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★『レスラー』大ヒット上映中★人気レスラー・崔領二選手も絶賛!
2009年06月24日(水曜日)

2008年のベネチア国際映画祭金獅子賞、そしてアカデミー賞主演男優賞ノミネートをはじめ世界の映画祭で絶賛をあびてきた熱きヒューマンドラマ 『レスラー』 が、6月13日の公開以来、全国で大ヒット公開中です!

自分が輝ける場所はどこか?ただ日々を生きていることに意味はあるのか?ランディ(ミッキー・ローク)の人生の選択に世界が涙した本作を、世界ヘビー級選手権試合を目前に控えたレスラー・崔領二選手がご覧になり、映画の感想からプロレスにかける熱い思いまで、崔領二選手の生の声をたっぷりと語って下さいました!

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― まずは本作をご覧になっていかがでしたか?

 本物のレスラーのドキュメンタリーをみているようで、熱くなりました。日本とアメリカのプロレスは同じようで異なりますが、海の向こうのレスラーの生き様に共感するものが多くありました。プロレスの世界というのは、レスラーを目指して一緒に頑張っていた同期が亡くなったり、共に頑張っていた先輩がレスラーを出来る身体ではなくなるなど、この映画に描かれているように本当に過酷な世界です。そして、この映画を通して “人生そのものがそれくらい過酷なものだ” と思いました。

僕は今29歳ですが、例えば40年後、50年後、僕を含め今の仲間達でリングにあがっている者はいないと思います。確実に1日1日老いていきます。ならば、周りの目、ファンの方の支持ということだけではなく “今自分がどういうプロレスをし、どういうものを表現し、どういうものをお客さまに伝え、自分がどうありたいか” が一番大事なのではないかと思いました。現役のいちレスラーとして、考えさせられることがたくさんありましたが、プロレスに興味がある方だけでなく、色んな方にみて欲しいと思います。 “この映画はこういうもの” というのがなく、僕が感じたのと同じように感じるとは限りませんが、映画の奥底にある “人生の深さ” はあらゆる生き方に共通していると思います。

僕は来週防衛戦がありますが、世界的には大きな規模のものではないかもしれません。しかし、僕は映画の中のランディと一緒で、僕がどうありたいか、どういうものをみせたいかが大事で、会場の規模は関係ありません。会場に来てくれたお客さまに、僕の描くものを思いっきりみせたいと思っていますので、この映画は本当に良い刺激になりました。

090624w2.jpg◆崔領二選手

― ミッキー・ロークのレスラーのなりきりぶりは、プロの目からみていかがでしたか?

 他のレスラーもみたら同じように感じると思いますが、この映画の中でミッキー・ロークのレスラーシーンに拘る必要はあまりないと思います。もちろん身体をみると、頑張って作ったんだなと思いますが、映画をみていくうちに身体や技などは関係なくなってくるんです。彼の表情だけで、自分がどう生きているか全て表現出来ていたので、観る前と後では求めていたものが全く違っていました。

― 本作の公開日に三沢選手の訃報がありましたが、お気持ちをお聞かせ下さい。

 心から尊敬する方です。三沢さんは、プロレスを本当に誇りに思っていた方で、命をかけて守ろうとし、広めて下さったことを絶対に忘れてはいけないと思っています。また、三沢さんだけでなく、亡くなられた方、プロレスが出来なくなった方の分まで、もっともっとプロレスを価値あるものにして広めていきたいと思います。

― 今多くの注目を集めているプロレスですが、プロレスファン以外の方に、分かりやすくプロレスを伝えるとすれば?

