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【続報】『マイ・バック・ページ』 公開直前イベントで、妻夫木聡さんが若い世代にエール!
2011年05月20日(金曜日)

来週末5月28日(土)より全国公開となる 『マイ・バック・ページ』 の公開直前プレミア試写イベントが、5月19日(木)に行われましたので、【続報】をお伝えいたします!

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本作は、実在の事件がベースになっている川本三郎さんの原作 「マイ・バック・ページ」 を映画化した、若き鬼才・山下敦弘監督の最新作で、激動の時代に翻弄された若者たちのすべてを描く、衝撃と感動のドラマです。

1960年代後半~70年代、激動の時代であった日本。その時、若者たちは何を感じ、何を考えていたのか?本作の主人公たちと同世代の方たちに、ぜひご覧頂きたいということで、この日の会場には20歳前後の300名のお客様がご招待されました。

会場後方から、妻夫木聡さん、松山ケンイチさん、忽那汐里さん、石橋杏奈さん、韓英恵さん、中村蒼さん、そして山下敦弘監督が登場し、客席を通って舞台に上がると、会場は大きな歓声に包まれました。

まずは一言ずつ簡単なご挨拶を頂いた後、MCからそれぞれに質問です。

― 妻夫木さん演じるジャーナリストの沢田は原作の川本さんがモデルですが、実在の人物や事件がベースの作品ということで、何か事前に準備などされましたか?

妻夫木 ジャーナリズムとは何か?という知識を得ることも大事だと思い、まずは色々な文献で調べました。しかし、やはりその時代と今の時代では、色々なことに対しての感じ方や情熱が違うと思ったので、役になりきるために東大や川本さんが育った阿佐ヶ谷の商店街へ行き、写真を撮って歩くなど、実際に見て、触れて、何か感じるものを確かめることをしました。映画の最後に映った表情をご覧になって、皆さんがどう感じるか分かりませんが、これからの人生に、少なからず影響を与えるものにはなったと思っています。

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― 赤邦軍リーダー・梅山を演じた松山さんは、山下監督とは以前もご一緒していますが、『マイ・バック・ページ』 の現場はどのような雰囲気でしたか?

松山 山下監督は現場で色々決めて下さるので、色々なお芝居を試させて頂けるんですね。それでだんだんお芝居が固まっていくのですが、監督がそのようにして下さるお陰で、みんなで1から作っていくという雰囲気が出来あがり、お芝居も毎回納得のいくものになりましたので、僕はすごく充実した3週間でした。

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― 忽那さんは新聞社や出版社という場所での妻夫木さんとの共演シーンが多かったと思いますが、60年代~70年代という時代をどのように感じられましたか?

忽那 「学生運動」 というフレーズで、残念ながら何のインスピレーションも浮かばない世代なんですね。撮影現場は編集部が多かったのですが、みたことのない空間が繰り広げられていて、ずっと「未知な空間に飛び込んでいる」という感覚でした。

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― 赤邦軍の一員で、梅山の恋人・重子を演じた石橋さんは、松山さんとの共演シーンが多かったと思いますが、撮影現場での思い出などありますか?

石橋 松山さんと妻夫木さんは事務所の先輩で、妻夫木さんとの共演シーンはなかったのですが、松山さんの撮影をしていない間の雰囲気や撮影中のお芝居など、すごく勉強になった現場でしたし、自分が生まれていない時代のお話だったので、胸に残る作品になりました。

― 同じく赤邦軍の一員・赤井を演じた韓さんも、今回の映画で初めて学生運動を体験されたと思いますが、撮影を通してどのようなことを感じましたか?

 私は今大学生なのですが、学生運動については歴史の授業で学んだり、また私の役は原作にはなかったのですが、監督に原作を貸して頂いて、学生運動の “熱気” というものを学び、そこから役に入りました。

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― 赤邦軍の一員として梅山を尊敬する若者・柴山を演じた中村さんは、本作を演じるにあたって何かポイントにされた点などありますか?

中村 僕が演じた柴山は、その言葉が適切か分かりませんが、ごく普通の人間で、“楽しかったら笑う” “怖かったら怯える”という人間らしい人物なので、そういう部分をしっかり表現して、今の時代の方達がみても共感してもらえるような演技が出来たらいいなと思い、そこを意識して演じました。

― そしてメガホンをとられた山下監督は、今回の作品作りで何か気にかけたことはありますか?

山下監督 スタッフも含め、僕らが生まれていない時代のお話だったので、僕らなりの解釈、僕らなりの視点で原作の 「マイ・バック・ページ」 を映画化しようという思いで、やりました。

MC このキャストの方々との映画作りは、いかがでしたか?

