公開間近(11/23)の阿部寛さん主演最新作 『カラスの親指』の完成披露試写会が11/8(木)にTOHOシネマズ六本木で行われ、本作で絶妙なサギ師コンビを演じる阿部寛さんと村上ショージさんが、映画同様の「ダマし」をお客様に仕掛けました!
『カラスの親指』は、映画化不可能と言われてきた直木賞作家・道尾秀介さんの本格ミステリー小説を映画化したもの。阿部寛さんが主人公であるサギ師のタケ役を演じ、芸人・村上ショージさんが迷相棒テツ役という、まさかのサギ師コンビを結成!スリリングな展開にユーモアと人情味がたっぷりと盛り込まれた本作は、どのシーンも見逃せない極上のエンタテインメントです。
この日の舞台挨拶は、作品上映後。エンドロールが終わり報道陣がセッティングをはじめると同時に、本作の出演者であり、この日のMCをつとめてくださった古坂大魔王さんが伊藤さとりさんと共に登場。報道陣の準備を待つお客様が退屈しないように、楽しいトークで会場をおおいに盛り上げてくださいました。
・・・が、これは映画さながらにこの日お客様を“騙す”ための仕掛けがすでに始まっていたんですねぇ。
準備が整い、お客様の大きな期待の中、いよいよキャストの皆さん(石原さとみさん、鶴見辰吾さん、小柳友さん、原作者の道尾秀介さん、伊藤匡史監督)が登場です。(登壇者の顔ぶれをみて、お客様がザワつきます)
古坂 どうですか!スクリーンから飛び出てきたこの豪華な全員・・・ですよね?アレ?阿部さんと村上さんは?
MC 裏でお会いしましたよ・・・ね?
鶴見 裏には、いましたよ?
古坂 遅刻?
石原 先ほどは見かけたんですけど・・・。
お客様たち、ますますザワザワ、キョロキョロ。
すると会場のどこからか・・・“ドゥーン!”の声が。
お客様、さらにザワザワ、キョロキョロ。ご自分のまわりに“ドゥーン”の声の主がいるのではないかと探し始めます。
古坂 アレ?今、どこからか“ドゥーン”って聞こえませんでした?
“ドゥーン!ドゥーン!”
古坂 (会場前方にいた警備員さんに向かって)すみません。今本番中なので、“ドゥーン”とか言うのやめてもらえますか?
警備員 すみません。ドゥーン!
古坂 ちょっと、警備員の方は喋らないでください!
警備員 すみません・・・。いや、そうじゃなくって!
古坂 え?あっ!村上ショージだっ!!(お客様から大歓声&拍手)
村上 どーもっ!
古坂 村上さんはここにいますが・・・?
MC お客様の視線が反対側に向いていますが・・・?
お客様の視線の先には、下を向いて静かに座っている警備員さんの姿が。
古坂 え?あっ!阿部さんだー!!(お客様からさらに大きな拍手)
お客様 違うって、クビふってるー(笑)!
古坂 クビふってる?阿部さんじゃない?1回立ってもらえますか?(警備員さん起立)100%阿部さんじゃないですか(笑)!どうぞ中央へ!
このドッキリ、実は上映中からスクリーンを挟んで会場前方両側に警備員さんが配備されていたのですが、会場が明るくなる前にお客様に気づかれないように、警備員に扮した阿部さんと村上さんにコソッとすりかわっていたのです!そして古坂さんの軽妙な話術で注意をそらし、お客様はまんまと騙されてしまったワケです。
古坂 このドッキリ、まあまあ成功じゃないですか?
村上 あのね、阿部さんはわかると思ったんですよ。ボクは、まるっきりオーラ出てませんでしたね。本物のガードマンの方がオーラ出てましたもの(笑)。
MC 一番前の方、気づきませんでしたか?(お客様、首を横に)
阿部 結構気づいてなかったですよ。僕ずっとキョロキョロしていたんですけど、気づいたのはおひとりくらいだったかな・・・。意外といけましたね。
村上 不思議なもので、分からんかったら分からんで、ちょっと寂しいね。
阿部 寂しいですね(笑)。
古坂 いまだに本当に村上さんかどうか、怪しいですけどね。
村上 いやいや(笑)、村上です。
― ではドッキリ成功ということで、あらためてオールキャストの皆さんです。まずは、一言ずつご挨拶をお願いします。
阿部 今日は大勢の方に来ていただき、ありがとうございます。(ドッキリは)モロバレするだろう。皆さんがクスクス言い出したらどうする?と話していたのですが、意外にも気づかなくて何だか拍子抜けしました(笑)。『カラスの親指』は、楽しんでいただけましたか?(お客様拍手&どこからかお子さんの“かっこいー♪”の声。これには阿部さん、満面の笑みでお子さんに手を振って応えます)
古坂 女のお子さんが“かっこいー♪”って言ってますね!村上さんが?
