イベントレポート

<最新一覧へ戻る

"三池崇史監督 presents 大人だけの空間" に 映画 『凶悪』 主演の山田孝之さんと白石和彌監督がゲスト登壇しました!
2013年07月17日(水曜日)

旬な映画人をゲストに迎え、三池崇史監督がプレゼンターをつとめるトークショー付試写会 "三池崇史監督 presents 大人だけの空間"。今回で10回目の開催となる7/17(水)は、再来月9/21(土)に公開を控える映画 『凶悪』 から、主演の山田孝之さんと白石和彌監督がゲストに招かれました。

130717_kyoaku00.jpg

"三池崇史監督 presents 大人だけの空間" は、豪華ゲストと三池監督による、台本のないトークショーが名物の試写会。トークショーの最中は登壇者もお客様も、お酒もタバコもOK!客席と一体になって飲み会の雰囲気で進行するのが本イベントの醍醐味で、映画の見どころやゲストの素顔に迫るうちに脱線していくトークと爆弾発言が恒例となっており、今では200名の当選枠に対して1万通前後の応募がある大人気プレミアム試写会です。

映画 『凶悪』 は、一人の雑誌ジャーナリストが、警察も知らない事件を死刑囚の告発を頼りに明るみに出し、首謀者逮捕に至らせたという実在の凶悪殺人事件を題材としたベストセラーの映画化。

主人公であり事件の真相を追う記者・藤井役を山田孝之さんが、藤井と未解決事件の接点を見出す死刑囚・須藤役をピエール瀧さんが、そして須藤によって告発された殺人事件の首謀者と目される、先生(役名:木村)役をリリー・フランキーさんが演じています。この個性溢れるキャストのコラボレーションが、正義と狂気がせめぎ合うセンセーショナルな題材で、どのような化学変化を起こすのか!?

すでに本作をご覧になり、「この試写会で絶対に紹介しなければ!」 と大絶賛してくださっている三池監督。そんな三池監督の作品にも数多くご出演し、三池監督と縁の深い山田孝之さんをゲストに迎え、どのようなトークが繰り広げられたのでしょう?

三池監督 こんばんは、三池です。ようこそいらっしゃいました。今日上映する 『凶悪』、凄い映画です!俺自身観てビックリしましたし、すごく面白かったので 「これは、絶対に紹介しなければ!」 ということで、上映させていただくことにしました。映画に対する皆さんの考え方がちょっと変わる、「映画って、すごい力を持っているんだな」 と感じてもらえる日になることと思います。では、どちらかというと凶悪な部類に入る(笑)山田孝之さんの登場です。どうぞお入りください!

130717_kyoaku2.jpg

山田 どうも。今日は酒が飲めるみたいですので、呂律が回らなくなったり、一点を見つめだしたりしても、多少大目にみてください(笑)。

三池監督 まぁ、大目にみてやってください。それにしても凄いね、この映画!この監督って、どういう?

山田 どんな人か、ですか?んー、物静かな雰囲気のある方なので、たぶんすごく緊張していると思います。真面目な人だと思いますよ。

三池監督 そうですか。では、その真面目な監督、白石監督にご登場いただきます。どうぞ~。

白石監督 『凶悪』 を監督しました、白石です。よろしくお願いします。

三池監督 ところで、この映画がどういう映画かだいたい理解していて、自分なりに覚悟決めてるという方、ちょっと手をあげてもらえます?(ほとんど手があがらず)・・・そっか。

山田 先に食事は済ませておいた方が、いいかもしれないです。

三池監督 大変なことになると思います。大変と言っても、ホラーやグロテスクなスプラッター映画ということではなく、ある種の人間の本質を見ることになります。それは見たくないものなのだけれども、なぜか物凄く引き込まれる・・という体験をしてもらうことになると思います。なので、ちょっと覚悟しておいてもらった方がいいかなと思うのですが、今回初めて、映画を観て 「原作本を買って読もう」 と思いましたよ。で、原作を読んだら益々 「この映画、スゲーな」 と思ったのですが、なぜこれを映画化しようと思ったの?

