『ナオト・インティライミ冒険記 旅歌ダイアリー』 が4/13(土)に公開初日を迎え、ナオト・インティライミさん、石田雄介監督による初日舞台挨拶が行われました。
本作は、"太陽" のように明るく、"お祭り" のように楽しいキャラクターと持ち前の音楽センスでデビュー以来、人気・実力ともにその勢いは止まることを知らないナオト・インティライミさん初の「旅」と「音楽」を綴った、本格音楽ドキュメンタリー。
デビュー前に28ヵ国を515日間かけて世界一周した経験を持つナオトさんが、アフリカ、南米、カリブ海 ― と、宝物に出会う新たな旅に再び出かけました。そこではいったいどんな出会いがあり、そして何を感じて本作の主題歌「Catch the moment」が誕生したのでしょう?
世界を舞台に飛び回る旅人、ナオト・インティライミさん、初日舞台挨拶にバックパッカースタイルで登場です!
※貴重な話題が多く全て載せたいところですが、上映終了後の挨拶ということで、内容に触れる部分は一部表現をぼかして記述いたします。ご了承ください。
ナオト (お客様でいっぱいの客席を見渡して)ようこそお越しいただきました!
― まずは、一言ずつご挨拶をお願いします。
ナオト いかがでしたか?(お客様から大きな拍手)どう感じたんだろう?ひとり一人に感想を聞きたいくらいだね。どこのシーンが良かった?(お客様:○△×□◎!)なるほど、なるほど?・・・同時でわかんないや(笑)。こうやって初日に来ていただいて、本当に嬉しいです。ありがとうございます。
石田監督 今回監督をつとめさせていただきました、石田雄介です。皆さん、ご来場ありがとうございます。観た直後のお客様のお顔を見るのは初めてなのですが、皆さん笑顔で良いお顔をしていらっしゃって、いい感じで化粧がもう・・・ねぇ。
ナオト ファンデがね(笑)。ところで、あそこに "石田監督LOVE"って、ホラ!"イケメン石田監督"というウチワが、ホラ~!!
石田監督 うわぁ、スゴイ(照)!
ナオト いやぁ、コレ嬉しいですね!
石田監督 いや・・・なんか逆でしょ?ちょっと、目が笑ってないもんね(笑)?
ナオト いやいやいや、全然笑ってないよ!あ、違う違う(笑)。笑ってるよ!嬉しいね。
石田監督 嬉しいです。ありがとうございます。本当にありがたいです。
MC では早速お話をうかがっていきたいと思いますが、まずはお座りください。
ナオト これ、タイミングが分からないですね。・・・バックパックを下ろす。
石田監督 いま、下ろすでしょ(笑)。
ナオト いま、ここしかないよね?途中じゃおかしいもんね。
― ナオトさんは、今回何年ぶりの旅だったのですか?
ナオト こういったバックパッカーとしての旅は、2003年から2004年の終わりだったから・・・うーん、計算できないや(笑)。
石田監督 出来るでしょ!本篇でも散々言ってきたじゃない(笑)。
ナオト そうだ、そうだ!8年ぶりだ!
MC 8年ぶりの旅ということで、本日映画が初日を迎えたお気持ちはいかがですか?
ナオト 映画では"○%の不安と○%のワクワク"と、ちょっと見栄張っていましたけど、もうちょっと(不安)あったよね(笑)。その時はテンションが高かったからかもしれないけれど、今改めて振り返ってみると、8年のブランクが自分の旅をどう変化させたのか?年齢も重ね、社会的にも大人になってきた中で、どこまでグイグイな旅が出来るか?当時は、オラオラな感じ(笑)でいったのが功を奏し、アラファト議長の目の前で歌うこともありましたが、今思うと "信じられないな" とも思うんです。だから、"いまの自分がいけるのか?""人とどう接するのか?"というところがすごく興味深かったのですが、結果、変わっていませんでした。成長していませんでした(笑)。
MC 良い意味で、成長していなかった?
ナオト 冒険心を持っていられたなと。
MC ナオトさんらしさを持ち続けていられたんですね!
― 石田監督は、"本作の監督に"というオファーをいただいた時、どのようなお気持ちでしたか?
