スタッフ・キャスト挨拶
高村薫
高村薫(原作)
原作者として皆様の熱意に大変動かされました
私は自分で書いた原作ですので、自分がいかに七面倒くさいものを書いたのかを存じ上げておりますために、今回映画化のお話を頂いた時に、まぁ、とにかく無理だろうと私自身がずっと思っておりました。
それに対してまず最初にこれを作りたい、というプロデューサーの非常な熱意がございまして、その方は近藤晋さんという方です。何年も何年も作りたいんだ、という情熱を傾けてこられまして、まずその情熱に私自身も学ぶところがございました。
そうしておりますうちに昨年、やはりそのタイミングというものが巡ってくるものでして、日活さん、東映さんという強力な製作スタッフ、また私が想像もしておりませんでした石原プロのご協力、そしてこれも私が想像もしておりませんでした平山さんという大変な監督さんがこの度、映画を作って下さるということで、これも私が原作者として皆様の熱意に大変動かされました。
私は素人ですから映画の事は判りませんけども、とにかく皆さんの熱意だけは本当にあり難いと思いましたし、その熱意が映画をつくるんだなぁ、という事を今回学ばせて頂きました。私からは本当に皆様にお礼を申し上げる他ございません。
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もの凄く手強い原作だったという事は間違いありません
この原作が出た時に当然、当時読んでいたんですけども、非常に自分があと何年後かにこうやってこの作品を監督するという意識はまるで無く読みました。
ただ、映画をやっている人間としていつかやれればいいなぁ、という風に思わせるだけのもの凄いエネルギーとパワーをもった原作だという風に思っておりました。
そしておととしから去年にかけまして、このプロジェクトが成立する過程で、自分がずっと以前からヒーローであった渡哲也さんが物井を演じて頂けると決まった時には非常にうれしかったです。
ただ、撮影自体が終わってみると、もの凄く手強い原作だったという事は間違いなく、それほどエネルギーのある原作だと思いました。
まだ現在はいろいろ仕上げの途中です。映画の中の科白で「俺の中のレディ・ジョーカーは終わっていない」という科白があります。気分としては撮影は終わったんですけども、まだまだ封切りに向けて自分の中のレディ・ジョーカーは動いているという感じです。
平山秀幸
平山秀幸(監督)
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渡哲也
渡哲也(物井清三)
監督に支えられてのレディ・ジョーカーでした
レディ・ジョーカーの物井をやらせて頂くにあたって平山監督でなければ、私は物井をやり通す事が出来なかったと、そう思っております。
と言いますのは、皆さんご存知のように、レディ・ジョーカーのあれだけの上下巻の原作を2時間にまとめるわけですから、脚本になってまいりますと私自身、どうしても理解しにくいところがございました。
監督に度々、時間を作って頂きまして、平山監督のレディ・ジョーカー観、監督が考えられる物井の人間性、人物像、等度々伺いました。
また、監督からは原作に書かれてある物井の人間性を象徴的に表現したようなところをピックアップして頂きました。それが大変参考になりました。
私にとりましては監督に支えられてのこのレディ・ジョーカーでした。そういった意味で大変監督に感謝しております。
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ずっと忘れないであろう作品になりました
合田雄一郎という役を演じるのは、初めて映画をやる僕にとって、非常に難しい事でありました。いい緊張感のなかで撮影する事ができ、ずっと忘れないであろう作品になったと思います。
徳重聡
徳重聡(合田雄一郎)
加藤晴彦
加藤晴彦(松戸陽吉)
暖かさを感じることができて、素晴らしいと思いました
自分にとって、映画全体の初日から4,5日目が撮影初日だったのですが、最初のシーンがいきなり渡さんとの2人でのシーンでした。この仕事はさせていただいて11年目になるのですが、本当に初めてといっていいくらい胃が痛くて、前の日まで寝られなくて緊張しました。でもそんな中、最後、シーンが終わった後に渡さんが後ろから、僕の肩を両手でグッと軽く掴んでいただいて、「大丈夫、大丈夫、よかった、よかった」って言ってくれて、すごくほっとしました。
今東京で1人暮らしをしているのですが、寂しい事が多い中、この仕事をやっていくなかで暖かさを感じることが出来て、素晴らしかったです。何よりも、他の役者の方々が自分よりもずっと先輩ばかりでしたので、そんな中でも、こんな僕が、何とか最終日を迎える事が出来て、「レディ・ジョーカー」という大作に出演させていただいて、自分にとっても大きな財産になると思います。
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撮影に入ったらもう無我夢中でした
平山(監督)さんから、「大方、目隠しをされて、猿轡をかまされて、縛られて、転がされている役だが良いかい」ということでした。良いも悪いも、僕は平山さんに声をかけていただいたら万障見合わせて出るという方針ですので、否も応もなくやらせていただきますと(笑)。
そして、撮影に入ったらもう無我夢中でした。加藤君には、目隠しされたまま、あたかも犬にえさを与えるようにパンを食べさせられ、徳重君には、彼は刑事ですので、付きまとわれました…嫌でした。
(苦笑)何処まで話していいのやら…。
渡さんとは、この映画のなかで、たった一度だけ、渡さんが演じられる物井という人物の経営する薬局で一瞬お会いします。それは、誘拐事件として一件落着した直後ですが、物井さん個人と城山個人という形で向き合うシーンです。で、僕が「なんだかそちらの気持ちがわかるような気がする」と言いかけますと、物井さんが「いや、あなたたちにはわかりはしない」と。で、僕がどうするかというのは、どうか完成品を観て確認してください。12月にむけて、皆さん応援お願いします。
長塚京三
長塚京三(城山恭介)
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