白石監督 まだ監督になりたての僕がこういうことを言うのも何ですが、最近の日本映画は 「クールなことがカッコイイ」 みたいなところがあるので、もっとギラギラと汗をかいて、体中から体液をいっぱい出して・・・というような映画を撮りたいと、ずっと思っていたんですね。映画なのであり得ないことですが、出ている人の体臭であったり、登場人物たちが右往左往する血の臭いがするような映画を撮りたいと思っていた時に、とあるプロデューサーから 「コレ読んでみてよ」 といただいたのがこの本でした。事件自体はニュースになった時に知ってはいたのですが、本を読むと 「凄いな」 という思いを感じ、難しい話なのでどこまで出来るか分からないけど、チャレンジしてみようと思ったのが最初です。

三池監督 実際にあった事件とそこに絡んだ人間たちをベースにしていて、要は話がリアルなんですよ。これがとても人間のなせる技とは思えないのですが、その中にも独特な愛情というものがあって、悪人と善人の区別ではなく 「人間それぞれに、それぞれの生き方がある」 ということが表現されている。それが本当にあった話ですからねぇ。自分はふだん嘘っぱちばかり作っているので(笑)、「あってもなくても良いけど、まぁ暇つぶしにはなるかな」 というのが自分にとっての映画なのですが、これは本当にそれぞれの登場人物が全部実在するんです。で、その事件の真相を暴き出していく案内人が、この山田孝之さんなんですよ。普通 "凶悪" と聞くと、一番凶悪なのはこの人(山田さんを指して)かなと思うけど(笑)、凶悪な人間たちを彼がジャーナリストとして問い詰めていく。その実際にいらっしゃった記者の方を演じているんです。演じるにあたって、普段の仕事と違いはあった?普段役作りとか、あまりしないでしょ?(お客様爆笑)いや、もちろんプロとして役づくりはするんだけど、その人間を研究するとか・・・影では何かしているの?

山田 監督は、そう見ているんですね(笑)。社会派でもコメディでも、どんな役でも、いつもやる作業は一緒なんですよ。役を作って、その人物像から芝居を作るという作業を三池さんの作品に出ている時もしてはいるんですけれども、そう見えていない?

130717_kyoaku3.jpg

三池監督 プロですから、そこを見せないのかな。

山田 でも、今回は撮影期間が3週間くらいだったみたいで・・・

三池監督 マジで?!

山田 らしいです。で、面会室のシーンが出てくるのですが、それは2日で撮りました。僕は藤井という役なのですが、スタートから最後までの間に気持ちの変化がすごくあるんですよ。しかし、まとめて撮影したため、その気持ちの変化の見せ方をすごく考えなければならなかったので、いつもはやらないのですが、台本の気持ちの変化があるであろうところに線を引いて段階を作ってみたんです。3、4段階くらいで済むかなと思っていたら、最終的に11段階になってしまったので、最初を0で最後を100として数%ずつ気持ちを調節しました。「はい、カット!オッケー。じゃ次のシーンです」 と言われる度に、このシーンからこのシーンまでの間に家に帰ってこういうことがあったとか、新たに現場に行ってこういう証拠を掴んでここに来ている・・・というように段階ごとの気持ちの変化をいつも以上に意識してやりました。

三池監督 あのシーンを2日で撮ったの?あれを2日間でどう演じ分けたんだ?と、観てもらうと信じられない思いになると思いますよ。いっぺんにやった方が、制作費的には楽なんですね。同じセットで、同じライティングで、そこでいっぺんに撮ってしまうんです。これは役者も大変だし、撮る方も大変なのですが、その制約の中で知恵が生まれてくる。なので、我々のように日本映画に関わっている人間達がやるべきことは、その制約を楽しむこと。その制約の中から生まれてくる "何か" を生み出すことが一つの方向なのだと思うのですが、それにしても凄いよ!尊敬した。山田孝之、尊敬!

山田 三池組でも、一応同じ作業やっているんですけど・・・伝わってない(笑)。

三池監督 ホント?そうなの?!前の日酒飲んで、テキトーに朝来て、シレッとやってオイシイところをパクッと持っていっちゃう。「いいなー。こういうヤツいるんだよなー」 と思っていたんだけど・・・違うんだ?

