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『恋の罪』 女性限定試写会に駆けつけたのは、主演・冨樫真さんの親友のアノ方!
2011年11月08日(火曜日)

いよいよ今週末11/12(土)に公開が迫ってきた 『恋の罪』 の女性限定試写会が、11/8(火)にシネマート六本木で行われました。

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本作は、渋谷区円山町ラブホテル街で起きたエリート女性殺人事件からインスパイアされた、園子温監督が描く “最上級の女性賛歌” ということで、美しくも禁断の 「女性の世界」 を語る女性限定トークイベント付試写会を開催。本作でエリート助教授・美津子を演じた冨樫真さんと、女優の川島なお美さんが登壇されました。

― まずは、一言ずつお願いします。

冨樫 皆さん、はじめまして。冨樫真って誰?男か女かも分からない・・・という感じだと思いますが、こんな感じです(笑)。今日は女子会試写会トークショーにおいで頂きまして、本当に嬉しく思っています。スペシャルゲストもいらっしゃいますので、映画もトークも存分に楽しんで頂けたら幸いです。

川島 お招き頂き、ありがとうございます。園子温監督の大ファンで、そして何より冨樫真ちゃんと仲良しで、まこっちゃんがオーディションを受ける時から 「ゼッタイ大丈夫!絶対に受かるから!!」 と応援していましたので、彼女がこの役を勝ち取り、素晴らしい演技で花を咲かせてくれたことは自分のことのように感激いたしました。

― 川島さんは元々冨樫さんとお知り合いなんですね?

川島 3年前に舞台で共演して、去年は再演もありましたので北海道から南は・・・どこまで行ったかしら?(マイクなしで答える冨樫さんに)まこっちゃん、マイクっ!彼女こういう天然で、役とのギャップに皆さん驚かれると思います(笑)。その再演舞台中にオーディションがあり、いつも舞台後にみんなでゴハンを食べていたのですが、その時は 「オーディションがあるので、その方の作品を観なくてはいけないし、台本も読まなくてはいけないので、今日はマンガ喫茶にこもります」 と言って、まこっちゃんはひたすらお勉強をしていたんです。翌日、オーディションに向かうまこっちゃんと新幹線のホームで一緒になったので、「絶対受かる気がするから、そのままでいいよ!」 と言って送り出しました。

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MC どのようなところに確信を持たれたのでしょう?

川島 『恋の罪』 のモチーフになっている東電OL殺人事件は私の脳裏に焼きついている事件で、あの事件のもつミステリアスな部分が、まこっちゃんの持つミステリアスであるとか不思議なところに私の中でピタッ!とはまったので、「絶対大丈夫」 と言いました。

その後、再びマイクなしで喋ってしまう冨樫さんに川島さんから 「まこっちゃん、マイク(笑)!」 とツッコミが。。

MC 皆さんも映画をご覧になると 「え~?!全然キャラ違う!」 と、本当にビックリすると思うんです。でも、そこがまたチャーミングですよね!

川島 だって、実際に普段から映画のようなキャラだったら友達になりたくないよ(笑)。

冨樫 たしかに・・・(笑)。

― 冨樫さんは、オーディションの日のことを覚えていらっしゃいますか?

冨樫 初めての面接から始まり、ちゃんとしたお芝居、そして裸の面接、最後にもう一度面接があったりと結構時間がかかりました。最後の面接では、急に 「美津子で」 と言われ、よく分からなくてずっとドキドキしていました。

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MC 美津子役に決まってから、今度は役に入るのが相当大変だったのではないかと思いますが、どのように役に入っていったのでしょうか?

冨樫 美津子の二面性を出そうとしましたが、自分の中のどの引き出しを開いても埋まりきらない役でしたので、「これはもう素っ裸になって体当たりで挑戦していくしかないな」 と思い、ヘタな役作りはしないで、美津子が発する言葉、周りから発せられる言葉、におい、時間などからくる色々な直感を大事にして、そこから生まれるもので勝負しようと思いました。

― 川島さんは、お友達の冨樫さんが出ている本作をご覧になっていかがでしたか?

川島 まず世界観に圧倒されますし、期待以上に素晴らしく、「女優である限りこういうことが出来るんだ!」 と、女優であることを誇らしく思いました。もし普通の主婦が映画のようなことをしてしまったら後悔するでしょうし、人生が破滅してしまうと思うのですが、役の中でこのような人生を体験出来るのは幸せですよね。

MC 女優冥利につきる役と?

川島 そうですね。余談ですが、今日ここにいる私達3人ともAB型なんですって。二面性ということで思い出したのですが、そういうところあるのでは?

MC あると思います。この映画を観た時に、やたら共感したんですよね。どこも似てないのにどこか共感してしまうのって、女が持つ業みたいな二面性の部分ということでしょうか・・・。

― ところで今回3人の女性が出てきますが、どの女性に共感しますか?

川島 共感出来るという意味では、美津子といずみかなと思います。堕ちれば堕ちるほど輝いていくいずみと、それを宿命のように背負った美津子の生き方と、両方とも共感できますね。

冨樫 私も、美津子が一番自分に近いというか、共感できる部分をいっぱい持っています。

― 川島さんがもし演じるとしたら3人のどの女性を?

