人気演劇ユニットTEAM NACSのメンバー安田顕さんが、監督から重宝される"最強の脇役俳優・亀岡拓次"役を演じる映画『俳優 亀岡拓次』が、先週の北海道先行公開に続き、いよいよ全国公開です！

本作は、個性派俳優・安田顕さんの様々な表情を堪能できるのはもちろん、亀岡がロケ先で恋する居酒屋の女将に麻生久美子さん、撮影現場で出会う個性的な人々に、山崎努さん、三田佳子さん、新井浩文さん、染谷将太さんなど、大御所から人気実力派俳優まで豪華キャストが集結し、それぞれの印象的な登場シーンを楽しめるのも魅力です。

テアトル新宿で行われた初日舞台挨拶には、安田顕さん、麻生久美子さん、原作者の戌井昭人さん、横浜聡子監督が登壇されました。

－まずは一言ずつご挨拶をお願いします。

安田　亀岡拓次を演じさせていただきました、安田顕です。この映画が本日公開初日を迎えられ、嬉しいです。立ち見のお客様もいらっしゃるほどたくさんの方々に足を運んでいただき、こうした華やかな場所で、こういった立場でご挨拶できることは、僕にとってはそうそう無いことです。ここにいらっしゃる皆様、そしてこれから映画をご覧になってくださる皆々様に、心より感謝申し上げます。本日は、ゆっくり楽しんでください。よろしくお願いいたします。

麻生　本日はお忙し中、初日に・・・初日？（お客様、登壇者・ご本人爆笑）・・すみません、ボケボケして（←毎回妙に真面目な表情で話しだす安田さんがツボのようで、どうしても笑ってしまう麻生さん。気を取り直して）公開初日にお越しいただきまして、ありがとうございます。こんなにたくさんの方々に、数ある映画の中から『俳優 亀岡拓次』を選んでいただけて、本当に嬉しいです。ありがとうございます。私は横浜監督が大好きで、前回『ウルトラミラクルラブストーリー』という松山ケンイチさん主演の作品に出させていただいたのですが、今回また一緒にお仕事が出来て、幸せでした。そして初めて共演させていただいたのですが、安田さんも素敵な方で、現場でご一緒できてとても嬉しかったです。（安田さんが取材陣に「麻生さんが良いこと言ってるから、メモって！」というリアクションをしたため、お客様爆笑）今日は短い時間ですが、よろしくお願いいたします。

MC　続いては、映画の原作者で芥川賞候補に5回選ばれました作家の戌井昭人さんお願いします。

戌井　本日は、皆さんどうもありがとうございます。僕は映画にはそんなにどっぷりとは関わってないのですが、原作がこんなに広がって、このように皆さんの前に出て来られたことをとても嬉しく思います。どうもありがとうございます。（緊張のためか額に大粒の汗が噴き出ている戌井さんのために、ハンカチを探すパフォーマンスをして、結局みつからない安田さんにお客様爆笑）

横浜監督　こんにちは。『俳優 亀岡拓次』を監督しました、横浜聡子と申します。今日は天気もあまり良くなく寒い中、映画館に足を運んでいただだきまして、本当にありがとうございます。2時間ちょっとの映画ですので、立ち見のお客様は脚が疲れるかもしれないですが、なるべくお楽な姿勢でご覧いただけたらいいなと思います。今日は短い時間ではございますが、楽しんでくだされば嬉しいです。よろしくお願いいたします。

― 主演の安田顕さんは去年助演男優賞にノミネートされまして、まさに名脇役と言っても過言ではないと思いますが？

安田　いやいやいやいやいや・・・何をおっしゃいますやら。ありがたい限りでございます。ノミネートはされますが・・・ねぇ（お客様爆笑）？戌井さん、ノミネートされたけど受賞できない気持ちって、どのような感じで・・・？

戌井　受賞できないと、慣れてきちゃいます（苦笑）。

安田　そうですかぁ！では、私も・・

戌井　慣れないようにしてください（笑）！

安田　そうですかぁ？どうしよ・・慣れちゃうかも（笑）。いや、ありがたい限りでございます、ホントに。

－ そんな安田さんですが、役者として心掛けていることや、この映画で気づかされたことなどはございますか？

安田　これはもう「他の人のジャマをしない。平身低頭に、何となくそこにいる」ですね（お客様爆笑）。

MC　亀岡拓次に共感できると思ったところはございますか？

安田　多々あります。戌井さんの原作を拝読すると、オムツのくだりがありまして、それは1つひとつの行為を並べているのですが、「そこで亀岡がどう思ったか」は書かれていないんです。ただ、1つひとつを結んでいくと、行為として何かしら感じ入るものがありまして「あ、わかるなぁ」という感じがしました。共感できるところは多々ありますね。

