イベントレポート

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『恋の罪』 初日立ち見の大盛況に、登壇者全員感激の舞台挨拶
2011年11月12日(土曜日)

園子温監督が大人の女性を描いた美しき究極エンターテインメント作品 『恋の罪』 が11月12日(土)に公開初日を迎え、キャスト・監督による初日舞台挨拶が行われました。

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本作は、堕ちるほどにパワフルに光り輝く生命力、“真に生きること” を園子温監督が描いた “最上級の女性賛歌” で、カンヌをはじめ各国の国際映画祭で絶賛されている注目作です。初日舞台挨拶は、前作 『冷たい熱帯魚』 と同様テアトル新宿で行われ、立ち見のお客様も含め、前作もご覧頂いたという会場いっぱいのお客様を前に、水野美紀さん、冨樫真さん、神楽坂恵さん、津田寛治さん、小林竜樹さん、そして園子温監督が登壇しました。

※上映後の舞台挨拶だったため内容に触れる発言がいくつかあり、鑑賞前のお客様へのネタばれになる恐れがありますので、一部省略させて頂いておりますがご了承下さい。

― 初日を迎えた感想をふまえ、まずは一言ずつお願いします。

水野 こんにちは。水野美紀です。今日はありがとうございます。そして、立ち見でのご観劇の皆さまもお疲れ様です。念願の園監督作品への参加で充実した撮影期間を送らせて頂き、監督には私の新しい一面を引き出して頂きました。色々な思いで挑んだ映画が初日を迎えるということで、ドキドキしているのと、嬉しいのと、皆さんの反応がとても楽しみです。

冨樫 皆さま・・・はじめまして(緊張している冨樫さんに対して、客席から温かな笑い)冨樫・・・真です。いよいよ待望の初日を迎え、こんなにたくさんのお客様に観に来て頂き、そしてお陰様でこの作品やスタッフの皆さんとめぐり合えたことで、このような場に立てていることを幸せに思います。本当に感謝です。ありがとうございました。

神楽坂 神楽坂恵です。今日は多くの皆さんに観に来て頂き、とても嬉しく思っております。ありがとうございます。マイクを持つ手が震えるほど緊張しているのですが、今年の1月にも 『冷たい熱帯魚』 でここに立たせて頂き、またそんな緊張を味わうことが出来て、とても幸せです。ありがとうございます。

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津田 この役、僕オーディションでゲットしたんですよ!(客席から「え~??!!」と驚嘆の声)本当は 『冷たい熱帯魚』 にも出たくて頑張ったけど出られなくて(笑)。で、次また園組があると聞いたので 「またオーディションに行くしかないっ!」 と思って、何とかオーディションに呼んで頂けるように仕組みました(笑)。で、監督の前で演技したところ緊張してしまったので 「落ちた・・・」 と思ったのですが、何とか受かって園組に参加できました!僕ね、『自転車吐息』 の頃からの大ファンなので涙が出るくらい嬉しくて、夢のようにあれよあれよという間に現場が終わり、初日を迎えたわけですが、この舞台に立ったらものすごい数のお客様がご覧になっている!!「あぁ、オーディションに受かって良かったなぁ」 と、今しみじみ感じております。皆さま、本当にありがとうございます。

小林 皆さん、はじめまして。小林竜樹と申します。撮影していたのが約1年ほど前になりますが、本当に何もかもが初めてで、共演者の皆さんと監督と大勢のスタッフの皆さんに支えてもらって何とか・・・・・・・・・

津田 泣くなよっ!

小林 泣かないです(笑)。支えてもらって何とか演じることが出来て、そして1年たって今日こうして皆さんの前に立つことが出来て、本当に感無量です。今日はありがとうございます。

園監督 撮影は、ちょうど去年の今頃でした。もっとすごく寒くて大変な撮影でしたね。それから約1年かけてやっと皆さまにこの映画をおみせ出来ると思うと、感無量ですね。僕はこの映画を本当に愛していて、最も愛している映画と言っても過言ではないくらい、これからもずっと心の中に留めていきたい映画になりました。今日は、どうもありがとうございます。

― 今回は3人の女性がそれぞれ個性的なキャラクターですが、水野さん演じる吉田は、もしかしたら根底に一番深い何かを持っているのかなと思いますが?

