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『ポーリーヌ』ができるまで

監督:リーフェン・デブローワー

1969年4月15日生まれ。
HIGRO写真学校とNARAFI映画学校で写真と映画を学び、習作として1年に1本のペースで短編を発表。卒業後の1996年『LEONIE』(短篇)を1997年のカンヌ国際映画祭短編部門に出品、審査員賞を受賞する。本作『ポーリーヌ』(01年)が初の長編映画。


デブローワー監督インタビュー
~『ポーリーヌ』ができるまで



 『ポーリーヌ』の物語は私の子供時代の記憶に基づいています。二人の姉妹は一緒に店を切り盛りしていました。『LEONIE』(96年)の編集中に、私はこのことを思い出して脚本を書き始め、彼女たちが一緒に暮らす理由を探していました。この作品の最初で、二人はまだ一緒に暮らしていません。私はポーリーヌが知恵遅れで、もう一人の姉マルタと暮らしているというアイデアを思いつきました。マルタが亡くなって、ポーリーヌはポーレットとともに村に引越しすることになるのか、それとも3番目の妹セシールと一緒にブリュッセルに暮らすことになるのかということになります。


 『LEONIE』を手がけたとき、私は心にハンディキャップを負った人々のためのさまざまな施設を訪問しました。みんな私たちと一緒に仕事をしたがりました。私たちは最近の映画で扱われている知的障害者のイメージを話し合いました。映画はもちろんフィクションですが、同時に信憑性のあるものでなくてはなりません。私は訪れた施設でボランティアの仕事もしました。ここに暮らす人々を描くために、その反応を観察するためです。この経験によってポーリーヌがどのようにふるまうべきかをより理解できるようになり、本作のシーンのいくつかに影響を与えました。
 ポーリーヌを演じるためにドラ・ファン・デル・フルーンには64歳になる知的障害の女性デニス・Cに会ってもらいました。『LEONIE』の時と同様に、ポーリーヌの痴呆は登場人物たちのコミュニケーション上の問題の暗喩となっています。


 『ポーリーヌ』で、悲劇的な現実を描くことと同様に、私はユーモラスな調子を盛り込もうとしました。『LEONIE』のなかには観客の強い反応を喚起した場面がいくつかありましたが、同じことが『ポーリーヌ』にもあるだろうと思いますし、期待しています。
 知的障害の人々に接すると、学ぶべき点が非常にたくさんあります。人生の見方が変わることがあります。この人たちの微妙で小さなやりかたに、私たちは驚かされます。
 だからこそ、私はこの作品が非常に人の心を動かすと信じているのです。


《キャスト&スタッフ リスト》

Staff

監督:リーフェン・デブローワー
共同脚本:リーフェン・デブローワー/ジャック・ブーン
プロデューサー:ドミニク・ヤンヌ
撮影:ミシェル・ファン・ラール、S.B.C.
衣裳:エルナ・シーベンス
美術:ヒルデ・ダイク
音楽:フレデリック・デフレーセ
オーケストラ:メトロポール・オーケストラ

『花のワルツ』
作曲:チャイコフスキー
ロイヤル・フィルハーモニック・オーケストラ
指揮者:ユリ・シモノ


Cast

ポーリーヌ:ドラ・ファン・デル・フルーン
ポーレット:アン・ペーテルセン
セシール:ローズマリー・ベルグマンス

ポーレットの歌吹き替え:マリア・ヴェルハート

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