イベントレポート

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神楽坂恵ラスト写真集イベントに 『恋の罪』 の園子温監督も登壇!
2011年09月29日(木曜日)

園子温監督の 『冷たい熱帯魚』 に続き、11/12(土)公開 『恋の罪』 でも、体当たりのさらなる熱演をみせる神楽坂恵さんのラスト写真集発売イベントが、9/28(水)に行われました。

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イベントには、神楽坂恵さんはもちろんのこと、『恋の罪』 の公開を再来月に控える園子温監督、そしてスペシャルゲストとして、アラーキーこと荒木経惟さんが登壇!トークの合間に映像を挟みつつ、映画や写真集のお話、そして “神楽坂恵を獲った男たち” の神楽坂さんに対する印象なども聞くことが出来ました。

― 本日は神楽坂さんのお誕生日ということで、おめでとうございます。楽しい一夜になると思います。

神楽坂 贅沢な夜をありがとうございます。

― 園監督は、先日のベネチア国際映画祭で最新作が新人俳優賞を受賞されまして、おめでとうございます。映画祭はいかがでしたか?

園監督 ありがとうございます。映画祭の思い出は、どちらかというと 『恋の罪』 のカンヌ国際映画祭の方が印象的で、他の作品の撮影の合間でしたので滞在期間は2日くらいだったのですが、撮影の疲れがとれるほどリフレッシュできました。

神楽坂 でも、監督は取材の数がすごくて・・・。

園監督 上映中は外のソファで寝てしまいました(笑)。

― カンヌ国際映画祭に正式出品され公開前から話題騒然の 『恋の罪』 は11/12(土)公開ですが、やっと公開と言う感じでしょうか?

園監督 そうですね。ものすごく気に入っている作品で早く公開したいと待ち望んでいたので、やっとここまで来たという感じです。

神楽坂 公開まで長かったですね。私も、やっと・・・という感じがします。

◎ここで 『恋の罪』 予告篇を上映◎

― どのシーンも引き込まれ、どの一瞬も見逃せない映画ですよね。衝撃的なシーンも多いですが、女の性や業みたいなところに、かなり感応する部分がありました。公開を間際に控えられてのメッセージを監督から頂きたいのですが。

園監督 一見ダークで、いつものムードだなと思われがちなのですが、実際はこの映画は 「女性賛歌」 です。女性を讃え、「女性はもっと自由に生きるべきだ!」 というメッセージを込めたポジティブなテーマで描いているつもりです。ぜひ、そのあたりを感じて頂ければと思います。

― 3人の女性の中に強い意志や覚悟を含め、「女性の生命力」 みたいなものを感じたのですが、神楽坂さんは脚本をご覧になってから演じられるまでに、色々な葛藤もあったのではないでしょうか?

神楽坂 自分の今までの経験を振り返り、嘘をつかずに素直な自分を出せるよう、いずみという役に自分がなりきれるようにと思いながらやりましたが、監督に追い込まれて追い込まれて・・・凄かったです。

園監督 コーチと選手のようなもので、完全に体育会系の特訓みたいな感じでした。

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― 監督が本作の発想を持たれてから脚本にされるまでの期間は、どのくらいだったのでしょうか?

園監督 取材期間もありますが、『冷たい熱帯魚』 を撮った後にすぐに始めたので、自分の気分としてはものすごく早かった感じがしています。2ヶ月くらいだったのではないでしょうか。撮影は去年の11月で、『冷たい熱帯魚』 で神楽坂さんに出演してもらい、次も出てほしいと思いましたので、彼女に出演してもらう前提で書いていました。

MC いずみはかなり難しい役どころだと思いますが、神楽坂さんを念頭において書かれたのでしょうか?

園監督 多少アテ書きしたところもありました。『冷たい熱帯魚』 では4番手くらいの役柄でしたが、今回は主役3人のうちのひとりとして、もっとガツンと向かい合って、もっと深く演技をしてもらいました。

― 最初に脚本をご覧になったり、監督から役柄の説明をお聞きになってみていかがでしたか?

神楽坂 私のことをよく見て頂き、書いて頂いている部分が結構あります。最後の方は 「今の私」 の姿なのですが、それまでは 「今までの私の姿」 が反映されているという感じでしょうか。

園監督 彼女にも取材し、グラビア時代の経歴や今までの人生を聞いて、脚本を変更したり、新たに付け加えていったところもあります。

神楽坂 私自身以前は、ああしたい、こうしたいと思っても中々言えず、自信もありませんでした。でも、何か出来るはずだと思うところもあったりして。そのような時に園監督と出会い、「自分はもっと自由になって良いんだ」 と思いました。

― 女優・神楽坂恵の覚悟を含めた 「勝負の映画」 だと思うのですが、監督は神楽坂さんについて撮影を終えて改めて思われたことはありますか?

園監督 彼女は、ものすごく器のデカイ女優です。現場で女優さんに脱いでもらう場合、多くの場合現場にある種の緊張感が走るんですよ。ところが彼女はポンポンと脱いでくれて男らしいと言いますか、非常に男性的に対処してくれます。それはすごく爽やかで、現場に良い空気を与えてくれますし、誰にも余計な緊張感を与えないんです。

神楽坂 流れを止めたくないですし、時間もありますし、私のせいで皆さんの気持ちが途切れるのはイヤですからね。

MC 潔さがあるのですね!