石田監督 ナオトがアーティストということは知っていましたし、曲も何曲かは知っていたのですが、ライブを直接みたわけでもなく、本人と話したことがあるわけでもなかったので、正直言うと結構大きな "賭け" という感じでした。
MC もともと面識はなかったんですね?
石田監督 まったくなかったので、"嫌なヤツだったらどうしよう"とか、"偉そうだったらどうしよう"とか思っていました(笑)。少人数で行くことは決まっていましたので、アーティストのナオトと僕がどこまでコミュニケーションをはかれるかによって、撮れる映像やナオト本人のテンションも変わってくると思うので、まずそこが一番不安が大きかったですね。
MC 実際にお会いした印象は、いかがでしたか?
石田監督 嫌なヤツだなぁ・・・(お客さま大爆笑)。ウソですよ?
ナオト も~、お互い様でしょ(笑)!
石田監督 去年最初に会った時はまだお互い"さん"付けでしたが、男5人だけでエチオピアに行ったので、初日からお酒も呑みますし、年も近いということで、みんなで"さん"付けは辞めようということにしました。
MC いまは、お互いに何と呼ばれているのですか?
ナオト (囁くように)"ナオト♪""雄介♪"という・・・。
石田監督 気持ち悪いでしょ、それ(笑)。ちょっと違う映画になっちゃうよね・・・アリだけどね(笑)。
ナオト ・・・。何で、今さりげなく最後に公開告白したの(笑)?それは、後で楽屋でやって。
石田監督 違う、ちがう(苦笑)。"ナオト""イッシー"って呼び合っていますね。
MC 旅を通じて、仲良くなられたんですね。
ナオト 本当にそうだねぇ。お互い、まったく知らなかったのに。去年の「ap bank」から回し始めたんだよね?
石田監督 もうちょっと前だね。
ナオト モールか!湘南のモールライブやap bank、アリーナツアーや紅白歌合戦などからもう撮ってくれていたんだけど、まだその時は一緒に旅をしてないからちょっと距離があったの。でも、エチオピアではまあまあな時間一緒にいるわけですよ。そうすると、だんだん空気みたいになっていく。逆にそれが良いんだよね。オレがイッシーやカメラマンの人の存在を意識しちゃってたらダメで、オレは自由に旅をさせてもらっているわけだから、そういう意味ではとてもありがたい、心が通った関係になりましたね。
― ナオトさんが最初の目的地をエチオピアに選ばれたそうですが、ちょっとヘビーだったのではないですか?
ナオト それは、ありましたね。旅レベル的にもかなりディープな場所ですし、8年のブランクがありますので、"大丈夫かな?"という不安もありましたが、逆にそれが目的だったんですよね。今の自分の生活・文化に、出来るだけ "より遠い文化" の方々と同じ生活をすることが目的でしたので、医療も発達していない、キレイなお水もあるわけじゃない、半分しか二十歳まで生きられないというエチオピアのハマル族の過酷な生活を体験でき、畏敬の念と言いますか、リスペクトできたことは良い経験でした。
― 石田監督が"少人数のスタッフで旅をされた"とお話しされましたが、ご苦労が大きかったのではないでしょうか?
石田監督 そうですね。やはり良い映像を撮らないと・・・良い映像というのは "キレイ"ということだけではなく、展開的にも面白さを撮らないと後から苦しむのは自分なので、なんとか面白い素材を撮ろうと必死でした。面白さを撮るということは、イコールずーっとカメラを回しっぱなしということで、僕ら(スタッフ)はずっとオンの状態で気を抜けない時間が長く、さらにそれが日本から離れた遠い国での出来事という部分で、緊張感がたえずありました。
― コロンビアでは緊迫したシーンがありましたが、あれは本当に何の仕込もなく、やらせもなしで?
ナオト 3回くらいしかリハーサルしてないよね?(お客さま大爆笑)
石田監督 1回テストしたら、意外とうまくいっちゃったんだよね?あれ、日本から連れていったオッサンなんです。キャスティングが大変だったんですよ(笑)。
ナオト そうそう、本当はすごく仲良いです(笑)。・・・だんだん思い出してきた。アイツ、まじムカつく!