山下監督 キャストは、完璧だなと思っています。今日登壇しているのは若い方ばかりなので、彼らだけみると爽やかな映画かな?と思われると思いますが、色々な人たちが出てくる映画で、全員すばらしいキャスティングになっています。

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本作は、激動の時代に 「若者が悩み、葛藤していく映画」 ということで、映画の主人公たちと同世代の会場のお客さまにも参加して頂き、○×形式の若者の本音に迫るアンケートが行われました。果たして、今の若い世代の皆さんの本音とは??

Q.1 いま現在、自分にとって夢中になれるものがありますか?

お客様の回答は、○が多数。代表して答えて下さった方は、「空間デザイナーを目指して大学で学んでいる建築の勉強に夢中」 と、夢を語って下さいました。

MC 妻夫木さんが20歳前後に夢中になっていたことは、何でしょう?

妻夫木 今のお客様の回答が 「“ケンイチ” くんに夢中」 と最初聞こえ、(松山さんを指して)何だコイツかよ~と思ったら、“建築” だったので良かったです(笑)。20歳の頃、僕はもう役者をやっていましたので、役者に夢中になっていましたね。満足のいくものは未だにありませんが、どうしたらもっと良いものが残せるのか?と、当時は特にあがいていました。

MC 今まさに夢を叶えていますが、その頃夢を叶えるために大切にしていたことは何ですか?

妻夫木 とにかく努力ですね。初心を忘れず、常に一つ一つのことに真摯に向き合うこと。基本中の基本ですが、それを忘れずに努力することでしたね。人間は、どうしても甘えたくなるし、楽な方に進みそうになるけれども、そういう時こそ、もう一歩先に進んでいる自分を想像し、考える。すると、意外とさらに上にステップアップしている自分というものが存在していて、そういう自分に出会えた時はすごく嬉しいので、そのような気持ちは忘れないようにしています。

MC 今18歳の忽那さんが夢中になっていることは、何かありますか?

忽那 今日のお客様も大学生の方が多いと思いますが、大学に通うことに、ものすごく夢中になっています。特に、最寄り駅までの徒歩時間に夢中で、とても楽しいです!

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Q.2 皆さんにとって、心の底から信頼できる人はいますか?

お客様の回答は、この質問も○が多数。代表して答えて下さった方は、今年大学生になって鹿児島から上京されたそうで、「地元に信頼できる友人がいて、よく電話します」 とお話して下さいました。

MC 松山さんも地方から出てきて働いていらっしゃるわけですが、心の底から信頼できる方はいらっしゃいますか?

松山 友達や家族も信頼できますが、現場を共にすると、役を通してなのですが、すごく距離が近いと感じますし、ものすごく信頼関係が生まれている感じがするんですよね。現場が終わると、信頼関係も何もないんですけど(笑)。

妻夫木 オイッ(笑)!

松山 現場というのは、その場の空気感で1つの世界が出来上がるというか、その中は信頼関係で溢れている感じがします。あとは、僕は青森出身なのですが、地元に帰るとすごく開放される感じがあり、そういう場所があるって幸せだなと思いますし、これからも大切にしていきたいと思います。

MC 中村さんは、いかがですか?

中村 僕は福岡出身なのですが、地元の友達や家族を信頼しています。ただ、むしろ連絡はあまりとらず、久々に帰った時によく話をします。その時も、このようなお仕事の話をするわけではなく、他愛も無いことを話すのですが、そういう関係が僕はすごく心地良くて、自分らしくいられるというか。なので、そんな地元の友人を僕はすごく大切にしています。

Q.3 本作で 「私はきちんと泣ける男の人が好き」 というセリフがあるのですが、男泣きはアリですか?

お客様は、大多数の方が○。代表のお客様の 「たまたま形が男とか女に生まれただけであって、涙は人間が流すものなので、良いとか悪いではなく、感情のままポロポロときたら、それはアリということなのではないかと思います」 との回答には、MCと妻夫木さんが思わず 「カッコいい!」 と唸る場面も。そして、登壇した女性キャストの皆さんも、男泣きは “アリ” との答えでした。

