イベントレポート

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6/18(土)公開 『東京公園』 完成披露記者会見にメインキャスト全員が集合!
2011年06月02日(木曜日)

今月6月18日(土)より公開となる映画 『東京公園』 の完成披露記者会見が、6月2日(木)に行われました。

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本作は、小路幸也さんの同名小説を、世界的映画監督であり三島賞作家でもある青山真治監督が映像化した作品で、公園を舞台に豪華出演者を迎えて描いた、優しくも切ない想いがあふれる、みずみずしいラブストーリーです。

完成披露記者会見には、三浦春馬さん、榮倉奈々さん、小西真奈美さん、井川遥さんらメインキャスト全員と青山真治監督が出席し、撮影や役柄に関わる様々なエピソードを披露して下さいました。

― まずは作品が完成しての感想と、役柄について一言ずつ説明をお願いします。

青山監督 4年ぶりの長編作品ということで、生まれ変わるように、若々しい映画にしたいと思って取り組みました。キャストの皆さんのお力をお借りしてそれに成功し、若々しい映画になったのではないかと思います。

三浦 僕は、公園に行っては家族写真を撮り、未来に少し不安を持っている、今どきの普通の大学生・光司を演じました。今日はよろしくお願いします。

榮倉 私は、光司の幼馴染でもあり、光司の親友の元カノでもあるという不思議な間柄の富永美優を演じました。この映画が本当に好きで、早く公開して欲しいなという気持ちで待っています。よろしくお願いします。

小西 私は、すごく真っ直ぐで、深く純粋な思いを心の中に抱えつつも、サッパリとした、カラッとした光司の義理の姉・美咲を演じさせて頂きました。観た後に、清清しいような、顔を上に向けて歩きたくなるような、そんな作品だなと思いますので、ひとりでも多くの方に観て頂ければと思っております。

井川 私は、三浦さん演じる光司がいつもファインダーを向ける、娘とともに公園を散歩する主婦を演じました。実は今回セリフがなく、中々つかみどころのない役なのですが、それこそがこの映画の中にある、「見えないけれども強く心で思っている」というところの役どころではなかったのかなと思います。『東京公園』というタイトル通り緑豊かな公園で撮影しており、その景色がとてもきれいです。映像美としても楽しんで頂けると思いますし、人と人との繋がりを温かく描いた映画ですので、そういったところも観て頂けたらと思います。

― 青山監督は、出演者の皆さんとは初めてのお仕事だったそうですが、ご一緒されていかがでしたか?

青山監督 実に眩い方々でしたね。今もまだちゃんと真っ直ぐにみられないくらい、眩しすぎてどうしようという感じです。僕にとっては久しぶりの撮影だったので、毎日が楽しくて楽しくて、仕方ない日々でした。

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― キャストの皆さんが横で笑っていらっしゃいますが、キャストの方々は今回の撮影現場で印象に残っていることなどございますか?

三浦 青山監督から 「次は、こう動いて」 という突発的な演技指導があるのですが、それが僕もスタッフも全然考え付かないような、すごく斬新で、とても素敵な演出なので、スタッフの皆さんと「青山監督の演出って、やっぱり素晴らしいね!すごいよね!」と話していたことを憶えています。

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榮倉 「楽しそうだな~」と毎回思うくらい、監督が現場ですごく楽しんでいるのが感じられました。監督は、衣裳合わせの時にいきなりいなくなり、その行方を誰も知らなかったり、撮影現場の居間で寝っころがっていたり、自由なネコちゃんみたいな動きをされる方なので 「真っ直ぐみられない」 なんてウソだ!と思っています(笑)。

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小西 本当にその通りで、突拍子もない、想像もつかないような演出をして下さるのですが、その時はおもちゃをみつけた子供みたいに、すごくキャッキャッしているというか、キラキラしています(笑)。そんな監督をみているのが楽しくて、監督をみているだけで現場が明るくなりますし、チームワークも出来ますし、演出して下さっている監督をみているのがすごく楽しい現場でした。