MC あんな顔したナオトさん、みたことないですよね!
ナオト テレビやライブで、いきなりあんな顔したらおかしいでしょ(笑)。
MC でも、本当にやらせも何もなく?
石田監督 そうですね。
MC 他のシーンも?
石田監督 本当に、仕込みなどないですよ(笑)!
ナオト だから本当に何も起きなかったら、皆さんここ(スクリーン)で2時間 "えー?" という映像を観せられるところでした。コロンビアに行ってアンドレスに会いたいと言っても、"アンドレスに翌日会えるのか?""その後、何があるのか?"など何も分からなかったし、カリブ海であんなことが起こったのも、例えば自分で行動を起こしていなかったら、何も起きないからね。本当に全部リアルなものというか、何が起こるか分からないのが楽しいんだよね。
― トリニダード・トバゴでのあのシーンが撮影出来たのは、あれは本当に奇跡的な話だったんですか?
石田監督 何の情報もなくて、パレード期間中の広いトリニダード・トバゴの街を "何か情報を知らないか?" と地道に人に聞きながらナオトとバカみたいに町中歩きました。
ナオト で、ある時、周りの空気がいきなり変わったのを感じたんです。みんながフワ~ッとした雰囲気だったのが、ザワザワと人が動き始めたので "これは始まるぞ!Catch the moment せな!"と思い、人の流れをみてダッシュしました。撮影陣はいったん宿に荷物を置きに行くとか、機材をもう1回確認するとか、みんな散り散りになっていたんです。
石田監督 そうそうそう!
ナオト だから "今あっちに行こう!" など言う暇はなかったわけ。そういうクルー感じゃなくて、みんながそれぞれ動いた。オレはなりふり構わずダッシュしたけど、あそこでオレが動き出さなかったら絶対にダメだっただろうし、音声さんが付いて来ていたり、イッシーが帰ってきてカメラを構えたりして、みんなそれぞれが "catch the moment" して、役割を信じ合って、それがまさに最後にしてものすごく今回の旅全体の象徴的な信頼感というか、"catch the moment 精神"を感じることが出来て、あの時は興奮しましたね。
石田監督 俺らは俺らで、裏側もそうやってドラマチックだったんだよね。
ナオト ね!
MC そんな出会いの中で生まれたのが、主題歌の「Catch the moment」ということですが・・・皆さん、聴いてみたいですよね?(お客様:大きな拍手&大歓声)
ナオト いやいや、(映画の中で)散々聴いたでしょ?レコーディングのシーンから何回聴いてるの?
MC でも、やはりナオトさんの生歌をここで聴きたいですよね!
ナオト 急に来たなぁ。ウクレレギターみたいなのがココにあれば歌ってあげますけど、今日はねぇ。
MC ナオトさん、後ろに・・・。
ナオト え?後ろ?
ナオト これ、ウクレレギター・・・あるね!え~?!いつからいたの、コレ?えぇ?!
MC 最初からいました。
ナオト 最初からあった?!全然気づかなかった~。なんかオレの右ナナメ45度が、なーんかウッディーだなとは思っていたんだけどね(笑)。ウッディー感だけだなぁ、感じていたのは・・・。この曲歌ったことないんだけど、大丈夫?
石田監督 映画で歌ってたじゃん(笑)!
ナオト 人前で歌ったことないのよ。初めて!フルで歌うの、たぶんドミニカのビーチ以来でしょ?エンディングの主題歌「Catch the moment」のシーンもさ、"こんな感じで右に歩いて行って~" ということだけだったんだけど、アレすごくうま~くなってるでしょ?
MC ミュージックビデオみたいですよね?
ナオト ミュージックビデオみたいに本当に1カメ1カットで、しかも本当に1テイクだったの!アレも終わって "Catch the moment いったんじゃない?" みたいな。
石田監督 "何回かやろうか" と言ってたんだよね?
ナオト "とりあえずやってみようか" みたいだったのが・・・ね!
