インターネットシネマの先駆けとして05年からスタートした「探偵事務所５」は、現在までに50作品が制作され、100万人を超える視聴者数を記録した大ヒットシリーズ。劇場公開、コミック、サントラCD、グッズなど多方面における展開で熱狂的なファンを獲得してきた本シリーズの集大成とも言えるのが、本作 『THE CODE / 暗号』 です。

歌舞伎界のプリンス五代目尾上菊之助が、現代劇初主演作として本格アクションに挑み、ヒロイン・美蘭（メイラン）を演じた稲森いずみは、悪女へのチャレンジで見事新境地を開拓しました。そして、本作の鍵となる会長500には“エースのジョー”こと宍戸錠が扮し、往年の日活アクションが復活！東映のスター俳優・松方弘樹とのガン対決は、映画ファンにとって見逃せません。

そんな見どころ満載の本作ですが、プレミア試写会では、往年の映画ファンの心をくすぐる、何ともニクイ演出が待っていました。

開映を心待ちにしているお客様でいっぱいの場内が突如、暗転。そして、舞台袖から姿を現したのは・・・

　

なんと、映画界の大御所、宍戸錠さんと松方弘樹さんです！おふたりは劇中の役柄で登場すると、目にも止まらぬ速さのガン対決。静かな会場に、“バンバーン”と、銃声が鳴り響きます。

そして・・・

勝負は、相撃ち。血まで吹き出る大迫力、そして大御所おふたりの熱演に、会場から大きな拍手が贈られたところで、いよいよキャストの登場です。まずは、暗号解読の天才・探偵507を演じる尾上菊之助さん。

・・・と、大先輩の熱演をみてアクション魂に火がついたのか、尾上さんまでもが劇中アクションさながらの回転レシーブのようなパフォーマンスで登場し、これにはお客様のみならず、大先輩のおふたりも笑顔と拍手で迎えるなど、会場は大いに盛り上がりました。

続いて、ヒロインの歌姫を演じた稲森いずみさん、メガホンをとられた林海象監督が姿を現すと、会場は再び大きな拍手に包まれ、舞台挨拶がスタートしました。

　

― 今日が映画初お披露目ということで、まずは一言ずつご挨拶をお願いします。

尾上　本日はお足元の悪い中、プレミア試写会にお越し下さいまして、誠にありがとうございます。林海象監督が手掛ける「探偵シリーズ５」のシリーズ最新作 『THE CODE / 暗号』 をいよいよ本日皆さまにお披露目することとなりました。林海象監督の元に集まられた、宍戸錠さん、松方弘樹さん、そして稲森いずみさんという素晴らしいキャストの皆さんの中で映画作りに参加出来たことを本当に幸せに思っています。

稲森　上海の歌姫でマフィアの女という今までにない役柄に挑戦させて頂きました。そして、『CATS EYE キャッツ・アイ』以来10年ぶりに海象監督とご一緒できて、とても緊張感のある現場でしたが、楽しくお仕事することが出来ました。この作品は、私にとって大変思い出深い映画となりましたので、皆さんもぜひ楽しんでご覧になって下さい。

林監督　いやぁ、すごいプレミア試写会ですね。ガンファイトをお引き受け頂いたおふた方には、本当にありがたいと思っています。舞台袖で菊之助さんが 「出にくい」 とおっしゃっていたのですが、あのような形で出られて・・このような素晴らしいキャストの方々とご一緒できたことは、本当に一生の思い出ですし、ご覧頂く作品にも表れていると思います。長い時間のかかった作品ですが、本日ようやく一般の方々にご覧頂けることを嬉しく思っています。今日も美しいですが、稲森さんの画面の中の美しさ、そして皆さんの素晴らしい演技をご堪能下さい。

　

宍戸　56年映画俳優をやっていますが、これは森繁さん、三國さんなどに次いで4番目くらい（長い）かな。そんな僕が常に目指している映画は、活劇大娯楽なんです！だから、後期高齢者ではございますが（笑）、ひっくり返っても何しても大丈夫！！（本作のアクションは）松方さんも、菊ちゃんもスゴイです。菊ちゃんは、こんなにかわいい顔して、こんなに凄いことをやられちゃ俺たちが出る幕がないほど。それと、稲森さんの背中も素敵でございます（笑）。松方さんは、さすがベテランで、先ほどのガン対決も直前にちょっと打ち合わせをしただけでやってしまうほど、息もピッタリでした。

松方　劇中では、恐らく100歳に近い年齢の椎名という役をやっています。動きは軽快です。いろいろ謎の多い、とてもミステリアスな、そしてアクションのある素晴らしい映画に仕上がっています。どうぞ楽しんで下さい。

　

― 尾上さんは本作で「探偵事務所５」のメンバーになられましたが、メンバーになった感想と、印象に残っている出来事などを教え頂けますか？

尾上　林監督が愛情を込めてシリーズとして撮っていらっしゃる作品の中に、探偵スーツを着て参加出来たことは、私の中でかけがえのない経験となっております。キャストの皆さんと１ヶ月弱ほど上海ロケをし、大変充実した日々を送らせて頂きましたが、撮影が終わってからも皆さんと合宿のように毎日楽しく生活出来たことは良かった思い出です。

