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★一週間限定公開★前田敦子さん主演 『Seventh Code』 が初日を迎えました!
2014年01月12日(日曜日)

昨年11月に開催された 【第8回ローマ国際映画祭】 における 「最優秀監督賞」 「最優秀技術貢献賞」 の二冠達成を受け、日本での一週間限定緊急公開が決定した前田敦子さん主演×黒沢清監督の話題作 『Seventh Code』 が、ついに1/11(土)公開初日を迎えました。

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アーティストとして活躍する一方、その類まれなる存在感で女優としても目覚しい活躍をみせる前田敦子さんと、国内外の映画ファンを魅了しつづける黒沢清監督の奇跡のコラボレーションが 『Seventh Code』 で実現しました。本作は、前田敦子さん4枚目のシングル 「セブンスコード」 のMusic Videoとしてロシア・ウラジオストクを舞台に黒沢清監督が書き下ろしたオリジナルストーリー。

前田さん演じる主人公・秋子が 「もう一度会いたい」 という強く純粋な想いのもと、いかなる危険に足を踏み込むことも厭わず、ひとりの男性を追い求めるミステリアスな物語が進行していきます。幾重にも張り巡らされた 「謎」 の果て、観る者を襲う驚愕の結末とは?極東の広大な大地を舞台に、鬼才が仕掛ける極上のサスペンス・エンターテインメントの誕生です!

この日、お客様の大きな歓声に迎えられ初日舞台挨拶に登場したのは、前田敦子さんと黒沢清監督のおふたり。黒沢監督が撮影前に前田さんに抱いていた印象、そして過酷な現場で一番感激したこととは果たして・・・?

― まずは、一言ずつご挨拶をお願いします。

前田 皆さん、夜遅くにありがとうございます。前田敦子です。Music Videoを撮っていただき 「このままで終わるのはとっても惜しいな・・・」 と思っていたところ賞をいただいて、一週間限定ではありますが皆さんに映画館で観ていただけることになって、すごく嬉しいです。60分という観やすい時間なので、楽しんで帰ってください。ありがとうございます。

黒沢監督 本日は、どうもありがとうございます。前田さんが仰ったように、最初はごくごく小さな規模で出発した作品でした。タイトなスケジュールで大変厳しい状況の撮影現場でしたが、作っている時はスタッフも俳優も 「これもひとつの映画なんだ」 と信じて作っておりました。すると本当に幸運がめぐってきて海外の映画祭に出ることになり、そして今日この日を迎え、この作品が本当に映画に成長したんだなと感無量の気持ちでいっぱいです。本作がついに映画として誕生する瞬間に駆けつけていただいて、本当にありがとうございました。

― まずは監督に伺いたいのですが、今回オファーをうけた時はどのようなお気持ちでしたか?

黒沢監督 前田さんとは一度一緒に仕事をしてみたいと前々から思っておりましたので、すぐにお引き受けしました。ただ最初は 「歌っているところを撮るのかな?」と思っていたのですが、「歌なんか別に歌わなくてもいいんだ」 と言うので 「え?!」 となりました(笑)。秋元(康)さんに 「とにかく映画みたいにやってください。自由にやってください」 と言われましたので、「よし!コレはちゃんとしたものを作らないと!」 と気合が入りましたね。

― 監督はもともと前田さんの演技力を高く評価してらしたそうですが、具体的にどういう部分に魅力を感じていらっしゃったのですか?

黒沢監督 映画やテレビなどの作品、それからAKB48で歌っていらっしゃったところをテレビで拝見すると、これはまったく僕の個人的な印象なのですが・・・悪く言うと、一人だけ孤立している。一人だけ、たった一人まったく他と違う独特な何かがあるんです。若い俳優やタレントなど色々な方を含めて、日本人でこんなに若い年齢で、パッと見た瞬間から 「たった一人で生きている強さ」 がにじみ出ている人って中々いないなと思って。もちろんご本人を全然知らないんですけど(笑)「日本の女優でこういう雰囲気を醸し出せる人って貴重だな」 と思ったのが、テレビなどで見ていた前田さんの印象です。

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MC 前田さん、ちょっと笑っていらっしゃいましたが?

前田 はい(笑)。見ていただいただけで・・・何だろうなぁ。分からないのですが、何となくそう思われることは多いのかなと思います。

― 今回黒沢監督がオリジナルストーリーをお書きになり、監督されるという話を聞いた時は、どのようなお気持ちでしたか?