♪「Catch the moment」のイントロを弾きながら♪
ナオト これは、初めてのトラベルソング。もうね、"Hello,nice to meet you!" "Good bye,see you again!"が、俺の中で旅のすべてかなと思ったんだよね。つまりそれは、一緒にいる時間が1週間かもしれないし、1日かもしれないし、1時間かもしれない。もしかすると1分かもしれない。あるいは、すれ違うだけの1秒だけの会話かもしれない。旅をしているとパッと目が合って、よく外人とは"イエ~イ"って目で挨拶するんだけど、その"イエ~イ"の1秒の間に"Hello,nice to meet you!" "Good bye,see you again!"という、そういった喜びと切なさが旅はいつも同居していて、そんなことを思っていたら、ハッピーな曲なんだけど、ちょっと切なさが混じってこんな曲になりました。
「Catch the moment」
♪ナオトさん、生歌披露♪
"シャララララ~"というフレーズで、ナオトさんから"皆さん、一緒に!"と声がかかると、お客様も監督も大合唱で会場が一体となりました。
石田監督 映画のよりこっちの方が良いんじゃないの?撮り直して差し替える(笑)?
ナオト じゃ、今日のやつ差し込んでもらおうかな(笑)。
MC ありがとうございました!涙ぐんでいる方もいらっしゃいますね。
ナオト 思い出したわ~、いろいろ。いろんなシーンが思い出されて、みんなの顔よく見てなくてゴメンね。みんな、目が合ったと思ってたでしょ?ごめん、いろいろ回想してたわ(笑)。
♪ナオトさん再びウクレレギターを演奏♪
石田監督 なんか、いいね~!コレ、本篇で流れていた「Catch the moment」のアコギバージョンです。(お客様大きな拍手)
― では、最後にナオトさんから一言お願いします。
ナオト 本当にひとり一人に感想を聞きたいわ~。ねぇ。(お客様:ブログに書くよ!)ブログに書くと、これから観ようと思う人に対して難しいんだよね。だから、そこはみんなの文才で核心に触れずに感動を伝えて!あとは・・・もちろんみんな1回じゃないもんね?何ていうのかな、楽器は一台一台音が違ったり、ライブも1回1回違って同じライブは2度とないのと同じで、映画というのも同じじゃないからね!(お客様爆笑)
石田監督 同じでしょ(笑)?
ナオト また観るとアハ体験が出来るから、何が違うかぜひ観比べて(笑)!初めはここしか観ていなかったのが、奥の人の表情やいろいろなところが見えてきたり、今回サントラも私がやらせていただきましたが、何となしに感情で聴いていたのが、だんだん "この曲好きかも"みたいに感じてくださったりとか。そういう何回観てもすごく味が出てくる、そんなスルメのような・・・例えがヘタクソすぎる(苦笑)。そんな映画になっていますので、この旅歌ダイアリーがいろんな人の目に触れることを願っております。お忙しい中、今日は本当にどうもありがとうございました。
ナオト オレ、ちょっと一個聞きたいことがあるんだけど、"ナオト・インティライミのライブには来たことがない。テレビや音楽も聴いたことがない。でも、なんか映画は観に来ました!"という方はいらっしゃるのかしら?(挙手されるお客様を見て)あ!へぇ~!そうですか!それは、家族の方に無理やり連れて来られちゃったのかな(笑)?ぜひ、またライブでお会い出来ることも楽しみにしております。よろしくお願いします。どうもありがとうございました!
そして "旅に行ってくるわ、また"と言いながら退場するナオトさんでした。
歌や旅の魅力だけじゃない、ナオトさんの持つ底知れぬパワー、スクリーンからあふれ出すエネルギーは、いま感じなきゃもったいない。そんな1本です。ぜひ、スクリーンでご鑑賞ください。
ナオト・インティライミ冒険記 旅歌ダイアリー
★2013年4月13日(土) 全国ロードショー!★
『ナオト・インティライミ冒険記 旅歌ダイアリー』「旅」と「歌」を綴った自身初の音楽ドキュメンタリー。 アフリカ、南米、カリブ海―宝物に出会う、新たな旅。
監督・編集:石田雄介
出演:ナオト・インティライミ
© 2013『ナオト・インティライミ冒険記』製作委員会