川島 それは、役が選んでくれたらどんな役でも。とにかく、役に選ばれる自分でいたいなと思っています。

MC 冨樫さんも、来た役は何でも吸収していこうと?

冨樫 そうですね。「私でよろしければ真剣にやらせて頂きます」 という気持ちですね。

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― 本作は、堕ちていきたい、タガをはずしたいという気持ちのボーダーラインの中で振り切れた瞬間の人たちの物語だと思うのですが、ご自分の中にもそのような部分がありますか?

川島 私は、仕事の上でそれが出来るわけですよ。でも、女優でなく普通の主婦だったら、そのような願望が湧き上がってくるのではないかと思います。女優としていつも自分ではない誰かの人生を背負っていますが、その仕事が終わってしまうとフワッと自分が不安定になるんですよね。誰か他の女性が自分の中にいる方が精神が安定するんですよね。ですから何も役を抱えていない時の自分は、美津子やいずみのように、そういう願望を持ってしまうのかもしれません。違う人生を歩めているからこそ自分のバランスがとれているだけで、なくなったら怖いですよね。

冨樫 なお美さんの言っていること、分かります。幸せだなと思っていても、やはり人間はそれに慣れてきちゃうんですよね。慣れてきてしまうと、幸せで満たされていても、欲望が出てきてしまうんですよね。もっと違うところへ行きたいと。それが危険なことであっても、その痛みが気持ちよかったり。

川島 典型的な・・・M?

冨樫 人生において、何だか痛みを求めてしまうんですよね。

川島 それは何だろう?スパイスみたいなものかな。

MC 女性は刺激を求める生き物ということでしょうか?

川島 そんな簡単なことかしら?それは人間誰しもそうであって、女性が男性と違うところと言えば、子宮を持っているところ。子宮を持っていることで色々なことに支配されていて、不安定じゃないですか。普段の自分と全然違うことをしてしまうなど、自分で自分が分からなくなる時もありますよね。

MC この映画について、男性は 「女ってコワイ。どうしてそうなっちゃったの?」 となり、女性は 「分かる!」 という感じで、ギャップがすごくあるそうです。女だから分かることなのかもしれないですね。

― 美津子は、どうして二面性を持ってしまうようになったと思いますか?

川島 やはり抑圧された家庭環境でしょうか。それから・・・あまり言うとストーリーばらすことになっちゃいますね(笑)。

冨樫 優等生だった時に 「優等生だからスゴイね。お利口さんだね」 と言われることが窮屈になって、バカなことをしたくなるという気持ちに似た感じだと思います。

川島 まこっちゃんは優等生だった?

冨樫 小学校の5、6年生の時に生徒会に入っていて、ちょっとだけそんな時期があったんです。「冨樫さんは真面目だから、私達みたいな面白いことしないよね」 とか 「冨樫さんは真面目だから、仲間に入らないよね」 と言われて疎外感を感じた時期があって、それで想像を絶するようなことをしたくなったと言いますか、そこから逃げ出したくなる気持ちと似ているなと思いました。

― だんだんとご覧になりたい気持ちが高まってきたと思いますが、川島さんに本作をワインに例えて頂こうかと。

川島 そうですね・・・例えばブルゴーニュワインは他のワインと違って、性悪女のような魅力があるんですね。飲む人を手玉にとってコロコロと顔を変える。ある時は淑女、ある時は娼婦みたいに。飲む時で印象が本当に変わるので、そう言った意味では罪深き美味しいワインなので、ブルゴーニュワインで特に私の好きなヴォーヌ・ロマネかな。

― では、最後にもう一言ずつメッセージをお願いします。

冨樫 本作は、女の生きる力強さ、女の色々な面を垣間見れる映画だと思います。自分の中の欲望を剥き出しにして、裸になった状態で観て頂ければなと思います。そして、良いものも悪いものもいっぱい感じてもらって、それがこれからの刺激になって頂けたら幸いです。

川島 まこっちゃの今のお話を聞いて、私もまた観たくなりました。3人の主演女優が恐ろしいほど輝いています。それを引き出した園子温監督が素晴らしいなと思いますし、同業者として嫉妬もします。そして人が剥き出しで一生懸命、死に物狂いで生きようとしている姿というのは何て美しいのだろうと思いました。一度味わったらその毒の虜になってしまう園子温監督ワールドに、ぜひどっぷり漬かって下さい。


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ようこそ、愛の地獄へ

『恋の罪』

★2011年11月12日(土)
テアトル新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル池袋ほか全国ロードショー★

90年代、渋谷区円山町ラブホテル街で起きた
実在の殺人事件からインスパイアされた、禁断の世界――

監督:園子温
出演: 水野美紀 冨樫真 神楽坂恵
児嶋一哉(アンジャッシュ) 二階堂智/小林竜樹 五辻真吾 深水元基 内田慈 町田マリー 岩松了(友情出演) 大方斐紗子/津田寛治

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©2011「恋の罪」製作委員会

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