愛する
あいする
ハンセン病と誤診されてもなお、愛することで生きる少女の青春物語。

東京湾をのぞむ臨海副都心。クリスマスに遊びに来た森田ミツ(酒井美紀)は、吉岡努(渡部篤郎)という沖縄出身の青年と出会い、二人は結ばれた。しかし、愚鈍なまでの人の好さを見せるミツがうっとおしくなった吉岡は、ミツの前から姿を消した。母に棄てられた彼は女を信じられず、深くかかわって傷つくことを恐れていた。一か月後、偶然再会したした努を責めることもなじることもせず、寄り添うミツ。そんなひたむきな彼女に努も心を許し、ふたりは惹かれあう。しかし一緒に迎えた朝、ミツの腕には赤いアザが浮き出ていた。大学病院で診察したミツは「入院し、精密検査を受けてください」と地方の療養所の名が書かれたメモを手渡された。そこには、子供のころに入園させられて以来住み続けている老人、強制的に連れてこられた人、家族に迷惑がかからないように名前を変えている人などがいて、人々は自分たちの受けた不幸と悲しみに耐え、お互い強く結ばれていた。ほどなくミツに思いがけない知らせがくる。大学病院が誤診をしたことが分かったのだ―。

日本
製作:日活 配給:日活
協力:日活撮影所
1997
1997/10/4
カラー/114分/ビスタ・サイズ
日活