日本映画として甦った 『許されざる者』 が、ついに完成!イーストウッド監督から届いた手紙に渡辺謙さんも感無量!
2013年08月01日(木曜日)

  

クリント・イーストウッド監督・主演で第65回アカデミー賞最優秀作品賞はじめ4部門を受賞した映画史に残る傑作 『許されざる者』 が、日本映画となって甦ります。9月に公開を控え、監督・キャストによる完成報告会見が8/1(木)に行われました。

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本作は、1992年に公開したクリント・イーストウッド監督の名作 『許されざる者』 を、舞台を日本に移してリメイクした作品。オリジナルでは、イーストウッド、ジーン・ハックマン、モーガン・フリーマンというハリウッドの名優たちが演じたメインキャストを、渡辺謙さん、佐藤浩市さん、柄本明さんという日本を代表する名優の皆さんが演じています。

メガホンをとったのは、海外でも高い評価を得ている李相日監督。共演には、柳楽優弥さん、勿那汐里さん、小池栄子さん、近藤芳正さん、小澤征悦さん、三浦貴大さん、滝藤賢一さん、國村隼さんなど妥協なき布陣を揃え、日本最高のスタッフとキャストが集結し、持てる全てを惜しみなく注ぎ込んで再生させた入魂の日本映画となりました。また本作は、第70回ヴェネチア国際映画祭に特別招待作品としての出品も決定しており、世界の注目も集まっています。

約8分の特別ダイジェスト版上映後、渡辺謙さん、佐藤浩市さん、柄本明さん、柳楽優弥さん、勿那汐里さん、小池栄子さん、そして李相日監督が登場。「ようやく出来たという感じです。全てのシーンに一つひとつエピソードがあり、思い出深いです」 としみじみと振り返る渡辺謙さん。「キャリアも実績も少ない自分がこんな大作をリメイクさせていただけるとは、暴挙と受け止められても仕方ありません。失敗したら、日本映画界どころか世界のどこにも居場所がなくなります」 と並々ならぬ覚悟をみせる李監督。そんな皆さんの元に、オリジナルの主演・監督であるクリント・イーストウッド監督から、完成にあたってのメッセージが届きました。

** クリント・イーストウッド監督からのメッセージ **
この度は、私の長い映画人生の中で最も大切で、自分の人生に大きな影響を与えた作品 『許されざる者』 が、最愛の国・日本で、日本映画として甦ったことをとても幸せに感じています。
かつて、私は黒澤明監督の 『用心棒』 に感動し、『荒野の用心棒』 に出演したのを思い出します。
そして今、日本映画界の最高のスタッフとキャストが、私の 『許されざる者』 に感銘をうけてくれたと聞いています。
これにも何か深い縁や絆を感じざるを得ません。私も作品を拝見し、素晴らしい出来で、非常に満足しています。
日本を舞台に、滅びゆく者たちの生き様を壮大に描いただけでなく、激しくも美しい魂が詰まっているこの作品に日本映画の新たな時代の幕開けを感じました。
私の愛する日本の美しい風景や文化を通じて、観るもの全ての人々に驚きと優しさを与えてくれます。
私の大事な友人である渡辺謙も、素晴らしい演技を見せてくれました。
李相日監督をはじめ、本作にかかわった方々への成功を祈っております。
最後に、本作が日本映画界、そして世界の映画の歴史に残る素晴らしい作品になることを期待しております。
― クリント・イーストウッド

― 渡辺さん、今のメッセージをお聞きになっていかがですか?そして、オリジナルを意識された点はありますか?

