イベントレポート

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『彼女がその名を知らない鳥たち』トークイベントに蒼井優さん、阿部サダヲさん、白石和彌監督が登壇!スペシャルゲスト光浦靖子さんの"沼田まほかる愛"に唸る!
2017年10月18日(水曜日)

ラブストーリーに夢を見られなくなった大人の女性たちに"究極の愛とは何か"と突きつけ、読者を虜にした沼田まほかる氏の20万部を超える人気ミステリー小説を、蒼井優さんと阿部サダヲさんのW主演で映画化した『彼女がその名を知らない鳥たち』が10/28(土)全国公開されます。公開を間近に控えた10/17(火)ヴィレッジヴァンガード渋谷本店初の映画イベントとして、本作公開記念トークイベントが行われました!

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本作では、クレーマーで自分勝手で嫌な女・十和子を蒼井優さんが、そんな十和子に異様な執着を見せる不潔でちんけで下劣な男・陣治を阿部サダヲさんが演じ、さらに妻子がありながら十和子と肉体関係を結ぶゲスな男・水島を松坂桃李さん、十和子の昔の恋人で別れる時に彼女の心にも身体にも傷が残る手酷い仕打ちをしたクズな男・黒崎を竹野内豊さんが演じています。

豪華俳優陣が演じるのは、共感度0なクズなキャラクターたちばかり。しかし"全員最低"なのに、本作には"まぎれもない愛の物語"が描かれています。

今回ヴィレッジヴァンガード渋谷本店初の映画イベントということで、会場には溢れんばかりの報道陣と立ち見も出るほどのお客様が集まり、蒼井優さん、阿部サダヲさん、白石和彌監督が登場すると大きな歓声が上がりました。そして本屋でのイベント開催という貴重な機会に、芸能界きっての読書好きとして有名であり、さらに本作の原作者"イヤミスの女王"とも呼ばれる沼田まほかるさんの大ファンを公言している光浦靖子さんがスペシャルゲストとして登場。W主演のお2人、監督、原作ファンと、それぞれの立場から本作への熱い想いがあふれ出し、キャスティングや撮影の裏話も飛び出す濃厚なイベントがスタートしました!

光浦さんはさっそく「すごくおもしろかったのと、映画も原作の通りだなと。あと、十和子って綺麗だったんだと(笑)。小説では気付かなかったんです。でも十和子は蒼井さんのような美人じゃなきゃ辻褄が合わないということを改めて知りましたし、蒼井さんの味というか、パッと見では出ていない魅力がありましたね。阿部さんのパンプアップしてない体も非常に陣治っぽくて(笑)、背中のラインとか役作りだったなら凄いなーと。映画で謎が解けました」と、原作ファンならではの視点で本作について熱く語りました。

これを受けて蒼井さんが「ほどよい顔だと思うんです(笑)。こういう顔は、芸能界にいそうでいなかったりするので。本当の美人さんが来たらもっと幸せになってるはずなので、ほどよいんだと思ってます」と返すと、白石監督がキャスティングについて「登場人物が彼女に惹きつけられていかなくてはいけないので、すごく魅力的じゃなければ・・と感じたので"ぜひ蒼井さんに"という思いがありました」と、振り返ります。

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続けて阿部さんのキャスティングについては「汚し甲斐のある人で、十和子との年齢差も重要だと思いました。汚れることもいとわず、なおかつ純粋なものを抱えてなくてはいけない。阿部さんにやっていただいて気付いたのは、目は汚せないんだなと。一番重要なのは阿部さんの美しい瞳」と語ると、光浦さんがすかさず「茶目がキレイで、だから家康(2017年大河ドラマ「おんな城主 直虎」徳川家康役)に選ばれたんだと思ったんです。家康も肖像画が茶目なので、目が一緒なんです」と。目に注目の集まった阿部さんは「自分が茶目だとは。うれしいですね」と照れつつ喜びを明かしました。

共感できない登場人物を演じた本作について問われると、阿部さんは「演じてるときは楽しいんです。どこまでも汚くして良くて、それはなかなか普段できない。お店で食べていても汚く食べちゃいけないと育ってきたので、それができる楽しさもあるし、監督やスタッフさんからもアイディアがすごく出てくる。昔、ロケ弁に陰毛が入ってたことがあって、共演の方に話したらそれは腋毛かもしれないと言われ、思い込みはいけないなと感じたことを思い出しました。・・何でこんなことを話してるんでしょうか?ちょっと茶目が濁る(笑)」と衝撃的なエピソードを披露し、会場を沸かせました。

蒼井さんが「脚本を読んでいるときは最低だと思ったのですが、松坂桃李さんや竹野内豊さんが自分よりもっと最低な役なので、あんまり自覚せずいられました」と話すと、光浦さんは「共感できなかったんです。何かを読むときって、やっぱり誰かを応援しながら読むんですけど、この作品は誰一人応援せずに最後まで(笑)。全員が切なくて。可哀そうだと言われることはよくあるけど、他人のことを可哀そうだとあまり言ったことはなくて、でもこの作品は小さすぎる世界、エンドのない地獄にハマっちゃった人たちに見えて可哀そうになっちゃいました」と、しみじみ。白石監督は「タイトルに"鳥"とあるように、鳥かごから出られない人たちだと思ってやっていました。タイトルについては、まほかる先生からずっと宿題を出されたまま撮影をしていたような感じで、"彼女"はもちろん十和子なので、"鳥"はこの物語で気づく誰かの愛、なのかな」と、同調して語りました。