前田 脚本をいただいた時に 「とってもハードルが高いな」 と思いました。実際にお会いすると 「殺陣のシーンも本気でやってください」 と言っていただけたので、「よし、がんばろう!」 と行く前からかなり気合を入れることが出来ました。

― 本作は全篇オールロシアロケということで昨年6月に撮影なさったそうですが、意外にも監督にとって初めての海外ロケだったそうですね?

黒沢監督 はい。

前田 えー?そうですか?!

黒沢監督 そうですよ。海外どころか、東京以外で映画を撮ることがほとんどないんですよ。

前田 えー??!

黒沢監督 地方ロケもなくて、いきなりロシアだったんです。

MC なぜロシアで?

黒沢監督 最初の打ち合わせで、秋元さんが「ロシアなんか良いんじゃない?」と呟かれて(笑)。

前田 私もそれは聞きました。

黒沢監督 やっぱり?それは秋元さんの直感だと思うのですが、「前田敦子はロシアみたいなところに立つと凄く良いんじゃないか」 と。僕は行ったこともないし、秋元さんも行ったことがあるわけではないようなのですが(笑)。ただ実際に撮影してみると「あぁ、こういうことなんだなぁ」 と何となく分かりました。

MC 私も拝見しましたが、本当に絵になる感じでしたものね。

黒沢監督 そうですね。

― ところで、Music Videoとしてスタートしたものをどのように物語にしていったのでしょうか?

黒沢監督 これからご覧になる皆さんにあまり細かい内容は言えませんが、ひとつだけ言っておきますと、ロシアと言っても日本から一番近いウラジオストクというところで撮影しまして、ご存知の方もいると思いますが、ウラジオストクはシベリア鉄道の出発点なんですね。今はもう利用する人はあまりいませんが、100年くらい前はウラジオストクからシベリア鉄道に乗ってヨーロッパに向けて旅立ったという、そういう出発点の場所です。なので、「前田さんが世界に向けてここから旅立つ。その第一歩のような物語にしたいなぁ」 と。「誰にも言わないある強い目的を心に秘め、今から世界に進出していく。その最初の町」 みたいなことを思い描きながら物語を作っていきました。

― 先ほど 「撮影前からかなり気合が入った」と仰っていましたが、撮影に入ってからはいかがでしたか?

前田 スケジュールもとてもタイトでしたし、気温の変化もすごくて、私としては今までの作品の撮影の中で一番大変でした。ただ、監督が本当にすごく素敵な方なので 「監督のためにどう頑張れば良いのだろう」 と格闘しながら頑張りました。

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MC 作品づくりの中でどう応えていくかは、大切な要素ですものね。

前田 そうですね。色々ひっくるめても、一番大変な撮影でした。

MC 監督はいかがでしたか?

黒沢監督 僕も人生で一番大変な撮影でしたね(笑)。大変な理由でひとつハッキリしていることがありまして、ウラジオストクは札幌あたりとほとんど変わらない緯度・経度にあって日本と大差ないはずなのですが、時差が2時間もあって向こうが遅れているんです。特に6月の撮影でしたから、全然日が暮れないんですよ。「まだ撮れる、まだ撮れる」 とやっていて、そろそろ日がかげってきたと思って時計を見ると夜の10時なんですよ!ナイトシーンがあるとスタートは夜中の1時だったり。太陽が中々沈まないので、ついついたくさん労働してしまうという映画業界の人の悪いクセが出て、いつも以上にハードにやってしまいました。でも、あの短期間で60分とは言え映画をよく撮りきったと思います。本当にみんな頑張ってくれました。

― 監督は、実際に前田さんとご一緒していかがでしたか?

黒沢監督 やっぱり素晴らしかったですね。過酷な撮影でしたが、まったく不平不満も言わず付き合ってくれました。(Music Videoなので)歌うところがあるのですが、撮影が夜中までかかり前田さんもスタッフも疲れきっているところ、まだ歌の撮影が残っていると。歌に関しては僕は素人ですし、前田さんにお任せしていたのですが、ヘトヘトの状態の中で 「歌ってくださ~い」 と声がかかると、それまで演じていた役からガラッとプロのアイドルに変わるんですよね。これにはスタッフたちもみんな 「うわぁ、前田敦子が目の前で歌ってるよ!すごいの見ちゃった!!」と。あの過酷な撮影の最後に素晴らしい歌を目の前で歌ってくれたのは、一番の感激でしたね。

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MC その場の空気を一変させたんですね!前田さんは監督とご一緒していかがでしたか?