村上 ありがとうっ!(お客様爆笑)
古坂 ありがとうって・・・本気にするのやめてくださいよ~(笑)。
村上 今日ここに来る前にルミネ劇場に2回出て、2回ともこんなにスベるとは思わんくらいスベりまして(苦笑)。スケートでもあんなにスベッたことないくらいでしたけど、今日はこちらに来て皆さんの顔をみたら元気が出てきました!今回テツ役をやらせていただいたのですが、皆さんに申し訳なくて。何だか本当にごめんなさいね。どうコメントして良いのかわからないですが、一生懸命させていただきました。どうもありがとうございます。
石原 本当に楽しい舞台挨拶のこの感じで、楽しい現場でした。撮影は大変でしたが、おふたり(阿部さん、村上さん)と関わる撮影シーンが多く、すごく楽しくてこの作品に参加できて良かったなと思います。皆さん、『カラスの親指』よろしくお願いいたします。今日はありがとうございます。
小柳 映画とだいぶ雰囲気が違うのですが、貫太郎役をやらせていただきました。本当です(笑)。原作とはすごく違ったキャラクターなのですが、自分なりに精一杯やれて、この映画に参加できて本当に良かったです。そして、今日皆さんの顔をみられて、またこの映画に感謝したいなと思います。今日は本当にありがとうございます。
鶴見 ワルの親分をやりました(笑)。大好きな阿部ちゃんと共演できて嬉しかったです。でも、大好きな阿部ちゃんをいじめなきゃいけないのが辛かったです。本当はイイ人なので、よろしくお願いいたします(笑)。
古坂 本当にイイ人なんですよ!(ロケ)バスの中で食事の誘いか何かを“今日はごめんなさいね~。また呼んでくださいね”みたいな感じの、すごい良い言い方で断っていました(笑)。
伊藤監督 皆さん楽しんでいただけましたか?(お客様から大きな拍手)ありがとうございます。今日はこうして笑顔の皆さんのお顔をみられて、安心しております。よろしくお願いいたします。
道尾先生 原作を書きました道尾秀介と申します。こんなに良いものが出来るとは思っていなかったので、試写をみた時に本当に感動して、皆さんにお礼の言葉を言わせていただきました。そして、今日は観に来ていただいて、ありがとうございます。ツイッターなどでも、ぜひ広めていただけたらと思います。よろしくお願いいたします。
MC 上映後の舞台挨拶は、今日が初めてなんですよね。
伊藤監督 そうなんです!いつも上映前だったので喋りづらくて喋りづらくて、何も喋れなかったんですよ。
古坂 今日は、何を言ってもいいですから!
伊藤監督 せっかくなので、お客様に気づいたかどうかお聞きしたいことがあるのですが・・・。(以降、お客様とのやりとり含めネタばれ部分は省略)。
村上 もうひとつ気付いた方いらっしゃるか分かりませんが、ボクが阿部さんと飲んでいたお酒は、水なんですよ(お客様爆笑)。
古坂 さっきから喋りたそうにウズウズしちゃってて、そんなことですか(笑)!
村上 いや~、ホントに酒飲んでるんちがうかなー思わないですか?!これはツイッターで言ってもいいことですか?
伊藤監督 全然(笑)。
古坂 そんなの全然広まらないですよ!驚きもしないし(笑)。
― 阿部さんと村上さんは初共演ですが、今日も含めてコンビがすっかり様になっていらっしゃいますよね。
古坂 今日は、衣裳が一緒ですから何となくコンビっぽいですけれどもね。
村上 まぁ、来年M1に出ようかと。
阿部 お断りします(笑)。
古坂 阿部さんは出来ても、村上さんが無理ですもんね(笑)。
村上 阿部さんをスベらすワケにはいきませんからね!