130717_kyoaku1.jpg

山田 まぁ今回は、いつもよりより細かな作業をしましたが・・・。

三池監督 監督としては、やはり嫉妬しますよね。この演出は出来ないとか、山田孝之のこの表情は撮れないとか。それに、「えぇ?!」 と思うことも勉強になる。そしてもっと凄いのは、凶悪に暴れるんだったら色々やれるけど、どちらかというと 「静」 である受け止める側の人間に、原作にはない映画の部分で 「人間の生活、日常ってどんなものだろう」 というところがサクッと足されているんです。テレビドラマであれば、"凶悪" に立ち向かうスーパーヒーローになったと思うんですよ。その魂は本当なんだけれども、彼自身もどこか病んでいて、完璧ではない。という過程をうまく表現していますよね。そのあたりは、原作に対するアプローチで最も映画的な別れ道になったと思うのですが、それは最初からイメージとしてあったのですか?

白石監督 原作が出来すぎていると言うか、「事件を調べ、それを記事にしたことによってまた警察が動いた。それによって犯人が捕まって・・・」 という流れだけを追いかけていくと完璧すぎると言うか、フィクションでオリジナルを書いた時に、よく 「そりゃねーだろ」 というものになってしまうあの感じがすごく嫌だったんですよね。スーパーヒーローでもダメなところがあるだろうし、凶悪な人間でも例えば家庭的なところなど良い部分というのが必ず介在していて、そこのグレーの部分を描きたいと常に思っていて、この原作、この事件に出会った時に、そこを何とか形に出来ないかなと思いました。

三池監督 普通に生きてさえいれば、誰でもそこに行き着かなければならない宿命的な問題を抱えているじゃないですか。そのへんのコントラストが、本当に見事な作品だったんですよ。たぶんこれ、ノーベル賞獲りますよ!(お客様、登壇者大爆笑)というくらい、凄いんですよ。こういうイベントや舞台挨拶って、みんな褒めあったりしますが、そういうのとは次元の違う作品なんですよ。しかも、それを3週間で?

白石監督 はい、21日間でしたね。

三池監督 それは・・・さすが日活ですね(笑)。過去の危機から完全復活して、色々と冒険や悪巧みをしています(笑)。ちなみに、自分は 『ヤッターマン』 を作らせてもらいました。『凶悪』は、全国公開される作品としては、映画そのものが事件ですよね。

白石監督 ありがとうございます。凶悪な映画を数多く撮られている三池監督のイベントに、僕自身が、まさか 『凶悪』 というタイトルを監督の前に持ってくるとは、完全に想定外でした(笑)。

三池監督 この先困りますよね?社会派と言われたりして・・・。

白石監督 そうだと思いますね。事件そのものが実際にあった話なので、必然的に社会派になったのですが、ただ根本的にはエンタテインメントを作ろうとして、こうなってしまったということなのです。

130717_kyoaku4.jpg

三池監督 これは、事件の関係者や近親的なども観るかもしれませんよね。映画は自由に作り、観たい人が自由に観る。それだけの関係だと思っていますが、この話には何か 「凄み」 があるよね。「映画ってすごいこと表現できるし、すごい影響を与えるんだな」 という凄み。今年の夏は 『風立ちぬ』 観るでしょ。『パシフィック・リム』 を観るでしょ。で、『凶悪』 を観ると、世界の映画事情と、「人間とは何なのか?我々日本人は、いま何に向かってどうしなければいけないのか」 がだいたい分かりますよ。だから 『風立ちぬ』 『パシフィック・リム』 『凶悪』 これをセットで観ていただきたい。その中で 『凶悪』 は、3週間で表現できるということの素晴らしさというか、映画の可能性というのを感じてもらえれば・・・いや、感じてもらえると確信しています。でも、映画の中で完結していないじゃないですか?山田さんが演じた役も出口がないというか、結末が見えていれば 「最後のシーンでこんな顔しよう」 ということの逆算で演じるプランが立てられると思うんだけど、これはその後の人生が続くわけでしょ?

山田 今回に関しては、リリーさん演じる木村が最終目的としてあったので、その後は考えなかったですね。

三池監督 ビックリしますよ、リリー・フランキー!「絶対こんなヤツなんだろうな」 と思いますよ(笑)!ピエールさんもビックリ。「本当は、絶対こんなヤツだろうな」と(お客様爆笑)。監督が演出して作れるものじゃなく、「彼らは絶対こういう人たちなんだ。間違いない!」 と思ってしまいますよ(笑)。リリー・フランキーさんは、プロの役者ではないじゃない?共演シーンは少ないけど、役者として感じるものって何かありましたか?

