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『散歩する侵略者』第9回TAMA映画賞《最優秀作品賞》《最優秀女優賞》《最優秀新進男優賞》受賞!授賞式に黒沢清監督、長澤まさみさん、高杉真宙さんが登壇!
2017年11月20日(月曜日)

国内外で常に注目を集める黒沢清監督が劇作家・前川知大氏率いる劇団イキウメの人気舞台を映画化し、全国劇場にて大ヒット上映中の『散歩する侵略者』が、"日本で最も早い映画賞"として国内の映画賞レースの先陣を切る【第9回TAMA映画賞】にて《最優秀作品賞》を受賞。さらに、主演の長澤まさみさんが《最優秀女優賞》、高杉真宙さんが《最優秀新進男優賞》を受賞し、11/18(土)に行われた授賞式に黒沢監督、長澤さん、高杉さんが出席されました。

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本作は、数日間の行方不明の後、夫が"侵略者"に乗っ取られて帰ってくるという大胆なアイディアをもとに日常が異変に巻き込まれていく世界を、長澤まさみさん、松田龍平さん、長谷川博己さん、高杉真宙さん、恒松祐里さんほか日本を代表する豪華キャストを迎えて描く、誰も見たことがない新たなエンターテインメント。

第70回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に正式出品され、その後もニューヨーク映画祭、シッチェス・カタロニア国際映画祭はじめ、世界各国の映画祭で上映、さらに世界25カ国での劇場公開がすでに決定しています。

日本公開後も「ジャンルの枠を超えたエンターテインメント」「俳優陣の演技が凄い!」「泣ける!」「こういう映画が観たかった!」と話題沸騰の本作。「明日への元気を与えてくれる、夢をみせてくれる、活力溢れる作品・監督・俳優を、映画ファンの立場から感謝をこめて表彰する」というコンセプトの【TAMA映画賞】3冠獲得により、映画ファンからの熱い支持を証明する形となりました。

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■第9回TAMA映画賞 授賞式
【開催日】2017/11/18(土)
【会 場】パルテノン多摩(東京・多摩市)

■第9回TAMA映画賞『散歩する侵略者』関連の受賞
◎最優秀作品賞
『散歩する侵略者』黒沢清監督およびスタッフ・キャスト一同
◎最優秀女優賞
長澤まさみ
◎最優秀新進男優賞
高杉真宙
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授賞式直前には、同会場にて【最優秀作品賞】受賞作として『散歩する侵略者』の上映があり、鑑賞後の映画ファンの熱気溢れる中、まずは【最優秀新進男優賞】を受賞した高杉真宙さんが登場。

高杉さんは受賞に対し「選んでいただき、ありがとうございます。ここにこうやって立って、改めてもっと頑張らなきゃなとすごく強く思いました」とコメント。今年は『散歩する侵略者』を含め、出演作が6本も公開された高杉さん。多彩な役柄を演じたことについて「自分の中ではたくさんの映画に出演させていただいて、いろんな役を演じさせていただいて、目まぐるしい毎日ですごく充実した楽しい日々でしたね。"もっと、もっと"と貪欲に成長していきたいなと思いつつ(撮影のあった)去年を生きて、今年ここに立っていられるんだなと思います」と振り返りました。

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司会者から「映画祭の受賞コメントに"映画に愛される役者になりたい"とありましたが」と訊ねられると、「僕は元々そこまで映画を観るタイプではなかったのですが、この仕事をやらせていただくことになって、どんどん映画を観るようになって。そして、こうして映画に出演させていただくことで少しずつ映画の素晴らしさだったり、自分がこの仕事をやっているんだなという実感があったりします。もっと自分が映画を愛して、いろんな人に愛されて、また素敵なめぐりあわせでいろんな映画に出演したいなと思っています」と映画に対する熱い想いを語りました。

授賞式が益々の盛り上がりを見せる中、【最優秀女優賞】を受賞した長澤まさみさんが登場。

満面の笑顔でトロフィーを受け取ると「この度は素敵な賞をいただけて、本当に嬉しい気持ちでいっぱいです。こんなにアットホームで、温かな気持ちになる映画祭は初めてな気がします。この賞をいただけたことで、これからまた自分の励みになり、まだまだこの先お芝居を頑張っていきたいなと思う気持ちが、また強くなりました。本当にありがとうございます。これからも頑張ります」とコメント。

侵略者に乗っ取られた夫に向き合い、当初はずっと怒っている役柄について「本当に毎日疲れ果てていました。人に何かを言うというのは、エネルギーを使うものなんだなと感じていました」と振り返りました。

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さらに司会者から「作品の中で予期せぬ出来事に巻き込まれても、日常的な感覚を失わずに夫を思い続ける姿がありましたが、物語が進むにつれてその気持ちの変化を演じてみていかがでしたか?」と問われると、長澤さんは「母性というものだけでは言いきれない、人間として大切に持っていなければならない"愛"というものについて考えさせられることばかりでした。この映画から感じていったという感覚でした」と語りました。