MC　安田さんは「下町ロケット」の好演でブレイクされて、色々なところでお声も掛けられるのでは・・・

安田　ブレイク・・ですか？！

MC　はい。ご自分でそう感じる出来事などございますか？

安田　ブレイクは・・「休憩」ですからね。「大ブレイク」と言ったら「大休憩中」・・ハッハッハッハッ（お客様爆笑）！「安田さん、ブレイクしましたね～」と言われたら、「安田さん、お休みに入っちゃいましたよ～」って（笑）。いやぁ、ホントもう少し感じさせてくれよ！と思います。今日はハレの舞台挨拶に向かうのに、渋谷で支度してまして。で、山手線に乗るじゃないですか。

麻生　えっ？！（お客様からも驚きの「え～？？」というどよめき）

安田　そんなの当たり前じゃないですか！基本ですよ？でも、最近この映画の宣伝に出させていただいてるし、「どれくらい気づかれるだろう？ヤバい、オレどうしよ～」と思えるだろうなと思って電車に乗って、バーッと帽子をとって・・・ひとっつも気づかねーの！（声を大きくして）もうちょっと後ろ指くらい指してくれよっ！と思うくらい、ひとっつも実感がご・ざ・い・ま・せんっ！もっと撮ってください（お客様爆笑）！！いやいや、これだけたくさんの方に、観ていただけるなんてありがたい限りでございます。

－ 安田さんのお話を聞くといつも笑ってしまうのですが、麻生さんは現場と舞台挨拶では違っていたと仰っていましたが・・？

麻生　全然こんなに面白い人じゃなかったです（笑）

安田　ダハハハハハッ！きつ～（笑）。

麻生　撮影現場では、です（笑）。今の失礼でしたか？

安田　とんでもない、とんでもない。面白い人じゃなかったです！

麻生　先ほど安田さんご自身が仰ってましたが、「何となくそこにいる」というのを本当にされていたので、セットの一部かのように感じました（笑）。だって休憩やカットの合間になっても動かなかったじゃないですか？

安田　置物みたいでしたねぇ。たまに動くと麻生さんビックリしちゃって（笑）。

麻生　そのギャップに宣伝の時からやられていて、驚いてます。こんなに面白い方だったんだ！と思って（笑）。

安田　麻生さんとは3日間でしたが、撮影期間17日ですからね。結構たくさんご一緒させていただいて、濃密な時を過ごさせていただいて、ありがたかったです。本当にキレイ～に映ってますよ～。横浜監督が・・（お客さま爆笑）

麻生　えー（苦笑）？！

安田　あ、ゴメンナサイ、ゴメンナサイ（汗）。別に（「面白い人じゃなかった」と言われたから）やり返したわけじゃないですよ（苦笑）。今もキレイですけど、こんなにキレイな方だったとは！映画を観ると、横浜監督の麻生さんへの愛情がスクリーンを通して映っているのではないかと思いましたね。

麻生　ありがとうございます（笑）。

― 亀岡拓次ってチャーミングだなと思うのですが、戌井さんは亀岡拓次の愛される理由はどんなところだと思いますか？

戌井　何か考えてそうで、考えてないふうな。考えてなさそうだけど、考えてそうだけど、でも結局あんまり何も考えてない・・というところですかね。自分の好きなことをやっていて、あまり他人に介入しないところがいいのではないでしょうか。

MC 実は戌井さんも、映画にご出演されているんですよね？

戌井　あ・・・すみません（照）。

横浜監督　ご出演いただいているのですが、ぜひ皆さん（出演シーンを）探してください！

― 戌井さんは現場で安田顕さんとご一緒されて、いかがでしたか？

戌井　その後の対談でお話ししたら面白い方だった・・・いや、面白い方だということは分かっていたのですが、現場では目がずっと死んだようになっていました。前日も朝まで撮影だったそうで、お疲れなんだろうなと思っていたところ、その日の撮影が全部終わったら、一番疲れてる状態のはずなのに目が開いたんです。撮影の時は役に入られていたようで、ずっと背中をすぼめた状態で、目がすわったような雰囲気でした。す、すみません・・。