山田 衝撃はありましたね。対峙した時に、役者だったらそんなに長い "間" は怖くて絶対に取れないだろうという "間" を取っているのを見たりとか、「この時、こう思っているんだよ。だからこういう表情をします。それを感じてほしい」 と思ってやっている微妙な表情の変化ってどう取られるか分からないのですが、そのどう感じられるか分からないことを堂々とするのは凄いなと思いました。(自分には)出来ないなというか、初めて見ましたね。

三池監督 ピエールさんとは、随分一緒だったよね?ピエールさんは、役者としてもキャリアがあるけれど、でもプロの役者じゃないでしょ?でも、役者としてたしかに認めざるを得ない魅力を持っている人たちっていっぱいいるわけじゃないですか?共演者としては、そういうことは関係ないのかな?

山田 瀧さんをみていて思ったのは、ガーッと感情が出るような芝居している時でも、ふとした瞬間の表情とかが何かバカにしているように見えるんですよね(笑)。「ふざけているのかな?」 と思ってしまう。でも、僕がやった藤井という役と瀧さんのやった須藤という役の関係性は、最初は疑いの気持ちもあるので、瀧さんのバカにしているように見える面がうまいこと作用していて、「芝居としてそうみせているのかな」 と解釈して、こちらも演技しました。

三池監督 中盤の取調べ室のシーンで、まったく信じられない人間とそれを取材している人間が、透明な壁を挟んだ中で、ほんの一瞬心が通い合う。その瞬間を、僕ら観ている人間も共有するんです。あれは映画的な体験としてちょっとビックリするというか、面白いですよ。観てもらうと分かりますが、本当に名シーンだと思います。「映画って、本当に面白い」 と思う瞬間だと思います。あれは脚本に落とし込む過程で、最初からプランにあったのですか?

白石監督 観ていただけるとどのシーンか分かると思いますが、実際に事件を追いかけていた記者の方の話を聞いている中で、原作にも書かれていないいくつかのエピソードがありまして、そのうちのひとつです。映画のように、その話をした後に心を通わせるということはなかったと思いますが、「あ、これだ」 と思って、そういうシーンに置き換えました。

130717_kyoaku5.jpg

三池監督 あのシーンがあることによって、すごくドキドキするというか、リアルにしかみえない。映画にみえなくなるんです。あの芝居を2日間の撮影でやるには、やはり前の日に 「ああしてやろう、こうしてやろう」 と色々・・・

山田 飲んでないですよ(笑)。でも、事件を追っている記者という役柄なので、「ワンルームのマンションでも借りて、撮影期間中ずっと篭ってやろう。酒も絶対に飲まない」 と撮影に入る前に思っていたのですが、あまりにもキツくて3日目には酒飲んで、結果的にその後は毎晩飲んでいましたが、でも別にそういう変なテンションでのぞんだという訳ではないです。

三池監督 あのシーンって、本当に凄いよね。

山田 そうですね。観たら分かりますが、その瞬間たぶん一体になると思うんです。みんな同じ感覚に。でも、観終わった後に振り返ると 「そこで心通った自分って大丈夫か?」 と思うところだと思うんですよね。

三池監督 あの瞬間って、映画にしか表現できないね。共有して分かるけど、答えが出ないんですよ。なので、観客は自分達なりの答えを持ってラストに臨むんだけど、そこにあるのは現実なんですよね。この構成って、凄いよね。そもそも俺に比べりゃ若いじゃない?40・・・

白石監督 38歳です。

三池監督 38歳?!いいなぁ。すーっごいねぇ。これからは、白石さんの時代だということで。若くしてデビューすると、おじいちゃんやお父さんみないな人たちが監督という立場にいて、世代を超えて分かり合えない部分での戦いをしてきたと思うんだけど、年齢が近いよね?

白石監督 今年39歳で・・・

山田 今年30歳ですね。

三池監督 俺よりは、近いよね。これからは若い人たちがどんどん監督になっていくわけで、俺みたいな50代や60代の監督は、2ちゃんねる風に言うと "オワコン" 的な感じ(笑)。

山田 2ちゃんねる見てるんですか(笑)?!