園監督 はい。本当に男らしくて素晴らしいです!これからも、どんどん一緒に映画をやっていきたいと思っています。

MC このタッグがずっと続くのを楽しみにしています。

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― 話題を写真集の方に移しますが、高校生の頃から荒木さんに撮影してもらいたいと切望していたのが今回実現したそうですね?

神楽坂 高校生の頃から漠然と思ってはいたものの、荒木さんに撮って頂くためにこうなろうとか、こうしようという具体的なものが見えていたわけではない中で、だんだんと輪郭が出来、そして実現したことが夢みたいです。

MC 本格的に考えられるようになったのは、やはり女優として自信がついてからですか?

神楽坂 自分の中で、何か掴めたものがあってからです。そうなる前の段階、3年くらい前では見透かされてしまいそうで、撮って頂くことは無理だったと思います。

― 荒木さんのカメラの前に立つのは、写される側もかなりの力が必要になりますよね。園監督は写真集をご覧になっていかがでしたか?

園監督 凄かったです。さすが荒木さんだなと思いましたし、ある意味ちょっと悔しい(笑)。こういう面があるんだ?と気付かされるようなヒントのいっぱいある写真集で、次の映画でこんな感じで撮ってみたいなと思ったりしました。

MC 神楽坂さんご自身は出来上がりをご覧になっていかがですか?

神楽坂 ありがたいですね。本当にただただ嬉しい気持ちです。私が文章をつけていいのだろうか?と思うくらいです。

MC でも素敵な文章で、荒木さんも神楽坂さんの文章をお読みになって、「お、いいね!」 と仰ったそうですよ。

◎ここで、神楽坂恵アラキネマバージョンDVDを上映◎
(アラキネマとは、2台のプロジェクターを用いて、写真が次々とフェイドイン、フェイドアウトしていく映像作品)

― では、アラキネマをご覧になった感想を一言ずつお願いします。

神楽坂 感動しました。大きなスクリーンでかけて頂いたこともそうですが、アラキネマを作って頂いたということが、凄いことだと思っています。

園監督 やはり凄いなと。先ほども言いましたが、ちょっと悔しい感じです。すごく良い表情をしていて、改めて感動しました。こういう表情の映画を撮りたいです。

★ここで、今回神楽坂さんの写真を撮られた写真家の荒木経惟さんがご登場★

荒木 誕生日だそうで、おめでとう!(花束を贈呈)

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神楽坂 ありがとうございます!

荒木 誕生日だけど、今日は “女優・神楽坂恵誕生の日” みたいだね。撮っているうちに、だんだんキレイになっていった。そんなふうに変わる要素があるということは、かなりイイ線いくよ!監督、そうでしょ?

園監督 はい。

荒木 これから相手次第だね。監督にしろ、何にしろ。『恋の罪』 をアタシも観たけど、こんな可愛い顔して発狂しているんですよ。女3人の中で一番発狂している。言い換えると発情しているんだよね。そこが良かった!今は、中のものがどんどん出ている時期。だから良い!誕生、美(たんじょうび)ですよ!

― では、今日は女優・神楽坂恵誕生の日ということで、改めて今後の意欲などをお聞かせ頂きたいのですが。

神楽坂 大雑把な言い方かもしれませんが、私はスクリーンの中でちゃんと生きている人になりたいなと思っています。

荒木 アタシは下町の育ちで、花火育ちなんだよ。花火はバーンとハデに出て、パッと消えていく。儚くて、どうしても切なくなっちゃうんだな。それがもしかしたらアナタに感じた気持ちかもしれないけど、写真集のあとがきに 「私は風景になりたい」 と書いてくれてたでしょ?風景じゃなくて、アタシは景色にしようと思っていたんだよ。アタシは、いつも女性を撮る時には景色にしたい。本人に捧げるというのかな。園子温監督は自分に捧げているよな?

園監督 (笑)

― では、最後に一言ずつお願いします。

園監督 『恋の罪』 も、アラキネマに負けない感じで神楽坂恵の魅力が満載ですので、ぜひご覧頂きたいと思います。11/12(土)テアトル新宿ほか全国ロードショーですので、よろしくお願いいたします。

荒木 「写狂老人日記」 発売にあたり、10月に展示会をやります。

神楽坂 こんなに素晴らしい日を過ごすことが出来、とても嬉しく思います。今まで出会った人たちとの繋がりを実感しています。これからも出会いを大切に、そして自分の気持ちに素直に頑張っていきます。ありがとうございました。

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ようこそ、愛の地獄へ

『恋の罪』

★2011年11月12日(土)
テアトル新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル池袋ほか全国ロードショー★

90年代、渋谷区円山町ラブホテル街で起きた
実在の殺人事件からインスパイアされた、禁断の世界――

監督:園子温
出演: 水野美紀 冨樫真 神楽坂恵
児嶋一哉(アンジャッシュ) 二階堂智/小林竜樹 五辻真吾 深水元基 内田慈 町田マリー 岩松了(友情出演) 大方斐紗子/津田寛治

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©2011「恋の罪」製作委員会

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