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『恋の罪』 完成披露報告会が本作の舞台、円山町で行われました!
2011年11月02日(水曜日)

来週末11/12(土)公開 『恋の罪』 の完成披露報告会が、本作の舞台となった渋谷区円山町にあるオーディトリウム渋谷で11/2(水)に行われました。

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本作は、渋谷区円山町ラブホテル街で起きたエリート女性殺人事件からインスパイアされた、園子温監督が大人の女性を描いた美しき極上エンターテインメント。第64回カンヌ国際映画祭での熱狂のスタンディングオベーションに続き、先日行われた第44回シッチェス・カタロニア国際映画祭ORBITA部門において最優秀作品賞を受賞するなど、海外でも高い評価をうけている作品です。完成披露報告会には、水野美紀さん、冨樫真さん、神楽坂恵さん、そして園子温監督が登壇されました。

― まずは、公開間近の今のお気持ちを踏まえて一言ずつお願いします。

水野 ようやく間もなく公開ということで、ワクワクしています。以前からファンだった園子温監督の作品に出演できたことは私にとってとても大きなことで、参加出来たことを大変幸せに思っています。たくさんの方に観て頂けたらと思います。

冨樫 この作品の中で生きられたことがすごく幸せで、公開が楽しみです。

神楽坂 本作はとても思い出深い作品で、いずみという役になることが出来なかったら女優を辞めようという気持ちで臨んだ作品ですので、たくさんの方に観て頂きたいと思います。

園監督 いよいよ公開まであとわずかとなり、今日もかなり緊張しておりますが、よろしくお願いします。

― さて、先日報道もされましたが、園子温監督、神楽坂恵さん、ご婚約おめでとうございます!一言お願いします。

園監督・神楽坂 ありがとうございます。

園監督 私事・・・と言いますか、私の “恋の罪” でお騒がせして、どうもすみません。そんなワケでして、こんなことになるとは・・・なぁ?

神楽坂 はい。この度、園子温監督と婚約いたしました。園監督とは、『冷たい熱帯魚』 と 『恋の罪』 という素晴らしい作品を通して、人としても女優としても、成長させて頂きました。本当に尊敬できる、信頼できる方とこのように巡り合ったことをとても嬉しく思っています。これからも頑張って、精進して参ります。

MC おめでとうございます!

― 水野さんは、今までにないチャレンジングな役柄だったと思いますが、今回のこの役を演じられていかがでしたか?

水野 とても楽しかったです。園組の現場はエネルギーが高く、また監督が芝居に集中しやすい環境を作って下さるので、本当に充実した楽しい時間を過ごさせて頂き、集中力をとぎらせることなく最後まで緊張感を保って演じることが出来ました。今回演じた吉田和子という役に対し、初めて脚本を読んだ時からそれほど特別な人という感じを持たなかったのですが、公開に向けてインタビューをして頂く中で、女性の方は和子と言うキャラクターに対して、“女性とはそういうものだ” という共通言語のもとでインタビューが始まるのですが、男性は皆さん 「役作りがすごく難しかったのではないですか?」 と聞かれるんですね。そのように男女で役柄への捉え方がハッキリと分かれたのがとても印象的で、面白いなと思いました。

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― 冨樫さんの役は強烈で、まさに憑依しているかのように感じたのですが、どのように役作りをされたのでしょうか?

冨樫 本当に、憑依していたのかもしれないですね。役作りのために何をしても半端なものになってしまうような気がして、現場の空気感を大事にして、自分で何か変に作りこまないようにしていました。

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― 神楽坂さんは、『冷たい熱帯魚』 から引き続きのご出演ですが、過酷だと言われている園監督の現場は、今回はいかがでしたか?

神楽坂 撮影の前のお稽古がとても厳しく、『冷たい熱帯魚』 の時もすごく追い込まれたのですが、監督の求めるものがさらに大きく、高くなっていましたので、私もそれに応えられるように頑張りました。監督に 「あなたが今まで経験した辛かったことや、それを受け止めた時に出る表情はそんなものじゃないだろう!」 と言われ、自分と向き合い、自分のことをもっと知るということがとても大切で、本当に多くのことを学びました。

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― 監督は、映画化するにあたって二重生活をしている女性にも取材をしたそうですが、どのようなところに特に注目して物語を作っていかれたのでしょうか?

園監督 取材の中で浮かび上がってきたのは、女性ならではの社会での抑圧、家庭での抑圧、性の抑圧でしたので、日本における女性特有の抑圧とそこからの解放の物語を映画にしようと思いました。

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― 水野さんは園子温監督の大ファンということですが、オファーを受けた時にはどのようなお気持ちでしたか?

水野 園監督の作品はほぼ全部観ているので、すごく嬉しかったですし、ドキドキしました。実際に園監督の世界に飛び込んで楽しかったのですが、いつも画面のこちら側から観ていた園さんの世界の中に自分が出てくるのが、不思議な感じがします。

― 冨樫さんと神楽坂さんのシーンは強烈ですが、おふたりの共演シーンで、思い出に残っていることや今だから言えることなどはありますか?