MC では男性陣には、ご自身が涙もろいかどうかをお尋ねしたいのですが。

妻夫木 (先ほどのお客様の回答を受け)人間だから生きている以上、男とか女とか・・・と、ちょっと言いたくなっちゃいました。ごめんなさい(笑)!僕は、相当涙もろいですね。20歳くらいまでは 「男が泣くなんてダメだろう」 と思っていて、芝居でも泣けず悩んだ時期もあったのですが、そういう考えを一回失くしてみようかなと。思春期には、家族と仲良くするのが何となくダサいと思ってしまったりするじゃないですか?そういう考えを失くして、素直に生きてみようと思えたら、色々なものに感動することは、人間として大事なことだと思いました。それが役者の仕事にも繋がるような気がして、泣きたい時は素直に泣いてみようと思ったら、今は相当泣きやすくなってしまいました(笑)。

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松山 僕は、泣かないですね。映画を観て泣くことはありますが。昔はすごく泣き虫で、怒られる前に泣いていました(笑)。ただ、感情に対して起こってくるものを抑えるのはあまりよくないなと思っていて、感情を気にするようにしていますが、涙は出ないですね。お芝居でも出ないです。まだまだ妻夫木さんのようなところまではいけないというか、まだ裸になれていない自分がいるような気はしています。

中村 僕も、あまり泣かないですね。小さい頃からあまり泣かない子だったので、別に抑えているわけではないのですが、あまり泣く機会がないというか、泣くことはないです。

山下監督 僕も、泣くことはないです。ただ、撮影が長くて疲れがたまってくるとちょっとヒステリックっぽくなってしまうのですが、その時に実はちょっと涙浮かべています(笑)。

― では最後に、山下監督、松山さん、妻夫木さんより、もう一言ずつメッセージをお願いします。

山下監督 監督した僕自身でさえ、一言ではまとめきれない映画です。ラストシーンの妻夫木くんの顔をみて、色々なことを皆さんが思ってくれると思いますし、届くと思っています。その時代を知らない世代が一生懸命作った映画ですので、特に僕は若い人に観てほしいなと思っていて、今日の皆さんの反応が楽しみです。全部がすごく良いシーンだと思っていますが、最後の妻夫木くんの顔をみた後、色々と心の中で感じてほしいですし、家に持ち帰ってほしいなと思っています。じっくり映画を堪能して頂ければと思います。

松山 「すごく悲しい事件を扱った作品」 という側面もありますし、「男が泣く」 という、ちょっと変わった、今までにみたことのない青春映画でもあるなと感じました。この時代を知ることは、これから日本や社会を作っていく僕も含めた若い世代にとって、すごく大事なことだと思いますし、最後の妻夫木さんの顔に、全部が集約されていると思います。

妻夫木 いったん僕の最後の顔は忘れて下さいね(笑)。そこを目標にみられて 「何だ、これかっ」 と思われたら、僕これからちょっと生きていけなくなるので(笑)、全体を通して楽しんで頂ければと思います。
先ほどの 「熱中しているものがあるか?」 という質問に対して、3/4くらいの人が○をあげていたのが、本当に嬉しかったです。僕は、高校卒業前から役者をやっていますが、元々やりたかった仕事でもありませんし、たまたま巡り合えたんですよね。何も出来ない自分が挫折から入り、努力して一生懸命やっているうちに好きになって、今では 「多分一生やっていくだろうな」 と思うほどの仕事になりました。仕事でも何でもそうだと思いますが、人間って、ひょんなことからすごく愛情を感じるようになるんですよね。熱中しているものがあるということは、人間として素晴らしいことだと思うんですよ。それは、絶対に将来の自分に活きてくることですし、「それがあったからこそ、多分今の自分があるんだ」 と、いつか思える日がくると思うので、熱中出来ることを大切にしてほしいなと思います。そしてこの映画は、「自分がどう生きていくか」 「自分自身とどう向き合っていくか」 を考える作品だと思います。一生懸命になることはダサいことではなく、本当に素晴らしいことだと思いますので、失敗を恐れずに、新しい一歩を踏めるよう突き進んでいってもらいたいなと思います。

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『マイ・バック・ページ』

★5月28日(土)全国ロードショー!★

その時代、暴力で世界は変えられると信じていた――

妻夫木聡 × 松山ケンイチ 遂に初共演!
監督・山下敦弘が挑む新境地!

日本映画界屈指の才能たちが<実在の事件>を基に描く、
衝撃と感動のドラマが誕生!!


出 演:妻夫木聡 松山ケンイチ 
    忽那汐里 石橋杏奈 韓英恵/中村蒼/長塚圭史 
    山内圭哉 古館寛治 あがた森魚 三浦友和
監 督:山下敦弘
脚 本:向井康介
原 作:川本三郎「マイ・バック・ページ」(平凡社)
主題歌:「My Back Pages」真心ブラザーズ+奥田民生(キューンレコード)

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©2011映画「マイ・バック・ページ」製作委員会


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