リボルバー
りぼるばー

盗まれた一挺の拳銃を巡り、様々な人間の運命が交差する。佐藤正午の原作を沢田研二主演で映画化。藤田敏八監督の遺作。

山川亜代との縁談に悩んでいた鹿児島県警の巡査部長・清水信彦は、海水浴場で偶然知り合った女・節子と警邏中に再会する。そんなある日、清水は公園で阿久根康男に背後から頭を打ちつけられ、拳銃を奪われた。阿久根は部長昇進目前の会社員であったが、6年も前から不倫関係にある同じ課のOL・有村美里が阿久根との関係を清算し、営業課の市来との結婚を決意したことに耐えられず、家族も地位も自らの命さえも捨ててこの結婚を阻止するつもりだった。美里たちの新居に忍び込んだ阿久根だったが、二人は新婚旅行で不在。結局殺すことができず、拳銃を動物園のゴミ箱に捨てた。受験を控える高校生の進は、ある晩塾帰りにホステスの美希が暴行された現場を目撃し、犯人に殴られてしまった。くやしかった進は、殴った男を叩きのめす力が欲しいと切実に思った。阿久根が捨てた拳銃を拾ったのは、その時たまたま動物園に来ていた進だった。進は自分を殴った男を殺すため、ホステスの美希から男の所在を聞き出し、鹿児島から札幌へ向かった。拳銃を奪われ警察を辞職した清水は、マスコミや世間の目から逃れるように節子の部屋へころがり込んでいたが、節子から美希というホステスが拳銃の行方を知っているかもしれないという情報を得て、少年を追って札幌へ向かう。自分の前から突然姿を消した清水を追って、婚約者の亜代も札幌へ向かう。鹿児島で始まったドラマは北へ向かい、札幌へと収斂していく。

日本
製作:にっかつ 配給:シネ・ロッポニカ
1988
1988/10/22
カラー/115分/ビスタ・サイズ/6巻/3162m
日活