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★間もなく公開★センセーショナルな衝撃作 『私の男』 に込めたキャスト・監督の思いとは?
2014年06月02日(月曜日)

来週末6/14(土)に公開を控えた 『私の男』 の公開直前プレミア試写会が6/2(月)に行われ、浅野忠信さん、二階堂ふみさん、高良健吾さん、藤竜也さん、熊切和嘉監督が舞台挨拶に登壇されました。

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本作は、映像化不可能と言われた桜庭一樹さんの直木賞受賞ベストセラー小説 「私の男」 を、主演に浅野忠信さんと二階堂ふみさんを迎え、熊切和嘉監督によって映画化したセンセーショナルな衝撃作。流氷が接岸したことによって実現可能となった北海道の紋別で壮大なロケを行い、究極のタブーに挑戦した禁断の純愛を描きます。

― まずは一言ずつご挨拶をお願いします。

浅野 今日は、ありがとうございます。こうして皆さんに観てもらえる日がやっと来て、本当に嬉しく思っています。北海道の寒い中で撮影し、非常に緊張して役に挑むことができました。僕は40歳になったのですが、今の自分しか演じられないような役をいただいたと思って、感謝しております。

二階堂 こんにちは、二階堂です。今日はお集まりいただき、ありがとうございます。私にとって大変運命的な作品で、そのような作品をこうして世の中の人に観ていただけることが、すごく嬉しいです。この美しい世界を堪能していただけたらと思います。

高良 こんにちは。今日はお集まりいただき、どうもありがとうございます。僕は、この 『私の男』 の現場は4日間ほどの撮影だったのですが、4日間では済まないくらい気持ちが入った濃い4日間でした。ぜひ楽しんでいってください。

 こんばんは。僕も浅野さんと同じように、"この歳でなければ演じられない役" をやりました。ジジイの役です(笑)。

熊切監督 本日はありがとうございます。監督の熊切です。この映画は、撮影から完成するまで時間をかけ、昨年1年近くみっちりと作りました。いよいよ皆さんに観ていただくということで緊張していますが、今日はどうぞ堪能していってください。よろしくお願いします。

― 浅野さんは昨年俳優生活25周年を迎えられましたが、本作のオファーについてはどう思われましたか?

浅野 個人的なことですが、30代は中々大変だったんですね。役者として、自分の中で苦手なものをどう克服したらいいか?得意なことをどう伸ばせばいいか?というようなことと向き合うことが多かったのです。そういう中で、40歳になったらこういう役を演じてみたい、もっともっと年をとったらこういうことをやってみたい・・などと色々イメージしていて、イメージしていた中のひとつの欲しかった役をいただけたような気がして、台本を読んだ時にすぐにでもいけると思いましたし、この役をどうやって噛み砕いて自分のものにしてけるかを考えるのが楽しかったです。

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― 二階堂さんは、流氷の上、そして流氷が浮かぶ海での過酷なロケに臨まれましたが、マイナス10度以下という現場はいかがでしたか?

二階堂 流氷のシーンだけでなく全篇通して寒い撮影でしたので、(流氷のシーンは)寒さの真骨頂と言いますか(笑)、やはり本物だからこそ出せる臨場感であったり空気感というものがあったと思いますので、すごく良いシーンに仕上がっているのではないかなと思います。

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― 藤さんも二階堂さんと一緒に流氷の上での撮影を行われて危険な現場だったと思いますが、いかがでしたか?

 そりゃキケンですよね。穴ぼこがあっちこっち空いてますから。落っこちると衣裳が濡れますでしょ?そしたら撮影がストップですからね。二階堂さんはお若いからピョンピョンといけますが、ジジイがジジイを演じてますから、膝がギクシャクしちゃうんですよ(笑)。だから随分心配してくれて 「大丈夫ですか?」 と言ってくれましたよ。今はもう大丈夫ですよ!