 亡くなられた橋本真也さんに 「プロレスは本当に奥が深い。みるだけで良い。みているだけで、自分の人生の辛いこと、嬉しいことにどこか重なる部分があるんだ」 という言葉を以前頂きました。それを聞いた時には全然分からなかったのですが、30歳手前で分かってきたことがたくさんあり、人生そのものだと感じることが多々あります。映画 『レスラー』 で描かれているのは、プロレスのほんの一部ではありますが、非常に奥深いものを描いています。そして同じくらい奥深いものが、世界中のプロレスの中にあります。僕は子供の頃 “将来どうなるかは分からないが、命を賭けてリングに立つ。お客さまのために、自分のために、リングで自分を表現する” というような選手に憧れましたし、やはり自分もそうなりたいと思っています。そいうところから何か生きるヒントみたいなものがもらえるんじゃないかなと思いますので、プロレスで世界が元気になってほしいと改めて思いました。この映画をキッカケに、色んな方にプロレスをみて欲しいと思います。

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― 一番印象に残ったシーンを教えて下さい。

 娘さんが父ランディを嫌い、ランディが過去を反省するシーンがあります。あの時こうしておけば良かったと。誰もが思い当たることがあると思いますが、そんな例え話はなく、起こってしまったことが現実なんだと僕は思います。あの時、そういう道を選んだのは自分自身なんです。色々ある中で、自分が良かれと思って選んだ道だから、“あの時こうすれば良かった” はないんです。もし反省したのなら、そこから自分で変えていくしかない。何かを始めるのに、早いとか遅いとかないんです。“本当に自分がやりたいと思った時に始める” それが答えなんだと、あのシーンをみて改めて思いましたね。

― ランディは、愛とリングでリングを選びました。崔選手は?

 両方大事なのでどちらとは言えませんが、1つ言えるのは、リングで何かをみせていきたい気持ちは強く持っています。

― 映画の中では、ランディとキャシディの悲恋が描かれていますが、崔選手にとって何か忘れられないエピソードのようなものはありますか?

 オランダで格闘の修行をしていましたが、女性はおらず男ばかりでした。日本にいる友人が遊びを行う中、僕は毎日練習を半年、1年・・と続け、“楽しいこともなく、苦しいばかりで、人生これでいいのか?この先の答えはどこにある?” と思いましたが、“いつか何かあるかもしれない”という気持ちだけでずっとやっていました。ところが、プロレスにはいると、また下積みの1からやり直しです。高校生の頃からやっていたので、そんなことが7~8年続き、“これってアリなの?”と思った時期もありました。あの頃の経験が無駄じゃなかったと分かったのは、25,6歳になってようやくです。世界中のどこへ行っても胸をはってプロレスラーだと言えるのは、その時の我慢があったからだと思います。人生には、何かを犠牲にしなくてはならないこともあるんだと思います。そこで何をとるかですが、何をとったとしても、自分の人生、誰のせいにも出来ないですね。

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プロレスファンの方はご存知の通り、崔領二選手は、ZERO1所属のレスラーで世界ヘビー級王者。
リングの上のレスラーとしてのみではなく、「あいのり」出演のほか、15歳で単身イギリスに留学するなどすごいバイタリティーの持ち主です。7月1日に控えた<世界ヘビー級防衛戦>を前に、淀川濁流特訓もされました。崔選手の思い描くレスラーは、「何でそこまでやるの?」 ということをやるが、最終的に「すげ~」 と思わせるようなレスラー。崔選手にとって、淀川濁流特訓もその1つなんですね。

映画 『レスラー』 でミッキー・ローク演じるランディの生き様に自身の人生を重ね、プロレスの奥深さを改めて実感されるとともに、多くの刺激をうけられた崔選手。7月の防衛戦、ぜひ頑張って欲しいですね!

そして、「この映画をキッカケに、多くの方にプロレスをみて欲しい」 という崔選手のメッセージが皆さんの胸に届きましたら、ぜひ 『レスラー』 をご覧頂きたいと思います。


『レスラー』

★シネマライズ、TOHOシネマズ シャンテ、シネ・リーブル池袋ほか
全国にて大ヒット上映中!★

人生は過酷である、ゆえに美しい。

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(c)Niko Tavernise for all Wrestler photo


監督 : ダーレン・アロノフスキー
キャスト : ミッキー・ローク マリサ・トメイ エヴァン・レイチェル・ウッド
配給 : 日活

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