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井川 撮影部隊がかなり遠くにいたので、監督の姿を探すのが大変でした。ましてやセリフを喋っていないため、「これで良いのだろうか?」という思いで一生懸命に監督に視線を送ると、やっと頷いて下さるという感じで、いつも悩みがならの撮影だったので、出来上がったものをみてちょっと安心したところがありました。今日も、撮影現場と同じくらいの距離感ですね(笑)。

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― 今回のご自分の役柄と似ている部分や共感できるところなどありましたか?

井川 メッセージを送りながら東京の公園を散歩している役だったのですが、公園で考えごとをしたり散歩することが自分も好きなので、撮影でも公園を満喫しましたし、そこは一緒かなと思います。ベビーカーを押しながら子供と一緒に散歩することは、まさに日常とリンクする感じではありましたが、「あれ?今日うちの子置いて散歩にきちゃった・・」という感じでしたね(笑)。

小西 私は実際に弟がいないのですが、憎まれ口を叩き合いながらも、美咲の持っているリアルな感情をちょっとずつ出していくというシーンがクランクインだったので、弟との掛け合いがスムーズにいくのかちょっと不安もありながら緊張して現場に入ったのですが、姉貴みたいな感じでの掛け合いが意外にスムーズに出来たので、自分の中にもこういうところがあるのかなという、新たな発見をさせて頂きました。

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榮倉 私が演じた役は食べているシーンが多いのですが、共通点といえば食べることが好きなことくらいでしょうか。三浦さんとは居間での共演シーンが多く、幼馴染という設定だったので、「いきなり幼馴染の空気出せるかな?」 とちょっと心配だったのですが、監督が演出を楽しんでいる姿だったり、寝転んでいる姿だったり、そういう色々な空気感に助けられて、多分すんなりと幼馴染という関係は作れたかなと思います。

三浦 今回の役は、今までやってきた役の中で、実際の僕に一番近いのではないかと思えた役です。普段は結構スローテンポですが、たぶん 「周りの人に合わせられるような人間」 なのではないだろうかというところで、役作りをしたんですね。榮倉さん演じる富永には富永のリズムがあって、それについて行けるような男でもあるし、もちろんお姉さんにもついていける。バイト先のマスターにもついていけるような、そんな社交性も持ち合わせながら、自分のペースも守りつつ、何か内に秘めた陰の部分もあったので、とても魅力的な役でもあり、すごく興味をもって演じさせて頂きました。

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MC 光司は女性達をみつめるという役どころでもありましたが、美しい女優さんたちと共演されて、どのようなお気持ちでしたか?

三浦 絶対聞かれると思いました、その質問(苦笑)。どの取材を受けても絶対に聞かれて・・・。(小声で)監督、僕こういう質問苦手なんですよ・・。

青山監督 「美しすぎて、見ていられませんでした」と言っておけばいいんですよ。

三浦 そうですね。真っ直ぐ見られませんでした(笑)。

― 映画の中の東京の風景がとても爽やかですが、何か公園にまつわる心に残る思い出はありますか?

青山監督 春に家でメダカが生まれたのですが、あまりに大量だったので近所の公園の池に放しに行ったところ、そこにはものすごい数のおたまじゃくしと亀がいて、「生命の楽園」 だったのを見て、度肝を抜かれました。公園って、そういう場所でもあるんだよなと思いました。

三浦 公園の思い出は色々ありますが、一番近い記憶は、高校時代に駒沢公園で夜一生懸命ランニングしていたことですね。小さい頃には、回るジャングルジムで、いかに速度を上げて回れるかを友達と一生懸命やっていました。これといってロマンチックなストーリーがないので、これから作っていきたいと思います(笑)。