渡辺 撮影前に李監督とお話をさせていただいた際、日本の風土や歴史に置き換えた時に 「これはオリジナルとは違う、独自の世界観を持つ映画になるな」 という確信を持ちましたので、もちろんストーリーはオリジナルを踏襲していますが、意識はまったくしませんでした。クリントがこのようにとても気持ちよくリメイクを許してくれたことに、彼の懐の深さを感じます。そして、手紙を通して 「キャストを信頼して託してくれたんだ。リメイクを許してくれただけでなく、さらに深く受け止めてくれたんだな」 ということを改めて感じました。

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― 皆さんにお尋ねしたいのですが、撮影に挑む際、心に決めたことがありましたらお聞かせください。

渡辺 先ほどオリジナルを意識しないという話をしましたが、クリントは明快な答えを出していないんですね。そのあたりはちゃんと踏襲しようと思っていました。日本が舞台で歴史がより複雑になっているのですが、それでも自分の中でも十兵衛という役の中でも、「最終的な答えは出すまい」 と悩み続け、作品を観た今でも答えが出ずに悩み続けています。

佐藤 質問が難しすぎてどう答えていいのか分からないのですが・・・何か心に決めて撮影に入らなくてはいけなかったんですねぇ。何も考えずに入ってしまいました(笑)。

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柄本 浩市ちゃんが言ったように中々難しい質問ですが、「キャストとして李監督の前に立った時、どういう自分にめぐり会えるのか?」 そんな感じで撮影に入りましたかねぇ。

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小池 寒い日の撮影でしたので、「体調管理だけはしっかりしよう」 と最初に心に決めました。中々着込むことの出来ない衣裳でしたので、女性にとっては特に寒い現場だったと思います。

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柳楽 「李監督の言うことだけ聞く」 ということです。柄本さんに言われた言葉のまま言いますが、「オマエは、李の言うことだけ聞いていればいい!」 と言われ、その言葉がずっと印象に残っていたので、その通りにしました。

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勿那 「最後まで役を演じきる」 ということです。撮影中はずっと悩みながらの日々でしたが、皆さんに支えられながら最後までやり抜くことが出来ました。

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李監督 柳楽くんは言うことをちゃんと聞いてくれましたが、3つ言ったら2つは忘れちゃってましたね(笑)。浩市さんは 「何も考えていない」 と仰っていましたが、撮影2日目の朝に僕のところに来て 「今回俺は、お前さんに新しい佐藤浩市をみせるんだな」 と宣言されたことを印象深く覚えています。僕はただ、スタッフ・キャストを無事に家族の元へ帰さないといけないので・・・

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渡辺 本当にそんなこと思ってた?絶対思ってないでしょ!?全然そんなふうに見えなかったなぁ(笑)。

柄本 熊だって出たもんね!

― 映画化にあたっては、許諾など超えなくてはならないハードルが色々あったと思いますが、こうしてクリント・イーストウッド監督からの手紙を読まれていかがですか?

渡辺 版権という意味では超えなくてはならないハードルもあり、時間がかかった部分もあったと思いますが、クリントとは彼の事務所の方を通してよくメールをしていましたし、クリント自身も現場の映画人ですので、「やろう!」 という感じだったと思います。こうやってお手紙をいただけるということは嬉しいですし、心に届いたんだなと思うと、やった甲斐がありました。

李監督 映画界の神様みたいな方なので、観ていただいたその場に自分が居合わせていたら信用できたと思いますが、雲の上の人から声をかけていただいたので、正直まだ実感がわかないです。ただ、キャストもスタッフもとにかく必死だったんですよね。その必死さが映像を通して伝わったんだなということは、手紙を通して感じることが出来ました。

― 渡辺謙さんと佐藤浩市さんは今回が初めての共演ですが、お互いの印象や相手の凄いなと思った点をお聞かせください。

佐藤 そんなこと照れくさくて言える訳ないじゃないですか(笑)。お互い30年くらい(役者を)やっていまして、その中では撮影所で顔を合わせることもありましたし、会えば軽い冗談を交わす関係ではありますが、この年齢になってこういう作品で一緒に出来たことは光栄でしたし、渡辺さんは現場で常に威風堂々としていて、座長として全てを受け止める度量があるというか、それが僕はないものですから素晴らしいなと思います。

