松田翔太、高良健吾、安藤サクラ。未来を担う若い3人の俳優が鮮烈に体現する、恐るべき青春映画 『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』 の完成披露試写会が、6月3日(木)新宿ピカデリーで行われました。映画さながら、ケンタ(松田翔太)とジュン(高良健吾)が舞台上で “ぶっ壊し” たものは?
『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』 は、同じ施設で兄弟のように育った幼なじみのケンタとジュンが、解体作業を行う工事現場での劣悪な労働環境や理不尽なイジメといった現実をぶっ壊し、ある日ナンパしたブスな女の子・カヨちゃん(安藤サクラ)と3人で、ケンタの兄がいる場所を目指し、後戻りの出来ない旅に出る青春ロードムービー。
完成披露試写会には、ケンタとジュンとカヨちゃんをそれぞれ演じた松田翔太さん、高良健吾さん、安藤サクラさんと、職場の先輩を演じた新井浩文さん、大森立嗣監督が登壇されました。
― まずは一言ずつお願いいたします。
大森監督 本日はありがとうございます。この先、さらに大きな会場で上映できるよう、皆さんの口コミをお願いします。この映画は、なかなかハードな映画ですが、最近ゆるい映画が多いと思うので、たまにはこういう映画を観てもらえればと思います。グサッと自分の心を傷つけられるような気分になっても、それでも人生続きますから、まぁ楽しんでいって下さい。
◆大森立嗣監督
松田 観た後、自分が何か抱えていたり、考えたりしちゃってることに気付くと思うので、今日は帰りがてらご飯でも食べて気分転換して欲しいですね(笑)。皆さんにとって、今日は思い出の日になるのではないかと思っています。ぜひ心して観て下さい。
◆左から松田翔太さん、高良健吾さん
高良 この映画を映画館に観に来てくれたことがとても嬉しいです。楽しんでいって下さい。
安藤 今日は本当にありがとうございます。とても嬉しいです。
◆左から安藤サクラさん、新井浩文さん
新井 観て頂くと分かるのですが、ものすごく嫌な役をやっているので(笑)、ご覧頂く前の舞台挨拶で本当に良かったと思っています(笑)。楽しんでいって下さい。
― ところで松田さん、今日は何かスペシャルなものを持ってきて頂いたとか・・?
松田 (笑)。スペシャルなものをね、僕持っていたんですよ。それを健吾が 「翔太くんに持たせられない。僕が持ってくる」 って言ってくれたんですが、持って・・・ないよね(笑)?
新井 さっきから言ってるんですよ、健吾が。「忘れちゃったよ・・」 って。
MC まさに映画の中の2人の関係にソックリですよね。「バカーッ!」みたいな(笑)。
松田 そうなんですよね。冷や汗かきました。健吾ずっと下向いてるんですよ(笑)。でも、スタッフの方が今取りに行ってくれていて、もう間もなくという噂が・・。
MC 到着しました!で、それは何でしょうか??
松田 ニッカポッカです。今回僕らもずっと現場で履いていたんですけど、誰か欲しい人がいたら記念にサインして、プレゼントしてあげたいなと。欲しい人?
と、松田さんの言葉が終わらないうちに会場のお客様は大興奮!「ハイッ、ハイッ、ハイッ!」 と皆さん挙手で猛アピール!
高良さんの 「選べないので座席番号で」 とのアイデアにより、安藤さんが選んだ「カヨちゃん、ケンタくんの “K”」 と新井さんの誕生日 「18」 で、「K-18」 の座席の方が当選者に決まりました。おめでとうございます♪
― さて、本作はオリジナル脚本ということですが、『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』 というタイトルに込めた思いを監督にお聞かせ頂きたいのですが?
