映画『サニー/32』のメガホンを取った白石和彌監督と脚本家の髙橋泉氏、さらに映画ジャーナリスト宇野維正氏によるトークイベントが、1/19(金)に行われました。

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キャプテンをつとめるNGT48ならびにAKB48グループから今春卒業することを昨年8月に発表し、卒業後女優としての活躍を誓った北原里英さんの女優業本格始動第一弾作品となる映画『サニー/32』は、日本映画界を席巻した白石和彌監督の『凶悪』(13)から5年、ピエール瀧さんとリリー・フランキーさんの"凶悪"コンビが北原里英さんを拉致・監禁する衝撃作です。

この日トークイベントに登壇した白石和彌監督と髙橋泉氏は、『ロストパラダイス・イン・トーキョー』(10)、『凶悪』(13)以来、映画作品としては『サニー/32』が3作目となるタッグ。本作を「今年一番レベル!」と評する映画ジャーナリストの宇野維雅氏をMCに迎え、制作裏話から今後の展望まで語っていただきました。


トークイベントの模様
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【場所】シネアーツ試写室
【登壇】白石和彌監督、髙橋泉(脚本家)、宇野維正(映画ジャーナリスト)
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上映終了後、盛大な拍手で迎えられた白石監督は本作の企画スタートについて、「AKB48グループのプロデューサーである秋元康氏から"北原里英を主演に映画を撮って欲しい"というオファーを日活のプロデューサーを通じて受けたところから始まった」と明かす一方で、高橋氏と共に小学校6年生の女児が同級生を殺害し、世間に大きな衝撃を与えた「ネバダ事件」をベースにした作品を構想していたということで「師匠である若松孝二監督が作っていた、60~70年代のアングラな映画にAKB48の現役アイドルを使ったら面白いことになるのではと思った」と振り返りました。

これについて「アングラでありながら、過去に起こった実事件からSNSやネットメディアの在り方など極めて現代的な要素まで詰め込んでも、エンタメ作品として一切破綻していなかった」と宇野氏。続けて「色々な要素が入った作品は破綻しがちなことが多いが?」との問いに髙橋氏が「ひとつのテーマ以外のことを膨らませると主題がぼやけることが多いが、そこは白石監督への信頼があるので全ての要素のボリュームを上げきった」と返答すると、宇野氏は感服した様子。

『凶悪』以降、日本映画界を代表する俳優として確固たる地位を築いたピエール瀧さんとリリー・フランキーさんについて話が及ぶと、「あの二人をある種のコンビ関係で映画に登場させられるのは僕らの特権」と胸を張る白石監督に髙橋氏も静かに頷き、さらに「このコンビ的な関係性で登場させるパターンは、もう何回かイケる」とすっかり味をしめた様子の白石監督の発言に、場内からは笑いが沸き起こりました。

また本作は昨今のネットメディアを反映した作品でもあり、特定のネットメディアを意識した演出について、北原里英さんが出演するライブでの演出を観たことがキッカケだったことも語られました。

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©2018『サニー/32』製作委員会


さらに現在の日本映画界について問われた白石監督は「日本映画は今、冬の時代。これだけ(多くの作品を)撮ってもカツカツ。なにより若い人材が入ってこなくなっているので、その点を変えて行く取り組みはしなければいけないのではないか。実際、監督や脚本家には印税が入らないですから」と神妙に語る場面も。それに対して、宇野氏が髙橋氏にも意見を求めると「全然、儲かっていますよ(笑)」の一言に、会場中が笑い包まれました。

お客様からの質問コーナーで、白石組常連で高校の後輩でもある音尾琢真さんの本作の役柄が、なぜ22歳の設定なのか聞かれると、「役に関係なく先輩の映画には出させて!」の猛アピールに対し、「スケジュールがなかなか合わない中、22歳の役で良ければ」と出演が決まった経緯が語られ、「まぁ、映画ですし」との白石節に笑ってしまう質問者。

最後に今後の展望について「女子高生がキャーキャー言いながら『サニ―/32』みたいな映画を観られるような世界にしたい。この作品を観て何か感じてくれれば」と髙橋氏。

白石監督は「映画の作り方は若松監督に叩き込まれましたが、常にハリウッド映画を意識している。実際、マーベル映画大好きですし」と前置きしながら「今は監督として恵まれているので、勝負したい。日本の映画で育っているので、時代劇だったり、それこそ『ゴジラ』を撮ってみたい!」と野望を口にしました。そして、本作について「今作は"祈り"が一つのテーマ。これまで道を外れた大人の話が多かったですが、今回は救える作品になっています」と新境地となった本作をアピールし、大盛況のトークイベントは幕を閉じました。


映画『サニー/32』2018/2/9(金)新潟・長岡先行公開。2/17(土)全国公開!


ストーリー
冬の新潟の或る町。仕事も私生活も振るわない中学校教師・藤井赤理(北原里英)は24歳の誕生日を迎えたその日、何者かに拉致された。やったのは二人組で、柏原(ピエール瀧)と小田(リリー・フランキー)という男。雪深い山麓の廃屋へと連れ去り、彼女を監禁。柏原は「ずっと会いたかったよ、サニー......」と、そう赤理のことを呼んだ。"サニー"とは――世間を騒がせた「小学生による同級生殺害事件」の犯人の通称。そのいたいけなルックスゆえに「犯罪史上、最もかわいい殺人犯」とネットなどで神格化、狂信的な信者を生み出すことに。この"サニー事件"から14年目の夜、二人の男によって拉致監禁された赤理。赤理は正気を失っていきながらも、陸の孤島と化した豪雪地帯の監禁部屋から脱出を試みるが、それは驚愕の物語の始まりにすぎなかった――。[PG12]

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©2018『サニー/32』製作委員会


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本編映像解禁


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『サニー/32』

★2018/2/9(金)新潟・長岡先行、2/17(土)全国公開★

14年目に動き出した、新たな事件-。サニー、それは"犯罪史上もっとも可愛い殺人犯"と呼ばれた女の子。[PG12]

監督:白石和彌

出演:北原里英 ピエール瀧 門脇麦 リリー・フランキー ほか

©2018『サニー/32』製作委員会



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