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渡辺 僕らの世代の俳優って多いんですよ。そういった中で、実は1回だけドラマですれ違う程度の共演はあるのですが、ここまでガッツリ仕事をしたことはありませんでした。こういったアプローチの難しい、高い山に登るような作品で共演できたことは、共演というより 「共犯者」 みたいな感覚で、こんなに心強い共犯者がいてくれたことを嬉しく思います。スクリーンの中にも、その力強さみたいなものはしっかり残っていると思います。

― ヴェネチア国際映画祭に出品されるということで、まさに世界が注目する日本映画になったと思いますが、作品が世界で観られることに対して、どのような期待をしますか?

李監督 オリジナルは世界中の映画人に観られている映画なので、当然ストーリーを多くの人が知っています。ストーリーは同じでも、本作では、より 「人間の持っている業」 みたいなものを何とかにじみ出せないかというところを追いかけており、見え方の違いが明確になっていると思うので、そのあたりがどう受け止められるか楽しみでもあり、怖くもあります。

渡辺 独特な日本の風土であったり、ウェスタンにはない痛みや湿度などがどんなふうに伝わっていくのかがかなり楽しみという気持ちが大きく、恐らく受け止めてくれるのではないかという気がしています。

― オリジナルは 「人間の尊厳」 のようなものを描いていると思うのですが、リメイクにあたり、監督はそれをどのように捉え、渡辺さんはどう感じながら演じられたのでしょうか?

李監督 クリント・イーストウッド監督の作品に共通している 「人間の姿」 というものを、僕は19、20歳くらいの頃に映画館で初めて体験したのですが、当時はまだ 「何か衝撃は残ったけれども、その正体は何なんだろう?」 というところまで読みきれませんでした。それを実感するまでに、人として10年、20年という時間がかかりましたし、何本か映画を作っていく中で、ようやく 「人の姿や人のあり方、どう人間が生きていくべきか」 ということの尻尾のようなものを感じ取れる映画作りに向かってきたからこそ、「『許されざる者』 をやりたい」 ということになったと思うんですね。とは言っても、まだ自分の中で全ては分かっていません。分かっていないからこそベテランの俳優さん達の力を借りて、通づるものを探すという作業をこの映画でやらせてもらったと思っています。

渡辺 『許されざる者』 は、恐らくクリント自身にとってもこれまでの映画作りとは違うエポック・メイキングな作品だったんじゃないかなと思うんです。お話がエンドレスに巡っていて、それはもしかしたら人生と似ている。辛いもの、痛み、苦しみや喜びみたいなものがない混ぜになって、終わることがない。そういうある種のドキュメンタリーみたいな 「そういう人たちが、本当にいたんだよね?」 と思わせるような映画だからこそ、深く深くいつもまでも噛み締めていくような作品なのだなと思います。その部分に関しては、最初にもお話したように、ちゃんと踏襲してその世界観に近いものにしようと思いましたし、手前味噌ですが、そういう映画になったのではないかと思います。

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― ハードな現場だったと思いますが、身の危険を感じたり、身体的に辛かったことなどがありましたらお聞かせください。

勿那 一番は、寒さです。ここまでの雪を体験したことがなかったので、吹雪いている夜の撮影で雪の中に手をズボッと突っ込んでしまった時は、本当に手がちぎれるかと思いました。

柳楽 李監督の演出・・・。

渡辺 北海道関係ないんだ(笑)?

MC 辛く、厳しく、身の危険を?

柳楽 それがすごく幸せでした。

小池 私もここまでの寒さを経験したことがなく、撮影の合間に暖をとらせていただいてはいたのですが、現場に立った時に歯がガクガクして 「人の身体ってここまで震えるだ?!」 ということを初体験しました。初めの方は、スタッフジャンバーを着たら 「そんなので気持ち入るのか!」 と監督に怒られるのではないかという恐怖心からジャンバーを着ないでガマンしていたのですが、それで風邪をひいたら元も子もないですし、途中から着ました(笑)。やはり寒さが辛かったですね。

MC 監督もやはり薄着をなさって現場に?