― 稲森さんは、映画の中で中国語で歌を歌っていらっしゃいますが、ご苦労が多かったのではないでしょうか？また菊之助さんとの共演はいかがでしたか？

稲森　中国語は、基礎を日本にいる時から１ヶ月間くらいレッスンしましたが、撮影に間に合うのかな？というくらい不安でした。上海に行ってから中国の方々と食事を共にすることによってとても身近に感じることが出来るようになり、そこでやっと私の中にすんなりと中国語が入ってきたという感じでした。
菊之助さんはいつも紳士で、誠実で・・・好奇心旺盛でしたね（笑）。そして、いつもピシッとしていて、何事にも動じない雰囲気は、とてもクールだなと思いました。（共演は）すごく楽しかったです。

MC　ということですが、菊之助さんいかがですか？

尾上　最初は、稲森さんはとてもクールで、美蘭を彷彿させるようなオーラを現場でも放っていらしたのですが、それは日が経つにつれて探偵507と美蘭のように、１つの暗号を解いていくように、色々とお話が出来るようになりました。

― 宍戸さん、松方さんは、先ほどのガンアクションも素敵でしたが、上海でのアクションはいかがでしたか？　

宍戸　エレベーターのない９階建の建物の屋上で、上海の方々とピストルの打ち合わせがあったんです。そこでコーラのビンを５本並べて 「何発か撃った後、最後に“バンバーン”とやったところで当たるよ」と、（ジェスチャーと）日本語で伝えたところ、彼らは理解してくれて、本番は完璧！楽しかったです。

松方　撮影は順調だったんですが、食生活が・・・ハァ～（会場笑い）。香港は食事が美味しいじゃないですか？でも、上海の食事はちょっと合わなくてね。

MC　お食事はお口に合わなかったということで・・・。では、最初に脚本をご覧になった時の感想をお聞かせ下さい。

松方　大変楽しい映画だと思いましたが、１つ心配だったのは、私が宍戸錠さんの大先輩の役柄なんです。実年齢だと僕の方が10歳ほど・・10までいかないかな？7つか8つか9つ程下なんですね。なので、監督に「いいんですか？」と聞いたら「いいんです。全然違和感ないですから」と。ところが違和感あるんだな、これが（笑）。髪の毛を真っ白に染めたり、真っ白なヒゲを生やしたりして、90数歳の役をやっています。

― 本作は、何本も撮られ続けたシリーズの劇場版でキャストやロケ地なども豪華ですが、監督ご自身の中で新たにチャンレジされたことはありましたか？

林監督　これまで50本くらい探偵シリーズを撮ってきましたが、毎回新たなチャレンジをしています。今回はその集大成ということで、暗号を中心におき、暗号を勉強しました。暗号というのは、何かを隠している。それはつまり、何かを伝えたいのかなと思います。それと、本作の最大の魅力は、キャスティングです。ずっとご一緒したかった尾上さんに歌舞伎界から探偵界にお越し頂くことができました。歌舞伎界のプリンスが探偵を演じることに皆さん驚かれると思いますが、同時にピッタリだと思って頂けると思います。また僕は昔からエースのジョーのファンで、この映画はエースのジョーの復活だと思っています。宍戸さん、松方さんという銀幕スターの決闘シーンを撮影した時には体がしびれました。稲森さんは10年来の友人ですが、美しく、役に没頭すると本当に謎めいていて、複雑な心境を表現出来る女優さんだと思っています。このような信頼できる方々とご一緒出来たことは宝ですし、それが映画にも反映されていると思います。

― 最後に、尾上さんより一言お願いします。

尾上　１つの暗号を元に、色んなキャラクターが描き出す愛憎、欲望、絆というものを感じて頂ければと思います。それを林海象監督が描くクールでスタイリッシュな映像美の中で、ご覧頂きたいと思います。宍戸錠さん、松方弘樹さんの激しいガンアクションも見所となっておりますので、ぜひ5月9日、劇場へお越し下さい。

『THE CODE / 暗号』

★5月9日（土）より、丸の内TOEI②ほか　全国ロードショー！★

禁断の暗号に隠された哀しき真実が今明かされる・・・

（ｃ）2008 ＴＨＥ CODE プロジェクト

製作 ： THE CODE　プロジェクト　　
配給 ：日活　　宣伝協力 ： DROP
監督 ： 林海象　　脚本：林海象　徳永富彦　久万真路　
キャスト ： 尾上菊之助　稲森いずみ　松岡俊介　斎藤洋介　佐野史郎　テイ龍進　
　　　　　　 貫地谷しほり　柏原収史　上原 歩　津田寛治　宮迫博之　夏生ゆうな　
　　　　　　 鈴木リョウジ　虎牙光揮　吹越満　坂井真紀　窪塚俊介　成宮寛貴　
　　　　　　 ♠宍戸錠　松方弘樹