映画監督・小沼勝氏 逝去のお知らせ
2023.02.09(木曜日)

日活株式会社OBの映画監督である小沼勝(こぬま・まさる)氏が、2023年1月22日午後2時44分、肺炎のため逝去されました。85歳。ここに生前のご厚誼を深く感謝するとともに、謹んでお知らせいたします。なお、葬儀は近親者で行いました。お別れの会は行いません。


『夢野久作の少女地獄』(1977)撮影時の小沼勝監督 ©日活

<小沼勝(こぬま・まさる)監督 プロフィール>
1937年12月30日、北海道小樽市生まれ。61年、日本大学芸術学部映画学科を卒業し、日活へ助監督として入社。野口晴康監督、中平康監督らの助監督として経験を積む。日活ロマンポルノがスタートした71年に『花芯の誘い』で監督デビュー。ロマンポルノが終了する88年までに47本を監督し、神代辰巳、曾根中生、田中登らと共に数多の傑作を送り出す。濃厚な性愛描写と、センチメンタルで空想的ともいえる世界を混成させるスタイルを緻密な演出で作り上げる一方で、コメディやスター女優を起用した大作も手掛け、オールマイティに活躍した。代表作に『昼下りの情事 古都曼陀羅』(73年)、『さすらいの恋人 眩暈』(78年)、『妻たちの性体験 夫の眼の前で、今…』(80年)など多数。特に谷ナオミ主演によるSM作品『花と蛇』(74年)、『生贄夫人』(74年)、『花芯の刺青 熟れた壺』(76年)は世界的にも評価が高い。2000年、初の一般映画『NAGISA』が公開され、第51回ベルリン国際映画祭キンダーフィルム部門グランプリを受賞。少女と少年のひと夏をみずみずしく描いた本作は、今でもカルト的な人気を持つ。著書に「わが人生 わが日活ロマンポルノ」がある。また、小沼勝に師事した中田秀夫が、小沼勝とロマンポルノをめぐるドキュメンタリー『サディスティック&マゾヒスティック』を監督し、01年に公開された。