130717_kyoaku6.jpg 130717_kyoaku8.jpg

三池監督 うん、結構ね(笑)。参加はしなけど、見るの大好きなんですよ。悪口書いてあると、すんごい嬉しいんだよね。ニコニコしちゃう。で、「コイツの言ってること、正しいよな~」 みたいな(笑)。山田さんも、いつか自分よりも下の世代の人たちが多くなる中で、役者として付き合う時が来るわけじゃない?自分の年齢があがっていく、時代が移っていくという点で、最初に役者になった頃に見えていた現場と今で、何か違いは感じる?

山田 んー、全然気にしないですね。わざわざ年齢聞かないですし。15歳で仕事を始めて、その時から社会で言えば新入社員がいきなり管理職のような人たちと作品を作ってきたわけじゃないですか。技師さんだったら60代の方もいますし。だんだんと年下のスタッフも増えるようになってきて 「年下なんだ」 とは思いますが、特に気にしないですね。三池さんも、自分より年上の役者だと言いづらいとかないじゃないですか?

三池 ・・・・・言いづらい(お客様爆笑)。

山田 そうなんですか(笑)?!

三池監督 というか、全然違う感性を持っているので、年上よりも年下の方が言いづらい。スタッフ・キャストの間で、共有しているのは脚本だけなんですよ。でも脚本の解釈はそれぞれだし、それぞれが違う思いを持ってぶつけるということが出来ないと、脚本って面白くないと思うんですよ。だから、「ここはこういう解釈だから、こういうシーンにしたいんだ」 というような密な打ち合わせも基本的にはしないです。だから・・・

スタッフ 監督、お時間となってしまいました・・・。

三池監督 でた!これからいいところだったのになぁ(笑)。では、司会者として最後に作品のことを言いますと、この 『凶悪』 という映画は、自分にとっても事件だったんですよ。「うかうかしていられない」 と思いましたし、「映画の可能性や力、役者の力、監督の力というものが、時間やバジェットなどを超えて存在するんだ」 という凄い衝撃を受け、覚醒させてもらいました。映画は本来、「これが映画だ」 とか 「今はこうだ」 とかではなく、色々な幅があって良かったのですが、今はその幅が狭まり、当たりそうなものを作るのが映画になっているんですよね。「娯楽ってなんだ?エンタテインメントって何だ?」 という幅がすごく狭まってしまって、僕らはそこに息苦しさを感じているのですが、そんな状況に対する鉄槌と言いますか、強烈な一撃となる作品を皆さんに楽しんでいただけると思っています。映画の力というものを本当に示している作品だと思うので、今日は最後まで楽しんでいただければと思います。

白石監督 関係者やマスコミ以外の普通のお客様に観ていただくのは、今日が世界で初となる 【ワールドプレミア】 なんですね。なので若干緊張しています。関係者試写の時にピエール瀧さんが 「この映画を観ると、全ての欲がなくなるよね」 という印象的な言葉を言っていました。なので、今日は目の前にあるご馳走を早めに食べてからご覧いただくと、この映画に乗っかれるかなと思います(笑)。最後までゆっくりご覧ください。

三池監督 今日はすごい応募数の中から来ていただいた方々なので、満足して帰れるように、山田さんから締めのスピーチをお願いします(笑)。

山田 (苦笑)そうですね・・・。実際にあった事件を元に作っていて、今の社会に対する問題点なども色々と出てくるので、そこを感じてほしいです。観終わった後に、嫌でもこの映画のことを考えてしまうと思うのですが、そのような映画があり、それを観た自分がいて、さらに一歩引いて 「いま自分がいる日本で起きている問題」 についても何かを感じてもらいたいなと思います。

三池監督 本当に、凄い映画ですから。今日皆さんがこの場でこの映画を観たことが記憶に残り、この映画の凄さ、映画そのものの凄さを感じてもらえれば嬉しいなと思っています。今日は、ありがとうございました。



凶悪

★2013年9月21日(土) 全国ロードショー★

『凶悪』

すべては、ある死刑囚の告白から始まった

監督:白石和彌

出演:山田孝之 ピエール瀧 リリー・フランキー

© 2013「凶悪」製作委員会



kyoaku_main01.jpg_rgb.jpg


★現在公開中の日活ラインナップもご期待下さい★


★日活は2012年に100周年を迎えました!
bb_nikkatsu_100.jpg

★100周年でとっておきの100タイトルを続々DVDリリース!
bb_nikkatsu_100dvd.jpg

過去のイベントレポート

新着イベントレポート

PRESENT STAFF
INTERVIEW