監督 まず1つは、彼らが住んでいる 「国」、彼らが生きている 「国」 とは、実は僕達が生きているこの 「今の日本」 だという思い。もう1つは、彼らがぶっ壊して抜け出した後に、「見たことはないけれど、どこかに新しい国があるんじゃないのかな」 という2つの思いがあり、このタイトルにしました。
― キャストの皆さんには、ご自身の役柄も含めた本作の見どころをお願いします。
新井 さっきもチラッと言いましたが、めちゃくちゃ嫌な役なんですよ。でも、本当は嫌な人間じゃないので、そこだけは先に言っておこうかなと(笑)。翔太とは付き合いも長いし、普段は、彼らとめちゃくちゃ仲良いんです。なので 「本当は仲良しなのに、あそこまでやるんだ?新井浩文はすごい俳優だな!」 と、ギャップをみて頂きたいと思います(笑)。
安藤 新井さんが 「本当はそんなに嫌な男じゃないんだ!」 と仰っていたのを聞いて、私も言っておかないとと思いました。カヨちゃんは、「ワキガのカヨちゃん」 と言われますが、さっき翔太くんが、ちゃんと 「ワキガじゃないよ」 って言ってくれたので、「本当はワキガじゃない!」 らしいです(笑)。
高良 僕が演じた役は、最初に台本を読んだ時には、「バカで本当に嫌なヤツだなぁ」 と思いましたが、現場に入り、翔太くんやサクラさんや新井さんを目の前にすると、「あぁ、ジュンは人の顔色で自分の出方を窺っているんだな」 と思いました。そして、ケンタくんが笑ってくれたら自分も嬉しくて、ケンタくんが悲しかったら自分も悲しいという、「存在自体がせつない人間」 だと感じました。
松田 ケンタは、とにかく感情がすごくストレートに出る。最近こんなふうに感情をストレートに出すことって中々ないと思いますし、僕自身もこの撮影を行うまでありませんでした。そこが気持ち良かったり、皆さんもどこか自分と照らし合わせたりすると思いますが、僕は結末も含めて彼らのストレートな生き方がすごく気に入ったので、ぜひ皆さんもそのあたりをチェックして頂きたいなと思います。
― 撮影現場で、特に凄かった印象に残ったシーンはどこでしょう?
松田 実は僕らふたりで車を一台破壊するというシーンがありまして・・。
新井 家の車なんです。壊されちゃうんですよ・・。
MC あれは凄かったですね。やってて気持ち良かったでしょ?
松田 頭の中ではもっと簡単に壊れるのかなと思っていたのですが、、実際にやると本当に硬いし、思ったようにガラスも飛び散ったりしないし、全然イメージと違うなと思いました。ちょうど今目の前にある大ハンマーというもので壊したんですけどね。
高良 これ、コンクリートを一発で壊せちゃうんですよね。
MC 目の前に、分かりやす~くコンクリートがありますね(笑)。
高良 壊したくないですか?
松田 やっちゃう??
ということで、ここでケンタとジュンによる “ブロック塀ぶっ壊し” の実演が実現!
MC お客様に危険はないと思いますが、このふたりがどれだけ本気でやるかは分かりません!
松田 めでたい時にお酒の樽を割るじゃないですか?あんな感じでやりたいと思います(笑)
・・・という言葉とは裏腹に、ふたりして大ハンマーを思いきり振り下ろし、ブロック塀は “ゴゴーッ” という爆音とともに白煙をあげ、一瞬にして “ぶっ壊され” ました!
※危険防止のため防御用のシートが設置され、安全に行われました
― では、最後に一言ずつお願いします。
新井 ブロック塀壊したり、すごい舞台挨拶でしたね。舞台上が凄いことになっていますが、この後、ちゃんと映画観られるんですかね(笑)?ぜひ、お友達、ご家族などにすすめて頂いて、また観に来て下さい。
安藤。これからご覧になられると思うと、何だかとても不思議な気持ちですが、今とても私は幸せです。ありがとうございました。
高良 あの・・しょっぱな(スペシャルなものを忘れて)スミマセンでした。この映画には、ケンタくんがいて、ジュンがいて、カヨちゃんがいて、その3人が戻る場所のない旅をします。その3人の旅をしっかりと観て下さい。本当に今日はありがとうございました。
松田 この映画は、すごくシンプルに考えてもらいたいなと思っています。政治的な意味も全くないし、僕らの感情だけで旅をするので、そこを感じて頂きたいなと思います。よろしくお願いします。
監督 一人でも多くの方にご覧頂きたいと思っていますので、よろしくお願いします。それから、退陣した鳩山前首相にも、ぜひこの映画をみて、何かを感じてもらえればと思っています(笑)。今日はありがとうございました。
ケンタと、ジュンと、カヨちゃんの、3人の魂のゆくえを、あなたもしっかりと見届けて下さい。
★2010年6月12日(土) 新宿ピカデリー、渋谷ユーロスペース、池袋テアトルダイヤほか 全国ロードショー!★
戻る場所は、ない。
生まれたときから親もお金もなかった。
生き方も死に方も、誰も教えてくれなかった。
(C)2010 「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」 製作委員会
監督・脚本 : 大森立嗣
出演 : 松田翔太 高良健吾 安藤サクラ
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