水野 3人の中で吉田は一般女性の代表であり、女性の方なら多分吉田に共感できる部分があると思います。その吉田の目を通して、ふたりの生き様、事件を追っていくのですが、SEXというものがその人の闇を満たすための代償行為として描かれていて、その感覚を女性は肌で分かると思うのですが、男性にとっては意味不明だったり、怖い部分でもあったりするのかなと思います。吉田が抱えている心の闇は、どの女性にも共通するものだと思うので、観て頂いた女性の方々のご意見も聞きたいです。一生思い出に残る、そしてやったことを誇りに思える役だと思います。

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― 冨樫さんの役は、二面性とインパクトのあるセリフが印象的ですね。

冨樫 美津子から発せられる言葉は、どれも1つひとつ印象に残っているのですが、自分自身一番ビックリしたのは、普段言わないような言葉を大きい声で言うシーンがあり、こんな大きい声でこんな言葉言っちゃった・・・と。ふだん言う機会などないのですから、良い体験になったなと(お客様爆笑)。

MC 冨樫さんの役は、まさに女優冥利に尽きる役どころだったのではないでしょうか。

冨樫 お陰様で・・・2度と現れないような女性を演らせて頂いたので・・・す。(登壇者、お客様爆笑)

MC 園監督との出会いも、忘れられない印象的な思い出ですよね?

冨樫 私の人生にとって衝撃的な、何にも代え難い経験をさせて頂きましたので、感謝を何万回言っても足りないくらいです。

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― 神楽坂さんは海外の映画祭も行かれましたが、ものすごく笑いが起きたとか?

神楽坂 津田さんとのシーンで爆笑して下さっていました。セリフに出てくる石鹸がフランス製のものなのですが、あちらでは日本でいうところの牛乳石鹸のようなもので、非常にポピュラーなものらしいんですね。そのこともあってか、真剣に言葉を発すれば発するほど、めちゃくちゃ笑っていました。

津田 へ~、意外ですよねぇ~。

神楽坂 そうなんです。一緒に観て頂きたかったです。

津田 あ~、みたかったですぅ。

MC 海外の方も楽しんでその世界観にどんどん入っていかれていたんですね。

神楽坂 はい、そうです。そしてその後の切り替えもすごくて、メリハリがありましたね。

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― このように海外でもウケる園子温監督の作品の魅力を 『恋の罪』 に関わって津田さんはどのように感じましたか?

津田 俳優の気持ちを分かっていらっしゃる監督だなぁと現場で思いました。余計な小芝居を考えると、とたんに顔色が変わって 「ちゃんとハートでやってくれ」 という感じがひしひしと伝わってきます。クランクイン前に、園監督が 「俺が俳優に求める演技は、カーペンターズじゃないんだよ。ジャニス・ジョプリンなんだよ」 と言ったんです。・・・分からないですよね(笑)?僕も 「ん?」 と思いましたが、それが心に響いて、要はきれいな歌声で歌うのではなく、ハートの声でやってくれということですよね。なので、自分のヘンな垢みたいなものを全部かなぐり捨てて裸でぶつかろうと思いました。石鹸のシーンも最初は台本になく、監督が突然これをやってくれと持ってこられたもので、僕は 「あぁ、なるほどな。(自分の役は)そういう拘りをもっている男なんだな」 と、役をふくらます一要因として捉えていたのですが、カンヌでウケたと聞き 「あ!フランス製の石鹸というのは、そこでドカーンとウケるだろうと見越して付け足したんだ!」 と思うと、舌を巻きますね!

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MC 監督、そこは見越してのことだったのですか?!

園監督 カンヌでウケるって?そんなの見越してないですよ(苦笑)。

津田 え~?そうなんですか?!