安田　いえいえ、光栄なお言葉をありがとうございます。物事が終わると、急に目が爛々としちゃうんです。今日もこれでお酒が呑めると思って！

戌井　そうなんですか？！

MC　安田さんは、それだけ憑依する役者さんということですよね？

横浜監督　役なのか安田さんなのか、本当に分からなくて・・

麻生　分からないですねぇ（笑）。

安田　だから困りますよね。もし今度殺人犯の役が来たらどうしようと思って。それは憑依したくないなと思いますねえ。今回は亀岡拓次という、考えてそうで考えてないところとか、内面が非常に自分に近しい役だったので助かりましたが、オカマちゃんの役をやった時も、ずっとそうなっちゃって。アレが今も抜けないんですよ。

麻生　えー？！あれ、観ました！

安田　普通に荷物を持てばいいんだけど、こっち（肘かけ持ち）の方がラクで。でも、それはもうやっちゃいけない、やっちゃいけないと思ってるから普通に持ってますが、本当はこうもって歩きたい（笑）。

MC　本作でも色々な役をやられましたが、それぞれ体に染みついたりしなかったですか？

安田　今回は、亀岡さんがたまたまその服着て何か喋っているという、そんな感覚でした。

― 横浜監督は、亀岡拓次に感情移入するために居酒屋でひとり呑みされたと聞きましたが？

横浜監督　感情移入するためというか、好きでいつも居酒屋にひとりで行きますね。

安田　そうなんですよ！監督もひとり、私もひとりが好きですから、そのふたりでは決して会話が弾まない。

横浜監督　そうですね。ひとりが好きですから、弾むはずがないですね。

安田　そう、弾むはずがない。

麻生　え～（笑）？

横浜監督　なので、まだお酒はご一緒してないんです。

安田　今度ぜひご一緒させてください！

横浜監督　会話の弾まない呑みを・・（笑）。

―　横浜監督は、どんなところを意識して映画を作られましたか？

横浜監督　亀岡さんを皆さんに愛してほしい。映画をご覧になった皆さんに、亀岡さんのことを好きになってほしいと、それだけを考えて撮りました。なのできっと、映画をご覧になった後、安田さん演じる亀岡拓次を皆さんが好きになってくださると私は信じております。亀岡への愛ですね。亀岡のことが、私は大好きです。

― 最後に、安田さんと横浜監督からご挨拶をお願いします。

横浜監督　皆さま、舞台挨拶は楽しんでいただけましたでしょうか？こうして初日を迎えることができましたのは、映画に関わってくださった皆さまのお陰です。あとはお客様にこの映画を愛していただいて、多くのお客様に観ていただきたいと心から思っております。ありがとうございました。

安田　本作は、横浜聡子監督の7年ぶりの映画でございます。7年は、短い年月ではないと思います。私が出演のお話をいただいたのは1年前で、この映画に1年足らずしか関わっていません。横浜監督は、それよりもっともっと前からこの映画に情熱をもって取り組んで来られました。戌井さんが原作を書かれたのはそれよりもっと前のことですし、この原作がなければこの映画はございません。こうして色々な方たちの長い年月を経て、この映画が出来上がりました。手前味噌ですが、私は本作を心から面白いと思っています。その映画が今日公開になり、私としては、この作品と皆さまへの橋渡しが出来たら嬉しいと思っております。たくさんの皆様に足を運んでいただき、ありがとうございます。本作をよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

安田顕さん演じる愛しい亀岡拓次に、カメタクそのもののような安田顕さんに会いに、ぜひ劇場へ足を運んでいただけたらと思います！

『俳優 亀岡拓次』1/30（土） テアトル新宿ほか全国ロードショー！

最強の脇役俳優の不器用で愛すべき恋と人生。
笑って心温まる、奇想天外エンタテインメント！！

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ストーリー
亀岡拓次、37歳独身。職業は脇役メインの俳優。"最強の脇役"ぶりで仕事が途切れることはないが、プライベートは安い居酒屋を一人飲み歩く地味な生活。そんな亀岡がロケ先で出会った飲み屋の女将・安曇に恋をして･･･。世界的巨匠からもオーディションの声がかかり、脇役人生に大きな転機が訪れるのか･･････？
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