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母と子の絆に涙 『八日目の蝉』 が初日を迎え、舞台挨拶が行われました!
2011年04月29日(金曜日)

ゴールデンウィーク初日となる4月29日(金・祝)『八日目の蝉』 が公開初日を迎え、キャスト・監督による初日舞台挨拶が行われました。

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『八日目の蝉』は、直木賞作家・角田光代さんが手がけた初の長編サスペンスであり、累計150万部突破のベストセラー小説を成島出監督が映画化した作品です。本作は、母と子の絆が大きなテーマのひとつとなっており、5月8日の母の日に先駆けて、1000本のカーネーションが舞台を彩りました。

これから映画をご覧になる満席の場内には、井上真央さん、永作博美さん、小池栄子さん、森口瑤子さん、成島出監督が、まずは登場しました。

― まずは、初日を迎えたお気持ちをお聞かせ下さい。

成島監督 この日をずっと待ち望みながら今までドキドキしておりましたが、皆さんのお顔をみて、ようやくホッとしました。初日にお越し頂きまして、誠にありがとうございます。

井上 (真央ちゃーん!の声を受け、満面の笑みで)ありがとうございます!お忙しい中こんなにたくさんお集まり頂き、ありがとうございます。『八日目の蝉』初日ということで、セミの絵がついたワンピースを着てみました。(お客様から「かわいーッ!」の声)

永作 セミ?蝶々かと・・。セミ?!

井上 あ・・蝶々もいます(笑)。

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井上 悩み抜いて、(壁に)ぶち当たりながら演じた作品ですので、初日を迎えられて本当に嬉しいです。恵理菜と同じように、ひとつの光を信じて、何か違う景色が見えるのではないかと信じてやって参りました。観終わった後に、その光を同じように体感して頂けたら嬉しいなと思っています。この記念すべき初日に来て頂いて、ありがとうございました。

小池 たくさんの方に来て頂きまして、本当に嬉しく思います。ありがとうございます。私も井上さん同様、とても悩みながら取り組んだ作品です。観終わった後には、今自分がいる場所から一歩踏み出せるような、そんな背中を押してもらえるような映画になったと思います。(上映時間は)2時間27分と長そうに感じますが、全然そんなことを感じさせないとても素晴らしい作品になっていますので、じっくり観て頂きたいと思います。

森口 こんなにたくさんの方に来て頂き、大変嬉しく、感無量です。井上さんも小池さんもおっしゃっていますが、私達それぞれが悩みに悩み抜いて演じた作品です。素晴らしい作品だと自信をもって言えます。観終わった後には、ぜひ何か力をもらって帰って頂ければと思います。

永作 (博美ちゃーん!の声を受け)ふとーい声でありがとうございます(会場笑い)!観終わった後に感じているもの、何か自分についてくるもの、余韻みたいなものが、きっと皆さんにとって必要なもの、大切なものなのかなと思っています。今日は、立ち見の方もいらっしゃるんですかね?!本当にどうもありがとうございます!大変だったらたまにお座りになって、それで観られなかったなぁと思ったら、もう1回観て頂ければと思います(笑)。ゆっくりご覧になって下さい。

― まず監督にお尋ねしますが、永作さん演じる希和子が誘拐する赤ちゃんが本当に愛らしいのですが、撮影は大変だったのではないでしょうか?

成島監督 大変でしたが、永作さんが(私生活で)お母さんになっていたことが、現場ではとても助かりました。映画を観て頂いてもたぶん分からないと思いますが、実は赤ちゃんは双子なんです。ひとりが泣いてもひとりがご機嫌だったらうまくいくのでは?という浅はかな考えで双子をキャスティングしたのですが、双子なので一人が泣くと伝染してしまって、初日で目論見は頓挫しました(笑)。でも、永作さんが本当によく頑張ってくれました。

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MC やはり双子は以心伝心なんでしょうか?

成島監督 以心伝心でしたね。ビックリしました。

― 井上さん演じる恵理菜は、ある意味強く、同時に脆さを持ち合わせているという難しい役どころですが、演じられて共感できる部分などありましたか?

井上 何でこんなに大人なんだろう?という部分があり、すぐに共感することは難しかったです。こんなに大人にならなくてもいいのになと思ったのですが、徐々にそういった感情を学んでいくことで、恵理菜というキャラクターを愛せるようになっていきました。

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MC 演じながら、新たな発見などもありましたか?

井上 お芝居をしている時に、監督から「目を逸らすな」と、よく言われました。私は自分では結構人の目を見て話す方だと思っていたのですが、話しながら無意識のうちに一瞬目を逸らしてしまうことがあったんだなと、監督に指摘されて気付きました。それが新しい発見というか、学んだことです。

MC 恵理菜役には、やはり目の力が大切でしたか?

成島監督 心は少し閉じている子なのですが、瞳だけは閉じずに、行き着くところまで行き着いてほしいというのが映画の大きなテーマだったので、井上さんと相談しながら、そのような演出をしました。

― 監督とよくお話をされたという意味では、小池さんの役どころも難しかったのではないでしょうか?