榮倉 公園で育ったと言っても良いくらい小さい時は毎日公園に行って、無邪気に走り回って遊んでいました。最近では、レジャーシートを敷いて友人と3、4人で、それぞれ本を読んだり、ゲームしたり、ボーッとしたりしながら何時間も過ごしたのですが、自分で目的を変えられるってすごいなと思いました。形のない場所で、すごく好きです。

小西 私も子供の頃から公園が身近にあったのでよく行っていたのですが、例えば友達が飼っているワンちゃんや、ちっちゃい子供たちと一緒に公園に行って遊ぶと、自分がいつも来ている公園なのに、みつけられなかった場所や行こうと思わなかった場所に出会えたり、チビちゃんと一緒に寝っころがってみると、同じ公園なのに違う景色にみえたり、犬の散歩に来ている方がどんどん集まってきて色々な方とお話が出来たり、ずっとそこにあるものなのだけれども、自分の気持ちや一緒にいる人、目線をちょっと変えるだけでどうにでも感じられるので、本当に面白い場所だなと改めて最近思うようになりました。

井川 記憶を手繰ると、自分が過ごした場所には全て公園があったという感じがしています。桜が散りさくらんぼが生った頃には、完熟しても全然美味しくないさくらんぼを木に一生懸命登っては食べていた記憶もありますし、高校時代は自転車通学で、ショートカットするために大きな公園を通学路として使っていたので、そこでいつも四季を感じていたなという記憶があります。そして子供をもってからは、家を探す時に近くに公園がないだろうか?と、いつも考えているようなところがあります。世代によって用途も違いますし、その時々の思いがあるのですが、いつもそこにあって、ふと自分に立ち返る場所になったり、安らげる場所になったりと、すごく良い空間だなと思います。

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― 素敵なキャスティングが揃いましたが、監督のどのようなこだわりで決定されたのでしょうか?

青山監督 「とにかく爽やかな映画にしたい」 という思いが最初から強く、観る側は当然役者さんをご覧になりますから、役者の方々が爽やかでないと映画も爽やかにならないというわけで、「爽やかさ」を基本に選ばせて頂きました。それぞれ違った爽やかさではありますが、皆さん初めてお会いした時に「あ、なんて爽やかな人なんだ」と思いました。三浦さんは、いるだけで爽やか。男の僕が言うのも変ですが、一緒にいると「ちょっと眩しい」という、美しい爽やかさがありますね。榮倉さんは、僕的には “That's 富永” という感じでした。富永は、若い女の子という僕から一番遠い距離にあるキャラクターなので、そういう人物をどう造形するかあれこれ考えたあげくお会いしたところ 「あっ!この人だよ、富永は!!」 と、ピシャリとハマッた感じがしました。ショートカットが、なんとも爽やかでしたね。小西さんもお会いしたところ 「あぁ!この人がお姉さんだよ!この人しかいないよ!!」という感じで、本当にサバサバしたお姉さんの雰囲気でした。お酒を飲まれないそうで、それも爽やかだな~と。井川さんも、「この人なら追いかけるよなぁ。こんなに公園の緑が似合う人もいないだろう」というくらい爽やかな感じがしました。世代的にも僕と一番近い・・という言い方は相当失礼で、もっと全然若いですが、でも一番近いと言う意味では、こんなに爽やかに存在する方もいらっしゃるんだなと。そんな 「爽やか統一」 が出来たことを誇りに思っております。

― 皆さん役者としてそれぞれ立派なキャリアをお持ちですが、今回の作品で何か苦労された点や撮影中の思い出に残っているエピソードなどはありますか?