古坂 それサイアクですよ!阿部さん、いかがですか?
阿部 ・・・質問、なんでしたっけ(笑)?
古坂 コンビの息があっている点について、いかがですか?
阿部 テツさん役を誰がやるんだろうと思っていたら、監督が“これは絶対にショージさんしかいない!”と、それはもう強い意志で仰っていたんです。実際に撮影現場に入ったら、ショージさんが今まで芸人としてだったり色々と苦労されてきた全てが背中に表現されているというか、セリフを超えてその存在を示してくれるところをすごく感じましたね。元々関西弁の方なのに標準語を強制されて、それも大変だったと思うんですけど、それを乗り越えてやっている姿が・・・
村上 ありがとうございます。(と頭を下げると、帽子がズルッとずれて・・・)
阿部 大丈夫ですか(笑)。
村上 もう、何もかもブカブカで。
古坂 意味わかんない(笑)。
MC ここは苦労したなというシーンや演技などはありますか?
村上 誰がですか?
古坂 アナタでしょ(笑)!演技面で苦労したところはどこですか?
村上 演技面というか・・・セミ、めっちゃ鳴いてましたよね?(お客様爆笑)
阿部 鳴いてましたねぇ。
村上 公園のシーンで、撮影のためにライトをパッと焚いたら、セミが昼間だと思いましてね。“みーん♪みーん♪みーん♪”って鳴き出して。そしたらバイトの女の子が竹でバーン、バーンってね。ごめんなさいね。あまりおもしろくなくて。(登壇者、お客様爆笑)
古坂 質問と答えが違う(笑)。
村上 初めてで、何を喋ったらいいか分からないんですよ(汗)。
古坂 セリフの長いシーンは、覚えるのが大変じゃなかったですか?
村上 これは大変でした!ボク、阿部さんに泣きついたんですよ。5ページも、6ページもセリフがあったので“あの・・・阿部さん、すみません”“どうしました?”“この長いセリフ、何か秘策はありますか?”“うん。とりあえず覚えること”って言うんです(苦笑)。ボク、阿部さんやみんなに迷惑をかけたらいけないというそのプレッシャーだけで、本当に台本を離さずにいました。こんなに台本を読んだことなかったんです!今まで東京―大阪間は、ちょっとイヤラシイ本ばっかり見ていたこのボクが、それを捨てて台本にしがみついていました。みんなに迷惑をかけたらいけないという、自分が初めて頑張った日でした。(お客様爆笑&大きな拍手)
阿部 ショージさんのセリフは本当に多かったのですが、助監督を1週間人質にして家庭教師状態でやっているショージさん姿は・・・本当に・・・滑稽でした(笑)。
古坂 褒めるのかと思ったら(笑)!
村上 だって皆さんスゴイんですよ!それは当たり前だと聞いたんですけど、石原さとみちゃんかて、小柳友くんかて、皆さんセリフを全部覚えて来てるんですよ!
古坂 当たり前ですよ(笑)。
村上 僕ら、そんな世界にいたことないから!
古坂 まあまあみんな覚えてますよ(笑)。僕とのシーンで、一言だけいうシーンがあったんですけど、“何やったっけ?”って(笑)。一言が覚えられない人が、5ページもあるセリフを覚えられるのかな?と心配になりました(笑)。
村上 ホントに!だから、ネコのシーンがあって、みんなが“うわぁ、カワイイ”って抱っこしてるんですけど、ボクはセリフ覚えなアカンから“ネコ抱っこしたいなぁ”思いながらみていたら、助監督が“あきません。ネコ抱っこしてる場合じゃありません”って言うんですよ。役者さんて本当にスゴイな。ボク、本当に参りました。
古坂 でも、僕はショージさんが一生懸命やっている姿をみて、感動もプラスされて、ショージさんのお芝居もすごく良かったと思います。スゲー後輩が言うのもなんですが・・・。
村上 本当ですか?ありがとうございます。(お客様からも大きな拍手)皆さん本当に優しくてね。あの・・・
古坂 ショージさん、そろそろ良いですか?ごめんなさい。
村上 オチもなくてごめんなさいね。
古坂 あとでツイッターで書いてください(笑)!