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― 高良さんは東京編で淳悟と花の心の変化を伝える人物として印象深く登場されますが、この役をどのように捉えて演じられたのですか?

高良 台本を読んで 「ああ」 と思って、次に現場に行って浅野さんや二階堂さんと会って、また 「ああ」 と思うところがあるんですね。そういう 「ああ」 と感じる気持ちを大事にして演じました。

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― 本作は淳悟と花というふたりの男女の濃密な関係を描いた作品ですが、映画化するにあたって気を遣われた点はどういったところでしょうか?

熊切監督 もちろん原作がとても好きだったのですが、それを映像にする上で変わってくる部分があると思うので、映画ならではの匂いたつようなアプローチをしていこうと思いました。

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― 浅野さんが淳悟を演じる上で一番こだわったことは何でしょう?また淳悟をどのように理解されましたか?

浅野 彼はどこか虚しさをずっと持っている男なのかなと僕は捉えていたのですが、虚しさをもっていながら自分ではそこに気付いていないようなところがあります。そのへんを考えた時に、彼のちょっとした仕草や振る舞いという、台本に書かれていないところを考えると淳悟が見えてくるような気がして、そういったところが作っていて面白かったです。

MC 衣裳にもかなりこだわったとお聞きしましたが?

浅野 撮影に入る前に、淳悟はどういう服を着ているのだろう?と色々考えて、自分の洋服を引っ張り出して着てみたり、淳悟として日常を過ごしたりしてみました。そういった中で見えてくるもの、また衣裳合わせをして見えてきたものがあり、彼の性格を表す上で何かキーとなるような洋服があるのではないか?と考え、ロングコートを提案させてもらいました。そういったところも面白いと思い、大切にしました。

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― 二階堂さんは原作を中学生の時に読まれたそうですが、映画のオファーがあった時はどのようなお気持ちでしたか?そして花という役をどのように理解されましたか?

二階堂 もともと桜庭先生の本が好きだったので、直木賞をとって話題になっていた 「私の男」 もすぐに買って読みました。中学生の時に読んだと言うと 「早熟なんだね」 という感じにとられがちですが、中学生だったからこそ男女間や家族間の問題をあまり意識していない年齢だったので、強烈なものは感じましたが、すんなり受け入れることが出来たのを覚えています。そして、今回撮影の1年くらい前にオファーが来たのですが、オファーが来る2年ほど前に熊切監督と初めてお会いして、その時直観的に 「熊切監督と絶対に映画を作らなくてはいけない。熊切監督の現場にいかなきゃいけない」 という運命的なものを感じました。その時からずっと思い続けていた監督でしたので、熊切監督の現場に行くことが出来るというだけでも幸せに感じたことを覚えています。役については、自分で何か考えて作りこむというより、浅野さんがカメラの回っていないところでも淳悟と花という空気感で接してくださっていたので、そういうところから探って作っていったと思います。

― 藤さんはタブーを問う大島渚監督の 『愛のコリーダ』 にご出演されていて、本作もタブーを描いた作品ということで出演を決められたそうですが、こういったテーマはやはりそそられますか?

 やはりタブーやスキャンダラスなものは、見たいですよね。最近人の良いジイさんの役が多かったんですよ。まぁ、今回も悪いジイさんにはならなかったですが、やはりこういう話には惹かれますね。演じて楽しかったです。浅野さんとはもう3本も一緒にやっていますが、熊切監督にしても、この3人にしても、新しい才能に会う現場は嬉しい。現場で勉強してますよ。僕はまだ伸びますからね(笑)。

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― 熊切監督は、現場で 「この作品を問題作にする」 と宣言されたそうですが、今回このテーマに挑まれた理由をお聞かせください。

熊切監督 こういうテーマは今の日本映画は避けがちだと思うのですが、文学では描かれているわけですから、やはり映画も負けてはいられないという思いがありました。

MC 役者さん達の現場での印象はいかがですか?

熊切監督 すごく波動の来る方たちとやれたので、僕は撮っていてワクワクしました。

― 高良さんは、初めて熊切監督の現場に参加されていかがでしたか?