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原作の沼田まほかる先生に話が及ぶと、大のまほかるファンを公言する光浦さんは「例え、言葉のチョイス、小さい単語一つも逃したくないです。どうなっても言葉に感情が誘導されてしまう。すごく好きなんです」と、その愛が止まらない様子。阿部さんも続き「描写がものすごく細かくて、映画にもできないようなものもあってすごい。実際に見ていないと、まほかる先生も書けないような、そこまでするのかという描写もある。その、量、精液の量とかなかなか。・・・あれ?ヴィレッジヴァンガードって、こういうこと言っていい場所だと思ってたんですけど・・(笑)」と空気を一変させると、光浦さんが「昔は言ってよかったんですよ!昔はね!」とフォロー。

蒼井さんは「どういう人生経験をされてきたら、何を見てこられたらこんな描写が描けるのか、まほかるさんご自身に興味がわきました。なかなかいない経歴をお持ちですし。あんまり一人の方の本を読み込むことはしないのですが、ご本人に惹かれていってしまい、この映画の話をいただいていからまほかる先生のいろんな本を買って読みました」とすっかり魅了されていることを明かし、白石監督も「すごい変わった経歴をお持ちなことと、とんでもない苦しみを人生の中で味わってきたのかなと想像してしまう。その先の、なかなか人間が持てないやさしさ、厚みをものすごく感じます」と続けました。

劇中の舞台が大阪ということで、関西弁に挑戦した蒼井さんと阿部さん。両親が大阪出身という蒼井さんは「耳なじみはありましたし、大阪なまりが入っていると言われてきたのですが、実際100パーセントでしゃべろうと思うとこんなに難しいのかと。聞いているだけに自分で違いが分かるし、余計に気持ち悪くて。大変でした」と苦労を振り返ります。

阿部さんも「感情がのっかってくると、合ってるか本当にわからなくなる。難しかったです。でも大阪キャンペーンに行ったときに、現地のアナウンサーさんたちが大丈夫だと言ってくれた。すごく厳しい方言指導の方に教わったので、よかったですね」と現地の人々からも太鼓判を押されたことを明かしましたが、白石監督が現場で突然どんどんセリフを追加してきたことについて阿部さんが「関西弁でアドリブなんてできないのに、監督がどんどん足すんです」と吐露。蒼井さんも「10行以上足されたのに、結局まるまるカットでしたね(笑)」とクレームを入れる事態に。

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またヴィレッジヴァンガードのスタッフから質問を受けることになり、この作品の衝撃的なラストについて聞かれた光浦さんが「これ、本当に個人に寄りますよね。私はアンハッピーエンドだと思うんです。光が見えそうで、見えてないほうかな...って」と苦悩しながら話すと、阿部さんは「じゃあ、僕はハッピーエンドで」と。「"じゃあ"は、やめて!"じゃあ"は(笑)」と、おどける光浦さんをみつつ阿部さんは「こういうディスカッションができるエンドだと思うんです。僕から見たらハッピーエンドと言いたいです」と続けます。

蒼井さんは「日によって違うんです。あのラストについて考えることがよくあるんですけど、美しい、すごいものを見たなと突き抜けれる感じのときと、突き落とされる感じのときと。話す相手によっても変わってくるのがおもしろいし、きっと1人で観に行かれると悶々とされる思うので、ぜひお友達と行ってほしい」と作品のアピールを忘れず、白石監督も「この作品を観て"良かったよー"とハグを求めてくれるのは、陣治寄りの汚いオッサンが多いんです。僕もどちらかというとそちら側なので、自分にはたまらない終わり方です。ハッピーであってほしい。何をどう託したかを見てほしい映画になりました」と語りました。

この作品に対する全員の熱い想いがあふれ、終了してしまうことが名残惜しくなる空気に包まれつつ、イベントは幕を閉じました。


2017/10/28(土)新宿バルト9ほか全国ロードショー!


全員、最低。でもこれは、まぎれもない愛の物語。先日放送された「蒼井優のオールナイトニッポンGOLD」で松坂桃李さんが「共感度0%、不快度100%」というコピーに加え「でも、最後まで観ると刺さる度は1000%」と表現された本作。そんなジワジワと心に刺さる『かの鳥』公開を、楽しみにお待ちください!


ストーリー
八年前に別れた男・黒崎を忘れられない十和子は、今は15歳上の男・陣治と暮らしている。下品で、貧相で、地位もお金もない陣治を激しく嫌悪しながらも、彼の稼ぎで働きもせず日々を過ごしていた。ある日、十和子は黒崎の面影を思い起こさせる妻子ある男・水島と関係を持ち、彼との情事に溺れていく。そんな時、家に訪ねてきた刑事から「黒崎が行方不明だ」と知らされる。どんなに足蹴にされても文句を言わず、「十和子のためなら何でもできる」と言い続ける陣治が、執拗に自分をつけ回していることに気付いた十和子は、黒崎の失踪に陣治が関わっているのではないかと疑い、水島にも危険が及ぶのではないかと怯え始める――

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©2017映画「彼女がその名を知らない鳥たち」製作委員会


『彼女がその名を知らない鳥たち』関連ニュース

ジャパンプレミア
釜山国際映画祭出品決定
トロント国際映画祭出品決定&本ポスタービジュアル完成
予告&場面写真解禁
豪華脇役陣の場面写真解禁
特報&ポスター解禁
追加キャスト発表
映画化決定


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『彼女がその名を知らない鳥たち』

★2017/10/28(土)公開★

全員、最低。でもこれは、まぎれもない愛の物語。

監督:白石和彌

出演:蒼井優 阿部サダヲ
松坂桃李/村川絵梨 赤堀雅秋 赤澤ムック・中嶋しゅう/竹野内豊

©2017映画「彼女がその名を知らない鳥たち」製作委員会 



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