誰に頼まれたわけじゃない 勝手気ままに助太刀稼業 今度ばかりは故あって 命かけての仇討ち御免!真田広之主演、山下洋輔が音楽を担当した痛快時代劇。鬼才・岡本喜八監督の遺作。
五才のときに母を亡くし、父親は自分が生まれる前に母を捨てて出て行ってしまった天涯孤独の助六は、江戸へ向かって故郷・上州を飛び出した。ひょんなことから仇討ちに巻き込まれ、とっさに助太刀をやってしまう。以来、その快感が忘れられず、仇討ちがあると聞けば、頼まれもしないのに助太刀を買って出ることに。七年ぶりに故郷に帰ってきた助六は、母の墓に行ってみると一輪の菊が供えられていた。幼なじみの太郎から仇討ちの話を聞くと協力するという助六に太郎は「要らねえ」と返す。いよいよ仇討ちが始まるそのとき、仇の侍が用意してきた自分用の棺桶にそっと一輪の菊を投げ入れる。それを見て驚く助六。そう、この侍こそ、助六の父親だったのだ!思わぬところで実の父親と再会した助六、しかし仇討ちは今すぐにでも始まろうとしているのだった。