神楽坂 全てのシーンが記憶に残っています。冨樫さんは物事やお芝居に対していつも真摯に向き合っている方で、私はまだまだ新人ですので、それを見習って 「それ以上にやらなくては!」 と思いました。

冨樫 いずみちゃんとのシーンが一番多く、リハーサルも含めて一緒にいた時間も一番長かったですので、お互いの痛みを知っていると言いますか・・・神楽坂さんの涙の数が印象的ですね。

神楽坂 そうですね。お稽古の時もたくさん流しましたし、色々なものを踏まえた私の人生においての涙と言いますか、「これをやらなきゃ!乗り越えなきゃ!」 という思いが詰まっている涙だと思います。

― 本作は海外でも非常に評価が高く、台湾の映画祭では1時間以上のティーチインを行ったそうですが、海外の方の反応はいかがでしたか?

園監督 アジアとヨーロッパでそれぞれ色々な捉え方があり、女性の立ち位置なども環境によって違いますから、その立ち位置によって感想も変わってくるのが面白いですね。例えば、女性が解放されている国では本作を非常に楽しく観ていますが、一方で抑圧されていると言いますか、女性がつらい位置にいるところでは悲しい映画にみえるらしく、そういった色々な国の社会的な女性の立ち位置によって映画の見方がだいぶ変わるところが面白かったですね。台湾では、若い方から熟年の方々まで非常に楽しんで頂いて良かったです。

― 園子温監督作品が海外で注目されることについて、ご自身ではどのように感じていますか?

園監督 そのような外部的評価というものをあまり気にしないですし、気にするとダメになると思っていますので、ただ淡々と撮り続けようと思っております。

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― 本作は、日本版 『セックス・アンド・ザ・シティ』 と言われていますが、それについてもう少し詳しく教えて頂きたいのですが。

園監督 最初の頃に、「どんな映画を作っているのですか?」 とどなたかに聞かれたので、「分かりやすく言えば 『セックス・アンド・ザ・シティ』 の裏通りバージョンかな」 と、“セックス” と “円山町” を大雑把にまとめて言ってしまったというか・・・(笑)。ただ僕としては、日本映画に若い女の子の映画はたくさんありますが、成熟した女性を赤裸々に描いた映画は、昔はありましたが今の日本には非常に数が少ないので、そういう映画を撮りたかったので撮ったということです。

― 女優の皆さんのお尋ねしたいのですが、一番苦労して大変だったシーンや思い入れのあるシーンを教えて下さい。

水野 遺体解剖の報告を受けるシーンで本物のウジムシをたくさん這わせていたのですが、ウジムシって結構独特のにおいがあり、それに血のりや色々なにおいが混ざって、それはちょっと・・・すごかったです。しかも意外と動きが早く飛んだりするので、逃げ出していくウジムシをみんなで捕まえて戻さなければならず、大変でした。

冨樫 私は喋る時にすごく喋る人の役でしたので、その喋っている言葉が嘘にならないようにするのが大変と言いますか、頑張りました。

神楽坂 私は、最後の方のシーンでいずみが一人で歩んでいくところがあるのですが、そこが難しかったですね。

― アンジャッシュの児嶋さんと共演された感想を水野さんに、また監督には児嶋さんを起用された理由を教えて頂ければと思います。

水野 児嶋さんはとても真面目な方で、現場では緊張していました。児嶋さんとは電話で話すシーンがありますが、声があの役にすごくマッチしていて、普通にしていてもちょっと普通じゃない人にみえたりもするのですが(笑)、児嶋さんとのシーンはとても楽しくやらせて頂きました。

園監督 有名無名関係なく、いつもの通りオーディションでお芝居が素晴らしい人を選ぼうと思っていましたので、小さな役もなるべくオーディションで選んだのですが、あの役では彼が特に光っていたので選びました。


最後は、本作のキャッチコピーでもある “ようこそ、愛の地獄へ” という掛け声とともに、映画の舞台ともなった円山町で本作のヒットを祈願し、登壇者全員で “愛の地獄の門” へのテープカット。

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世界30ヶ国以上での公開が既に決定している大注目映画 『恋の罪』 は、いよいよ来週11月12日(土)より全国ロードショーです!


ようこそ、愛の地獄へ

『恋の罪』

★2011年11月12日(土)
テアトル新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル池袋ほか全国ロードショー★

90年代、渋谷区円山町ラブホテル街で起きた
実在の殺人事件からインスパイアされた、禁断の世界――

監督:園子温
出演: 水野美紀 冨樫真 神楽坂恵
児嶋一哉(アンジャッシュ) 二階堂智/小林竜樹 五辻真吾 深水元基 内田慈 町田マリー 岩松了(友情出演) 大方斐紗子/津田寛治

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©2011「恋の罪」製作委員会

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