三浦 「苦労した点はない」と言ったら、頑張ってないのかと思われてしまうかもしれませんが、それほど現場の空気感も良くて、青山監督にすごくノビノビやらせて頂きました。この物語の終盤に僕が長セリフを喋るシーンがあり、本番一発で決めることが出来たのですが、それを青山監督が「素晴らしいっ!!」と言って下さったんですよ。青山監督って、ふだん全然褒めないんですね。でもそのカットだけ褒めて下さいまして、それが心からの叫びに聞こえたんです。役者をやっていて、監督から、心の底から素晴らしいと言われることなんてめったにないことなので、それが自分の誇りというか、支えでもありましたし、一生宝物に出来るような気持ちと言葉を頂いたなと思ってます。

青山監督 本当に、心の底から「素晴らしいっ!」と叫ばせて頂きました。

榮倉 苦労した点は、富永は脚本の中ですごく喋っているにも拘わらず、人柄が中々つかめなかったところです。でも、「そういう人なんだな」 という結論に達しました。つまり、人に本性を出さないから色々ある。だから、発する言葉にはすごく深い意味がある。「そういう人なんだ」と思うことで解決出来ましたが、富永の役をつかむことに一番苦労しました。後は、監督が自由に操ってくれる分、自分で台本をちゃんと読んで、色々と考えていかなくてはならないという作業を与えて下さったので、やり甲斐がありましたし、責任は感じましたが、すごく楽しかったです。

小西 印象に残っているシーンは、大島ロケです。大島は初めてで、南国みたいなところなのかなと思っていたら、風がすごくて。光司くんとお父さんと岬の突端に立って海をみるというシーンだったのですが、気を抜くと誰かが画面からいなくなってしまうくらいの強い風が吹いていて、上半身しか映っていない時は、3人とも仁王立ちをしていました。そんな中で美咲の感情がすごく高まるシーンがあるのですが、風で髪が顔にかかってしまうため、スタッフさんが間近で毛布を持って風除けして下さったんですね。仁王立ちはしているし、スタッフさんは近いし、髪はすごいしで、ちゃんと感情を込めて出来るだろうか?と若干不安になりながら本番に臨んだところ、さっきまで私の顔をじーっとみて風除けをして下さっていたスタッフさんの気配が、本番の声がかかった瞬間にサーッとなくなり、本当に集中してそのシーンに臨めたんです。何というか、気持ちを一体化して下さっているような感じがして、自分が仁王立ちだったことも忘れるくらいに、スタッフさんや監督の皆さんが一体になって撮影をして下さったことに、本当に良いチームに出会えたなと感謝の気持ちでいっぱになりました。

榮倉 そのシーンの小西さん、すっごいキレイなんですよ。本当にキレイさに感動したんですけど、今の一体感とか奇跡の重なりのようなお話を聞いて、感動して鳥肌がたちました。

小西 に、仁王立ちって言わない方が良かったかな・・(笑)。

井川 私はセリフがないということで、どう取り組めば良いのかな?と思ったのが、最初でした。もちろんセリフがあればあるで、言葉にしてしまうからこそ自分でものに出来ない時や、別の意味の難しさがありますが、今回の役に関して最後に行き着いたのは、私はあくまで自分の意識はそこに置かず、「光司の目線で私がいる」 ということです。「ただ本当に、東京の公園を満喫すれば良いんだな。今日も、公園を楽しみに行こう」というところに最後に行き着けたのですが、終わってから監督の役に対するコメントを伺った時に 「存在そのものでいてくれればいい」 という言葉を聞き、不安がスーッと取り払われたような感じがしました。

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映画 『東京公園』 は、まもなく6月18日(土)公開。
青山監督が自信を持ってお送りする “爽やか” キャスティングの爽やかな映画をぜひ劇場でご覧下さい!


『東京公園』

★2011年6月18日(土)新宿バルト9ほか 全国ロードショー!★

まっすぐにあなたを見つめる。
大切な人への思いがあふれだす優しい物語。


監督・脚本:青山真治
出演:三浦春馬 榮倉奈々 小西真奈美 井川遥
原作:小路幸也「東京公園」(新潮文庫刊)
共同脚本:内田雅章 合田典彦

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©2011映画「東京公園」製作委員会


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