― 石原さんは、阿部さん、村上さんとご一緒のシーンが多かったですが、現場の雰囲気はいかがでしたか?
石原 こんな感じです(笑)。ホント、ホントにずっとこんな感じです!最初からこんな感じでしたよね?
阿部 うん。本読みからね。
石原 本読みから出来上がっていました。私は、現場に来て貫ちゃん・・・友くんとずーっとワイワイしていれば良いという役柄だったので、監督もあまり細かく指導されなかったですね。
阿部 このふたり(石原さん、小柳さん)は、ほとんどアドリブでしたからね。普段からずーっと仲良く喋っていて、それをそのまま。
伊藤監督 そうですね。その雰囲気のままに撮りました。
石原 なので、カットかかったのかどうなのか分からないくらい、キャンキャンやってました。楽しかったです。
― 小柳さんの姿を皆さんビックリされていましたが、(役柄にあわせ)10キロ太ったんですよね?
小柳 MAXで12キロでした。3ヶ月くらいかけて太っていって、今だいぶ戻った感じです。
古坂 役のためだけに?
小柳 はい。役のためですね。
古坂 すごいね~。赤ちゃん3人分くらいですものね。
伊藤監督 その前に、坊主頭を二つ返事で引き受けてくれてるんですよ!
MC 役者魂ですね!(お客様から拍手)
阿部 牛乳は大丈夫だった?牛乳飲むシーンで、4リットルくらい牛乳飲んだんだよね(笑)?
小柳 マグカップで飲んでいたんですけど、中身は牛乳なんですよ。結局4本分くらい牛乳を飲んで、気持ち悪くなりました(苦笑)。
阿部 全てのシーンに手を抜かなくて、テストでも手を抜かないから、本番で真っ青になって(笑)。
小柳 そうですね(苦笑)。
― 鶴見さんと大魔王さんはご一緒のシーンもありましたが、撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?
鶴見 我々はあの後どうなったんでしょうね?映画のストーリー上、大変なことになっていると思いますよ!それを考えると恐ろしい話です(笑)。
古坂 では、そこを主人公に『カラスの小指』でも作ってもらいましょうか?(お客様爆笑)
鶴見 スピンオフでね!(大魔王さんは)お笑いの方からやってきて違う風を吹かせてくれて、我々は我々ですごく良いチームでやっていたと思っております。
MC 迫力ありましたよね~。(お客様拍手)
鶴見 仲良しの阿部ちゃんをね、タバコ吸いながらいじめるのが辛くてね。僕、タバコも吸わないんですよ。でもね、自分と違う役にチャレンジするというのが我々の面白さですから。監督が中々OKを出してくれないので、結構辛かったですけど、でも出来上がったものが良ければいいんだと思って頑張りました。
― 道尾先生は、ご自身が書いた原作が映画化になったことについてどのようなお気持ちですか?
道尾先生 自分で書いた小説は子供みたいなものですから、本当に出来のよい子供をもうひとり作ってもらったような気分ですね。本当に嬉しいです。
― では、最後に阿部さんからメッセージをお願いします。
古坂 よっ、師匠!
阿部 し、師匠(笑)?あの・・・人を騙すって、意外と楽しいものですね。今日のように古坂さんが皆さんを引き付けてくださると、全然気付かないものなんだな。そういうことってあるんだなと思いました(笑)。それはさておき、『カラスの親指』は、監督が愛情を持って作った作品で、僕もそれに賛同してやらせていただきました。今回この作品に参加させていただいて、この皆さんと一緒に仕事が出来て、この映画でまた違う自分が発見出来たと思います。すごく人間が描けている映画ですし、エンタテイメント性も高い作品になっていますので、先ほども話に出ていましたが、ツイッターなどでも『カラスの親指』を広めていただければと思います。よろしくお願いいたします。
『カラスの親指』
★2012年11月23日(金・祝) 全国ロードショー★
監督:伊藤匡史
出演:阿部寛 村上ショージ 石原さとみ 能年玲奈 小柳友
衝撃のラストには、衝撃のウラがある。
公式HPはコチラ
© 道尾秀介・講談社/2012「カラスの親指」フィルムパートナーズ