小池 難しかったです。思い出せないくらい難しかったです(笑)。自分にはちょっとハードルが高すぎるのではないか?と思うような役どころでした。私が演じた千草も生い立ちに傷をもっており、今の状態から一歩踏み出さなければ・・と日々悩み、切迫しているんですね。佇まいや喋り方含め、千草という人物が自分の中に溶け込み、ちゃんと千草の言葉としてセリフを発するということが思うようにはうまくいかず、監督のご指導のもと何回もチャレンジさせて頂きました。

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MC そして井上さんとおふたりのシーンが結構多かったと思いますが、撮影中のエピソードなどありますか?

小池 井上さんがいなかったらやりきることが出来ませんでしたので、私にとっては戦友のような存在です。この作品も一生忘れないと思いますが、井上さんとご一緒したことが自分の力になり、今回の撮影を乗り越えられました。

井上 私も同じです。つらい時いつもそっと黙って隣にいてくれた存在だったので、この作品で出会えて良かったなと思いますし、私も学んだことがたくさんありました。

MC 言葉がなくとも通じ合っているような関係でしょうか?

井上・小池 はい。そう思っています。

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― 森口さんは、母のジレンマを表現するのがとても難しかったのではないかと思いますが?

森口 表面的な悲しみや壊れていく様子は分かりやすく、きっと演じることが出来ると思いましたが、「内面から苦しみ、傷つき、それでも普通の生活を送らなくてはらなないという状況の中で母性を出す」 ということは、頭で考えると分からなくなってしまいました。分からないことをたくさん監督に質問し、ご指導頂きながら一つ一つ理解していきました。

MC 夫役の田中哲司さんと話し合われたことなどもありましたか?

森口 夫婦の空気感みたいなものは絶対に出したいねと話していました。あとは、見守って下さっていたという感じでしょうか。

MC 大きな愛に包まれていたと?

森口 田中さんの役がどうしようもない男性ですから(笑)、現場でくらい大きな愛で包んで頂かないと(笑)。

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― 永作さんは、ファーストカットがどしゃぶりの雨の中忍び込むシーンだったそうですが、当時を振り返っていかがですか?

永作 鮮明に憶えていますね。あの時は、「今日充実したものが撮れれば、この先は最後までうまくいく!」 という、ある意味願掛けのような、プレッシャーのようなものを自分にかけて現場に挑んだ憶えがありますね。

MC 撮影中は、薫役の渡邉このみちゃんと一緒の時間が非常に長かったと思いますが?

永作 とても長くいました。赤ちゃんの時代も長くいられましたが、このみの方は会話が出来るので、いっぱい遊んでもらいながら一緒にいましたね。

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MC 撮影の合間も常に一緒に?

永作 いましたね。一緒にごはんを食べたり、シールをいろんなところに貼ってみたり。あとは他の子供たちもいたので、たまに子供劇団に入って一緒に練習させてもらったりしました(笑)。

MC 子供劇団の劇団員だったと?

永作 はい、私も劇団員でした(笑)。


そして、ここでもう一方、本作にかかせない大事な女優さんが駆けつけてくれました。
薫役の渡邉このみちゃんです!


お客様、キャスト、監督が見守る中、小さな身体で一生懸命階段を登りきると、このみちゃんから登壇者の皆さんにカーネーションの花束が手渡されました。

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― このみちゃん、一言ご挨拶をお願いします。

このみ かおるをえんじた、わたなべこのみです。みなさん、みにきてくれて、ありがとうございます。

MC とってもかわいいご挨拶で、一気に場が和みましたが、井上さんがお会いになったのはリハーサル以来ですか?

井上 はい。私はリハーサルの時だけだったのですが、このじっと見る目力を私も参考にさせて頂きました。映画の中でもこのみちゃんの目はすごく印象的なので、ぜひ皆さんそこもみて下さい。

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◆立派にご挨拶したこのみちゃんに登壇者からも温かな拍手!


MC 永作さんは、久しぶりにお会いになっていかがですか?

永作 嬉しいですね。さっき舞台に出る前に「じゃ、薫、先に行くよっ」と言ったら、ピクッとなったのが印象的でしたね。終わってからは、ずっとこのみって呼んでいたので。

MC 薫にスイッチが切り替わったという感じですかね?

永作 そうなんでしょうね。

MC このみちゃん、今日はひさしぶりに希和子ママに会えて嬉しいですか?

このみ うれしいです。

― では、最後に監督から一言お願いします。

成島監督 普段はもう少し技術的なことを考えてしまうのですが、ここにいるこのみちゃんや赤ちゃんも含め、素晴らしい俳優さんたちと出会えたことで、今回は監督として「あなたなら出来る。もっといける」ということを自分自身が信じ、それを伝えていくことに一番集中しました。この人達なら必ずやりきってくれるという思いが、演出の9割でした。それを皆さん本当に見事に、僕が想像した以上にやりきってくれたので、一生忘れられないクランクアップになりました。その思いが皆さんに伝わり、スクリーンで素晴らしいお芝居を楽しんで頂ければと思っています。本日は、ありがとうございました。

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『八日目の蝉』

★大ヒット上映中!★

優しかったお母さんは
私を誘拐した人でした

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出 演 : 井上真央 永作博美 小池栄子 森口瑶子 劇団ひとり 田中泯 田中哲司 風吹ジュン
原 作 : 角田光代「八日目の蝉」(中央公論新社刊)
監 督 : 成島出
脚 本 : 奥寺佐渡子
製 作 : 日活㈱
配 給 : 松竹㈱


★その他の日活ラインナップもご期待下さい★

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