高良 熊切監督の作品は昔からずっと観ていて、自分から現場に行きたいと思っていたので、やっと誘っていただけてすごく楽しかったですし、現場では熊切さんから湯気が出ていました。すごくカッコよかったです!

MC またぜひ・・という感じでしょうか?

高良 それは、かなり!!

― ここで少し趣向を変えた質問を。本作は究極の男女のタブーを描いていますが、皆さんが人に止められてもやってしまうこと、タブーをおかしてしまったというエピソードがあれば教えていただきたいのですが?

浅野 全くそういうことがないんですよね。すごく真面目で、人のお手本になるような生き方しかしてこなかったので(笑)。

二階堂 私もわりと真っ当に生きてきたと思うのですが(笑)。悪いとは思っていませんが、洋服がすごく好きで、近々引っ越しを考えていて、その理由も洋服がもう家に入らなくて・・。それでも洋服は買っちゃうなと。

高良 色々考えていたのですが・・・夜中にカップラーメン食べるとかですかね。普通にふたつ食べてしまって、朝後悔するんですよねぇ。

 僕もマジメですからね。でも、トーストにワサビをつけて食べる・・・これタブーになりますかね?

MC その食べ方はすごいかもしれませんね。。

 ぜひ試してみてください。

熊切監督 僕も色々考えたのですが、映画では色々やりたいですが、日常はひっそりと暮らしているので何もありません。すみません...。

*ここで、サプライズゲストが登場!「流氷の街・紋別を映画の舞台にしていただいた感謝の気持ちを伝える」 ため、ロケが行われた北海道紋別市より観光大使の紋太くんが本物の流氷(15キロ)を持って駆けつけてくれました。流氷は、ロシアのアムール川からオホーツク海を南下して紋別へ来るそうですが、毎年紋別へ接岸するわけではなく、本作で流氷のシーンが撮れたことは本当に奇跡的な偶然だったそうです*

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― 最後に、主演のおふたりと熊切監督からもう一言ずつお願いします。

二階堂 (会場を去る紋太くんを見送りながら)紋太くん、はるばる遠くからありがとう。さようなら~。紋太くんのようなキャラクターは(本作に)出てきませんが(笑)、力強い映画となっています。ぜひ紹介していただけたら嬉しいです。今日は来てくださいまして、ありがとうございました。

浅野 紋太くんは映画には出てこないので、頭を切り替えてぜひ本作に集中していただければと思います。心配しなくてもどんどん集中していってしまうような映画だと、自信を持って言える作品です。楽しんでください。

熊切監督 この映画は、理屈ではなく感覚的に観る人を渦に巻き込みたいなと思って、気合を入れて作りました。どうぞ最後まで感覚を開いて、全身で身も心も堪能してもらえたらと思います。今日はありがとうございました。

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▲流氷入りのグラスでヒット祈願の乾杯!

『私の男』 は、第36回モスクワ国際映画祭コンペティション部門へ正式出品されることが決定しています。モスクワ国際映画祭は、カンヌ、ベネチア、ベルリン映画祭と並び 《世界四大映画祭》 といわれる権威ある映画祭で、今回本映画祭のコンペティション部門へは、『私の男』 が日本作品としては唯一の出品です。この出品について熊切監督は 「勝手な印象ですが、新藤兼人監督の 『裸の島』 など、人間の業を描く作品が多い映画祭というイメージなので、とても嬉しいです」 と喜びの気持ちをお話されました。

『私の男』 は、6/14(土) 新宿ピカデリーほか全国公開


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私の男

★2014年6月14日(土) 新宿ピカデリーほか全国公開!★

『私の男』

文壇を揺るがせた直木賞受賞の衝撃作がついに映画化!

監督:熊切和嘉

出演:浅野忠信 二階堂ふみ 高良健吾 藤竜也

© 2014「私の男」 製作委員会



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