今年は『散歩する侵略者』以外にも、ミュージカル「キャバレー」への挑戦や出演した数々のCMが話題になった長澤さん。女優としての新たな目標を聞かれると「新たにということではなく、今までの積み重ねが、この先にも活きていけばいいなと思っています。ただ、観てくださるお客様が楽しんで、(作品を)観たことが自分にとって価値のあるものだ、と思ってもらえるような作品づくりをしていけるように努力していかなくてはいけないな、と思っています」と抱負を語りました。

そして、授賞式の大トリで【最優秀作品賞】を受賞した黒沢清監督が登壇。

黒沢監督は「受賞された皆さん、若いですよね。僕は大ベテランで、何だかここにいるのが気恥ずかしいですが。映画を撮り始めて随分長いので、いくつかの映画祭で賞を何度かいただいています。ただ、そのほとんどが監督賞や審査員特別賞などばかりで、今回やっと《最優秀作品賞》をもらいました。一等賞ですね。こんなに嬉しいことはありません。この日を夢見ていました。ずっと映画を撮り続けていると、こんな幸せな日が来るんだ、ということを知りました。本当にありがとうございました」と受賞の喜びを語りました。

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今作は、本映画賞を受賞した長澤さん、高杉さんの他にも松田龍平さん、長谷川博己さん、恒松祐里さんら豪華キャストが出演しており、俳優陣が個性的な魅力を発揮していることについて黒沢監督は「日本映画は、何より俳優の力でもっていると思っています。僕自身は撮影現場で特にあれこれ指示したりせず、俳優におまかせしてしまいます。宇宙人を演じてもらうときも、多分難しいと思うのですが、僕は「いや、わかりません」と言って(笑)。どんなものかよくわからない、という前提の中で、皆さん最大限の力を発揮してくれて、こちらが想像しているものよりも、はるかに上回った芝居を目の前で見せてくれる。こちらもそれをカメラに収めるのが楽しくして仕方がなかった、そんな撮影の日々でした」と撮影時の様子について語りました。

念願の黒沢組への参加について、長澤さんは「黒沢監督の作品の登場人物たちは皆すごく自然体で、そのリアルさが印象的な作品が多いので、どんな現場なんだろうな・・という思いで黒沢監督の作品に携われる日が来たらいいな、とずっと思っていました」と想いを語りました。

また、黒沢監督は侵略者役を演じた高杉さんの印象について聞かれると「高杉くんは今日の舞台挨拶を見て皆さんもお分かりになるとおり、本当に真面目な努力家というか、熱心で無骨と言っていいのかな...いわゆる"チャラい"というのの真逆(会場笑)。見た目が美しいので色んな役が回ってくると思うのですが、芯が本当にしっかりした真面目な青年でした」と大絶賛し、お客様も頷きながら会場は笑いに包まれました。

最後に『散歩する侵略者』に対する思いについてそれぞれ訊ねられると、高杉さんは「大先輩の皆さんに囲まれて現場に立っていることが幸せだったな、と改めて思いました。色々と緊張して迷っていたこともたくさんあったのですが、皆さんと一緒にお仕事することができて、本当に楽しかったです。これからも頑張りたいと思います」と語りました。

長澤さんは「本当に大きな愛の物語です。自分が考えていることが本当に正しいのか、ということを問われたり、それぞれの方の心に響くメッセージを受け取っていただける作品になっているのかなと思います。その一方で、とっても笑える可笑しいシーンがあったりもして、不思議なジャンルの新しい感覚の映画になったと思います」と本作の魅力について語りました。

黒沢監督は「日本映画ではなかなか成立しづらいような企画に、すべての力を注いでくれた俳優、スタッフ、プロデューサー含め関係者の皆様に感謝します。この映画を実現できただけで、僕は幸せでした。そして、それを最優秀作品賞に選んでくださったTAMA映画祭に最大の感謝を捧げたいと思います」と感謝の気持ちを込めてコメント。終始、映画ファンの愛に溢れ、アットホームに進んだ授賞式を締めくくりました。


映画 『散歩する侵略者』 大ヒット上映中!


映画ファンの皆さまに《最優秀作品賞》《最優秀女優賞》《最優秀新進男優賞》に選んでいただいた『散歩する侵略者』を、引き続き劇場でお楽しくください。


ストーリー
数日間の行方不明の後、不仲だった夫がまるで別人のようになって帰ってきた。急に穏やかで優しくなった夫に戸惑う加瀬鳴海。夫・真治は会社を辞め、毎日散歩に出かけていく。一体何をしているのか...?その頃、町では一家惨殺事件が発生し、奇妙な現象が頻発する。ジャーナリストの桜井は取材中、天野という謎の若者に出会い、二人は事件の鍵を握る女子高校生・立花あきらの行方を探し始める。やがて町は静かに不穏な世界へと姿を変え、事態は思わぬ方向へと動く。「地球を侵略しに来た」真治から衝撃の告白を受ける鳴海。当たり前の日常は、ある日突然終わりを告げる。

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©2017『散歩する侵略者』製作委員会


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『散歩する侵略者』

★2017/9/9(土)公開★

世界は終わるのかもしれない。それでも、一緒に生きたい。

監督:黒沢清

出演:長澤まさみ 松田龍平 高杉真宙 恒松祐里
前田敦子 満島真之介 児嶋一哉 光石研 東出昌大
小泉今日子 笹野高史 長谷川博己 ほか

©2017『散歩する侵略者』製作委員会



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