李監督 ダウンジャケットを2枚重ねで・・・。すみません。

佐藤 僕の場合は自分の身の危険というよりは、人の身を危険にさらすシーンがありました。柄本さんを宙吊りにして木刀でメッタメタに殴るんですけど、本物の木刀では危険なんですね。かと言って柔らかいものだと、当てた時にしなってしまうんです。その "しなる" ことをこちらの方(李監督を指して)がイヤだと。それでどうしたかと言うと、鉄の芯の周りに柔らかいものを巻いた棒があり、それでやってくれないかと仰られて・・・。柄本さんに膝あてのサポーターを貼り、そこを徹底的に叩いたのですが、映画を観たらそのシーンがカットされてました。

渡辺 相当的確なヒットだったんですよね?

佐藤 何回やってもきれいにそこにヒットしまして、ゴルフやってて良かったです(笑)。

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柄本 危険なことは、本当に色々ありました(笑)。キタキツネに触りそうになったこと。鹿を轢きそうになったこと。森の中で得体の知れない虫に刺されて、片方の目が腫れ上がったこと。それで監督に 「ちょっと今日は撮影無理なんじゃないか」 と伝えたところ、「いや、こっち(腫れていない側)から撮りますから」 って・・。それから、零下十何度での撮影で、僕とソックリな人形を作ってあったのですが、現場に行ったら監督が 「柄本さん、メイクをしてください」 って(苦笑)。その時に渡辺謙さんがとっても気遣ってくれて、カットがかかる度に僕を担いで温かいところに連れて行ってくれるんですね。監督は、そういうことは一度もありませんでした。それから、浩市さんに殴られる間、ずっと吊るされていて、10時間くらい吊るされていたかな。次の日は腕があがらなかったですね。色々大変なことがありましたので、皆さんに観ていただきたいと思います。

渡辺 柄本さんが虫に刺されて顔が腫れてしまった時、撮影の合間にちょっと時間が空いた時があったので、アイシングしながら顔にタオルを巻いて衣裳のままホテルに戻ったんです。そうしたら、不審者だと思われてホテルに全然入れてもらえなかったんですよね(笑)。

李監督 僕は、熊より人が怖かったです(笑)。崖っぷちで撮影する時は、いつ突き落とされるかと心配していました(笑)。

渡辺 北海道の秋は、短いんです。その中で、天候などによるスケジュールの変動も含めて2ヶ月半のオールロケ。どう考えても無謀ですよね。ところが、奇跡的に雪の条件など天候面はクリア出来たんです。大変だったことと言えば、北海道をだいたい4分割すると3箇所で撮影したのですが、僕の車でも2ヶ月半で8,000キロ走っていますから、スタッフはそれ以上だったと思いますし、全てのパートの人間達にとって喋らせたら一晩じゃ終わらないくらいの苦労があったと思います。李監督のもとでこの映画が刺激的で魅力的な作品に仕上がり、僕にとっては大変だったというより 「こんなことがあったよね」 という感じです。

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世界が注目する日本映画 『許されざる者』 の公開は、来月9月13日(金)。
かつてイーストウッド監督が黒澤明監督の 『用心棒』 に感動したように、イーストウッド監督の 『許されざる者』 に感銘をうけた李相日監督が日本の魂を吹き込んで日本映画として甦らせた本作の公開を楽しみにお待ちください。

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許されざる者

★2013年9月13日(金) 全国ロードショー★

『許されざる者』

世界が注目する日本映画、誕生

【監督】 李相日

【出演】 渡辺謙 柄本明 柳楽優弥 勿那汐里
小池栄子 近藤芳正 小澤征悦 三浦貴大 滝藤賢一
/國村隼 佐藤浩市

© 2013 Warner Entertainment Japan Inc.



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