レイトショーが初回上映となるシネセゾン渋谷の入り口前には、早々と “初回完売” のお知らせが掲示してあるものの、初回を立ち見でご覧になる方、別の回のチケットを購入する方などでホールはお客さまでごったかえしていました。

上映開始時刻の21時。本篇が始まるものと思っていらっしゃるお客さまの前に突如ＭＣが登場し、「皆さまにお知らせしておりませんでしたが、本日急遽舞台挨拶をさせて頂きたいと思います」 とアナウンスすると、思いがけない出来事に会場は拍手と大歓声に包まれました。

そんな興奮状態のお客様の前に登場されたのは、監督の番場秀一さん、そして本作の企画者でありミッシェル･ガン・エレファントの元ゼネラル・マネージャーである能野哲彦さんのおふたり。ミッシェル・ガン・エレファントを誰よりも知るゲストの登場に、客席のあちこちからハイテンションな掛け声がかかります。

本作は、2003年10月11日の幕張のラストライブを基本にした作品ということで、おふたりにお話を聞く前に、ＭＣから 「当日会場にいた方？」 と質問したところ、お客さまの半数近くが手をあげられました。作品にはお客さまもたくさん映っていますので、これからご覧になる方はぜひご自分を探してみて下さい。

― さて、今日から公開ですが、実は出来上がったのが先週です。監督、能野さん、間に合って良かったですね。作るにあたって非常に限られた時間でしたが、良かったこと、苦労したことなどをお聞かせ下さい。

番場　苦労はないです。喜びしかなかったです。うまく言えないですが、本当に喜びの時間でした。

能野　苦労ばかりでした（笑）。何回もやめようかと思いましたが、でも色んな人の力で出来たことが本当にありがたいなと思っています。

― 監督は 「苦労はなかた」 と仰いますが、不眠不休の作業で9日に完成し、スクリーンでご覧になった時はいかがでしたか？

番場　幕張のライブは、本当にすごいライブだったなと思います。何かが宿っているような、そんなライブだったなと改めて思いました。

　◆番場秀一監督

ＭＣ　能野さんは・・？

能野　・・・。

ＭＣ　言葉では言い表せないものが伝わってきて、私もちょっと震えています。

― 今回の映画は、“ＴＨＥＥ” という一連のプロジェクト（ベスト盤ＣＤ、ライブハウスで体感する幕張ライブ、ライブＤＶＤ）としての 「ＴＨＥＥ ＭＯＶＩＥ」 で、インディーズ時代のミッシェルに出会い、生みの親として解散までマネージャーをつとめられた能野さんが全て企画されました。今回のプロジェクトをやろうと思ったキッカケや立ち上げの時期などをお聞かせ頂けますか。

能野　キッカケは皆さんもうお分かりだと思うので、あえては言いません。プロジェクトを立ち上げたのは8月の終わりで、映画の立ち上げは9月の頭です。

ＭＣ　そして、実際に作品を作りはじめたのは、監督いつ頃からでしょうか？

番場　11月です。

ＭＣ　普通の映画ではありえないようなすごいスピードで進んでいた映画の制作でした。私も側から観ていて “本当に大丈夫だろうか？” と思いましたが、皆さん本当に不眠不休で作品を仕上げ、完成に向けて言葉も出ないほどの素晴しい作業をして下さいました。

― ところで能野さん、このプロジェクト全体を進めるにあたり、ミッシェルのメンバーは何と仰っていましたか？

能野　これだけは言っておこうと思って今日来たんですが、あの3人はこの映画を観ていません。俺は一番先に3人にみせたかったんですけど、機会がつくれなかったですし、話したところ 「行きたいくない」 ってアイツらも言いました。「みたくない」 というアイツらの気持ちも、ものすごく分かります。映画だけじゃなく、ベスト盤含め色んなことをやりましたが、3人は何も関わっていません。ただ、これをやるという話は、まず3人にしました。で、「まかせる」 とアイツらは言いました。途中で細かい説明も、何もしていませんから、ベスト盤の選曲も知らないと思います。ベスト盤の選曲にメンバーが加わるなんてバンドは俺はありえないと思うので、任されたものはやりきったつもりです。映画館でみせられないのが残念ですが、アイツらもＤＶＤはみたいと言っているので、いつか酔っ払った時にでもアイツらに 「頑張ったね」 って言われたらいいなと思っています。

　◆能野哲彦さん

― では、最後に一言ずつお願いします。

番場　皆さん、今日は寒い中来て頂いてありがとうございます。今日、良い天気でしたね。すごい良い天気で、夕日がキレイで、（客席から “富士山みえてたよ” との声） 富士山みえてた？そう、東の空もすごくキレイで・・・アベさんもニカッと笑っているんじゃないかなと思っています。

能野　映画が完成し、試写会が終わった時、お世話になったプロデューサーに 「映画が出来たら、もう能野さんの手を離れましたよ」 と言われて、「あぁ、もう僕の手を離れたんだ」 と思うと、ちょっと寂しい部分もありました。ただ、もう踏ん切りはついていて、今日は子供の幼稚園の発表会をみに行くような心境です。この映画はヨチヨチ歩きのガキんちょかもしれないですが、これから一人歩きしていくので、その一人歩きを皆さんの力で支えるというか、見守るというか、育てるというか、そうしてもらえればありがたいです。本当に色んな人のお世話になって、バンドは大きくなってきました。同じようにこの映画も、色んな人の力で育ててもらえたらいいなと思います。きっと何かを感じてもらえると思うので、その感じた何かを誰かにちゃんと伝えて欲しいです。バンドは終わりましたけど、終わっていないです。後は皆さん次第ですから。そこ、よろしくお願いします。ありがとうございました。

『ミッシェル・ガン・エレファント“THEE MOVIE”―LAST HEAVEN 031011―』

★シネセゾン渋谷にて大ヒット上映中！全国順次公開！★

そのバンドと、そのライブは二度と見ることができない。
だからこそここに、永遠に体感できない狂乱のライブを焼き付けておく。
ミッシェルがスクリーンに永遠に刻まれる。

企画 ：能野哲彦　監督 ：番場秀一　
出演 ：THEE MICHELL GUN ELEPHANT
　　　　（チバユウスケ、アベフトシ、ウエノコウジ、クハラカズユキ）
製作・配給・宣伝：日活株式会社　（C） Nikkatsu
協 賛：株式会社ブロー　株式会社ブレイン　株式会社リボルバー　株式会社ヘリオス

FOREVER MICHELLE! プロジェクト総合サイト
⇒　4つのＴＨＥＥプロジェクト

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