前田 監督は本当に優しくて、みなさんにずっと気を遣ってくださるんです。ただ、優しいのが私にとっては逆に厳しい環境と言いますか、「その優しさにどう応えるのか?」 と、求められているものを自分の中で分析しているうちに気持ち的にぶつかってしまったりもしたのですが、「とにかく監督のために頑張ろう」 という思いで乗り切ることができたので、本当に監督のお陰です。

― 本作は、昨年11月のローマ国際映画祭コンペティション部門で「最優秀監督賞」「最優秀技術貢献賞」の二冠を獲得したわけですが、「最優秀監督賞」 は本映画祭における準グランプリに相当するということで、この作品にかかわった全ての人に贈られた栄えある賞です。この吉報をうけた時のお気持ちをお聞かせください。

前田 映画祭に参加すると聞いただけでも 「さすが黒沢監督だな」 と思ったのですが、受賞したと聞いた時は 「やっぱり、さすが黒沢監督だな!」 と。その一言に尽きるなと思います。

MC 監督は映画祭に参加され、現地の反応をダイレクトに感じられたのではないでしょうか?

黒沢監督 そうですね。自分で言うのも何ですが・・・ウケてましたね。途中で 「おぉ!」 と驚きの声があがったり、軽い拍手が起こったりしました。後で聞いたのですが、歌うところでは多くのローマの観客が 「あの女優スゲー。歌、うたえるんだ!」 と、それでビックリしていたというのもあったそうです。本当に小さな作品ではあるのですが、皆さん驚きをもって迎えてくれたようでした。

MC 実は監督は、受賞のお知らせは東京に帰ってきてからお聞きになったそうですね?

黒沢監督 成田(空港)で聞いたんですよ。成田に着いて 「さぁ家に帰ろう」 と思ったら、一緒にいたプロデューサーが 「あれ?ローマから何か電話が入ってますけど?」 と言うので 「なに?」 と出たら 「今から戻ってこれないか」 と(笑)。「ムリ、ムリ。何?」 と聞いたら、賞を獲ったということでした。「今から戻れるかよ!もうちょっと早く言ってくれればなぁ」 と思いました(苦笑)。

MC ということで残念ながら授賞式には参加できなかった監督ですが、イタリア・ローマよりはるばる海を渡ってこの会場に 「最優秀監督賞」 の盾が届いております!せっかくですので、今日は前田さんから監督へお渡しいただければと思います。

前田 おめでとうございます!

黒沢監督 (前田さんからもらうことに恐縮しつつ)ありがとうございます。

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― 初めて盾を手にしたお気持ちは、いかがですか?

黒沢監督 はい、初めて見ました。重いものですね。馬と騎士が描かれていたのかな?

前田 ローマの人っぽい感じでしたね。

黒沢監督 いま初めて見たので細部まで見られなかったですが、後でよーく見ます。

MC 前田さんは、ご自分が出演なさった作品がこうして海外で評価をうけていかがですか?

前田 黒沢監督とご一緒できただけでもすごく嬉しくて、「次はぜひ映画でご一緒したいな」 と思ってたら賞の受賞で映画という形になり、本当に嬉しいです。

― では最後に、もう一言ずつメッセージをお願いします。

黒沢監督 皆さんもうご存知だとは思いますが、前田敦子は本当に素晴らしい女優で、色々な可能性を秘めていることがこの作品で再び証明されていると思いますので、たっぷり前田さんを堪能していただけると思います。楽しんでください。よろしくお願いします。

前田 せっかくなので、楽しんで帰ってください。3月にはシングルとして、そしてMusic Videoとしてこの作品が入ると思うのですが、オマケという形ではなくこうして映画として観ていただくのが本当に嬉しいので、一週間限定ですがぜひよろしくお願いします。ありがとうございました。




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Seventh Code

★2014年1月11日(土) シネクイント他にて一週間限定公開★

『Seventh Code』

想像を超える結末が観る者を襲う、極上のサスペンス・エンターテインメント!

監督・脚本:黒沢清

出演:前田敦子 鈴木亮平 アイシー 山本浩司

© 2013AKS



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