園監督 もっと夫婦のシーンをみたいなと思って、足したんです。でも、あれがそんなポピュラーな石鹸だなんて僕もビックリですよ(お客様爆笑)。でも、お陰で “かぶれているわりには情報が弱い” というキャラクターが偶然にも作れたかなと(笑)。

津田 偶然だったんですね(笑)?

園監督 偶然です。僕もあの石鹸はすごく高級だと思っていたので(笑)。

― 小林さんは本作が映画デビュー作ですが、現場での女優パワーはいかがでしたか?

小林 すばらしい女優さんたちに監督のすさまじいセリフが乗り、そのセリフが彼女達の口から発せられた時や目つきがカッと変わる時など、ただただ凄まじいとしか言えません。早朝まで長い間撮影しているにも拘わらず、スタートがかかるとすぐさまそこに空気を持っていける、凄まじいエネルギーとパワーを感じました。

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― 今年1月に公開された 『冷たい熱帯魚』 ではテアトル新宿の観客動員数記録を塗り替え、そして 『恋の罪』 初日もこのようにたくさんの立ち見のお客様がいらっしゃいますね。

園監督 本当にありがたいですね。2時間半の長い間ずっと立ってご覧頂き、申し訳ない気持ちと同時に本当に嬉しく思っております。初日をこのようにたくさんのお客様に迎えられることによって、こういう映画でも(お客様が)入るんだということを映画界に教えてあげられますし、日本映画のひとつの可能性として、たくさんのプロデューサー達に驚きと意外性を与えていると思うので、本当に感謝しております。

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― 本作は監督が “女性賛歌” という意味を込めたと伺っていますので、最後に女優のお三方と監督からもう一言ずつメッセージをお願いいたします。

水野 ぜひ女性の皆さまに観て頂いて、共感できる部分があったら、それは皆さんも同じ闇を少なからず持っているということなので、それを確認して頂けたらと思います。

冨樫 映画の中で描かれている女性は三者三様で、私もちょっと共感できるんですよね。なので、多くの女性の皆さんに観に来て頂けたら嬉しいです。女の生き様を垣間見て頂いて、自分もどうしようかなぁと考えてもらえたら・・・いいかな(笑)?と思います。

神楽坂 ご覧頂くと、「自分が今まで気付かなかった欲みたいなものが自分にもあるんだな」 と気付く人や分かる人、あるいは分からない方もいらっしゃったりすると思いますが、それについて話し合える映画だと思うんですね。そして、何回観てもその時々で考えることも違うと思いますので、観た後にぜひ女性同士で話し合って頂きたいなと思います。

園監督 日本版 『セックス・アンド・ザ・シティ』 の裏通りバージョンという、そんな感じでありますからにして・・・って、冨樫病がうつりそう(笑)ですが、先ほど神楽坂さんが言ったように、観終わった後にフリートークでワイワイ盛り上がれる映画ではないかなと思います。女性の色々な問題と言いますか、抑圧だとか解放ということをテーマに盛り込んでいます。色んな女性からたくさんの取材をし、自分の想像力をあまり入れず、彼女達の言い分をどんどん取り込んでいった映画なので、間違いはないと思いますし、僕の勝手な空想では作っていないので、女性だけでなく男性の方も含め、たくさんの方に観て欲しいです。平成版 『エマニエル夫人』 と言いますか・・・そんな感じでみて頂ければと思います。

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ようこそ、愛の地獄へ

『恋の罪』

★2011年11月12日(土)
テアトル新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル池袋ほか全国ロードショー★

90年代、渋谷区円山町ラブホテル街で起きた
実在の殺人事件からインスパイアされた、禁断の世界――

監督:園子温
出演: 水野美紀 冨樫真 神楽坂恵
児嶋一哉(アンジャッシュ) 二階堂智/小林竜樹 五辻真吾 深水元基 内田慈 町田マリー 岩松了(友情出演) 大方斐紗子/津田寛治

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©2011「恋の罪」製作委員会

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