コメディ、ドラマにミステリーの風味も添えた、本格落語ムービーの“真打”がついに登場!
’8月23日(土)、シネスイッチ銀座、シネ・リーブル池袋、シネマスクエアとうきゅうにて、『落語娘』の初日舞台挨拶が行われました。ミムラさん、津川雅彦さん、中原俊監督が登壇し、映画への想いを語って下さいました。
ミムラ(三々亭香須美)
―初日を迎えていかがですか?
ミムラ 撮影から1年以上経ちますが、やっとこの日が来たな、とドキドキする気持ちとワクワクする気持ちが半々です。最初に出演のお話を頂いた時、全く落語というものを知らなかったのですが、柳家喬太郎師匠にはじめて稽古をつけていただいてからは、こんなに面白いものがあるのかというくらいはまってしまいました。毎日撮影に行くのが楽しくて、この映画に出演できて本当に運が良かったと思っています。
―実際に映画の中で噺をされたんですよね?
ミムラ 教えていただいたのは「寿限無」「たらちね」など三席です。
ここで「寿限無」の一節を舞台にて披露!!
見事な「寿限無」に、会場は拍手大喝采となりました。
ミムラ ちょっと間違えてしまいました(笑)。言い訳ではないですが、このままでは喬太郎師匠と平佐師匠の名に傷がつくので言わせてもいますが、劇中では完璧な「寿限無」になっています。どうぞご期待下さい!(笑)
―会場の皆さんへひとことお願いします。
ミムラ お芝居では津川さんに、落語では柳家喬太郎師匠にご指導頂き、本当に勉強になった作品でした。公開がこれほど待ち遠しいと思ったのは初めてで、観終わった後に皆さんの心に何か残るような作品であればうれしいです。
津川雅彦(三々亭平佐師匠)
―落語家を演じていかがでしたか?
津川 落語は本当に難しいです。何百年の伝統芸ですから、一朝一夕で身に付くものではないんです。落語と僕ら俳優とは、そもそも芸の質がぜんぜん違うんです。だから落語家を演じきるというのはたいへんなことなんですね。しかも僕の役は噺家の中でも師匠の役ですからね。芸を身につけていながら、身につけていないようなそんな印象を与えなければならない。この“ベテランの味”を出すというのはめちゃくちゃたいへんなことなんです。
―映画の見どころをお願いします。
津川 師弟愛ですね。ただ師弟愛といっても、高尚な師弟愛ではなく、下心いっぱいの師弟愛でございます(笑)。こんないい女が落語をやろうなんて、なかなかないですからね。そんな下心いぱいの、ガキみたいな師匠と、見てくれガキみたいな女が互いに成長していく、そんな映画だと思います。それからもう一つ、最後、僕のしゃべりがパーっと時代劇になってセリフが絵になっていくんですね。そのあたりを観ていただけたらと思います。今までにない、本格的な落語映画だと思います。
中原俊監督
―この作品を監督して苦労したことは?
中原監督 スクリーン上で、噺をしているところだけをひたすら見せてもキツイところがあるので、そこはかなり悩みました。そこで実際台本にもあり、津川さんが言っている台詞をヒントに思いついたのが、頭の中にあることを「絵」で現すというやり方です。うまくいったと思います。
―平佐師匠と香須美のやりとりはとても魅力的でしたが
中原監督 実際ミムラさんは津川さんを本当の師匠だと思っていらっしゃるところがあるし、津川さんはミムラさんを気に入っていらしゃって、非常に懇切丁寧に教えてあげるんですね。僕が入ろうとすると、「いやいや、監督はいいから」と言って入れてくれないんです(笑)。うらやましかったですね。。
―ここだけは観て欲しいというところを教えて下さい。
中原監督 もちろん役者さんたちの頑張りは第一に観て頂きたいですね。それからもう一つ、末広亭の楽屋を非常に忠実に再現しております。皆さん普段は見ることができない場所ですので、ぜひ注目してみていただけると楽しめると思います。
シネスイッチ銀座、シネ・リーブル池袋、シネマスクエアとうきゅうほか絶賛上映中
原作:永田俊也「落語娘」(講談社刊)
監督:中原 俊
主演:ミムラ 津川雅彦 益岡徹 伊藤かずえ 春風亭昇太(特別出演) 他
脚本:江良 至
音楽:遠藤浩二
主題歌:「一途な星」 JiLL-Decoy association(PONY CANYON)
落語監修・指導:柳家喬太郎 隅田川馬石 柳家喬之助
特別協力:(社)落語協会 (社)落語芸術協会 (社)上方落語協会
制作:エクセレントフィルム
製作:ポニーキャニオン 日活 衛星劇場 テレビ東京 ポニーキャニオンエンタープライズ
©2008「落語娘」製作委員会